2024.02.03(土)大会

【日本選手権室内】1日目ハイライト

2月3日、第107回日本陸上競技選手権大会・室内競技が、2024日本室内陸上競技大阪大会との併催で開幕。大阪市の大阪城ホールで第1日の競技が行われました。この大会は、シニア種目が「日本選手権・室内競技(以下、日本選手権室内)」として行われており、日本室内陸上大阪大会(以下、日本室内大阪大会)は、U20、U18、U16の3カテゴリに分かれて実施されています。


好調!諸田が女子棒高跳4m35の室内日本新!



女子三段跳は船田が2連覇




4種目の決勝が行われた日本選手権の部では、女子棒高跳で室内日本新記録が誕生しました。昨年、屋外で4m41、4m48と2度の日本記録更新を果たしている諸田実咲選手(アットホーム)が、4m10で優勝を確定。続く4m20を1回で成功させると、2013年以来塗り替えられていなかった室内日本記録(4m33、我孫子智美)を上回る4m35も一発でクリア。屋外・室内両方の日本記録保持者となったのです。4m40に上げた次の高さは攻略することが叶わなかったものの、この大会での4連覇達成に花を添えました。
諸田選手は、1月20日にニュージーランドの屋外記録会ですでにシーズンイン。このとき自己3番目となる4m40を跳び、好調を印象づけていました。諸田選手は競技後、「室内日本記録を更新できたことは嬉しいけれど、すでに(4m)40は跳んでいたので、(4m)40は跳びたかったし、跳べるかなと思っていたので、悔しさもある」とコメント。4m35までは「助走も安定していて、後半にかけても失速することなくスムーズに入れていた」そうですが、4m40に上がったとたん「助走の最後のところがしっくり来ない状態となり、ポールにうまく力を加えられなかった」と振り返りました。今後は、3月にニュージーランド、台湾での試合に出場し、4月の国内大会を経て、5月にも海外転戦を計画していて、「6月の日本選手権までに、なるべく(WAワールド)ランキングの順位を上げた状態で臨んでいくように頑張りたい」と言う諸田選手。今季は「自己記録を上回って4m50台に乗せることと、安定して(4m)40台をコンスタントに跳べるようになること」を目指しつつ、ワールドランキングによるパリオリンピック出場を目指していきます。
棒高跳とともに、1日目にフィールド種目として実施された女子三段跳は、前半の試技を3回行ったのちトップエイト以降は2回とする全5回の試技で競われました。前回初優勝を果たした船田茜理選手(武庫川女子大)が2回目に12m81を跳んでトップに立つと、4回目と12m83をマーク。最終跳躍でも12m83を跳び、2連覇を果たしました。この冬、昨年の補助つき助走からセットスタートに変更したと言う船田選手は、「記録はあまり良くないけれど、冬季練習で課題として取り組んできたセットスタートが噛み合ったので自信になった」と晴れ晴れとした様子。屋外シーズンに向けて、良い手応えをつかむ試合となったようです。

女子60mハードル・青木が圧巻の5連覇



林は高校最後のレースでU20室内日本新!



女子60mハードルは、昨年のアジア室内で8秒01の室内日本記録(アジア歴代2位)を樹立している青木益未選手(七十七銀行)が、予選を全体トップタイムの8秒20で通過すると、決勝は8秒15へタイムを上げて、日本選手権5連覇を達成しました。今季の屋内シーズンは、3月に出場する世界室内で7秒台に突入することを目標に掲げている青木選手は、この大会は、タイムを狙うというよりは、「この冬にやってきたことが、どれだけできるかを確認すること」を意図して臨んだといいます。レースを振り返って、「予選はきれいに走れたものの動きを意識しすぎてペース走のようになってしまった。逆に、決勝は(全力で行ったことで)ぐちゃぐちゃになりながら走っていた感がある」と苦笑いしつつも、この冬やってきたことが形になってきている感触はつかめた様子。「世界室内は、重要視するというよりは、挑戦する感じでいきたいと考えているが、やっぱり勝負は100mハードル。今やっていることができれば絶対に記録は出ると思っている。12秒70を目標にして、結果的に日本記録(12秒73、福部真子)を更新し、(パリオリンピック)参加標準記録(12秒77)も切れたという感じでいけたらいいなと思う」と屋外シーズンを展望していました。
この女子60mハードルで、予選・決勝ともに好記録で場内を沸かせたのは、今大会が高校最後のレースとなる林美希選手(中京大中京高)です。予選で8秒27のU20日本新記録をマークすると、決勝では8秒23まで更新。同タイムでフィニッシュラインになだれ込んだ紫村仁美選手(リタジャパンAC)を0.003秒かわして青木選手、そして8秒20の自己新で2位となった大松由季選手(サンドリヨン)に続いて3位に食い込み、シニアでの初メダルを獲得。七種競技と100mハードルの両方に取り組み、インターハイでは2年連続2冠を果たすなど、同世代感では圧巻の強さを誇ってきた林選手が、高校最後のレースを、シニアでのさらなる活躍を期待させる結果で見事に締めました。
ミックスゾーンでレースの感想を求められ、「まさか日本選手権で3位に入れると思っていなかったので、(結果を)見たときはすごくびっくりした」と答えた林選手。U20日本新記録については、もともとタイムを知らず、予選で出したことで知ったそう。「でも、決勝は、予選よりも上げたいなと思っていた。少しだけど更新できたのでよかった」と振り返りました。今後の課題は、後半の走り。「前半はいいのだが、グランプリなどで先輩方と走っていると、後半離されてしまう。今日は60mだったのでここまで来られたと思うが、100mでも戦えるようにしていきたい」と話しました。
男子60mハードルは、予選を全体でトップタイムとなる7秒74で通過していた町亮汰選手(国際武道大)が決勝でも終盤で抜けだし、7秒65でフィニッシュ。初の日本タイトルを獲得しました。大学時代はずっとケガに苦しみ、戦線復帰を果たしたのは最終学年となった昨年の7月。その後、秋には高校3年時の2019年に出した自己記録を13秒50まで更新する躍進を見せていました。レース後は、「昨年は、全カレ(日本インカレ)も国体も2位。大学最後のレースでタイトルを取ることができて嬉しい」と声を弾ませました。
優勝候補の最右翼と目されていた高山峻野選手(ゼンリン)は、決勝の2台目を越えたところでスピードダウン。8位でのフィニッシュとなりました。「スタートして3歩目くらいでつまずいてしまい、(インターバルが)間延びして、さばききれなかったので途中でやめた」というのが理由で、故障等の心配はないとのこと。まだ、冬季練習の真っ最中という状況で、仕上がりは「%で言うなら2%くらい」とコメント。これから徐々に感覚を取り戻し、まずは日本選手権にピークを合わせていくと話していました。

U20、U18、U16でも記録続々!




U20、U18、U16のカテゴリに分けて行われた併催の日本室内陸上大阪大会では、予選から多くの大会新記録が誕生する活況となりました。
ハイレベルな記録を連発させたのは、U16女子60mを制した三好美羽選手(福山神辺西中)。予選で7秒48の大会新記録をマークすると、決勝では7秒42へと塗り替えて圧勝。中学1年生ながら優勝を果たした昨年に続く連覇を達成しました。予選・決勝ともに、2019年にマークされた中学最高(7秒50、角良子)を上回る好記録です。U16男子60mは、予選から大会記録を更新していた飯干愛斗選手(アローザル、6秒95)と清水空跳選手(長田中、6秒93)の一騎打ちに。決勝では、6秒88へと記録を伸ばした清水選手が優勝。2位で続いた飯干選手も6秒94と予選で出した自己記録を更新しました。U18男子60mも、予選(7秒79)・決勝(7秒73)と連続して大会記録を更新したアブラハム光オシナチ選手(東大阪大柏原高)が優勝。U16女子走幅跳は、前回のこの種目を1年生ながら制した藤本茉優選手(津幡中)が5m84の大会新記録で2連覇を達成。U20女子棒高跳では、前回覇者の柳川美空選手(前橋育英高)が3m90で連覇を確定させると、4m03の大会新記録を1回でクリア。惜しくも成功は叶いませんでしたが、U20室内日本記録(4m10、南野弥生、2004年)を1cm上回る4m11にも挑みました。このほか、U20男子60mハードルでは、昨年U20日本選手権とインターハイを制した山中恭介選手(市立船橋高)が7秒64で快勝。この記録は、110mハードル日本記録保持者(13秒04)の村竹ラシッド選手(順天堂大)が松戸国際高3年の2020年にマークしたU20室内日本記録7秒61に続き、U20室内歴代2位となる好タイムです。

大会最終日となる2月4日は、午前9時40分から行われるU20女子走幅跳および日本選手権女子走幅跳から競技開始。この日は、日本選手権の部で7種目、U20の部で6種目の決勝が行われるほか、オープン種目として小学生男女60mが行われます。競技の模様は、この日もメインとフィールドの2チャンネルに分けてライブ配信の予定。スタートリストや記録速報、ライブ配信スケジュールなど、大会に関連する情報は、日本陸連公式サイト( https://www.jaaf.or.jp/competition/detail/1801/ )および日本陸連公式SNSをご参照ください。
また、会場の大阪城ホールでは、観客入退場口となる北エントランスロビー付近で、1日目に引き続き、能登半島地震義援金の募金活動を行います。時間は、11時00分~17時00分。競技を終えたトップアスリートたちも参加を予定しています。会場にお越しの方は、ご協力のほど、よろしくお願いいたします。


文:児玉育美(JAAFメディアチーム)
写真:フォート・キシモト

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