第19回アジア競技大会が9月23日に中国・杭州で開幕した。当初は昨年9月に予定されていたが、コロナ禍の影響で1年延期となったため、前回の2018年ジャカルタ大会から5年ぶりに行われることとなる。陸上競技は、会期の後半となる9月29日から10月5日の日程で開催。日本は、インド(68名)、中国(62名)に次いで3番目の規模となる総勢55名(男子34名、女子21名)の選手団で臨む。
日本陸連強化委員会では、今大会を「最大目標とする2024年パリオリンピックと2025年東京世界選手権への試金石となる大会」と位置づけており、チームジャパンとして今季戦ってきたバンコクアジア選手権、ブダペスト世界選手権同様、目指す記録の指標として「世界リスト10位相当」「自己記録達成率99%」「シーズンベスト」を掲げている。さらに、来年に迫ったパリオリンピックに向けて、この大会で、一人でも多くの参加標準記録突破者を増やすこと、各選手がより高いWAワールドランキングのポイントを獲得することを目指している。メダル争いもさることながら、こうした中・長期的な目標に基づく観点で捉えてみると、各選手のパフォーマンスが、よりいっそう興味深いものになるはずだ。
ここでは、日本代表選手の顔ぶれに迫るとともに、大会における期待や見どころを2回に分けて紹介していこう。
※エントリー状況、記録・競技結果等は、9月25日時点で判明している情報により構成した。
文:児玉育美(JAAFメディアチーム)
写真:フォート・キシモト
9秒台スプリンターがそろい踏み!
100mとリレーで好走を期す桐生&小池
男子100mは、9秒台スプリンターの小池祐貴(住友電工)と桐生祥秀(日本生命)が顔を揃える豪華な布陣となった。同じ1995年生まれで、自己記録(以下、PB=パーソナルベスト)はともに9秒98。まず、桐生が2017年に日本人で初めて10秒の壁を突破する形で叩きだし、小池は2018年の急成長を経て2019年にマークしている。
桐生は、昨年後半を休養に充てて臨んだ今季、5月初旬に10秒03の好記録を出していたが、直後に肉離れを起こして無念の戦線離脱。その後は、この大会に向けて仕上げてきた。9月に入って2度のレースを消化。2戦目となった全日本実業団の予選では10秒20をマークし、「スピードは上がってきている」と手応えを持って本番に挑もうとしている。男子100mは、大会1日目の夜に予選が行われたのちに、2日目夜に準決勝・決勝が組まれるタイムテーブル。レースから遠ざかっていたので、「ラウンドをいかに重ねていくか」という点がポイントになってきそうだ。アジア選手権では2019年ドーハ大会を制しているが、アジア大会での金メダル獲得は前回(2018年ジャカルタ大会)の4×100mリレーのみ。当然、初の表彰台、それも最も高いところを目指してのレースとなる。
今年から拠点をアメリカに移してトレーニングに取り組んでいる小池は、今シーズンは個人種目での出場は叶わなかったものの4×100mリレーでブダペスト世界選手権に出場し、3走を務めて5位入賞に貢献した。2019年ドーハ世界選手権、2021年東京オリンピック、2022年オレゴン世界選手権(現地でコロナウイルス感染症に罹患し、出場はならず)、2023年ブダペスト世界選手権と、世界大会では欠かせない顔となっているが、エーススプリンターとして一躍名乗りを上げたのが前回のジャカルタ大会における大接戦を制しての200mでの優勝だった。今大会では、100mでのメダル獲得に挑む。
100mで日本勢の最大のライバルとなってきそうなのは、今季10秒05で走っているXIE Zhenye(中国)か。その他、10秒1台を記録している各国選手が複数名を連ねており、決勝は混戦必至となりそうだ。
男子200mでは、アジア選手権を制した鵜澤飛羽(筑波大学)が直前に故障により出場を辞退。アジア選手権3位で、世界選手権に2大会連続出場中の上山紘輝(住友電工)のみが初のアジア大会に挑む。昨年のオレゴン世界選手権でマークした20秒26の自己記録を塗り替えていくような走りができれば、確実にメダル争いに絡んでいくことになるだろう。
100m・200m代表メンバーが名を連ねていた男子4×100mリレーは、欠場する鵜澤に代わって、リレーで代表入りした宇野勝翔(順天堂大学)が加わる。今季100m(10秒21)・200m(20秒49)ともに成長をみせている宇野が、初のナショナルチームでどんな走りを見せるか。パリオリンピックを優位な立場で戦うためにも、アジア王者の座は譲りたくない。
ブダペストでの快走再び
記録と勝負を巡って“W佐藤”が大激突!
男子400mには、アジア選手権、ブダペスト世界選手権ともに大活躍した“W(ダブル)佐藤”こと佐藤拳太郎(富士通)と佐藤風雅(ミズノ)がエントリー。アジアの覇権を巡って激突するなかで、日本記録がさらに大きく塗り替えられることが期待される。現状でリードを奪っているのが佐藤拳。ワンツー・フィニッシュを決めたアジア選手権で、当時日本歴代2位となる45秒00をマークしてパリオリンピックの参加標準記録(45秒00)を突破して、佐藤風(45秒13=PB)を制すると、ブダペスト世界選手権では予選で44秒77をマークして、日本記録(44秒78、髙野進、1991年)を32年ぶりに更新。準決勝では44秒99と再び44秒台で走ってみせた。一方、佐藤風もブダペスト世界選手権予選で44秒97をマークしてパリオリンピック参加標準記録を突破すると、準決勝では44秒88へと自己記録を塗り替えた。佐藤風・佐藤拳の順で2・3走をつないだ4×400mリレーでは、予選突破はならなかったものの日本歴代2位の3分00秒39をマークしている。
ブダペスト世界選手権に続いて、今大会でも男子主将を務める佐藤拳は、圧巻に思えた44秒77のレースを「失敗レース」と位置づけており、「記録はもっと更新できる」と自信を見せている。また、佐藤風は「(44秒台突入を)拳太郎さんに先を越された」ことを悔しがり、アジア大会で記録・勝負ともに雪辱を果たすことを狙っている。この二人の鍔迫り合いを決勝で見ることができれば、44秒5台に迫るタイムでの金・銀独占も夢ではない。
アジア選手権に続くV狙う田澤
ダイヤモンドアスリートの佐藤、アジア室内に続く活躍なるか
現状で日本の中長距離は、パリオリンピック参加標準記録をクリアするには、まず日本記録を大きく上回っていくことが必要という距離感にある。パリへと繋いでいくためには、他国の有力選手とメダル争いしながらも、記録を狙ったアグレッシブなレースを見せてほしい。800mには川元奨(スズキ、PB:1分45秒75)が、1500mには河村一輝(トーエネック、PB:3分35秒42)がエントリー。ともに両種目の日本記録保持者だ。今季のベストは川元が1分46秒18で、河村が3分38秒45。メダル獲得を達成するためにも、まずはこの記録を上回っていけるかどうかが鍵となる。
長距離では、塩尻和也(富士通)が5000mと10000mの2種目に挑戦。この塩尻とともに、5000mにはダイヤモンドアスリートの佐藤圭汰(駒澤大学)、10000mには社会人1年目の田澤廉(トヨタ自動車)と若手が参戦する。アジア選手権5000mで遠藤日向(住友電工)に続いて銀メダルを獲得している塩尻は、10000mが2日目に、5000mは6日目に組まれたタイムテーブルのなかで、どうコンディションを調整していくか。10000mでは田澤の、5000mではBirhanu BALEW(バーレーン)の背中を追ってのメダル争いとなってきそうだ。初のシニア日本代表として臨んだ2月のアジア室内3000mで銀メダルを獲得している佐藤は、屋外では今回が初のシニア日本代表出場となる。塩尻も含めて13分20秒を切るシーズンベストを持つ選手が複数エントリーするなかでのレースとなるが、思いきりのいい走りを期待したい。パリオリンピックを狙ううえでも、昨年マークした13分22秒91の自己記録更新を目指しつつ、どこまで上位に迫れるかが課題となりそうだ。
田澤は、高温多湿の過酷な環境下となったバンコクでのアジア選手権で金メダルを獲得。2大会連続での出場を果たしたブダペスト世界選手権では、オレゴン大会(20位)よりも順位を上げて15位の成績を収めている。今大会では当然、アジア王者の座を盤石なものにすることを狙っているだろう。
男子3000m障害物は、第一人者の三浦龍司(順天堂大学)は出場しないが、アジア選手権で1・3位を占めた青木涼真(Honda)と砂田晟弥(プレス工業)のメダリストコンビが出場。今大会には、8分11秒63のシーズンベストをマークしているAvinash Mukund SABLE(インド)がエントリーしており、戦いはアジア選手権よりも厳しいものになりそうだが、アジアチャンピオンとして臨んだブダペスト世界選手権では決勝進出を果たすなど、確実に地力を高めている青木にとっては、SABLEとの競り合うことで、2つめのアジア王者の座を8分15秒00のパリオリンピック参加標準記録突破でクリアできる絶好のチャンスといえる。また、初の日本代表として戦ったバンコクで銅メダル獲得を果たした砂田は、来年以降のステップアップを期して、まずは自己記録(8分26秒36=SB)の更新を狙いたい。これが実現すれば、順位も自ずとついてくることになるはずだ。
ハードル陣には
パリオリンピック標準記録突破とメダル独占を期待
13秒04という日本記録が2選手によって樹立され、パリオリンピックの参加標準記録もすでに3選手が突破している男子110mハードルは、オリンピックに向けての戦いも、まず国内代表争いを勝ち抜くために、日本陸上界きってのハイレベルおよび大激戦が予測される活況となっている。アジア大会には、アジア選手権を制した高山峻野(ゼンリン)と、昨年のオレゴン世界選手権に出場した石川周平(富士通)の2人が参戦。パリオリンピックの参加標準記録13秒27をクリアしてのワンツー・フィニッシュに期待がかかる。
ライバルになるとしたら、今シーズン一気に自己記録を0.38秒も更新する13秒25をマークし、中国ナンバーワンとなったZHU Shenglongあたりか。ただし、記録の安定性にはまだムラがあり、高山・石川が万全で臨むことができれば、明らかな力の差が出るはずだ。
男子400mハードルには、今季春先の大会で著しい躍進を見せた児玉悠作(ノジマ)と、世界選手権で2大会連続セミファイナリストとなっているエース・黒川和樹(法政大学)の2人が出場する。ともに400mハードルのレジェント・苅部俊二監督率いる法政大学の先輩後輩となる間柄。児玉は、日本代表として初遠征となったアジア選手権で銀メダルを獲得しているし、シーズン序盤は不調に苦しんだ黒川もWAワールドランキングでブダペスト世界選手権出場を果たすと、予選で自己2番目となる48秒71のシーズンベストをマーク。準決勝では48秒58の自己新を叩きだし、決勝進出には届かなかったが、この種目でのパリオリンピック参加標準記録(48秒70)突破第1号となった。アジア大会では、48秒56で今季アジアリスト1位を占めるAbderrahman Almoubarrake SALSALECK(カタール、前回覇者)やアジア選手権を48秒64で制したBassem HEMEIDA(カタール)などを筆頭に、48秒8を切るシーズンベストをマークしている選手が複数エントリーしており、レースの流れやインターバルの僅かな乱れがメダル争いに大きな影響を及ぼしそうな様相となっている。このメンバーを制しての上位独占が達成できれば、好記録は自ずとついてくるだろう。
フレッシュな顔ぶれで挑むマラソン陣
競歩は、強豪・中国の牙城を崩せるか
ロードで実施されるのは、マラソンと競歩2種目の合計3種目。マラソンには、池田耀平(Kao)と定方俊樹(三菱重工)がエントリーした。池田は、今年2月に行われた大阪マラソンで2時間06分53秒の自己記録をマーク、2時間07分05秒(2020年)の自己記録を持つ定方とともに、10月15日に行われるマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)の出場権も獲得していたが、アジア大会への代表選出を踏まえて、MGCへの出場を辞退して臨むことになった。男子マラソンは、最終日の10月5日の午前7時(現地時間)、男子最終種目としてスタート。気象状況等によっても条件が大きく変わってくるが、前回のジャカルタ大会で金メダルを獲得した井上大仁(MHPS、現称:三菱重工)に続く連覇を狙っての戦いとなるはずだ。
大会初日の9月29日に、開幕最初の決勝種目として午前7時(現地時間)からスタートするのが男子20km競歩だ。日本からはブダペスト世界選手権35k競歩で6位入賞を果たした野田明宏(自衛隊体育学校)と、初の日本代表として臨んだアジア選手権で金メダル獲得を達成している村山裕太郎(富士通)がエントリー。自国開催最初の決勝種目に自信のあるこの種目を据え、大会全体の好発進を狙う中国勢に挑む。
日本記録を持つ35km(2時間23分13秒)や50kmでも日本記録を樹立した経歴を持つことから、両種目での印象が強い野田だが、20kmでも1時間19分00秒の自己記録(2019年)を持つスピードウォーカー。35km種目がなくなるパリオリンピックに向けて、20kmあるいは男女混合リレー競歩での代表入りを目指すためにも、弾みのつく結果を手にしたい。社会人3年目を迎えた今年、初めて1時間20分を切って1時間19分25秒まで記録を伸ばしてきた村山も、アジア選手権に続く“快歩”でその存在感をさらに印象づけたいはず。優勝候補の筆頭となる中国のZHANG Junは、東京オリンピックで8位に入賞、自己記録でも今季は1時間17分38秒の好タイムをマークしているが、オレゴン世界選手権は24位、ブダペスト世界選手権は29位。もう一人の中国代表であるWANG Zhaozhaoもブダペスト世界選手権は37位にとどまっている。日本勢による金メダル争いが実現する可能性は十分にある。意外にも、アジア大会におけるこの種目での優勝は、まだ達成されていない。今大会最初の金メダルを獲得すれば、この種目での日本人初優勝の栄誉も手にすることになる。
紆余曲折を経て来年のパリオリンピックでは実施されないことが決まった35km競歩は、今回のアジア大会では男女混合種目として実施される。レースは大会6日目の午前7時(現地時間)に予定されており、男女同時でスタートし、先にフィニッシュした男子選手、女子選手各1名の記録の合計で競われる。最も短い時間の順(記録の良い順)に順位がつき、同タイムの場合は、2番目にフィニッシュした選手のタイムが速いチームが優位となる仕組みだ。
もともとは、パリオリンピックが35km混合種目で進んでいたことに対するテスト的な位置づけで実施することになった設定が、混合リレー種目での実施に変更されたパリオリンピックの概要が定まらなかったために、そのまま残される形となった。男女混合での団体戦は今までに行われた例がないため、公式レースとしては世界的でも初の試みとなる。
男女ともに圧倒的なレベルの高さと層の厚さを誇る中国が優勝候補の筆頭となりそうだが、日本勢も負けてはいない。百戦連覇の大ベテランといえる勝木隼人(自衛隊体育学校)と渕瀬真寿美(建装工業)に加えて、社会人2年目の石田昴(自衛隊体育学校)、同3年目の矢来舞香(千葉興業銀行)のフレッシュコンビという陣容でメダル獲得に挑む。
世界のトップランカーが名を連ねる跳躍種目
日本勢は、どこまで割って入れるか
男子走高跳は、顔ぶれを見る限り、ハイレベルかつスリリングな戦いが期待できそうだ。2m43(2014年)のアジア記録を持ち、世界的な名ジャンパーとして知られるMutaz Essa BARSHIM(カタール)、2021年に東京オリンピックで4位入賞を果たして以降、2022年には世界室内優勝、世界選手権2位の残したうえに2m36の自己記録(室内)をマーク。今季はダイヤモンドリーグファイナルで屋外での自己タイとなる2m35のシーズンベストを成功させて見事優勝を果たしたWOO Sanghyeok(韓国)が参戦する。さらに地元中国からは、今季2m32まで記録を伸ばしてきているWANG Zhenもエントリー。パリオリンピック参加標準記録の2m33に近い高さでメダル争いが繰り広げられる可能性がある。日本からは、昨年のオレゴン世界選手権8位の真野友博(九電工)と今年ブダペスト世界選手権8位の赤松諒一(アワーズ)が出場する。今季好調を維持しているのは赤松で、自己記録を2m30まで引き上げてきた。ここでパリオリンピックの参加標準記録を突破しておけば、来季はぐんと楽にパリへの準備を進められるはずだ。真野は、今季は2m26に留まり、勝負においても苦戦が続いている。自己記録の2m31にどこまで迫れるか。いったん高い水準の記録をマークすれば安定した結果を残せるタイプであるだけに、来季につながる跳躍を目指したい。
男子棒高跳には、今年アジア人で初めて6mジャンパーの仲間入りを果たし、2回目の6m00クリアを果たしたブダペスト世界選手権では、オレゴン大会の成績(3位)を上回る銀メダルを獲得しているErnest John OBIENA(フィリピン)がエントリー。前回のジャカルタ大会が5m30で7位だったことを考えると、その成長ぶりがいかにすごいかがよくわかる。日本からは、前回覇者の山本聖途(トヨタ自動車)が代表入り。今季は5m40がシーズンベストにとどまり、2012年ロンドンオリンピックから続いていた世界大会(オリンピック、世界選手権)の連続出場も途絶えてしまったが、現在拠点としているフランスで開催されるパリオリンピックに向けて、このアジア大会で浮上のきっかけをつかみたい。
男子走幅跳もレベルが高い。インドからは今季8m42、8m41の自己記録をマークしているJeswin ALDRINとSreeshankar(アジア選手権2位)がエントリー。またチャイニーズタイペイからはアジア選手権を8m40の自己新記録で制したLIN Yu-Tangが、さらには前回優勝者で2022年世界選手権覇者のWANG Jianan(中国、PB:8m47)も出場者リストに名前を連ねた。それぞれからベストの跳躍が繰り出されるような展開になった場合は、パリオリンピック参加標準記録(8m27)を大きく上回るラインでの勝負も期待できそうだ。日本からは日本記録保持者(8m40)でドーハ世界選手権ファイナリスト(11位)の城山正太郎(ゼンリン)と、オレゴン世界選手権代表の山川夏輝(Team SSP、PB:8m17)が参戦。ともに、まだ突破者の出ていないパリオリンピック参加標準記録を狙いながらの戦いとなる。
ディーン、ブダペスト世界選手権の1・2位選手に挑む
十種競技の丸山には8000点台での「金」に期待
男子ハンマー投で今季アジアリスト1位に収まっているのは、6月に75m53の自己記録をマークし、7月のアジア選手権と8月のワールドユニバーシティゲームズを制するなど勢いに乗っている中国のWANG Qi。しかし、パリオリンピックの参加標準記録は、そのWANGであってもまだ届かない78m20と、アジア勢にとって敷居の高い記録となっている。日本からは、アジア選手権で3・4位の成績を残した福田翔大(日本大学大学院、PB:71m79)と柏村亮太(ヤマダホールディングス、PB: 72m92)がエントリー。柏村の記録はアジアリスト2位、福田は同5位につけている。ともに今季更新している自己記録を、さらに塗り替えていくことが、メダル獲得にもつながっていきそうだ。
男子やり投は、ブダペスト世界選手権に出場したディーン元気(ミズノ)と小椋健司(エイジェック)が出場する。この種目は、前回覇者で東京オリンピック、ブダペスト世界選手権チャンピオンのNeeraj CHOPRA(PB:89m94)を筆頭とするインド勢、ブダペスト世界選手権で銀メダルを獲得したArshad NADEEM(パキスタン、PB:90m18)と、アジアリストの上位でひしめく強豪たちが出場の予定で、日本勢にとっては厳しい戦いを迫られそう。ディーンには、アジア選手権でシーズンベストの83m15を投げ、見事金メダルを獲得した勝負強さを見せてほしい。レベルの高い投げ合いになるなかでオリンピック参加標準記録の85m50にどこまで迫れるかに注目したい。
男子十種競技には、アジア選手権に続いて、丸山優真(住友電工)と田上駿(陸上物語)の2人が代表入りを果たした。競技が2日間にわたって行われる十種競技は、1人で戦うよりも、同じチームの選手が複数で臨むほうが、あらゆる面で有利。この種目は、前回(ジャカルタ大会)、前々回(仁川大会)と2大会連続で右代啓祐(国士舘クラブ、日本記録保持者8308点)と中村明彦(スズキ)が1・3位の成績を残して、連続メダル獲得を果たしている。8460点のパリオリンピックの参加標準記録を突破するには、もう少し地力が求められる印象があるものの、アジア選手権で金メダルを獲得し、ブダペスト世界選手権で7844点と自己記録を更新した(15位)丸山には、日本人4人目となる8000点を突破してのこの種目の日本勢3連覇の期待がかかる。アジア選手権で4位の成績を残した田上は、故障からの回復状況次第か。まずは、2021年にマークしている自己記録7764点の更新が目標となってきそうだ。
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