2024.07.01(月)大会
【日本選手権】第4日ハイライト/男子110mハードル村竹ラシッド、女子100mハードル福部真子、女子走幅跳・秦澄美鈴がパリオリンピック日本代表内定!男女800mでは高校生が躍動
第108回日本陸上競技選手権大会は6月30日、新潟市のデンカビッグスワンスタジアム新潟で第4日が行われ、男女で多くの決勝種目が行われました。
ハイレベルな争いが予想された男子110mハードルでは、既にパリ2024オリンピック参加標準記録(13秒27)を破っている村竹ラシッド(JAL)が13秒07(+0.2)の好記録で優勝を飾り、パリオリンピック日本代表に内定しました。
同種目では昨年のブダペスト2023世界選手権で5位入賞の泉谷駿介(住友電工)が内定しており、残りの出場枠は2つでした。村竹は序盤から高山峻野(ゼンリン)と競り合いましたが、中盤以降で強さを見せてトップで駆け抜けました。高山が13秒31で2位、パリオリンピック参加標準記録を突破していた野本周成(愛媛競技力本部)は13秒43で5位にとどまりました。
女子100mハードルでは、前日の準決勝で12秒75(+0.8)をマークしてパリオリンピックの参加標準記録(12秒77)を上回っていた福部真子(日本建設工業)が強さを見せました。日本記録(12秒73)保持者の福部は雨が降るなか、加速で一歩リードし、田中佑美(富士通)の猛追をかわして2年ぶりに優勝を果たし、パリオリンピック日本代表に内定しました。
準決勝で日本歴代2位の12秒85をマークしていた田中が0.03秒差で2位、東京2020オリンピック日本代表の寺田明日香(ジャパンクリエイト)が3位でした。
女子走幅跳では日本記録(6m97)を持ち、パリオリンピックの参加標準記録(6m86)を突破している秦澄美鈴(住友電工)が出場しました。強い雨が降る悪条件でしたが、2回目に6m37(+0.8)でトップに立つと、5回目に6m44(+0.9)、最終の6回目は6m56(+1.4)まで記録を伸ばし、4連覇を果たしてパリオリンピック日本代表に内定しました。
1回目でトップに立っていた竹内真弥(ミズノ)が6m36で2位、木村美海(四国大)が1cm差の3位に続きました。
女子800mでは久保凛(東大阪大敬愛高)が、2分03秒13で自らが持つU18日本記録を0.37秒更新する好記録で初優勝を飾りました。400mを61秒で通過する展開で、残り300m過ぎで今大会5レース目となった田中希実(New Balance)が先頭に出ましたが、残り250mでギアを上げた久保がトップでフィニッシュしました。同種目での高校生の優勝は福田翔子(松江北高)以来、8年ぶりとなりました。
東京オリンピック1500m日本代表の卜部蘭(積水化学)が2分04秒26で2位、田中は7位でした。
男子800mでも高校生チャンピオンが誕生しました。前日の予選で日本記録に0.07秒まで迫る1分45秒82の快記録を残した落合晃(滋賀学園高)が決勝でも力を示しました。スタート直後から先頭に立ち、400mを53秒で通過。シニア選手の追随を許さず、独走ながら1分46秒56で初優勝を果たしました。
日本記録保持者の川元奨(スズキ)が1分47秒66で2位、四方悠瑚(宝塚市陸協)が3位でした。
大接戦となった男子100mはスタートで飛び出した坂井隆一郎(大阪ガス)が追い上げをかわし、10秒13(-0.2)で連覇を果たしました。この種目の連覇は12年ぶりとなりました。2位には東田旺洋(関彰商事)が0.01秒差で続き、0.005秒差で栁田大輝(東洋大)が3位。桐生祥秀(日本生命)は5位でした。
男子400mでは中島佑気ジョセフ(富士通)が終盤で佐藤風雅(ミズノ)を逆転し、45秒51で2連覇を果たしましたが、パリオリンピックの参加標準記録(45秒00)には届かず日本代表内定とはなりませんでした。既に標準記録を破っている佐藤拳太郎(富士通)はコンディション不良で欠場し、佐藤風も優勝できなかったため、今大会での内定はありませんでした。
実力者がそろった男子走高跳は2m25を1回目でクリアしたブダペスト世界選手権8位入賞の赤松諒一(SEIBU PRINCE)が優勝を果たしました。無効試技数の差で東京オリンピック日本代表の衛藤昂(KDL)が同記録で2位、オレゴン世界選手権8位入賞の真野友博(九電工)が2m20で3位でした。
女子400mハードルではブダペスト世界選手権代表の山本亜美(立命館大)が、後続を寄せ付けない強さを見せ、56秒60で圧巻の4連覇を達成。女子200mは終盤に逆転した君嶋愛梨沙(土木管理総合)が日本歴代単独3位となる23秒16(+0.8)で制し、2年連続となる短距離2冠となりました。
男女の砲丸投では、男子は2投目で18m53を投じた奥村仁志(センコー)が2連覇を果たし、女子は郡菜々佳(サトウ食品新潟アルビレックスRC)が15m67で4連覇となり、所属先の地元・新潟で2年ぶりに円盤投との2冠を飾りました。
また、同時開催されている20歳未満の日本一を競う第40回U20日本陸上競技選手権大会でも好記録が続出しました。男子800mでは昨年のU18大会優勝の吉澤登吾(桐朋高3東京)が1分47秒80の高校歴代4位の好記録をマーク。男子100mでは西岡尚輝(東海大仰星高3大阪)が10秒22(+1.1)で快勝し、女子200mでは小針陽葉(富士市立3静岡)が23秒96(+1.2)で短距離2冠を果たしています。
男子3000mでは濵口大和(佐久長聖高3長野)が高校歴代5位の8分01秒92で5000mとの2冠を飾り、女子走幅跳では橋本詩音(静岡雙葉高3静岡)が高校歴代6位タイの6m29(+0.5)をマークしました。男子110mハードルでは髙城昊紀(宮崎西高1宮崎)が13秒52(+0.1)で制しています。
文:月刊陸上競技編集部
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#運命をかけた決戦
開催日:2024年6月27日(木)~30日(日)
https://www.jaaf.or.jp/jch/108/tandf/
ハイレベルな争いが予想された男子110mハードルでは、既にパリ2024オリンピック参加標準記録(13秒27)を破っている村竹ラシッド(JAL)が13秒07(+0.2)の好記録で優勝を飾り、パリオリンピック日本代表に内定しました。
同種目では昨年のブダペスト2023世界選手権で5位入賞の泉谷駿介(住友電工)が内定しており、残りの出場枠は2つでした。村竹は序盤から高山峻野(ゼンリン)と競り合いましたが、中盤以降で強さを見せてトップで駆け抜けました。高山が13秒31で2位、パリオリンピック参加標準記録を突破していた野本周成(愛媛競技力本部)は13秒43で5位にとどまりました。
女子100mハードルでは、前日の準決勝で12秒75(+0.8)をマークしてパリオリンピックの参加標準記録(12秒77)を上回っていた福部真子(日本建設工業)が強さを見せました。日本記録(12秒73)保持者の福部は雨が降るなか、加速で一歩リードし、田中佑美(富士通)の猛追をかわして2年ぶりに優勝を果たし、パリオリンピック日本代表に内定しました。
準決勝で日本歴代2位の12秒85をマークしていた田中が0.03秒差で2位、東京2020オリンピック日本代表の寺田明日香(ジャパンクリエイト)が3位でした。
女子走幅跳では日本記録(6m97)を持ち、パリオリンピックの参加標準記録(6m86)を突破している秦澄美鈴(住友電工)が出場しました。強い雨が降る悪条件でしたが、2回目に6m37(+0.8)でトップに立つと、5回目に6m44(+0.9)、最終の6回目は6m56(+1.4)まで記録を伸ばし、4連覇を果たしてパリオリンピック日本代表に内定しました。
1回目でトップに立っていた竹内真弥(ミズノ)が6m36で2位、木村美海(四国大)が1cm差の3位に続きました。
女子800mでは久保凛(東大阪大敬愛高)が、2分03秒13で自らが持つU18日本記録を0.37秒更新する好記録で初優勝を飾りました。400mを61秒で通過する展開で、残り300m過ぎで今大会5レース目となった田中希実(New Balance)が先頭に出ましたが、残り250mでギアを上げた久保がトップでフィニッシュしました。同種目での高校生の優勝は福田翔子(松江北高)以来、8年ぶりとなりました。
東京オリンピック1500m日本代表の卜部蘭(積水化学)が2分04秒26で2位、田中は7位でした。
男子800mでも高校生チャンピオンが誕生しました。前日の予選で日本記録に0.07秒まで迫る1分45秒82の快記録を残した落合晃(滋賀学園高)が決勝でも力を示しました。スタート直後から先頭に立ち、400mを53秒で通過。シニア選手の追随を許さず、独走ながら1分46秒56で初優勝を果たしました。
日本記録保持者の川元奨(スズキ)が1分47秒66で2位、四方悠瑚(宝塚市陸協)が3位でした。
大接戦となった男子100mはスタートで飛び出した坂井隆一郎(大阪ガス)が追い上げをかわし、10秒13(-0.2)で連覇を果たしました。この種目の連覇は12年ぶりとなりました。2位には東田旺洋(関彰商事)が0.01秒差で続き、0.005秒差で栁田大輝(東洋大)が3位。桐生祥秀(日本生命)は5位でした。
男子400mでは中島佑気ジョセフ(富士通)が終盤で佐藤風雅(ミズノ)を逆転し、45秒51で2連覇を果たしましたが、パリオリンピックの参加標準記録(45秒00)には届かず日本代表内定とはなりませんでした。既に標準記録を破っている佐藤拳太郎(富士通)はコンディション不良で欠場し、佐藤風も優勝できなかったため、今大会での内定はありませんでした。
実力者がそろった男子走高跳は2m25を1回目でクリアしたブダペスト世界選手権8位入賞の赤松諒一(SEIBU PRINCE)が優勝を果たしました。無効試技数の差で東京オリンピック日本代表の衛藤昂(KDL)が同記録で2位、オレゴン世界選手権8位入賞の真野友博(九電工)が2m20で3位でした。
女子400mハードルではブダペスト世界選手権代表の山本亜美(立命館大)が、後続を寄せ付けない強さを見せ、56秒60で圧巻の4連覇を達成。女子200mは終盤に逆転した君嶋愛梨沙(土木管理総合)が日本歴代単独3位となる23秒16(+0.8)で制し、2年連続となる短距離2冠となりました。
男女の砲丸投では、男子は2投目で18m53を投じた奥村仁志(センコー)が2連覇を果たし、女子は郡菜々佳(サトウ食品新潟アルビレックスRC)が15m67で4連覇となり、所属先の地元・新潟で2年ぶりに円盤投との2冠を飾りました。
また、同時開催されている20歳未満の日本一を競う第40回U20日本陸上競技選手権大会でも好記録が続出しました。男子800mでは昨年のU18大会優勝の吉澤登吾(桐朋高3東京)が1分47秒80の高校歴代4位の好記録をマーク。男子100mでは西岡尚輝(東海大仰星高3大阪)が10秒22(+1.1)で快勝し、女子200mでは小針陽葉(富士市立3静岡)が23秒96(+1.2)で短距離2冠を果たしています。
男子3000mでは濵口大和(佐久長聖高3長野)が高校歴代5位の8分01秒92で5000mとの2冠を飾り、女子走幅跳では橋本詩音(静岡雙葉高3静岡)が高校歴代6位タイの6m29(+0.5)をマークしました。男子110mハードルでは髙城昊紀(宮崎西高1宮崎)が13秒52(+0.1)で制しています。
文:月刊陸上競技編集部
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#運命をかけた決戦