2022.06.15(水)大会

【オレゴン世界選手権日本代表会見】レポート:世界の頂点を目指し、意気込みを語る



日本陸連は、6月13日、大阪市内のホテルで記者会見を開催。前日までの「第106回日本陸上競技選手権大会」において内定条件を満たし、オレゴン世界選手権日本代表選手に決定した競技者を改めて発表、その後、代表選手を招いての会見を行いました。

記者会見は3部で構成され、第1部でオレゴン世界選手権日本代表選手の発表が、第2部では世界選手権のオフィシャルウエアとなる新ユニフォームの発表が、そして第3部では代表に決まった競技者のうち、7名が登壇しての記者会見が行われました。
まず、第1部の日本代表発表では、風間明専務理事と山崎一彦強化委員長が登壇。風間専務理事が挨拶をしたのちに、山崎強化委員長が、前日まで行われた日本選手権で、選考の条件を満たして即時内定となっていた以下の男子8名、女子2名の競技者を、改めて日本代表として発表しました。


【男子】
・100m:サニブラウンアブデルハキーム(Tumbleweed TC)
・5000m:遠藤日向(住友電工)
・110mハードル:泉谷駿介(住友電工)
・110mハードル:村竹ラシッド(順天堂大学)
・400mハードル:黒川和樹(法政大学)
・3000m障害物:三浦龍司(順天堂大学)
・3000m障害物: 青木涼真(Honda)
・走幅跳:橋岡優輝(富士通)
【女子】
・1500m、5000m:田中希実(豊田自動織機)
・5000m:廣中璃梨佳(JP日本郵政G)


続いて、第2部では、日本陸連のオフィシャルパートナーを務めるアシックスジャパン株式会社が、オレゴン世界選手権日本選手団のために開発したオフィシャルウエアを発表しました。新ユニフォームは、2015年から日本の存在感とチーム力を示す色として採用している「サンライズレッド」が、今回もキーカラー。開発にあたっては、アスリートが感じる不具合や不快感を取り除くことで、より競技に集中して高いパフォーマンスを発揮することを目指す「IN THE ZONE」をコンセプトに、さらなる軽量化、快適性、通気性を実現させたことが紹介されました。
そして、日本代表に決まった泉谷駿介(住友電工)、村竹ラシッド(順天堂大学)、黒川和樹(法政大学)、三浦龍司(順天堂大学)、橋岡優輝(富士通)、田中希実(豊田自動織機)、廣中璃梨佳(JP日本郵政G)の7選手が、実際に、さまざまな種類のユニフォームを着用して登壇。「“頂を目指す”デザインということで、世界一を目指すのにふさわしい。身の引き締まる思い」(橋岡選手)、「スパッツの締め付け感が良く、ハードルを越えていく動作が問題なくできそう」(泉谷選手)、「夏シーズンに、さらさらとしているのはぴったり」(廣中選手)など、それぞれが感想を述べたのちに、フォトセッションに応じました。

代表7選手による記者会見として行われた第3部には、泉谷選手、村竹選手、黒川選手、三浦選手、橋岡選手、田中選手、廣中選手は、新たなオフィシャルウエアをまとって登壇。昨年同様にコメンテーターなど多方面で活躍する小林祐梨子さん(1500m前日本記録保持者で、2008年北京オリンピック5000m代表、2009年ベルリン世界選手権5000mファイナリスト)が司会を務め、まず各選手が、代表に決定した今の心境や世界選手権に向けての意気込みを述べたのちに、報道陣からの質問に応えました。
会見における各選手の主なコメントは、以下の通りです。


【各選手コメント(要旨)】

※掲載順は、WAが採用する種目順に準ずる



泉谷駿介(住友電工)

オレゴン世界選手権に内定して、自分もホッとした気持ちを抱くとともに、少しワクワクしている。
去年の東京オリンピックを経験して、まずは基礎からしっかり見直そうと考えた。トレーナーに相談して可動域だったり体幹だったりをみてもらい、どのような動きにも対応できるようになることを練習でやってきた。また、ウエイトトレーニングやスプリントトレーニングは例年と変わりなくやってきたが、いつもよりしっかり入れていくことを重点において取り組んできた。
オレゴン世界選手権では、去年の東京オリンピックで果たせなかった決勝進出をしっかり目標にして、準決勝でいいレースをして、決勝に進出して頑張っていきたい。




・村竹ラシッド(順天堂大学)

今年の自分のなかの最大の目標が世界選手権出場だったので、ひとまずそれが達成できて、ひと安心している。世界選手権は初めての出場となる。チャレンジャーとして挑めると思うので、その精神を忘れずに楽しんで試合に臨みたい。決勝進出を目指して、予選・準決勝ともにいい走りをしたい。
昨年は(代表にはなれなかったが)東京オリンピックに帯同させてもらったことで、「国際大会に出たい」という思いが、どんどん強くなった。また、そこで海外選手と比べて、自分の身体の細さを実感したので、冬期の練習では、特にウエイトトレーニングに重点を置き、身体を大きくしてきた。その成果は、ちょっとずつ見え始めている。
今までテレビやYouTubeなど、画面越しで見てきた選手と実際に一緒に走れる機会をいただけて、すごく光栄に思っている。その世界の選手のすごさを肌身で体感できるいい機会だと思っているので、その経験を、今大会のみならず、これからの国際大会とかでも活躍していけるような、いい糧にしたい。




黒川和樹(法政大学)

このたびは400mハードルで内定をいただいた。今シーズンに入って、まだPB(パーソナルベスト)を更新できていない。世界選手権では、準決勝で、しっかり日本記録(47秒89)レベルのいいタイムを出して、決勝に進出することが目標。セイコーゴールデングランプリで戦ったライ・ベンジャミン選手(アメリカ)とか、世界記録保持者(45秒94)のカールステン・ワーホルム選手(ノルウェー)とかは、やっぱり格が違うが、そこにしっかりと食らいついていけるようなレースをしたい。
東京オリンピックを走って感じたのは、海外選手は前半の200mを楽な形で入って、後半でもう1ギア上げるレースプランが多いこと。それも、自分の前半とあまり変わらないスピードで入って、後半もう一度上がっているということを実感できたので、去年の冬からはスピード持久力の練習を積んできた。今季はまだPBは出ていないが、 前半を楽に入って、後半で上げられるようになってきたと思うので、コンディションが合えば日本記録は出せると思っている。




三浦龍司(順天堂大学)

この1年は「世界選手権を戦う」というところを目標にしていたので、やっとスタートラインに立つことができたという気持ち。日本選手権が今シーズンに入って2回目の30000m障害物のレースになったのだが、まだまだ課題が見つかったり、その課題を引きずっているなと思ったりする箇所がいくつかあった。世界選手権に向けて、その課題を克服していかなければいけないと思うので、短い時間ではあるが、その「自分が世界と戦うために、ここを磨いていかないといけない」というところを、しっかりと自分なりに仕上げて、万全な状態で戦っていけるようにしたい。
東京オリンピックでは、初めての大きな国際大会だったが、興奮や、自分に対するワクワク、その空気感や緊張感というのを、1つ1つ味わいながら、全体的に楽しめていたと思う。世界選手権では、そういった気持ちを同じように再現したい。また、自分がこれから3000m障害物という競技に長く向き合っていくにあたっては通過点だと思うので、そういったところでの収穫を得られるように挑めればと考えている。周りの雰囲気や選手に流されることなく、積極的に自分らしいレースをしていきたい。




橋岡優輝(富士通)

内定をいただき、正直ホッとしている。オレゴン世界選手権では、きっちりケガを治しきって、ドーハ世界選手権よりもいい成績を残せるように、まずは楽しんで頑張りたい。高みを目指しては行きたいのだが、ドーハの時は、少し切羽詰まっていたような状況だったので、今回は楽しむということをメインにしながら、結果にもこだわりたいと考えている。
ここに来るまでの練習メニュー自体は、大きくは変えていないが、東京オリンピック後の冬期トレーニングあたりからは、これまでずっと心掛けてきた走幅跳における言語化を、より普通の基本的なメニューまで範囲を広げて、言語化していくことに取り組むようになった。また、生活面では栄養バランスを今まで以上に配慮するようになり、身体つくりの部分から重点的に取り組んできている。
ここまで、ドーハ世界選手権、東京オリンピックと、日本代表として2つの国際大会を経験して、それなりに自分らしく挑めてきているのかなとは思っている。ただ、東京オリンピックの際は、寝られなくなるなど、少しリズムが崩れた部分があった。オレゴン世界選手権では、そういったところを、どう過ごすかを考えながら、うまく臨みたい。




田中希実(豊田自動織機)

日本選手権では1500mと5000mで内定をいただけたが、1500mに関しては、少し怖さがあった。最低限1500mの(出場の)権利を取らないと、その後の5000m(の結果)がどうなるかわからない状況でのエントリー内容だったので、そこでしっかり1500mの権利を得られたことと、その上でいい形で5000mの権利を得られたことが、現時点ではすごく自信となっている。春先から自信を少し喪失していたぶん、その経験を忘れずに、世界選手権では、自信を持って突き進むことを完成できるような、今回の日本選手権を上回るような大会にしたい。
ドーハ世界選手権と東京オリンピックの経験を振り返って共通していたのは、1つ1つのことに向き合って、できるだけのことはできたという自信を持って、「これだけのことをやったから、結果はどうなってもいい」という開き直りのようなものがあったこと。だからこそ、結果が出たのかなと思っている。今回の世界選手権でも、調子の良し悪しにかかわらず、そのときできることに真摯に向き合っていれば、調子も上向くかもしれないし、そこで自信や「楽しい」という気持ちが湧いてくるかもしれない。ドーハ世界選手権や東京オリンピックで実践できたことを、今回も実践できたらなと思う。




廣中璃梨佳(JP日本郵政G)

5000m と10000mの2種目で内定を確定することができた。4月からなかなか状態が良くないなかでの日本選手権10000m(5月7日実施)から始まり、昨日の5000mと、本当に「どうなるかな」という状況からのスタートだったが、そのなかでもまずは10000mで(優勝して代表を)勝ちとれたことが自信となって、5000mにつなげることができた。まだまだいろいろ課題はあるが、東京オリンピックでの5000mや10000mの走り、そのときの自分を、超えられるような世界選手権にできたらいいなと思う。
東京オリンピックのときは、シニアの国際大会が初めてだったので、何も考えずに積極的に挑もうという思いで臨んだ。その気持ちを忘れることなく、自分らしさを忘れずに挑みたい。また、オリンピックのときは、特に(最初のレースとなった)5000mの予選はすごく緊張していて、前日、なかなか寝られなかったということを経験できたので、今回は、そういったときもリラックスできるような環境を整えたいと思っている。


※各選手のコメントは、記者会見における各選手の発言と質疑応答時の回答の一部を抜粋し、まとめています。


取材・構成:児玉育美(JAAFメディアチーム)
写真:フォート・キシモト



■【オレゴン2022世界陸上競技選手権大会】日本代表選手について
https://www.jaaf.or.jp/news/article/16579/

■オレゴン2022世界陸上競技選手権大会 日本代表選手選考要項
https://www.jaaf.or.jp/files/upload/202112/16_191504.pdf

■第106回日本陸上競技選手権大会 特設サイト!
https://www.jaaf.or.jp/jch/106/

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