2022年7月15日(金)から24日(日)までの10日間、アメリカ・オレゴン州ユージーンで開催された「オレゴン2022世界選手権」。総勢68名ものエントリーがかなったチームジャパンは、陸上競技全種目が実施される世界大会としては、2019年ドーハ選手権以来、3年ぶりの渡航を伴う遠征に臨み、東京2020オリンピックでは叶わなかった有観客のスタジアムで、熱い戦いを繰り広げた。
ここでは、その激闘の10日間をプレイバックしていこう。
【DAY2】7月16日(土)
大会2日目は、ヘイワードフィールドで、モーニングセッションとイブニングセッションに分けて競技が行われるタイムテーブル。日本勢は3種目の予選と2種目の準決勝、そして3種目の決勝に出場した。女子3000m障害物、男子110mハードル、男子400mハードルの予選が行われたモーニングセッションでは、男子110mハードルで石川周平(富士通、3組4着:13秒53、-0.3)と泉谷駿介(住友電工、5組3着、13秒56、+0.4)がそれぞれ予選を突破して、翌日に行われる準決勝に進出。また、男子400mハードルでも、黒川和樹(法政大学)が着順(1組4着:50秒02)での準決勝進出を果たした。
また、このセッションでは女子10000m決勝が行われた。代表に選出されていた小林成美(名城大学)が日本出発前のPCR検査で新型コロナウイルス陽性が出て渡航自体が叶わなかったため、レースには廣中璃梨佳(JP日本郵政G)と五島莉乃(資生堂)が出場。レース序盤を牽引した廣中は、終盤に順位を落として12位でのフィニッシュとなったものの、日本歴代2位となる30分39秒71をマーク。7位入賞を果たした東京オリンピック決勝で出した自己記録(31分00秒71)をまたしても世界大会で更新し、30分台ランナーの仲間入りを果たした。
イブニングセッションは、どれも前日までの予選を突破しての挑戦。予選を首位で通過して男子走幅跳決勝に挑んだ橋岡優輝(富士通、ダイヤモンドアスリート修了生)は、踏切り前の動きに苦戦して1・2回目をファウル。4回目以降に臨むためには7m93以上が必要な状態で迎えた3回目は、踏切板に乗らない位置からの跳躍で7m86(+0.4)の記録にとどまり、残念ながらトップエイト進出ならず。10位で競技を終了した。
女子1500m準決勝では、田中希実(豊田自動織機)が昨年の東京オリンピックに続く決勝進出に挑んだが、中盤でポケットされたり、接触による選手の転倒に巻き込まれそうになったりする場面もあったなか4分05秒79・7着でフィニッシュ。1名が失格となって6着に繰り上がったものの、プラスによる進出条件には僅かに届かず、決勝への進出はかなわなかった。
1時間50分のインターバルで準決勝と決勝が行われた男子100mには、まず準決勝にサニブラウンアブデルハキーム(Tumbleweed TC、ダイヤモンドアスリート修了生)と坂井隆一郎(大阪ガス)の2名が出場。全3組で上位2着と3着以下の記録上位者2名が決勝に進む条件のなか、第1組に入ったサニブラウンは3着(10秒05、+0.3)で、また、第2組を走った坂井は6着(10秒23、+0.1)で、それぞれフィニッシュ。サニブラウンがプラスの1番目となり、この種目の世界選手権においては史上初、世界大会としては1932年のロサンゼルスオリンピックにおける吉岡隆徳(6位)以来90年ぶりとなる決勝進出を果たした。決勝は、第2日の最終種目として、向かい風0.1mのなか行われ、サニブラウンは10秒06・7位でフィニッシュ。サニブラウンにとっては、2017年のロンドン世界選手権男子200mで7位入賞を果たして以来となる、2回目の個人種目入賞となった。
なお、同日、大会1日目の7月15日に実施したPCR検査で、役員2名の新型コロナウイルス感染症陽性が確認され、翌16日にはさらに複数の陽性反応者が出たことが発表された。日本選手団は、大会主催者と連携のうえ、罹患者の隔離・安静加療に加えて、選手団全体の健康管理、予防対策についても徹底する態勢をとることとなった。なお、16日の検査結果で陽性反応が出たことから、男女マラソンに出場予定だった鈴木健吾(富士通)と一山麻緒(資生堂)が、残念ながら欠場となったことも発表された。
文:児玉育美(JAAFメディアチーム)
写真提供:アフロスポーツ
DAY2 競技結果
種目 | 氏名 結果 |
---|---|
女子3000m障害物予選 | 山中柚乃(愛媛銀行) 1組14着 10分18秒18 吉村玲美(大東文化大学) 3組14着 9分58秒07 |
男子110mハードル予選 | 石川周平(富士通) 3組4着 13秒53(-0.3)=準決勝進出 村竹ラシッド(順天堂大学) 4組6着 13秒73(+0.2) 泉谷駿介(住友電工) 5組3着 13秒56(+0.4)=準決勝進出 |
女子10000m決勝 | 五島莉乃(資生堂) 19位 32分08秒68 廣中璃梨佳(JP日本郵政G) 12位 30分39秒71 |
男子400mハードル予選 | 黒川和樹(法政大学) 1組4着 50秒02 =準決勝進出 岸本鷹幸(富士通) 2組6着 50秒66 |
男子100m準決勝 | サニブラウンアブデルハキーム(Tumbleweed TC) 1組3着 10秒05(+0.3)=決勝進出 坂井隆一郎(大阪ガス) 2組6着 10秒23(+0.1) |
男子100m決勝 | サニブラウンアブデルハキーム(Tumbleweed TC) 7位 10秒06(-0.1) =入賞 |
男子走幅跳決勝 | 橋岡優輝(富士通) 10位 7m86(+0.4) |
女子1500m準決勝 | 田中希実(豊田自動織機) 2組6着 4分05秒79 |
▶結果一覧はこちら
DAY2 出場選手コメント
【モーニングセッション】▼【オレゴン世界選手権】2日目モーニングセッションコメント:男子110mハードル石川、泉谷、400mハードル黒川が準決勝進出!女子10000m決勝で廣中が日本歴代2位!
https://www.jaaf.or.jp/wch/oregon2022/news/article/16806/
【イブニングセッション】
▼【オレゴン世界選手権】2日目イブニングセッションコメント:サニブラウンが世界選手権男子100m日本初の決勝進出で7位入賞!男子走幅跳・橋岡は10位!
https://www.jaaf.or.jp/wch/oregon2022/news/article/16807/
~男子100m7位入賞 サニブラウンアブデルハキーム選手 レース後コメント~
記録と数字で楽しむ「オレゴン世界選手権」
▼女子3000m障害物 山中&吉村、日本記録を更新できるか?▼男子110mハードル 泉谷に「メダル」のチャンスあり!!
▼女子10000m アフリカ勢を相手に入賞を目指す
▼男子400mハードル 黒川・岸本の「法大同窓生コンビ」が超ハイレベルな世界にチャレンジ
日本陸連公式Twitterチームカメラ ~選手たちの様子をお届け~
【#世界陸上】
— 日本陸上競技連盟 (@jaaf_official) July 16, 2022
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女子10000m日本歴代2位の記録で12位👍
🇯🇵#廣中璃梨佳 選手(JP日本郵政G)が高橋監督とともに笑顔で📸
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応援ありがとうございました🙌
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【#世界陸上】
— 日本陸上競技連盟 (@jaaf_official) July 16, 2022
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DAY2🇯🇵5:20 男子400mハードル予選(5組4着+4)
1組 #黒川和樹(法政大学)
2組 #岸本鷹幸(富士通)
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黒川選手、ヘアバンドも持ちました👍✨
いってきます🙋♂️
応援よろしくお願いします📣🇯🇵
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【#世界陸上】
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DAY2🇯🇵4:20 女子10000m決勝#廣中璃梨佳(JP日本郵政G)#五島莉乃(資生堂)
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チーム🇯🇵からのエールに送られて出発です👍
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【#世界陸上 】
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DAY3🇯🇵9:05
男子110mハードル準決勝(3組2着+2)
1組 #石川周平(富士通)
2組 #泉谷駿介(住友電工)
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両選手ウォーミングアップ開始🔥
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【#世界陸上】
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DAY2🇯🇵2:35 女子3000m障害物予選(3組3着+6)
1組 #山中柚乃(愛媛銀行)
3組 #吉村玲美(大東文化大学)
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山中選手がコールへ向かいます🙋♀️
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【#世界陸上】
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DAY2🇯🇵2:35 女子3000m障害物予選(3組3着+6)
3組 #吉村玲美(大東文化大学)
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コールへ向かう吉村選手をお見送り🙌
応援よろしくお願いします📣🇯🇵
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