2023.12.19(火)その他

【陸ジョブナビVol.25】第100回箱根駅伝に向けて準備中!関東学連のお仕事をご紹介!



陸上の大会はたくさんの「縁の下の力持ち」によって支えられています。今回は関東学生陸上競技連盟幹事長の月岡葵梨香さん(法大4年)に話を聞きました。間近に迫った第100回箱根駅伝に向けて、学連幹事のみなさんで協力して準備を進めています。

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■関東学連の学連幹事を目指したきっかけ

月岡さんは高校までバスケットボール部でした。そこから、関東学連に入ることを決めた理由を聞きました。「高校までバスケットボールをやり切ったというのと、大学で続けるかを考えた時に、私のレベルでは本気ではできないと思いました。大学ではサークルでバスケットボールを続けるのではなく、何か本気でやりきることはないかなと探したんです。そんな時に、元々好きだった箱根駅伝は、関東学連の学連幹事が大会運営をしていると知り、入ることにしました」。しかし、月岡さんが大学に入学した2020年4月はコロナ禍の真っただ中。「例年なら4月から活動することができるのですが、私の時は8月後半からしか活動できませんでした」。でも、9月から大会が始まります。陸上競技初心者だった月岡さんがまず取り掛かったのが、「勉強」だったそうです。「最初はルールブックを読み込んで、陸上競技のルールから勉強しました。競技会ではハードルの高さを合わせるのも最初は苦労しましたね(笑)」と笑顔で1年目を振り返っていました。陸上競技経験があって運営に関わりたいという人だけでなく、月岡さんのように競技経験がなくて大学から陸上競技に関わるという人もいらっしゃるそうです。今年は4学年合わせて41人。女子36人、男子5人という内訳だそうです。ちなみに私、M高史の学生時代とは男女比率もだいぶ違っていて(昔は女子の人数が少なかったので)、驚きました。「毎年4月に新しい学連幹事が入ってきますが、自分から連絡してくれる人が多く、ホームページでの問い合わせや申し込みもあります。2023年度は説明会も実施しました。その説明会を聞いた上でやりたいという人とお話やメールのやり取りをして、最終的に入っていただきました」。


■学連幹事の役割、仕事

関東学連の学連幹事では各大会、1つの大会に1人ずつ担当を決めて、他の幹事が支える仕組みになっています。「幹事長が担当する大会は関東インカレ、箱根駅伝予選会、箱根駅伝です。副幹事長は関東学生新人。これは翌年、幹事長になった時に関東インカレを担当するのをイメージしてのことです。他の大会は2年生が担当します」。

関東学連の中でもさまざまな役職や担当があり、幹事長、副幹事長、会計、審判、報道、記録、印刷、登録、物品などに分かれています。「担当の振り分けは1年生の時に決まります。私は1年、2年は審判の派遣担当をしていました。3年生は副幹事長でしたので、いろいろな業務を経験できました」。

<関東学連の主な年間スケジュール>
5月 関東インカレ
6月 全日本大学駅伝関東学連推薦校選考会
7月 トワイライト・ゲームス
9月 関東学生新人
9月 関東大学女子駅伝
10月 箱根駅伝予選会
11月 10000m記録挑戦競技会
1月 箱根駅伝
3月 春季オープン競技会


■箱根駅伝予選会の結果発表


▲箱根駅伝予選会で結果発表を行うのも幹事長のお仕事

関東学連幹事長の業務で一番に目に浮かぶのは、やはり箱根駅伝予選会の結果発表でしょうか。月岡さんは第100回箱根駅伝予選会、メモリアルな大会の予選会の結果発表という重要な役目を務め上げました。「これがテレビで観ていた予選会のステージか、と思いました。有観客になって、想像がつかないくらいたくさんの人が集まりましたね」と月岡さん。人前で話をする機会が多いとはいえ、「これだけの注目はないです(笑)。また、発表前にリザルトを見ても表情に出さないようにしていましたし、発表している時は自分の感情が出ないように気をつけていました」。今回は関東以外の大学も出場したため、当日までの流れや当日の流れを細かく説明したそうです。箱根駅伝予選会に向けては、早くから準備が進められてきました。「関東インカレが終わって、8月以降に本格的に準備を進めていきました」と月岡さん。年間では、どのようなスケジュールで動いているのでしょうか。「まず、1月から3月は代替わりです。次年度、4月からの事業をどう進めていくのか確認していきます。3月にも大会があるので、準備もしながらですね」。5月には関東インカレがあるので、協力して準備を進めていくそうです。


■箱根駅伝当日の業務



箱根駅伝本番でも、さまざまな担当があるようです。「1、2年の時は補助員の派遣と東京陸協、神奈川陸協の審判員の派遣を担当していました。補助員は2000人、審判員は1000人の担当場所を振り分け、箱根駅伝出場校、予選会出場校のほか、協力してくれる大学を含めて約100校の大学にお願いをしています」学連役員、競技審判委員、総務委員のみなさん。OB、OG、ボランティアも含めて、本当に多くの人たちの協力を得ているそうです。また、本番に向けては「会議が多く、12月中旬からは毎日やっているのではないかというくらいです(笑)」と多忙な日々に。めまぐるしくタスクがある中で、どのようにマネジメントしているのでしょうか。「箱根駅伝までの長期計画を立てます。『いつまでにこれを終わらせる』といった感じですね。中期計画、短期計画を立てて、最終的に1日ごとのやることリストを作って、それを消化していきます」と理路整然と説明してくれた月岡さん。学生とは思えない、社会人のようですね!正月の箱根駅伝当日は、大会本部車に乗ってコースを往復するそうです。「1年生から3年生まで、ずっと緊急対応車に乗っていました。緊急対応車とは、選手に何かあった時にいち早く対応できるように、選手が少し蛇行し始めた時などに対応できるようにするための車です。」ちなみに、監督が選手に声をかける様子がおなじみの運営管理車には、ドライバー、各校スタッフ2名、競技運営委員、走路管理員の5名が乗車します。走路管理員とは関東学連、日本学連の卒業生、加盟校の主務だった人などが務めています。往路が終わって、一泊して復路のレースへ。閉会式では結果発表、表彰などを担当します。振り返り会議を行っていったんは終了。「引き継ぎ」で、学連幹事も次の代にタスキリレーをします。


■箱根駅伝への意気込みと未来の学連幹事へ

「2023年はお客さんが戻ってきて、声を出して応援できるようになったので、元あったような大会にできたのがうれしかったです。関東インカレも有観客で開催し、集団応援も復活しました。初日に集団応援を見た時は圧倒されましたね。記憶に残っている光景です」。そんな月岡さんたち4年生の締めくくりとなる第100回箱根駅伝に向けては、次のように話しました。「箱根駅伝は100回という節目ですが、今までやってきた中での1回ということで、やるべきことをやるようにしています。(箱根駅伝に向けて)できるだけ多くの人に納得してもらえるような大会運営をしたいですし、まずは箱根駅伝を楽しんでいただけたらいいなと思っています。選手みんなが楽しんでくれたらいいな、と」。学連幹事に向いている人について聞いてみると、「やはり、陸上競技が好きな方が向いていると思います。自分がどういう大会を作りたいか、考えられるような方が来てくれればと思います」とのことです。月岡さんをはじめ学連幹事のみなさんが支えてくださるからこそ、箱根駅伝で選手のみなさんが現状打破できるんですね!

>>インタビューVol.25(PDF版)はこちら


■月岡葵梨香さん
法政大学経営学部市場経営学科に在学中。小学生から高校生はバスケットボール部に所属。大学に入学してから陸上競技部に所属し、関東学生陸上競技連盟の学連幹事として活動。1、2年生は常任幹事、3年生で副幹事長となり、4年生となった2023年度は幹事長を務める。


■M高史(えむたかし)さん
1984年生まれ。中学、高校と陸上部で長距離。駒澤大学では1年の冬にマネージャーに転向し、3、4年次は主務を務める。
大学卒業後、福祉のお仕事(知的障がい者施設の生活支援員)を経て、2011年12月より「ものまねアスリート芸人」に転身。
川内優輝選手のモノマネで話題となり、マラソン大会のゲストランナーやMC、部活訪問など全国各地で現状打破している。
海外メディア出演、メディア競技会の実況、執筆活動、ラジオ配信、講演など、活動は多岐にわたる。


~月刊陸上競技1月号(12月14日発売)掲載~


【日本選手権10000m】ARCHIVE 

■日本選手権10000m DIGEST 



■日本選手権10000mハイライト

女子:廣中、今季日本最高記録で三連覇/男子:塩尻、日本新記録で5000mとの二冠に輝く!
https://www.jaaf.or.jp/news/article/19298/

「陸ジョブナビ」アーカイブ

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【Vol.13 タイム計測編】徹底した準備でランナーの努力を刻む
【Vol.14 通訳編】来日した外国人選手をサポート
【Vol.15 高校生審判編】大会運営を支える高校生たち
【Vol.16 競技場検定員編】安心・安全、正確な競技会を目指して
【Vol.17 スポーツカメラマン編】感動の瞬間を世界に届ける
【Vol.18 セイコーGGP・日本選手権直前スペシャル】大会担当のお仕事を紹介
【Vol.19 レースマネージャー】ホクレン・ディスタンスチャレンジを盛り上げる
【Vol.20 国際大会渉外担当】世界で活躍する日本代表選手を支える
【Vol.21 マーシャル】選手も観客も安心・安全に競技に集中してもらうために
【Vol.22 リレフェス担当編】みんなが"笑顔"になれるイベントを目指して!
【Vol.23 マラソン大会ボランティア編】マラソン大会を支える!
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Vol.1~Vol.12(2022年1月~12月)

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