
日本陸連は、愛知・名古屋2026アジア競技大会(以下、アジア大会)の陸上競技開幕100日前となった6月15日、名古屋市内のホテルにおいて、内定選手を招いての記者会見を行いました。会見には、すでに内定していた選手のなかから5名が参加したほか、前日まで開催された日本選手権において新たに内定した3名が出席して、計8選手が登壇。昨年の東京世界選手権に続いての自国開催となるアジア大会に懸ける想いや、現在の心境などを、それぞれに話しました。
また、本記者会見では、最終選考会であった日本選手権までの結果を踏まえて、選考により選出した競技者を含む日本代表内定全選手も公表。内定選手の記者会見後には、第2部として日本陸連強化委員会の山崎一彦委員長が会見を行い、全86名となったTEAM JAPAN陸上競技についてメディアから質問に答えたうえで、100日後に迫った本大会に向けての意気込みを語りました。
13時から始まった会見は、例年とはかなり趣向の異なるオープニングとなりました。まず、前日までアジア大会の舞台でもあるパロマ瑞穂スタジアムを沸かせた日本選手権のハイライト映像が流れたあとに、名古屋にゆかりを持つ名だたる戦国武将たちが現代に甦って観光PRに尽力しているというコンセプトで長年活躍する「名古屋おもてなし武将隊」が登場。口上や甲冑ダンスなどで構成する「おもてなし演武」のパフォーマンスが披露されました。
続いて、この武将隊による紹介で、会見に招かれた選手たちが、名前を呼ばれて1人ずつ登壇。昨年の東京世界選手権で入賞を果たしたことで内定を得ていた男子110mハードルの村竹ラシッド(JAL)、男子走高跳の赤松諒一(SEIBU PRINCE)、女子10000mの廣中璃梨佳(ユニクロ)、今年に入ってそれぞれの選考競技会において条件を満たし、内定を手にしていた男子ハーフマラソン競歩の山西利和(愛知製鋼)と男子10000mの鈴木芽吹(トヨタ自動車)、そして前日までの日本選手権で新たなに内定者に名前を連ねた男子100mの多田修平(住友電工)、男子400mハードルの後藤大樹(洛南高、ダイヤモンドアスリート Nextage)、女子100mハードルの中島ひとみ(長谷川体育施設)の全8名が、チームジャパンのウェアを身にまとって入場しました。選手たちが横一列に並んだところで会見の開幕がアナウンス。メディア関係者に加えて、観覧に当選したRIKUJOファンクラブ( https://fan.pia.jp/rikujo-fc/ )会員の10名も来場し、最前列で見守るなか、第1部として内定選手による記者会見がスタートしました。
第1部:内定選手記者会見
内定8選手に聞く、今の心境とアジア大会に向けての抱負
2段に組まれた舞台に用意されたハイスツールに腰かけた選手たちは、まず、司会進行を務めたTBS・熊崎風斗アナウンサーからの代表質問に応じたうえで、来場したメディア関係者からの質問に回答していきました。さらに、事前に用意されていたファンからの質問にも答え、その後、フォトセッションを行いました。会見での各選手の主なコメント(要旨)は、以下の通りです。
◎多田修平(住友電工) 男子100m

Q:内定した今の気持ちとアジア大会の意気込み
アジア大会に出場するのは、2018年ジャカルタ大会で、4x100mリレーに出場して以来。個人種目での出場は、これが初めてとなる。今回、100mはすごい混戦で、誰が代表になるかわからないなかで、切符を勝ちとることができた。その(日本選手権で一緒に戦った)皆さんの思いも背負いながら、アジア大会をしっかり戦いたい。日本選手権ではあまりタイムが出なかったのだが、アジア大会では10秒0台、9秒台というところを安定させて、しっかり優勝できるように頑張っていきたい。
Q:今回のリレーに懸ける思いと、チームの中でどんな役割を果たしたいか?
今回、4×100mリレーにも出場するということで、僕が走るとなったら、たぶん1走になると思う。(自身が出場した)前々回大会はたぶん38秒くらいで金メダルを獲れていると思う(※2018年ジャカルタ大会は、日本は38秒16で優勝)のだが、(今回は)38秒かかっているようだと、アジアでも絶対に金メダルは獲れないと思っている。狙うのであれば、日本記録である37秒4近く(37秒43、2019年)を出さないと、アジア大会での金メダルはもちろんのこと、世界でも戦っていけないと感じている。世界を見据えたレース展開を、アジアでもやっていきたい。
Q:東京世界選手権から続く今の陸上界の盛り上がりをどう感じ、それをアジア大会でどうつなげていきたいと考えているか?
日本選手権で、ほぼほぼ満席というくらい(観客席が)埋まっている景色は、昔だったら考えられないものだった。そういう盛り上がりというのは、選手にとっても背中を押される部分があるし、決勝前とか集中しているなかですごい歓声が聞こえると、よりいっそう「パフォーマンスを上げるぞ!」という気持ちにもなる。昨年の東京世界陸上や映画の『ひゃくえむ』などで陸上は人気になっていると思うので、アジア大会でも、その満席となった会場のなかで、良いパフォーマンスができるように頑張っていきたい。
◎村竹ラシッド(JAL)

Q:内定した今の気持ちとアジア大会の意気込み
(東京世界選手権で入賞したことにより)昨年から内定はいただいていたが、改めて、アジア大会に出場できるということを、すごく楽しみに思っている。アジア大会ではもちろん優勝と、アジア記録(12秒88、劉翔・中国、2006年)の更新を目指して頑張りたい。
Q:現状のコンディションと、夏から本番までの計画や強化方針は?
直近の大会としては、6月末にあるダイヤモンドリーグパリ大会の出場を予定している。その後は、出場はまだ決まっていないが、7月半ばのロンドンダイヤモンドリーグに出てシーズン前半をひと区切りするつもり。そこから1カ月半ほど練習を積み、9月に行われるダイヤモンドリーグファイナル、アルティメット選手権、そしてアジア大会の3大会に向かうことを予定している。今のところ特に問題はなく、前のレースでは(転倒してきた隣のレーンの選手と接触する)アクシデントもあったが、問題なく練習できているので、さらに記録の向上を目指して、9月に良いパフォーマンスができるように試合と練習を積み重ねていきたい。
Q:東京世界選手権から続く今の陸上界の盛り上がりをどう感じ、それをアジア大会でどうつなげていきたいと考えているか?
僕は今回の日本選手権は、3日間、客席で観戦したのだが、「本当に、日本選手権なのかな」と思うくらい、たくさんのお客さんが入っていて、特に2日目の盛り上がりは、陸上競技をやっているアスリートとして、本当に嬉しくなった。昨年の東京世界陸上を皮切りに、陸上の人気は高まってきているし、陸上全体の人気だけではなく、選手1人1人がフォーカスされるような機会もたくさん増えている。これをきっかけに、もっと人気になっていったらいいなと思う。アジア大会も自国開催ということで、昨年の東京世界陸上と同じくらい陸上を盛り上げられるチャンス。僕たち選手は記録や結果で盛り上げられたらなと思っているし、メディアの皆さん、観客の皆さんも(僕たちと)一丸となって陸上人気を盛り上げてもらえたら、すごく嬉しく思う。
◎中島ひとみ(長谷川体育施設)

Q:内定した今の気持ちとアジア大会の意気込み
4年に一度の大きなアジアの大会で、また、昨年の世界選手権と同様、自国開催というところで、自分自身、競技者としてそういう場に立ち合えることが本当に幸せだなと感じている。私自身は、30歳になって初めてアジア大会に出場するので、「いくつになっても挑戦できる」ということを、自分自身の走りで皆さんに伝えることができたらいいなと思っている。
Q:東京世界選手権から続く今の陸上界の盛り上がりをどう感じ、それをアジア大会でどうつなげていきたいと考えているか?
選手の頑張りも、もちろんそうなのだが、メディアの方々だったり、運営の方々だったり、「陸上を盛り上げよう!」と、一つのチームになっている気がしている。私自身、世界陸上で満員の国立競技場で走ることができ、また、日本選手権ではすごくたくさんの方々が応援してくださったが、選手にとって、やっぱり応援というのは1番の力になるものである。そういう景色を見られるところに競技者としていられることは、本当に幸せだなと、いつも感じている。アジア大会でも、ぜひ、たくさんの皆さんに、瑞穂競技場(パロマ瑞穂スタジアム)に足を運んでいただけると嬉しい。
◎後藤大樹(洛南高、ダイヤモンドアスリート Nextage)

Q:内定した今の気持ちとアジア大会の意気込み
(48秒09のU18世界最高記録で制した)日本選手権のことは、夢を見ているような気持ちで、今も代表になれた実感はそんなに湧かないままでいる状態だが、記録がついてくれば、実感もついてくるのかなと思って、そこは楽しみに頑張ろうと思っている。アジア大会では、「やるからには1番上」を目指して、皆さんをびっくりさせるような…、また、自分自身もアジア大会で楽しめたらいいなと思っている。
Q:シニアの日本代表に選ばれ、会見の場にいる今の心境を
高校の大会ではこういった記者会見とかはないし、また、午前中に行った写真撮影(※内定選手たちは、午前中にアジア大会に向けた素材準備のための写真撮影に対応した)など、「普通の高校生で経験できないような経験をさせてもらっているな」と幸せな気持ちでいっぱい。「どうせなら、全部楽しんで帰ろう」と、とても楽しむことができている。
Q:東京世界選手権から続く今の陸上界の盛り上がりをどう感じ、それをアジア大会でどうつなげていきたいと考えているか?
僕は陸上を始めた時から、「陸上をメジャースポーツにする」という目標をずっと持っている。東京世界陸上を皮切りに、陸上の人気が高まってきていることに、すごく嬉しい気持ちがあったし、また、昨日の日本選手権でも、(観客席が)ほぼ満席近く埋まっているシーンもあり、自分はそれを見てすごいテンションが上がって「やってやるぞ!」という気持ちになるとともに、「応援の力って、すごいな」と思った。アジア大会でも、(自分は)人を楽しませるエンタメ性を秘めた選手になるので、たくさんの人が、瑞穂スタジアムに来てくれたら嬉しい。
◎鈴木芽吹(トヨタ自動車)

Q:内定した今の気持ちとアジア大会の意気込み
昨年の東京世界選手権で初めて日本代表として出場し、それに引き続き、またこの自国開催のアジア大会で、国際レースを走れることをすごく楽しみにしている。また、トヨタ自動車の所属としては、やっぱりこの「愛知・名古屋で走れる」というのはすごく特別な思いがあるので楽しみにしている。当日のレースでは、優勝だけを目指して、しっかり頑張りたいと思う。
Q:現状のコンディションと、夏から本番までの計画や強化方針は?
日本選手権は1500mに出場したが、これは7月に5000mで日本記録を狙うために、そこに向けてのスピード強化を意図してのものだった。予選落ちではあったが自己ベスト(3分41秒43)を出すことはできたので、7月に向けて、すごくいいレースになったと思っている。5000mの日本記録で弾みをつけて、アジア大会に向かいたいと思っている。ここまで練習は順調に進めてくることができているので、あとはしっかりレースで一つ一つ結果を出していきたい。
Q:東京世界選手権から続く今の陸上界の盛り上がりをどう感じ、それをアジア大会でどうつなげていきたいと考えているか?
僕は長距離種目なので、学生時代に箱根駅伝を走っているが、その時に「もうこれ以上の歓声を受けながら走ることは、今後ないのだろうな」と思っていたが、昨年の世界選手権や今回の日本選手権では、僕の感覚としては、箱根駅伝を超えるような歓声を受けることができた。たくさんの声援は、自分自身(の気持ち)も高まるし、嬉しい気持ちにもなる。陸上競技は、そういうなかでもっともっと盛り上がるチャンスが今、来ているのかなと感じている。名古屋で行われるアジア大会で、もっともっと拍車をかけて盛り上げられるように頑張りたいと思う。
◎廣中璃梨佳(ユニクロ)

Q:内定した今の気持ちとアジア大会の意気込み
(東京世界選手権で入賞し)昨年の時点でこのアジア大会の内定をいただいていた。今年に入ってからは、ケガが続いて思うように走れない日々もあったなか、(大会まで)あと約3カ月に迫っている。できることをすべてやって、「アジア大会優勝」の目標に向けて、1歩ずつ前進していきたい。
Q:現状のコンディションと、夏から本番までの計画や強化方針は?
私は、4月から新しい環境で、競技に続けることを決意し、取り組んできた。また、ここに至るまでには、自分の中で焦りなどもあって、練習もなかなかうまく進められなかった面もあり、まだ思うようには走り込めてはいない状況である。まずは、走り込んでいきつつ、(痛めた)足の状態を見ながら、徐々に調子を上げていけるようにしていこうと思っている。
Q:東京世界選手権から続く今の陸上界の盛り上がりをどう感じ、それをアジア大会でどうつなげていきたいと考えているか?
昨年の東京世界陸上を走ったときには、(大会)1日目の選手紹介の段階から、日本選手に向けた応援の声があちこちから聞こえてきて、それが走る前からすごい力となった。また、走っている最中も、ゴールの最後の一歩までずっと大歓声が聞こえていて、(それを励みに)最後の最後まで諦めずに走った結果が入賞につながったと思っている。アジア大会では、また、そうした応援の力を感じながら走れることを楽しみにしているし、それを原動力に、アジア大会へとつなげていきたいと思っている。
◎山西利和(愛知製鋼)
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Q:内定した今の気持ちとアジア大会の意気込み
2月の日本選手権での優勝で、ハーフマラソン競歩の代表に内定することができた。アジア大会は、2018年ジャカルタ(大会の20km競歩)で銀メダルを獲得して以来の出場となる。今度こそ金メダルを獲るということ。また、それが、来年の北京世界選手権、その次のロスオリンピックにつながっていくように頑張りたい。自分の可能性を信じて、もう少し頑張りたい。
Q:現状のコンディションと、夏から本番までの計画や強化方針は?
日本選手権以降、世界チーム競歩選手権で1戦したが、そこで力負けをしてしまったので、改めてもう一度、足場の強化からしっかりとやっていこうという状態。あわせて、これから夏場の暑熱馴化を重点的に準備していこうという流れで進めている。ケガなどはなく、練習は順調に積むことができている。
Q:東京世界選手権から続く今の陸上界の盛り上がりをどう感じ、それをアジア大会でどうつなげていきたいと考えているか?
昨年の東京世界選手権では、ロード種目にもすごく多くの方々に応援に来ていただき、本当にありがたかった。一選手としては、来ていただいた方々に「いいものを見られたな」と思って帰ってもらえるようなパフォーマンスを目指していきたいと思っている。
◎赤松諒一(SEIBU PRINCE)
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Q:内定した今の気持ちとアジア大会の意気込み
アジア大会の代表に選出していただけたことを嬉しく思っている。アジア大会では、メダル獲得、優勝までを視野に入れて頑張っていきたい。また、名古屋開催の今回は、岐阜が出身の僕にとっては、地元に近いところでの開催となるので、いろいろな方に応援していただけるかなと思っている。そんな皆さんの応援を力に変えて、優勝を目指して頑張っていこうと思っている。
Q:現状のコンディションと、夏から本番までの計画や強化方針は?
今年はまだ、試合への出場ができていないが、アジア大会以外の試合日程もまだ決まっていない状況である。しかし、(アジア大会前に)1試合か2試合ほど出場して、自分の調整に使いたいと思っている。日本選手権も出場したかったが、ずっとケガしているところ…足の小指の疲労骨折がまだ完治していなかったため、ケガを治すことを優先して出場を辞退させていただいた。ただ、アジア大会に向けては問題なく、ベストパフォーマンスを出せるように調整していければと思っている。
Q:東京世界選手権から続く今の陸上界の盛り上がりをどう感じ、それをアジア大会でどうつなげていきたいと考えているか?
昨日の日本選手権は、僕も男子走高跳が行われたので応援に行ってきたが、昨年の世界陸上に引き続いて、陸上の人気が徐々に上がってきていることを感じた。この波をどんどん高めていくためには、陸上競技自体のエンターテインメント性をもっと高めて、現地やテレビの前で見る方々に「陸上競技、楽しいな」と思っていただけるようにしていくことが必要。そのために、僕も含めて選手たちがお客さんを惹きつけられるようなパフォーマンスを、もっとしていかないといけないと思っている。僕もアジア大会でそういったパフォーマンスができるよう、しっかり自分の技術を高めて、(自身も)楽しめるような、そして、お客さんを楽しませられるようなパフォーマンスをしていきたい。
第2部:強化委員会会見
全86名の内定選手を発表、本番に向けた意気込みを語る
さて、アジア大会の個人種目日本代表選考における最重要競技会と位置づけられていた日本選手権が6月14日に閉幕したことで、日本陸連強化委員会は、競技終了後から、日本代表選手選考要項( https://www.jaaf.or.jp/files/upload/202508/25_123227.pdf )に則って、即時内定していた以外の個人種目およびリレー種目の代表選考に入りました。そして、最終的に全種目の日本代表選手を選出。強化委員会内で作成された選考原案は、翌6月15日に専務理事の承認を経て、この記者会見の第2部の冒頭で、日本代表内定選手全86名が公表されました。第2部では、日本陸連強化委員会の山崎一彦委員長が登壇して、選考によって新たに内定した選手を含む陸上日本選手団について改めて説明を行うとともに、メディアからの質問に回答しました。

日本代表内定選手全86名の発表とアジア大会の目標
今回のアジア大会の日本代表内定選手は総勢86名。男子45名・女子41名を選出させていただいた。これは、アジア大会の派遣団体であるJOC(日本オリンピック委員会)が陸上競技に割り当てた派遣人数通りとなった。(日本選手権後に行った即時内定者以外の)選考は、選考要項に則って滞りなく進めることができ、私たちの目標とするアジア大会のメダル獲得、そして優勝を狙えるメンバーを選出することができている。選考にあたっては、条件の最後に入っている「メダルまたは入賞が期待される」という観点で、アジアのトップリストにおける8位相当というところに、すべての選手が収まり、それが86名いたということである。全86名の選手団というのは、近年のアジア大会においては最大となるが、この人数が増えた背景としては、リレーに新種目(男女混合4×100mリレー)が入ったことも影響している。今回は、自国開催ということもあるので、リレーについてもリレー専門のメンバーを加えた。その戦略としては、リレーでも当然一番明るい色のメダルを獲っていくことを含めて、大会を盛り上げていければと考えている。
配布した一覧をご覧になれば、おそらくメディアの方々には推察していただけると思うが、注目というところを挙げるとしたら、まず男子では、400mの中島佑気ジョセフ(富士通)、それから110mハードルの村竹ラシッド(JAL)、泉谷駿介(住友電工)、3000m障害物の三浦龍司(SUBARU)、ハーフマラソン競歩の山西利和(愛知製鋼)、吉川絢斗(富士通)、マラソン競歩の勝木隼人(自衛隊体育学校)、諏方元郁(愛知製鋼)、そして、十種競技の丸山優真(住友電工)あたりにメダルが期待できる。また、私たちの期待も込めて、4×100mリレー、4×400mリレーについては、高いところを狙っていきたい。また、女子についても、100mハードルをはじめとして、多くのメダル獲得を期待している。
強化委員会では、困難な目標というか、高い目標ではあるのだが、「アジアナンバーワンを目指す」ことを掲げている。実質は、中国がかなりの強敵ということになる。これまでで最も中国に迫っていくことができれば…というのが私たちの目標である。また、中東やインド、その他の地域も、近年は陸上競技の強化に取り組んでおり、この目標は、簡単に達成できるものではないと覚悟しているが、地元の利も大いに生かしていきたいと思っている。この“地元の利”は、かつては選手自身がなかなか生かせない側面があったが、昨年の世界選手権では、地元ならではの応援や環境、その他を、選手たちが(重圧として受け止めることなく)自らの力にしていたというところに、大きな成長を見ることができた。今回も、先ほど登壇してくれた内定選手たちが見せてくれた通り、明るく、元気に、ポジティブに、観客の声援を力にできる選手たちがほとんどで、その点においても、TEAM JAPANの雰囲気や成熟度が上がってきていることを実感している。
同時に、会場に来てくださる人々からの応援の質もとても高まってきていて、その様子は、今回の日本選手権でも、さまざまな場面で感じることができた。そうした皆さまの思いに、心から応えられるよう力をつけていきたいと思っている。
質疑応答
Q:金メダルやメダルの数など、設定している具体的な目標や数値はあるか?
山崎:今のところ、いたずらにメダルの数を挙げることをしたくないと思っている。しかし、先ほど注目できるとして挙げた種目などについては、一番高いところまで行ける可能性はあると思っている。アジア大会については、いろいろな選手がいきなり出てくることもあるので、上限に幅は出ると思うが、先ほど挙げた選手や種目などは良いところまで行けそうだと思っている。また、そのほかについても、種目、戦い方、メンバーによっては(想定よりも順位が大きく)入れ替わるところもあるので、そうしたなかでの上振れが出てくることも期待している。
Q:昨年の世界選手権では“地元の利”としてNTC(ナショナルトレーニングセンター)を活用していたが、今回、計画している同様の例はあるか?
山崎:今回は、選手団としての事前合宿は実施しない。逆に言えば、大会直前までパーソナルコーチと、地元でトレーニングし、調整ができるという形をとっていきたいと考えている。ロード種目に関しては、少し違う形で対策を練っていこうとしているが、基本的には、選手たちは直前に名古屋に入って本番に向かうことになる。リレーに関しては、これからバトンパス等の精度を上げていく必要があるので、今後、合宿等を実施し、金メダル獲得に向けてトライをしていきたい。
Q:各種目について、直前に登録選手を補欠登録した選手に入れ替える可能性はあるのか?
山崎:今、選ばれた選手たちに最大限頑張ってほしいということで選出しているので、内定しているこの選手たちを尊重していくというのが基本的な考え方。このため、そうしたネガティブなことは、ここでは言いたくない。一方で、チームとしては万が一というアクシデント等が起きたときには最大限の配慮が必要となることから、最低限のルールを選考要項内に設定(※補欠に関する扱い)しており、我々としては、そのなかで最大限の対処をしていくこととなる。ただ、今、選出された選手たちに頑張っていくことが大前提。その選手たちを応援していただければと思う。
※記者会見時における各選手のコメントは、司会者との質疑応答および記者からの質問に応じた各選手の発言を抜粋し、まとめています。
取材・構成:児玉育美(JAAFメディアチーム)
写真:フォート・キシモト
【日本代表オフィシャルサイト】
>>https://www.jaaf.or.jp/teamjapan/

【愛知・名古屋2026アジア競技大会】
期日:2026年9月23日(水・祝)~29日(火)※陸上競技会場:パロマ瑞穂スタジアム(愛知)
大会ページはこちら
~競技日程、チケット情報など掲載中!~
































