2026.06.02(火)大会
【日本選手権×ひゃくえむ。コラボ】 スペシャルインタビュー第2弾! 劇場アニメ『ひゃくえむ。』声優石谷春貴さん~「陸上に殺されるぞ」陸上部時代の自分自身に投げかけるように演じた~

2026年6月12日(金)~14日(日)に、愛知・パロマ瑞穂スタジアムで開催する「第110回日本陸上競技選手権大会」。
本大会は、劇場アニメ『ひゃくえむ。』とのコラボレーションを実施しており、大会2日目には映画のワンシーンにもなっている男子100m決勝も行われます。また、『ひゃくえむ。』の主題歌であるOfficial髭男dismの「らしさ」や劇中のサウンドトラックも流れる予定で、『ひゃくえむ。』の世界観とトップアスリートの熱戦を感じることができます。
スペシャルインタビュー第2弾は、小宮の所属する西沢高校陸上部の部長で九州ナンバーワンの実力者である「経田」を演じた声優の石谷春貴さんのインタビューをお届けします。自身も高校時代に陸上部に所属されており、当時の自分自身に投げかけるような気持ちで演じられた今作品。インパクトのあるキャラクター「経田」の体格を意識した音域を使ったり、ロトスコープを使った実写の動きを参考にした実写映画の吹き替えのようなイメージで作った作品について、たっぷりとお話いただきました。
当日は「日本陸上競技選手権大会×ひゃくえむ。」のコラボレーションによる、この瞬間にしか見られない“ 景色”を存分に体感してください!
▼劇場アニメ『ひゃくえむ。』日本陸上競技選手権大会 コラボレーション ーそういう景色を見ようぜー が開催決定!
――原作の『ひゃくえむ。』についての印象はどうでしたか。
石谷春貴さん:これまで駅伝のマンガはありましたが、短距離だけに焦点を絞った作品はほとんどなかったですし、10秒の世界にあれだけの哲学を詰め込んだマンガは初めてだったので、出会ったときは嬉しかったですね。
――石谷さんは高校時代、陸上部に所属にされていたとうかがいました。
石谷春貴さん:小学生までは足が速いわけではなかったですが、小さい頃は自宅の前を小宮みたいにずっと走っていました。だんだん足が速くなって、体力テストでは学年で1番だったこともありました。その時の自己肯定感は、今振り返ると、「100mを誰よりも速く走れば、全部解決する」という考え方にも共通する部分でした。作中で描かれる、記録が伸び悩んで壁にぶち当たったところや、100mを走っていて自分の視界に隣のレーンの選手の姿が見えたときの恐怖感などは、自分の高校時代を重ねて見たりしていました。100mを走る10秒の瞬間にすべてを懸ける、自分と向き合う物語だというのを強く感じました。
――劇場アニメ『ひゃくえむ。』への出演が決まったときはどういう心境でしたか?
石谷春貴さん:数ある作品のなかで、オーディションを受けられないケースもあるなか、オーディションのお話が来たこと自体が嬉しかったです。経田というキャラクターに決まったときは、純粋に楽しみという気持ちと、インパクトのあるキャラクターをどう演じようかという気持ちが入り交じった状態でしたね。
――陸上競技の経験を演技に生かされたりされたんでしょうか。
石谷春貴さん:経田が小宮に「陸上に殺されるぞ」と語るシーンがありますが、僕自身は高校時代にケガで陸上を辞めてしまって、いわば「陸上に殺された人間」だったんです。ケガをして休んでいる時は、「走らないと遅くなるんじゃないか」とか思っていましたし、作中の「このままだと走れなくなるぞ」というセリフも実際に言われたこともあります。そういった言葉を、当時の自分自身に投げかけるような気持ちで演じました。
収録前にはトガシの小学生時代を演じられた種﨑(敦美)さんから、「走る時はどういう心持ちで走っているんですか?」と聞かれたこともあって、そこでも陸上をやっていた経験が生きたと思います。

――経田を演じる上で心掛けたポイントはありますか。
石谷春貴さん:キャラクターの体格は意識しました。短距離選手はハムストリングス(太腿裏)が発達していて、部長という役でもあったので、普段の音域よりも低い音域を使うなどを意識しましたね。また、今作品はロトスコープという手法を使っていて、実写で俳優さんの動きを撮影してから、アニメにしていたので、演じられている方の動きも参考にしました。その点では、アニメ作品よりも実写映画の吹き替えに近いイメージで臨みました。
収録の1週間前からは、物置からスパイクを出してきて、近くの公園で走ったりしたんです。ちゃんと準備運動をして、全力疾走とまではいきませんが50mくらいの距離を何回か走りました。1週間ぐらい走っていると、ダッシュした後の状況に肺と呼吸が慣れてきて、その状態でアフレコをしましたね。
――完成した『ひゃくえむ。』を観てどうでしたか。
石谷春貴さん:いろいろな場面がとてもリアルでした。印象的だったのが雨の高校全国大会決勝1カット長回しのシーンですね。僕がよく走っていた延岡の競技場もトラックの表面が青色でしたし、宮崎県では雨が多いので、僕自身が大雨の中で走って負けた瞬間がオーバーラップしました。

ほかにも、スターティングブロックをセットするときの『カチャカチャ』とする音だったり、選手がトラックから引き上げる瞬間に少し頭を下げる数秒の仕草とか。リレーのシーンでバトンを渡すときに「遅れたゴメン」と言ったり、渡したあとに声をかけたりするのも、『わかる』という気分になりましたね(笑)。僕自身もトガシみたいに川の堤防をよく走っていたので、実際に陸上競技をやっていた者として、映画を観ながら共感することばかりの作品でした。

――自身がやられていた競技を演じたことで、“陸上競技”に対する思いも変わりましたか。
石谷春貴さん:陸上競技を題材にすると、どうしてもモノローグ(心の声)が多くなるので、アニメ化は難しいと思っていたんです。今回、初めて陸上競技の作品に出演して、陸上競技が「自分と向き合う競技」だと思いました。いろんな人のサポートがあったとしても、レースの場所にいるのは自分ただ1人だけで、自身の身体と意志と向き合う。目標を立て、自分が速くなるにはどうしたらいいんだろうと、ずっと考え続けるスポーツだと感じました。
こういった思いは、僕自身が高校生のときには言語化はできなかったんですが、『ひゃくえむ。』を通して、当時の思いを言葉にできるようになりました。
自分が記録という目標を目指していくなかで、コーチからアドバイスをもらったとしても、それがすべて自分の走りに合わないこともある。他の人の良いところを取り入れる点、自分のオリジナリティを大切にする点を取捨選択するのは、今の声優の職業にもつながっているところだと感じました。
声優という職業は、最初は養成所に入るところがスタートで、その後、事務所に所属する、オーディションを受ける、そして役をつかみ取るというかたちで進んでいきます。こういったところも、陸上競技で県大会、地区大会、全国大会に進むシステムに似ているのかもしれません。
――ケガで競技を断念したということですが、今振り返ってもう一度学生時代に戻ってみたかったりしますか。
石谷春貴さん:自分はあまり過去に囚われたくないのですが、陸上競技に関してはもう1回、小学生の頃に戻ってみたいですね。僕が走っていた時は知識も少なくて、ハムストリングスではなく、前腿ばっかり鍛えていましたから。栄養面でももっと肉、野菜をバランスよく食べてちゃんとした筋肉をつけて走りたいですね。
――映画のヒットで、陸上競技に興味を持ってくれたファンも多いですが、日本選手権で「ここを見てほしい」というところはありますか。
石谷春貴さん:陸上競技は種目によって筋肉のつき方が全然違っているんですね。昨年、東京で世界選手権が行われた時に、街で海外の選手を偶然見かけたのですが、体型がすごく大きくてテレビで見るのとは違うなと感じました。ですので、実際に競技場で選手の大きさを体感してほしいです。かけっこは誰しもが小学生時代に経験したことのあるスポーツです。出場する選手たちはそのかけっこに本気で打ち込んだ人たちばかりなんですね。そして、本気になった選手が楽しい、嬉しい、悔しい、苦しいといろんな感情を持つ大会です。みなさんも何かに本気になったことがあると思いますが、自身の本気になった経験と置き換えたら、また違う見え方ができるかもしれません。
――今回の日本選手権で見てみたい種目、注目したい選手はいますか。
石谷春貴さん:僕自身は、フィールド種目に注目していますね。特に走幅跳を見るのが大好きなんです。人間が手から足先まで全身を使って少しでも遠くまで跳ぶという種目で、横から見るアングルがとても綺麗だなって思っています。選手によって走り方、跳び方、身体の筋肉の付き方が違うし、とても魅力的な種目だと感じています。選手たちがどんな動きをしているのかに興味があるので、やり投でも、選手が投げたやりよりも、僕は投げ終わった選手の動きを見ていたい。本当のことをいうと、各選手の試合前のウォーミングアップも見たいくらいです(笑)。 選手では去年、高校生で100m10秒00をマークした清水空跳選手(星稜高3石川)ですかね。まだ、荒削りなフォームという印象なのですが、それなのにあのタイムを出したことが驚きで、注目しています。

写真:アフロスポーツ
いしや はるき
1992年生まれ、宮崎県出身の声優。高校時代から声優を志し、13年からキャリアをスタート。アニメ『響け!ユーフォニアム』の塚本秀一役や、男性声優によるプロジェクト『ヒプノシスマイク』の山田二郎役を担当。劇場アニメ『ひゃくえむ。』では、経田役を演じた。中学、高校時代は陸上部に所属し、走幅跳や短距離など幅広い種目に挑戦していた経歴を持つ。
・劇場アニメ『ひゃくえむ。』コラボPV公開! 主題歌Official髭男dism「らしさ」使用バージョン ~ナンバーワンだけが、見られる景色がある~
©魚豊・講談社/『ひゃくえむ。』製作委員会
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■大会概要
<名称> 第110回日本陸上競技選手権大会兼 愛知・名古屋 2026 アジア競技大会 日本代表選手選考競技会
<日時> 2026年6月12日(金)〜14日(日)
<競技日程>https://www.jaaf.or.jp/jch/110/timetable/
<会場> パロマ瑞穂スタジアム(愛知・名古屋)
<チケット> 前売チケット販売中 https://www.jaaf.or.jp/jch/110/ticket/
▼愛知・名古屋2026アジア競技大会 トラック&フィールド種目 日本代表選手選考要項
https://www.jaaf.or.jp/files/upload/202508/25_123227.pdf
▼愛知・名古屋2026アジア競技大会 トラック&フィールド種目 派遣設定記録
https://www.jaaf.or.jp/files/upload/202511/11_092940.pdf
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