2018.06.22(金)その他

【記録と数字で楽しむ日本選手権】女子フィールド編

このページでは、第102回日本選手権の記録や数字に関しての少々(かなり?)マニアックな「みどころ」などを紹介します。なお、過去に紹介したものと重複している内容も含まれていることをお断りします。


【走高跳】

★22歳vs41歳の対決は?
2017年は、1m77の同記録で21歳の仲野春花選手(早大)と40歳の福本幸選手(甲南学園AC)がそれまでの試技内容で並んでのジャンプオフとなった。その結果、1m80をクリアした仲野選手が初のタイトルを手にした。この種目での早大の選手の優勝も史上初となった。ここできわどく勝ったこともあって、17年のシーズンは日本人相手には無敗だった。なお、母・牧子さん(旧姓・鈴木)は、100mHで6回入賞(3位1回、4&5位が各2回、6位1回)している。さて、今回はどんな戦いが展開されるか?




★レジェンド・福本幸選手
女子トラック中長距離種目の「レジェンド」が早狩実紀選手ならば、女子走高跳のそれは、上述の通り、17年の優勝決定戦で惜しくも2位となった福本選手(旧姓・青山)である。1977年1月4日生まれで、試合のある6月22日で41歳5か月と18日。これは、男女全種目を含めて今回の大会の最年長である。



1994年から17年までの24年間で優勝6回、2・3位各4回、4位3回、5・6位各2回、8位1回で計22回も入賞している。故障でエントリーしなかった96年、出産のためエントリーしなかった10年を除き出場した22回はすべて入賞だ。最後に優勝したのが36歳の時(13年)で記録は04年以降の14年間のチャンピオンで最もハイレベルな1m90!! その年の春には27歳の時と並ぶ自己タイ記録の1m92を跳んでいる。また、29歳から41歳までの、すべての「年齢別日本最高記録」も保持している(33歳はタイ記録)。


【棒高跳】

★史上最多の35人がエントリー
2017年からインターハイの実施種目となったこともあってか、全体的なレベルが上がってきていて今回のエントリーは、史上最多の35人になった。参加標準記録(A=3m80、B=3m70)は、このところ据え置かれているが、至近5年間のエントリー数は、14年=18人、15年=20人、16年=21人、17年=26人、18年=35人の推移で、14年の2倍近い人数になった。時間がかかる種目だけに、次回は参加標準記録が引き上げられることになるかもしれない。


★我孫子智美選手が10年間で5回の優勝
日本記録(4m40/2012年)を持つ我孫子智美選手(滋賀レイクスターズ)が、2008年から17年までの10年間で半数の5回を制している(08年、10~12年、17年)。その他の優勝経験者では、竜田夏苗選手(ニッパツ。13・15年)、青島綾子選手(新潟アルビレックス。16年)がエントリー。我孫子選手が2連覇を果たせば、優勝回数が6回となって歴代トップの近藤高代選手と並ぶ。竜田選手なら3回で歴代3位タイに。




★入賞レベルの水準は?
上述の通り、エントリー人数はどんどん増えているが、各順位別の最高記録には2004年や09年のものもかなり残っている。

<日本選手権での順位別最高記録>
1)4.40 2012年
2)4.20 2004・09・17年
3)4.10 2004・09・17年
4)4.00 2004・09・11・12・14・15・17年
5)4.00 2015・17年
6)4.00 2017年
7)3.90 2009・10・17年
8)3.80 2009・10・12・17年


【走幅跳】

★2人の「U20記録保持者」
11年前、長田高校2年生だった2007年6月2日に6m44の「U20記録(ジュニア記録)」をマークした中野瞳選手(和食山口)と今年6月9日のアジアジュニアで同じ6m44を跳んで「U20記録保持者」となった高良彩花選手(園田学園高)が対決することになった。なお、6m44は「U18記録」でもあり「高校記録」でもある。



ともに高校2年生の6月に6m44を跳び、同じ兵庫県出身というのも面白い。さらに出身中学校は中野選手が神戸市須磨区の飛松中、高良選手は明石市の朝霧中で、直線距離では10kmほどしか離れていない。高良選手には連覇がかかっているが、もしも達成すればこの種目での高校生の連覇は50年ぶりとなる。中野選手の今季ベストは4月22日の兵庫リレーでの6m43(+1.4)で、11年前の自己記録に1cm足りていないが、直接対決した兵庫リレーでは6m27(+3.3)の高良選手を抑えた。さて、山口では?


★2年前と9年前のチャンピオン
16年の覇者・甲斐好美選手(VOLVER)は、17年はエントリーしなかった。6m58を跳んだ17年5月5日から1年以上も走幅跳には出場していなかったが、今年5月12日に1年と1週間ぶりにクアラルンプールでのマレーシアオープンに出て6m28(風不明)をマークした。



2008・09年を連覇した桝見咲智子選手(九電工)は今年の兵庫リレーでは、中野選手と高良選手についで3位。「9年ぶりの優勝」となれば、この種目での「久しぶりの優勝」の最長記録となる。81年から6年後の87年に勝った奥村仁子さんの「6年ぶり」が現在の最長記録。




★日本人の大会最高記録
大会記録の7m03はベレズナヤさん(ソ連。90年)が保持。日本人の最高記録は、花岡麻帆さんの6m82(01年)。



【三段跳】

★宮坂楓選手の3連覇なるか!?
宮坂楓選手(ニッパツ)が2連勝中。3連覇となれば、吉田文代さんの6連覇(05~10年)、花岡麻帆さんの4連覇(99~02年)に続く連勝記録となる。他の選手が制すれば、いずれも初優勝だ。




★13m00オーバー人数と8位入賞ライン
13m00以上を跳んだ最多人数は、2004年の3人。8位入賞ラインが最も高かったのは10年の12m73。


【砲丸投】

★九州の大学生が3連勝中
1997年から2013年まで6人の国士大の現役生と卒業生で17連勝したが、14年に日女体大卒業の横溝千明選手(埼玉陸協)がストップをかけ、15・16年は太田亜矢選手(福岡大)が2連勝。17年は九州共立大の郡菜々佳選手が初優勝し、2連覇に挑む。





★日本人の大会最高記録
中国の甄文華さんが持つ大会記録の19m40(91年)は、森千夏さんの日本記録18m22(04年)を1m以上も上回る。日本人の大会最高記録も、森さんの17m91(04年)。


★15m00オーバー人数と8位入賞ラインの最高記録
今回の出場者の中で最もいい記録を持っているのは郡選手で16m57。18m22の日本記録や17m91の日本人の大会最高記録とは大きな差がある。が、15mラインオーバーのこれまでの最多は5人(16年)で、8位入賞ラインの過去最高は14m41(17年)。15m以上の参加資格記録を持つ選手が4人、14m41以上は16人もいるので、3位まではともかく、4位以下は各順位の歴代最高記録を更新できる可能性も高そうだ。

<日本選手権での順位別最高記録>
1)17.91 2004年/19.40 1991年=外国人が優勝
2)17.57 2004年
3)16.79 2004年
4)15.09 2016年
5)15.09 2016年
6)14.98 2016年
7)14.57 2017年
8)14.41 2017年


【円盤投】

★17歳から34歳のベテランまでが投げ合う
筑波大のOGと現役生で3連勝中。15・16年が卒業生の坂口亜弓さん(STT)、17年が辻川美乃利選手(筑波大)。国士舘大卒業の敷本愛選手(新潟アルビレックスRC)も優勝経験者(13・14年)。

学生記録(54m90/室伏由佳/1998年)にあと54cmと迫る54m26を3月にマークした郡菜々佳選手(九州共立大。17年2位)は、砲丸投との二冠に挑む。この両種目での「二冠達成」となれば、1975年の林香代子さん以来43年ぶりで、史上8人目(18回目)となる。

中学最高記録(44m57)と高校記録(52m38)、さらに中学2年生から高校3年生までのすべての学年別最高記録を保持する17歳の斎藤真希選手(鶴岡工高3年)は1年生だった16年に4位に入賞している。今回、その順位を上げて、3位の表彰台に立つと高校生としては、2009年の糸満みやさん(那覇西高)以来9年ぶり、2位の表彰台であれば77年の高橋真津子さん(両津高)以来41年ぶり、そして最も高いところならば、新制の高校生としては史上初。旧制の高等女学校を含めると42年(第29回)以来、76年ぶり(73大会ぶり)となる。



★日本人の大会最高記録
大会記録の59m94は中国の閔春鳳さんが91年にマークしたもので日本記録(58m62/室伏由佳/07年)を上回る。日本人の最高記録は、56m36(室伏/04年)。


★50m00オーバーの最多人数と8位入賞の最高ライン
50mラインオーバーの歴代最多は4人(12年と14年)、8位入賞の最高記録は47m54(96年)だ。


【ハンマー投】

★勝山眸美選手が史上4人目の連覇に挑む
2001~15年の15年間でこの種目での最多となる10回の優勝を果たした綾真澄さん(丸善工業)が16年末に現役を退き世代交代。16年に渡邉茜選手(丸和運輸機関)が綾さんの連勝を「5」でストップさせたが、17年は勝山眸美選手(オリコ)に歴代2位の小差となる68cm及ばず2位。今回は、勝山選手が4人目となる連覇に挑む。




★「順位別最高記録」
参加資格記録で60m00以上の選手が8人。各順位ごとの記録更新も有望そうだ。

<日本選手権での順位別最高記録>
1)66.32 2011年
2)64.79 2011年
3)62.37 2016年
4)61.07 2017年
5)60.91 2017年
6)60.49 2017年
7)59.03 2017年
8)57.23 2017年


【やり投】

★第一人者・海老原有希さんのあとは!?
この10年間は、2008年から10年に海老原有希さん(スズキ浜松AC)が3連勝、11年は宮下梨沙選手(大体大TC)、12年から15年に海老原さんが4連勝、16年は宮下選手、17年は海老原さんという状況が続いてきた。海老原さんは優勝回数9回(06年も制覇)で松井江美さん(81~90年)の8回を抜いてトップに立ったが、17年末に現役を退いた。

今回の出場者20人の中で唯一の優勝経験者は34歳の宮下選手。09年から10年連続入賞を継続中。




★「順位別歴代最高記録」
参加資格記録で60m00以上が3人、56m00を超える選手が12人エントリー。
17年は、3位から21位の各順位における歴代最高記録がマークされたが、今回もそれを上回るようなハイレベルな投げ合いが展開されるかもしれない。
<日本選手権での順位別最高記録>
1)62.36 2012年
2)59.98 2011年
3)59.53 2017年
4)59.10 2017年
5)58.67 2017年
6)57.74 2017年
7)56.82 2017年
8)55.34 2017年


野口純正(国際陸上競技統計者協会[ATFS]会員)
写真提供:フォート・キシモト


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