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2022.07.18(月)

【オレゴン世界選手権】2日目イブニングセッションコメント:サニブラウンが世界選手権男子100m日本初の決勝進出で7位入賞!男子走幅跳・橋岡は10位!



オレゴン世界選手権2022大会第2日の7月16日のイブニングセッションは、決勝3種目、準決勝2種目、予選が2種目行われるタイムテーブル。このうち日本勢は、男子100m、男子走幅跳、女子1500mの3種目に出場しました。

まず行われたのが、エントリーしたサニブラウンアブデルハキーム選手(Tumbleweed TC・ダイヤモンドアスリート修了生)と坂井隆一郎選手(大阪ガス)の2人が、ともにラウンドを進めた男子100mの準決勝。全3組で行われ、各組上位2着と3着以下の上位記録者2名が1時間50分後にスタートする決勝に進出します。1組目に登場したサニブラウン選手は、10秒05(+0.3)で3着、また、2組目に入った坂井選手は、10秒23(+0.1)をマークして6着でフィニッシュ。サニブラウン選手がプラスの1番目となり、この種目の世界選手権において史上初、世界大会としては1932年のロサンゼルスオリンピックにおける吉岡隆徳(6位)以来90年ぶりとなる決勝進出を果たしました。

決勝は、この日の最終種目として行われ、向かい風0.1mの条件のなか9秒86でレースを制したFred KERLEYを筆頭に、アメリカ勢がメダルを独占。サニブラウン選手は10秒06・7位でフィニッシュし、2017年ロンドン大会男子200m(7位)に続く2回目の入賞となりました。

男子走幅跳決勝では、前日に行われた予選でトップ通過を果たし、2大会連続で決勝進出を果たした橋岡優輝選手(富士通、ダイヤモンドアスリート修了生)が、出場しました。1回目をファウルの滑りだしとなった橋岡選手は、踏み切り前の足さばきに苦労し、2回目もファウル。あとがない状態で迎えた3回目は、ファウルを恐れて、踏切板に乗らない位置からの跳躍に。7m86(+0.4)の記録にとどまってベストエイト進出ならず。10位で競技を終えました。

女子1500m準決勝には、田中希実選手(豊田自動織機)が、8位入賞を果たした昨年の東京オリンピックに続く決勝進出に挑戦しました。田中選手は、序盤は先頭付近で、その後も着順での通過が見える位置でレースを進めましたが、集団のなかにポケットされる形となってしまいました。さらに、最後のコーナーを抜けて、ホームストレートにかかるあたりで、接触による選手の転倒に巻き込まれそうになり、ひやりとさせる場面もあったなか、うまく切り抜けて4分05秒79・7着でフィニッシュ。その後、1名が失格となったことで、6着に繰り上がったものの、プラスによる進出条件には僅かに届かず、決勝への進出を逃す結果となりました。

競技後の各選手のコメントは、以下の通りです。


◎サニブラウンアブデルハキーム(Tumbleweed TC)

男子100m 準決勝 1組3着 10秒05(+0.3) =決勝進出

男子100m 決勝 7位 10秒06(-0.1)



※決勝後コメント
(100mの決勝は)独特の緊張感があったな、という感じ。準決勝ほど緊迫はしていなかった。準決勝は、(決勝に)抜けよう抜けようとして、緊迫していたのだが、決勝はみんなもっとリラックスしている感じで、自分の走りをしようとする様子が感じられた。準決勝の突破が決まったときの気持ちは、とりあえず「やった!」という感じもあったが、「ここから」「ここは戦わなければいけないんだな」という感じだった。
(決勝レースを振り返ってほしい、との問いに対して)全く覚えていない。けっこうリラックスしていたと思う。でも、本当に横一線なので、何が起こるかわからないので、とりあえず「やってやろう」とウォーミングアップをしていたし、トラックのなかに入ってからも集中力を切らさずに、「コーチに言われたことをしっかりできるように」というマインドをインプットして、(スターティング)ブロックに入ったような感じだった。
全力でしっかりこういう舞台で走りきるのは、このレベルになってくるのは難しいし、そこで、本当にそれができたのはものすごい収穫。でも、ここで戦うためには、1本準決勝を走って、2本目(となる決勝)でしっかり合わせてこられるような強さが必要だというのがあるので、こんなところで記憶が飛んでいちゃ(笑)ダメだなと感じる。でも、ここでしっかりファイナルを経験できて、来年の世界陸上に向けて、いいスタートが切れたのかなと思う。
フィニッシュしたあとは、普通に「キツいなー」と思ったのと、「やりきったー」という感じだった。悔しかったけれど、それでも全力出しきったので、「まあ、まあ、まあ」かなという感じ。
予選、準決勝、決勝と、タイムを落とす形となったが、決勝はいいスタートが切れなかったなというのがまず1点と、いつも練習している通り、60mからしっかり(地面からの)反発を使って、跳ねるような感じで走るのを、よく120(m走)とかで練習していたのだが、そこをしっかりやってこられるのがやっぱりメダルを取っている選手で、60(m付近から)からすーっと(競り合いを)抜けてくる。そういうところをしっかり、こういうところで、練習通り…それ以上にできる者が勝つのかなということを身に沁みて感じた。
今回、チームメイト(Marvin BRACY:銀メダル、Trayvon BROMELL:銅メダル)がメダルを取った。悔しい思いもしたが、チームメイトだし、日ごろどれだけ頑張っているのかを間近で見ているので本当に嬉しい。2人にはあとで会ったら「おめでとう」と言いたい。

▼サニブラウンアブデルハキーム選手からのメッセージはこちら▼



◎坂井隆一郎(大阪ガス)

男子100m  準決勝 2組6着 10秒23(+0.1)



「決勝」と「9秒台」を準決勝で狙っていたので、そのどちらにも達することができなかったのには、悔しい思いがある。スタート自体は決めることができたのだが、中盤、後半は他の選手が来て、硬くなってしまった部分があった。タイムに関しても、準決勝から0.1秒落ちていることは自分の弱さなのかなと感じた。
準決勝は、予選と違って、観客の声もすごいし、選手たちの目とか気迫がすごかった。「これが世界の準決勝なんだな」ということを感じた。アップ場もコールの場所も、自分のなかでは、あまり呑まれることなく自分のペースをつくれていたのではないかと思う。そこはこの試合を通して良かった点だと思う。
世界との差はあるけれど、そんなことを感じているよりも、タイムを出して、力をつけて、勝負をしなければいけないと思うので、悔しさはあるけれど、まだまだ強くならなければならないという気持ちのほうが大きい。この世界大会を経験できたことが、本当に大きな収穫だと思うし、そのなかでも、スタートに関しては十分に通用しているように思う。そこは自信をもって今後も磨きをかけていきたい。


◎橋岡優輝(富士通)

男子走幅跳 決勝 10位 7m86(+0.4)



悔しい。とってもとっても悔しい。それ以外(の感想)はない。疲労感があるなかでのこうした大きな試合をこなしてきておらず、決勝一本に合わせればいいというような試合ばかりで、2日連続で続くような試合に対応しきれなかった部分が大きかったと思う。
疲労感自体は、ドーハ(世界選手権)や東京(オリンピック)と比べると全然なくて、(ウォーミング)アップの段階でも身体は動いていたので、そういったところではよかったのだが、疲労があるなかで身体のコンディションがいいという状態を、今まで経験していなかったので、(ファウルとなった)今回の1本目、2本目に関しても、予想以上に助走が進んでしまい、最後、さばききる段階で、自分では「さばききれた」と思っていたが、10cmから5cmくらいの感覚の差が実際に出ていて、その結果、ファウルになってしまったという感じ。
もうさばききるしかないと考えて、コーチとも話して、2回目は(スタート位置を)20cmくらい下げたのだが、それでも5cmファウル。(あとがない状態となった)3回目は、完全にファウルを怖がった感じになってしまった。今シーズン、世界室内の3ファー(3回ファウル)から始まっているので、いつもなら2回ファウルでも全然怖くないのだが、今シーズンは世界室内のこともあったし、ケガの影響もあったので、そういった不安要素によってダメだったという感じ。
ただ、予選から決勝の進み方に関しては、かなり収穫が大きかったといえる。「このまま決勝に進めるな」というような予選の疲労の感じだったし、記録もしっかり出ていたので。そういうところでは、やっぱり経験不足というところがぬぐい去れないなと感じている。
やはり世界大会一つだけの経験では、どうしても不十分だと思うので、今後は、しっかりとダイヤモンドリーグ等に出たり、コンチネンタル(ツアーシリーズ)であったり、あるいは草試合でもいいので、海外を転戦していけたらいいなと思う。



◎田中希実(豊田自動織機)

女子1500m 準決勝 2組6着 4分05秒79



位置取りが下手だった。予選と違って、ラストに縦長(の集団)になっていなかったので、もしかしたらもっと(順位を)上げられたかもしれないが、(ポケットされて)行きたいところで行けないという状態になっていた。ラスト100mのスプリントが自分にはないので、その段階で着順に入れていなかった時点で敗れていたかなと思う。また、行くなら行くで、ペースが落ちたらすぐに思いきって出るべきだった。準決勝だからハイペースになるだろうという思いが先走っていて、結果的に最初の100m以降は(ペースが)落ちたので、その時点で行かないといけなかったのだが、戸惑い気味に前に出たことで、予選と同じような形で自分も休んでしまった形になってしまった。後半に2~3番手を目指すべきだったのか、最初から絶対に譲らない気持ちで飛ばすべきだったのかはわからないが、今日は全体的にほかの選手に合わせながら走ってしまっていたように思う。
(800m、1500m、5000mの3種目に取り組むことで)今年は、案外、プレッシャーというよりも全体的に楽しめていると思う。今日も、けっこう接触があったなかでも、特にイライラしたりとか焦ったりとかはなく、「まあ、こんなものかな」と思っていた。ほかの選手にペースを合わせてしまって負けたわけだが、ペースを合わせながらも、レースの俯瞰は一応できていたかなと思う。「今の自分の全力が出しきれていたら、それでいい」というような開き直りの気持ちもあったので、それは1種目だけで来ている選手よりも幸運だったかもと思う。このあとの2種目は、1500mがあったからこそ、ほかの2種目もしっかり走れたと胸を張って言えるようにしたい。


文:児玉育美(JAAFメディアチーム)
写真提供:フォート・キシモト


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