Day10:8月10日(土)
パリオリンピック陸上競技第10日、スタット・ド・フランスで行われるトラック&フィールド種目の最終日となった8月10日、日本に新たな輝かしい歴史が刻まれました! 今大会投てき最終種目として行われた女子やり投決勝で、北口榛花選手(JAL)が日本女子フィールド種目初の金メダルを獲得したのです。
北口選手は、1回目に、予選で自身が更新した62m58の五輪日本人最高記録を、さらに塗り替える65m80のビッグスロー。シーズンベストのこの快投で、自身2回目のオリンピックファイナルをスタートさせると、首位で前半を折り返しました。トップエイトに入って、風が回る難しいコンディションとなったことで他選手が記録を伸ばしていけないなか、5回目にも64m73の好パフォーマンス。高いアベレージで首位を守りきり、「逆転の女王」の異名を発動させる必要なく、オリンピックチャンピオンのタイトルを手にするとともに、チームジャパンに今大会初めてのメダルを、金メダルでもたらしました。
北口選手とともに決勝に進んだ上田百寧選手(ゼンリン)も、初の世界大会決勝となったなか、2回目には自己記録(61m75)に迫るセカンドベストの61m64(シーズンベスト)をマーク。トップエイト進出は叶いませんでしたが、10位で競技を終えています。
両選手のコメントは、以下の通りです。
女子やり投 決勝
北口榛花(JAL)
優勝 65m80嬉しいだけでは足りないくらい、本当に言葉にできないくらいの気持ち。いまだにまだ実感が湧かない。(大会に向けては)特にプレッシャーは感じていなくて、大会に来てからはずっとオリンピックを過ごすことができていた。しかし、今年はシーズン最初の時期はあまりうまくいかなくて、不安な部分がたくさんあった。その状態があったままでパリに臨むことになったので、本当に誰かが(自分を)信じてくれていなかったら、ここには立てていなかったと思う。
いつもは6投目まで、ちょっとのんびりしてしまうのだが、ほかの選手もすごい選手ばかりなので、プレッシャーをかけられるように、今日は1投目から絶対に行きたいと思って臨んでいた。有限実行できたが、1投目にあれだけ投げられたのなら、もうちょっと記録を伸ばしたかったなと思う。夢のなかでは70mを投げられていたので、ちょっと悔しい思いもあるが、また頑張って、それを現実にできるようにしたい。
<金メダルが決まって臨んだ6回目は、むしろ集中していたように見えたが、の問いかけに>
調子がいいとわかっていたので記録が欲しかったので、最後までしっかりやった。
<オリンピックで頂点に立って、今感じていることは? の問いに>
大事な試合で勝ち続けることは簡単ではないので、それを続けられるように頑張りたいし、今日、出なかった記録も…、夢のなかで終わってしまったものも、次は叶えられるように、また頑張りたい。
<来年、東京(世界選手権)で見せてください、の投げかけに>
えー、もうちょっと前がいいです!(笑)
上田百寧(ゼンリン)
10位 61m64初めてのオリンピックは素晴しい雰囲気。予選が終わってからもう一度、決勝の舞台で投げられることがすごく嬉しくて、本当に楽しい時間だった。(決勝では)6回投げて、しっかり入賞をしたいと思っていたので、(それが実現できなかったことは)ちょっと残念だが、この最高の舞台で、決勝を戦えたことは、すごく良かったと思う。
<2回目に61m64を投げた段階では8位に浮上した。9番手で3回目に臨んだときの心境は? の問いに>
予選と同じく、(通過)ぎりぎりのところにいて、2投目を投げたときの感触もよかったので、3投目はもっと記録を伸ばしていけるだろうと思っていた。今日はダメだったけれど、次の大会には自己ベスト(61m75)を更新できると思う。
<オリンピック決勝を経験して実感したことは? の問いに>
この大きい舞台で、しっかり自己ベストを出すということは、本当に大切だなと改めて思った。入賞はもちろんのこと、北口(榛花)さんと一緒にメダルを獲得できたら、それが一番いいなと思う。
文:児玉育美(JAAFメディアチーム)
写真:アフロスポーツ