2022年7月15日(金)から24日(日)までの10日間、アメリカ・オレゴン州ユージーンで開催された「オレゴン2022世界選手権」。総勢68名ものエントリーがかなったチームジャパンは、陸上競技全種目が実施される世界大会としては、2019年ドーハ選手権以来、3年ぶりの渡航を伴う遠征に臨み、東京2020オリンピックでは叶わなかった有観客のスタジアムで、熱い戦いを繰り広げた。
ここでは、その激闘の10日間をプレイバックしていこう。
【DAY10】7月24日(日)
オレゴン世界選手権最終日となる第10日は、オーツェンスタジアム前を発着点とする男子35km競歩が最初の決勝種目に。午前6時15分に出発したレースは、気温11℃とスタート時こそ肌寒さを覚える状況だったが、その後、17℃まで気温が上がっていくとともに、強い日差しが選手たちの肌を焼くなかでの競技となった。
レースは、スタートしてすぐに松永大介(富士通)が先行逃げ切りを狙って1人で飛び出し、川野将虎(旭化成)、野田明宏(自衛隊体育学校)を含めた大集団が続く滑りだしとなった。松永は5月に膝を痛めていた影響もあり、中盤にさしかかるあたりでペースを落とし、20km過ぎで川野を含む集団に逆転されてしまう。その後、トップ集団は人数を減らしていき、最終的に東京オリンピック20km競歩覇者のマッシモ・スタノ(イタリア)と川野のマッチレースとなった。川野は最後までスタノに並びかけようと食い下がったが、スタノはそれを許さずに2時間23分14秒で優勝。1秒後れて倒れ込むようにしてフィニッシュした川野は、優勝はならなかったものの、自身が保持していた2時間26分40秒の日本最高記録とアジア記録を大幅に更新する 2時間23分15秒をマーク。自身初の世界大会メダルとなる銀メダルを獲得した。
日本勢で川野に続いたのは野田。落ち着いたレース運びで、一時は6位に浮上する歩きを見せ、残り1kmを7位で通過したが、最後で2選手にかわされ9位でフィニッシュ。8位との差はわずか8秒で入賞はかなわなかったが、自己記録を1分49秒も更新し、従来の日本最高記録およびアジア記録をも上回る2時間25分29秒をマークした。序盤の果敢な飛び出しが大きく注目された松永は、2時間33分56秒・26位でレースを終える形となった。
最終日のイブニングセッションは、十種競技を含めると8種目の決勝が続くタイムテーブル。日本選手は、女子100mハードル準決勝と男子4×400mリレー決勝に臨んだ。
最終日に準決勝・決勝が組まれた女子100mハードルは、福部真子(日本建設工業)と青木益未(七十七銀行)が駒を進めた準決勝から、ハイレベルなパフォーマンスが続出した。福部が入った1組目は、追い風0.9mの条件にも恵まれ、トップのトビ・アムセン(ナイジェリア)が12秒12の世界新記録を樹立するレースとなったなか、福部も7着と同記録(着差あり)の8着ながら、12秒82の日本新記録を樹立。2組目を走った青木は向かい風0.1mのなか13秒04と、こちらも予選よりタイムを上げて6着でフィニッシュ。両者ともに決勝進出はならなかったものの健闘が光った。
7位入賞を果たした2003年パリ大会以来の決勝進出となった男子4×400mリレーには、日本は予選と同じく、佐藤風雅(那須環境)、川端魁人(中京大クラブ)、ウォルシュジュリアン(富士通)、中島佑気ジョセフ(東洋大学)のオーダーで臨んだ。1走の佐藤が5番手で川端にバトンをつなぐと、川端は6位でウォルシュにバトンパス。ウォルシュは43秒91の好ラップをマークして、2チームを抜いて4位に押し上げると、東洋大学の後輩にあたる最年少アンカーの中島にバトンをつなぐ。中嶋は初の世界大会決勝でも臆することなく44秒68のラップで走りきって、そのままフィニッシュ。アジアで初めての3分切りとなる2分59秒51の日本新記録を樹立してアジア記録を奪還するとともに、世界選手権では最高成績、オリンピックを含めても2004年アテネ大会での最高成績に並ぶ4位入賞を達成し、有終の美を飾った。
文:児玉育美(JAAFメディアチーム)
写真提供:アフロスポーツ
DAY10 競技結果
種目 | 氏名 結果 |
---|---|
男子35km競歩決勝 | 川野将虎(旭化成) 2位 2時間23分15秒 =銀メダル 日本最高記録、アジア新記録 野田明宏(自衛隊体育学校) 9位 2時間25分29秒 =日本最高記録、アジア新記録 松永大介(富士通) 26位 2時間33分56秒 |
女子100mハードル準決勝 | 福部真子(日本建設工業) 1組8着 12秒82(+0.9) =日本新記録 青木益未(七十七銀行) 2組8着 13秒04(-0.1) |
男子4×400mリレー決勝 | 日本(佐藤風雅、川端魁人、ウォルシュジュリアン、中島佑気ジョセフ) 4位 2分59秒51 =入賞、日本新記録、アジア新記録 |
▶結果一覧はこちら
DAY10 出場選手コメント
【モーニングセッション】▼【オレゴン世界選手権】10日目モーニングセッションコメント:大激戦の男子35km競歩、川野がアジア新記録で銀メダル獲得!
https://www.jaaf.or.jp/wch/oregon2022/news/article/16964/
~男子35km競歩銀メダル 川野将虎選手レース後コメント~
▼【オレゴン世界選手権】10日目モーニングセッションコメント:新種目男子35km競歩で野田がアジア記録を上回り9位!松永は5年ぶりの世界選手権で26位!
https://www.jaaf.or.jp/wch/oregon2022/news/article/16965/
【イブニングセッション】
▼【オレゴン世界選手権】10日目イブニングセッションコメント:男子4×400mリレー・アジア新記録&世界選手権最高成績の4位入賞!女子100mハードル福部も日本新!
https://www.jaaf.or.jp/wch/oregon2022/news/article/16969/
記録と数字で楽しむ「オレゴン世界選手権」
▼男子35km競歩 「初の35km競歩」でドーハに続き20km競歩との完全制覇を!日本陸連公式Twitterチームカメラ ~選手たちの様子をお届け~
【#世界陸上】
— 日本陸上競技連盟 (@jaaf_official) July 24, 2022
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✨男子35km競歩
いよいよ22:15スタート🎉
いってきます🙋♂️🙋♂️🙋♂️
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🇯🇵#川野将虎(旭化成)
🇯🇵#松永大介(富士通)
🇯🇵#野田明宏(自衛隊体育学校)
応援よろしくお願いします📣🇯🇵#TBS 生中継📺#TVer ライブ配信⚡
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【#世界陸上】
— 日本陸上競技連盟 (@jaaf_official) July 24, 2022
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✨男子35km競歩✨
🥈🇯🇵#川野将虎 選手(旭化成)のまさにデッドヒートの末のフィニッシュ👏👏👏
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おつかれさまです🙌
応援ありがとうございました🙌🇯🇵🙌#TBS 生中継📺#TVer ライブ配信⚡https://t.co/osvUZmhq8m
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【#世界陸上】
— 日本陸上競技連盟 (@jaaf_official) July 24, 2022
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新種目✨男子35km競歩✨初代メダリストで記念撮影📸
1位🥇M.スタノ(イタリア)2時間23分14秒
2位🥈🇯🇵#川野将虎(旭化成)2時間23分15秒※日本最高、アジア新
3位🥉P.カルストローム(スウェーデン)2時間23分44秒
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おめでとうございます🙌https://t.co/lxxJ7Nvj7C#WCHOregon22 pic.twitter.com/ugjfj3cFRE
【#世界陸上】
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戦いを終えた
男子4×400mリレーチーム
おかえりなさい😌🌟
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4×400mリレーチームの#岩崎立来 選手(大阪体育大学)#河内光起 選手(大阪ガス)
そして4×100mリレーメンバー・土江ディレクターが温かく迎えます👏🧡
感動をありがとうございました💐https://t.co/lxxJ7Nvj7C pic.twitter.com/gJkLjZFWPD
【#世界陸上】
— 日本陸上競技連盟 (@jaaf_official) July 25, 2022
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男子4×400mリレー
いよいよ決勝の舞台へ✊🔥
チームJAPAN全員で円陣‼️🇯🇵
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『メダル目指して頑張っていきましょう🥇🥈🥉💪🏼』
このあと11:35スタートです🎉
応援よろしくお願いいたします🌈
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【#世界陸上】
— 日本陸上競技連盟 (@jaaf_official) July 24, 2022
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🇯🇵7月25日(月)DAY10
女子100mハードル9:10スタート💥#福部真子(日本建設工業)#青木益未(七十七銀行)
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ウォーミングアップ開始しました✊‼️
TBS系列で生中継📺
応援よろしくお願いします📣🇯🇵
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