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2021.07.31(土)

【記録と数字で楽しむ東京オリンピック】男子棒高跳



・予選 7月31日  9:40

・決勝 8月3日 19:20

江島雅紀(富士通)
山本聖途(トヨタ自動車)

 

五輪初出場で新社会人の22歳・江島雅紀(富士通。5m71=19年)と12年ロンドン・16年リオに続いて3大会連続出場の29歳・山本聖途(トヨタ自動車。5m77i=16年)の2人がエントリー。共に参加標準記録適用期間内(19年5月1日~20年4月5日、20年12月1日~21年6月29日)に、2人の自己ベストを上回る参加標準記録の5m80をクリアすることはできなかったが、ワールドランキングで江島が31位、山本が38位となって資格を得た。

◆五輪&世界選手権での入賞者と日本人最高記録◆
1928年 五輪 6位 3.90 中沢米太郎(東京高師)

1932年 五輪 2位 4.30 西田 修平(早 大)=日本新

〃  五輪 5位 4.00 望月 倭夫(東京高師)

1936年 五輪 2位 4.25 西田 修平(日 立)

〃  五輪 3位 4.25 大江 季雄(慶 大)

〃  五輪 6位 4.00 安達  清(早 大)

1952年 五輪 6位 4.20 沢田 文吉(岐阜市教委)

2005年    8位 5.50 澤野 大地(ニシスポーツ)

2013年    6位 5.75 山本 聖途(中京大)

2016年    7位 5.50 澤野 大地(富士通)


なお、「6位まで入賞」だった1976年モントリオール五輪で、高根沢威夫(本田技研)が5m40で8位になっている。

五輪での日本人最高記録は、江島のコーチでもある澤野大地(ニシスポーツ。現在の所属は、富士通)の5m70(2004年。予選A組7位)。

世界選手権での日本人最高記録は、山本が2013年に6位になった時の5m75。

◆1983年以降の五輪&世界選手権での1・3・8位の記録と決勝に進めなかった最高記録◆
世界選手権が始まった以降の1・3・8位の記録と決勝に進むことができなかった最高記録は、以下の通り。

年   1位 3位 8位 予選落最高

1983   5.70 5.60 5.40  5.40

1984五輪 5.75 5.60 5.30  5.20

1987   5.85 5.80 5.60  5.30

1988五輪 5.90 5.80 5.60  5.30

1991   5.95 5.85 5.60  5.45

1992五輪 5.80 5.75 5.40  5.50

1993   6.00 5.80 5.70  5.65

1995   5.92 5.86 5.60  5.55

1996五輪 5.92 5.92 5.70  5.60

1997   6.01 5.91 5.70  5.60

1999   6.02 5.80 5.70  5.55

2000五輪 5.90 5.90 5.80  5.65

2001   6.05 5.85 5.75  5.70

2003   5.90 5.85 5.70  5.60

2004五輪 5.95 5.85 5.65  5.65

2005   5.80 5.65 5.50  5.45

2007   5.86 5.81 5.81  5.65

2008五輪 5.96 5.70 5.60  5.55

2009   5.90 5.80 5.65  5.55

2011   5.90 5.85 5.65  5.50

2012五輪 5.97 5.91 5.50  5.50

2013   5.89 5.82 5.65  5.40

2015   5.90 5.80 5.65  5.65

2016五輪 6.03 5.85 5.50  5.60

2017   5.95 5.89 5.65  5.60

2019   5.97 5.87 5.70  5.70

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最高記録 6.05 5.92 5.81  5.70

五輪最高 6.03 5.92 5.80  5.65

世選最高 6.05 5.91 5.81  5.70


まずは、このところ5m70か5m75に設定される予選通過標準記録をクリアすることだが、実際にはそれよりも低い高さで通過できることも多い。が、それまでをノーミスでないと試技内容の差で明暗が分かれるケースもある。

メダルを獲得するには、澤野の日本記録(5m83)を上回るレベルを跳ばなければならないだろうが、入賞ラインは19年は5m70だったが、それ以前は08年の五輪以降8大会連続で5m65かそれよりも低い高さで決まっている。日本人コンビにも十分にチャンスはありそうだ。

世界選手権は1983年から始まったので、五輪で入賞した人たちの頃は開催されていなかった。

よって、山本が入賞すれば、両方の世界大会での入賞は澤野に続いて「第二号」 となる。ちなみに、山本の「聖途」という名前は、100m10秒47(90年)のベストを持つ父・久義さんが、「五輪の聖火台に向かって一途に頑張れ」という思いを込めて名付けたそうだ。


◆デュプランティスに世界新の期待◆
2020年2月の室内競技会で、8日に6m17、15日に6m18と世界記録を立て続けに破ったA・デュプランティス(スウェーデン)に勢いがある。20年シーズンは16戦負け知らずでうち10試合が6m台。21年も6月6日の6m10を筆頭に13試合に出て6m台が8試合。室内では、R・ラヴィレニ(フランス)が6m06を跳んだが、屋外では5m92がベスト。屋外で今季2位は、ラヴィレニを含む3選手の5m92なのでデュプランティスが頭二つか三つくらい抜け出ている。

五輪記録の6m03のみならず、自身の世界記録6m18更新の可能性もある。屋外の世界最高も自身の6m15(20年9月17日)だ。個人別の10傑平均記録は、「6m097(6m18~6m03)」。「世界の鳥人」と呼ばれたS・ブブカ(ウクライナ)のそれが「6m125(6m15~6m10)」なので、1年後にはデュプランティスがこれを上回っているかもしれない。なお、日本国内でマークされた最高記録はブブカが92年9月19日に国立競技場で跳んだ6m13(当時、世界新)だ。


野口純正(国際陸上競技統計者協会[ATFS]会員)
写真提供:フォート・キシモト

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