2025.09.04(木)大会

ホクレン・ディスタンスチャレンジ2025 大会報告➀



◆はじめに
本年も「開催都市の観光促進、地域振興に繋がり、住民に喜ばれるイベントとして中長距離シリーズを開催し、国際競技会で活躍できる中長距離選手の育成・強化を図る」ことをコンセプトとしたホクレン・ディスタンスチャレンジを、関係各位のご協力のもと、5会場で開催することができました。



本年度は6月に深川、士別の2大会、日本選手権を挟んで7月に千歳、北見、網走の3大会の分割しての開催となりました。3年目となる「電子ペーサー」の導入も継続することでき、ペースメーカーとあわせて記録を出すための準備は整えることができました。このように、参加者の皆様に記録を出して笑顔で帰っていただける準備ができるのは、ホクレンファミリーである各企業のご協賛、ご協力のおかげであり、そのホクレンファミリーに新たにNTT西日本株式会社を迎えることができました。
このようにホクレンディスタンスチャレンジシリーズは「する」、「みる」、「ささえる」人たち、大会にかかわるすべての人たちの常に前に向かって新しいことにチャレンジしようとするエネルギーの集約により成り立っています。そこで「する」、「みる」、「ささえる」人の観点から2025年度の取り組みを振り返ってみたいと思います。


◆~「する」人の観点から~

本年度は前述のとおり、日本選手権を挟んだ6月(深川・士別)と7月(千歳・北見・網走)の分割で開催いたしました。その影響もあったのか、今回確定エントリー数では、1,458人と1,500人を割り込みコロナ禍解禁以降最少となりました。特に男子の減少が顕著にみられました。



要因として士別大会は、深川大会で日本選手権への挑戦が終わったことや日本インカレや全日本大学駅伝各地区予選などの日程との兼ね合い、千歳大会は日本選手権終了直後であったこと、北見大会は人気の千歳、網走両大会の狭間にあったことが考えられます。また、大幅カット種目とターゲットナンバー大幅未達種目のばらつきがみられたこともエントリー数減少の要因の一つであると考えられます。
一方で、昨年来の課題であったエントリー確定後の欠場数は各大会タイムテーブル、スタートリストに影響のない30人前後で収まり、特に当日欠場が激減したことからも、欠場者数が大幅なターゲットナンバー未達やエントリー数激減の要因とは考えにくい状況だと言えます。
エントリーシステムに関しては、エントリー期間中の資格記録更新などの手続きの不明瞭さによるエントリー確定までに修正が間に合わずエントリー不可となる事例が何件か見られました。この件につきましてはターゲットナンバーという参加制限を課している以上、運営側はエントリーに関するサービス提供を怠ってはいけないと考え、エントリールールの周知徹底にあわせ、エントリー状況の見える化の推進に努めていきたいと思います。



これらのことから、エントリー数減少そのものに対し危機感を持って真摯にその課題に向き合い、記録が狙えるシリーズというブランド強化と、記録への挑戦というニーズに応える大会価値の向上を目指し、選手の目線に立つという大会の原点に戻り対応していく必要があるのではないかと考えます。
シリーズ通しての自己記録およびシーズン最高記録の更新率に関しては、深川、北見大会がそれぞれ23.57%、26.81%と高い更新率を示し、千歳大会は歴代シリーズ2度目の40%越えを達成しました。士別、網走大会が10%台の更新率であったにもかかわらず、シリーズ全体の更新率は23.98%と前年の21.90%より上昇しました。シリーズを通して、中長距離種目出場種目の実に349名が自己記録もしくはシーズン最高記録を更新したことになります。




本シリーズを通して日本記録等の記録更新はありませんでしたが、男子1500mでイ・ジェウン選手が3分36秒01と大幅な韓国記録の更新、また、男子5000mで北海道記録、男子5000m、女子1500m、女子3000mの3つの北海道高校記録の更新など、私たちとともに本シリーズを作り上げてきたホクレンファミリーである韓国や、開催地北海道の競技力向上に少なからず貢献できていることが実感できるうれしい結果でもありました。





男子5000mの13分台が195名と昨年の212名から減少しましたが、5000mの出場者比率では44.0%と上昇しており、13分45秒切の人数、比率ともにここ5年間で最高の値を示しました。外国人選手を含めた上位10傑の平均記録は昨年より低下しましたが、日本人選手の10傑平均記録は、千歳大会の山口選手(早稲田大学)の13分16秒56を筆頭に13分28秒41と上昇しました。これらのことから、2025年度本シリーズの日本人選手における男子5000mの質は上昇したと評価できると思います。これに関しましては、千歳大会の好コンディションもさることながら、深川大会を日本選手権参加資格記録への最後のチャレンジレースと位置づけ、参加選手の13分38秒を突破したいという強い思いと、運営側のターゲットを明確にしたペース設定などの記録を出してもらいたいという強い思いが融合した結果であったと感じています。







男子10000mでは、総合10傑平均記録は上昇しましたが、日本選手の10傑平均記録は低下しました。一方で28分50秒切りの人数は昨年の63人(49.6%) から32人(25.0%)と低下しましたが、出場選手比率は上昇しました。後半戦唯一の10000m開催大会であり、選手が集まった網走大会が高温多湿とコンディションが合わなかった影響は大きかったと考えられます。照明等の関係で10000mの開催場所は限られてしまいますが、開催自治体、地域陸協と協力しながら開催日程などより良いコンディションで10000mが開催できるよう努めていきたいと思います。



女子5000mでは総合10傑平均記録、日本10傑平均記録はともに上昇し、総合10傑平均は初の14分台、日本人10傑平均記録は昨年度に比べ14秒も上昇しました。また、15分台の人数も昨年の54人(18.6%) から過去5年間で最高の72人(27.5%)と人数、出場者比率ともに増加、上昇しており、男子5000m以上に2025年度本シリーズの女子5000mの質は上昇したと評価できると言えます。



女子10000mにおいては、外国人出場選手は2名でありました。日本選手につきましては10傑平均記録は低下し、32分台の人数も昨年の18人(37.5%) から9人(23.1%)と人数、比率ともに減少、低下しました。また、32分台人数も過去5年間で最低の人数となりました。男子同様、網走大会の気象コンディション不良の影響が大きかったと言えます。



近年、北海道においても異例の蒸し暑さが続き、本シリーズでもその影響を大きく受けています。その中でも男女5000mのように記録レベルの質が担保できているのは、選手の地力向上に加えて、ひとえに「電子ペーサー(Wave Light)」とペースメーカーの役割が重要であることは間違いありません。



本シリーズが目的の一つとして「記録への挑戦の場の提供」を示している以上、私たち運営側はどのような気象条件でも更新率20%以上を維持する環境提供を努力するべきであると考えます。そのためには電子ペーサーとペースメーカーは必須条件であり導入継続を目指すことが義務であると考えます。



そのような準備ができ気象コンディションが上手くあたれば、選手の「記録を何としても出したい」、関係者全ての「記録を出して笑顔で帰らせてあげたい」という強い思いが融合し、そこにすさまじいパワーが生まれ40%越えの「PB祭り」が必ず起こることは今回の千歳大会で証明されたといっても過言ではないでしょう。
来年度に向けて良いところは残し、改善することは改善し、強化スタッフや開催自治体の皆様の意見を反映しながら、希望の大会、種目の参加に可能な限り応えられるような各大会の適切な開催日程、種目配置やターゲットナンバーの再検討を進めていき、参加選手がより記録に挑戦し、成果を得られる場を整えていくよう努力していきたいと思います。そして「PB祭り」というキーワードが定着するような環境つくりを進め、皆がハイレベルな記録を狙いに集まる、記録を出せる大会というシリーズのイメージ(ブランド)をさらに高め、「する」人にとっての「是非とも出たい大会」という価値を高めて行きたいと考えます。


>>ホクレンDC大会報告②へ続く

(文:ホクレンDC実行委員会 レースマネージャー木路修平/写真:アフロスポーツ)


【ホクレン・ディスタンスチャレンジ2025大会情報】

■特設サイト
https://www.jaaf.or.jp/distance/



■ホクレンDC公式X
https://x.com/hokurendc

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