2022.07.22(金)その他

【陸ジョブナビVol.8】表彰係~選手の晴れ舞台を盛り上げる!表彰係のお仕事を紹介~


陸上の大会はたくさんの「縁の下の力持ち」によって支えられています。陸上競技といえば「自分との戦い」「記録への挑戦」という目標もあるかと思いますが、やはり競技会に出場するからには表彰台を目指したいですよね! 今回は活躍した選手たちの晴れ舞台である「表彰」を担当している石井哲郎さん(愛知・名古屋南高教)にお話をうかがいました。





表彰係の1日とは?

「表彰」というと、表彰台で笑顔を見せる選手たちをイメージしますよね。そんな華やかな舞台を整えているのが、表彰係のみなさんです。まずは、大会での表彰係の1日はどんなスケジュールなのかを聞きました。

「大会当日は朝から現場に入り、まずその日のプレゼンターを決めます。その日に実施される表彰種目を確認して表彰形態を決め、選手やプレゼンターを誘導する人、賞状や副賞などを運ぶ人など確認していきます」表彰で最も大変なことの1つに、競技終了時間が前後することが挙げられます。特にフィールド種目は早く終わることもあれば、予定よりも長引くこともあります。

「予定していたタイムスケジュールを臨機応変にやりくりして、競技の間に表彰を入れ込んでいきます。1日ずっとそればっかりです(笑)。スケジュール通りにやれれば楽ですが、突発的なことも起きるのでその都度対応していきます。それが表彰係の一番の仕事かなと思っています」
スムーズに進めていくために心掛けていること、それは「進行チーム(競技やイベントなどを調整し、進行するチーム)と仲良くすること。やはり、連携ですね。進行と表彰で1つの〝チーム〟が作れないとできません」。時には表彰の準備ができていても、抗議があって審議中のため、表彰ができないこともあるそうです。「常に周りを見ながら、時間を見ながら動くことが重要です。種目が多く、スケジュールがタイトでも連携して、協力し合って乗り切っています」





「表彰係」大事にしていることは?

競技が終わると、表彰対象の選手たちが表彰控え室に集まります。この時に石井さんが大事にしていることが、なるべく選手を控え室で待たさないこと」だそうです。
「 選手は競技が終わってから、20〜30分で表彰控え室に来ます。選手をクールダウンに行かせてあげたいので少しでも早く表彰式ができるように、また観客にもタイムリーな表彰式ができるように、タイムスケジュールを組んで、どうしても待ってもらう時は選手に話をします」 すべては、選手のことを最優先に考えているからこそ。そんな石井さんの姿勢は、表彰式のやり方にも現れます。

「できるだけ選手が目立つような表彰にしたいですね。プレゼンターが目立つのではなく、観客のみなさんの目が選手に集まるように心掛けています。だから、選手のみなさんには競技をやっている時は勝ち負けにこだわり、表彰式ではお互いを称え合ってほしいですね」


ちょっと気になる選手との関わり方

表彰係は、試合が終わったばかりの選手と近い距離にいるわけですが、石井さんはあくまでも、「一役員として淡々と選手と接すること」を大切にしています。

「表彰は、フォトセッションをして退場するまでが仕事です。本当は選手ともっと話したいし、握手もしたいですけど(笑)。五輪の選考で明暗が分かれたり、この試合で引退という選手がいたり、表彰式が終わってから涙を流す姿があったりなど、表彰係の僕たちしか見られない場面が見られた時には、どうしても感情移入してしまいます。」
競技では集中した表情を見せて、興奮している選手たちも、表彰ではリラックスして肩の力も抜けているそうで「選手の素の姿が見られます」と石井さん。大会中は、じっくりと観戦することはできませんが、選手が戻ってきた時に多少は話ができるように表彰の合間でチェック。「まったく見ていないと選手と話が通じないので、見入るのではなく必要に応じてチェックしている感じですね」。必要なところだけ見て、自分の業務に入っていくそうです。


▲6月の日本選手権で表彰係を務めたみなさん(上段:右から2番目が石井さん)


表彰式のこれから

中学から陸上部で、高校、大学とやり投に取り組んできた石井さん。「自分がやってもらったら何が楽しいのか、そういったことを考えながら取り組んでいます。私も高校、大学と表彰台に上った経験がありますが、表彰式ってなんとなく終わってしまった、下向いて終わっていた気がするんです。今は写真、動画の時代ですから、少しでもいい方向に形として残っていったらいいなと思いますね」。ご自身の学生時代を振り返りながら、表彰式の未来についてお話されました。

今後は「選手がしっかり会場に向けて自己アピールをして、それを会場のみんなで称えてあげられる表彰にしたいです。時間的な問題もありますが、観客の方にも視線を向けて写真を撮る時間を作れるといいなと考えています」。そんな石井さんが目指す理想の表彰式は、日本選手権ではオリンピックのような会場全体がメダリストを称える厳かな雰囲気のもの。次世代を担う高校生やU18、U16などの大会では楽しく、みんなで盛り上がれる雰囲気のものだそうです。

「リレーの表彰式はこれまで、1人ずつ交代で表彰台に上がることがほとんどですが、国体やジュニアの大会では4人いっぺんに上がってもらうんです。また、一昨年に広島で開催されたU20・全国高校陸上では、コロナ禍で接触ができないなか、表彰台に上がる際に客席にポーズをとってもらったんです。特に女子選手たちはノリノリでやってくれましたね。カメラマンがどこに照準を合わせるのか大変なくらい自己アピールをしてくれました」

単なる儀式ではなくイベントとして盛り上がるような表彰式に。それを見た選手や子供たちが、「私も表彰台に上りたい」と思って競技に挑戦してほしい、その先に競技人口の増加につながってほしいという願いが込められています。そういった選手主体の表彰式に変えていこうというタイミングでコロナ禍になってしまったそうですが、今後はリレーの表彰も楽しみになっていきますね!
選手の晴れ舞台である表彰式を盛り上げ、陸上競技の魅力を伝えるため、石井さんも選手たちと同じように現状打破し続けます!


▲客席へポーズをとってもらった高校陸上2020


表彰係になるには?

最後に、表彰係になるためにはどうすればいいのか、石井さんに聞きました。
「最初は投てき審判から競技役員が始まりました。年齢や経験とともに主任クラスになり、総務員や審判長の役割が回ってくるようになりました。その中で、競技会全体を見るようになっていき、全国大会を契機に表彰係になりました。

単に賞状を渡す係ではなく、競技会全体の中で表彰式を組み入れなくてはならないので、まずはいろいろな役割を経験して、競技会全体を見てから表彰係になると、面白いし、うまく展開できるようになると思います。もちろん表彰係の一員になって、賞状作成や裏方の仕事から競技会に参加するのも良いと思います。やりがいのある部署ですのでぜひ目指してほしいです」


>>インタビューVol.8(PDF版)はこちら



■石井哲郎さん

1965年生まれ、56歳。名古屋南高教諭。愛知・川名中→明和高→筑波大卒。高3でインターハイ優勝、大4で日本インカレやり投2位などの実績を残した。
大学卒業後は愛知県立高校の教諭に、2010年〜18年に愛知県で開催された日本ジュニア・ユース選手権で表彰係主任を務め、15年の日本選手権から日本陸連主催大会の表彰係担当に。東京2020オリンピック・パラリンピックではポストイベントコントロールエリア担当として、競技終了後の選手の動向管理をした。


■M高史(えむたかし)さん
1984年生まれ。中学、高校と陸上部で長距離。駒澤大学では1年の冬にマネージャーに転向し、3、4年次は主務を務める。
大学卒業後、福祉のお仕事(知的障がい者施設の生活支援員)を経て、2011年12月より「ものまねアスリート芸人」に転身。
川内優輝選手のモノマネで話題となり、マラソン大会のゲストランナーやMC、部活訪問など全国各地で現状打破している。
海外メディア出演、メディア競技会の実況、執筆活動、ラジオ配信、講演など、活動は多岐にわたる。



~月刊陸上競技8月号(7月12日発売)掲載~


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