2022.06.13(月)大会

【日本選手権】第4日ハイライト/東京五輪入賞選手が躍動!橋岡は参加標準記録を突破し日本代表内定、3種目挑戦の田中は2冠達成



第106回日本陸上競技選手権の第4日(最終日)は6月12日、大阪市のヤンマースタジアム長居で開催され、12種目の決勝が行われました。7月15日~24日にアメリカ・オレゴンで開かれる世界陸上競技選手権の代表選考会を兼ねており、男子走幅跳は昨年の東京五輪で6位に入賞した橋岡優輝(富士通)が世界選手権の参加標準記録を突破する8m27(+1.4)で2年連続5回目のV。女子は今大会3種目にエントリーした田中希実(豊田自動織機)が2年ぶりに5000mを制し、800mも僅差の2位に入りました。橋岡、田中(5000m)、女子5000m2位の廣中璃梨佳(JP日本郵政G)、男子110mハードルで1、2位を占めた泉谷駿介(住友電工)と村竹ラシッド(順天堂大)の5人が代表に内定しました(敬称略)。



前日の雨から一変し、カラッとした晴天の下で競技が行われた最終日。会場のボルテージを上げたのは昨年の東京五輪で輝いた2人でした。男子走幅跳の2回目、橋岡優輝(富士通)が8m27(+1.4)の大ジャンプ。世界選手権の参加標準記録(8m22)を突破しました。1回目はファウル(無効試技)、3、4、6回目はパスをしましたが、5回目にも8m21(±0)をマークするハイレベルな内容で、東京五輪6位の実力を存分に見せつけて圧勝しました。世界選手権は前回の2019年ドーハ大会で8位に入賞しており、今回も上位進出の期待が高まります。



決勝12種目のうち、2種目に登場して会場の注目をひときわ集めたのが田中希実(豊田自動織機)でした。この最終日は16時20分からの800m決勝と、最終種目の5000m(17時35分開始)にエントリー。
800mの自己ベスト2分02秒36は決勝進出者の中では最速で、予選も全体1位の記録で通過。優勝候補の“本命”として決勝を迎えました。そんな中、スタート直後から塩見綾乃(岩谷産業)が飛び出して逃げ切りを図ります。残り150m付近から田中が猛追しましたが、わずかに届かず。塩見が2分04秒24で初優勝し、田中は2分04秒51で2位でした。



この好勝負を演じた約1時間後には5000mで田中が驚愕の走りを見せます。日本記録保持者の廣中璃梨佳(JP日本郵政G)らを相手に、勝負は残り1周。ここで田中が強烈なスパートを放ち、後続を一気に引き離しました。最後の1000mを2分48秒でカバーし、15分05秒61で2年ぶりの優勝。すでに突破済みだった世界選手権の標準記録15分10秒00も上回りました。同じく標準突破者の廣中が15分11秒08で2位に入り、ともに世界選手権の代表に内定しました。



男子110mハードルの泉谷駿介(住友電工)もハイパフォーマンスを見せました。左足首の捻挫で4月29日の織田記念以来のレースとなりましたが、前日の準決勝で13秒29(-0.2)をマークすると、決勝は向かい風1.2mの中で13秒21。世界リスト7位となる好タイムで、予選で13秒27(+0.5)と世界選手権の標準記録を突破した村竹ラシッド(順天堂大)らを寄せ付けませんでした。村竹も13秒31で2位に入り、自身初の国際大会日本代表に内定しました。

記録的には男子砲丸投も盛況でした。上位3人が18m台という激戦を制したのは村上輝(日本体育施設)。日本歴代8位タイの18m29でアツオビン・ジェイソン(福岡大)や奥村仁志(国士舘大)らを抑えて初優勝を飾りました。女子400mハードルも山本亜美(立命館大)が日本歴代6位の56秒38で2連覇を飾り、従来の自己ベスト57秒04から大躍進を遂げました。



男子200mは上山紘輝(住友電工)が自己タイとなる20秒46(+1.7)で初優勝。小池祐貴が20秒62で続き、住友電工勢のワン・ツーとなりました。小池はワールドランキングで世界選手権のターゲットナンバー(参加人数枠)に入っており、上山のランキングが上がれば2人そろって出場できる可能性があります。

男子やり投のディーン元気(ミズノ)は81m02で2012年以来10年ぶりの頂点に立ちました。ターゲットナンバーでの世界選手権の初出場が有力です。女子走高跳は髙橋渚(メイスンワーク)が4年ぶりに自己記録を1cm上回る1m81で初優勝。1分47秒07で男子800m1位の金子魅玖人(中央大)も初の戴冠でした。



女子200mで2年連続3回目の優勝を飾った兒玉芽生(ミズノ)は追い風2.6mの参考記録ながら公認の自己ベスト(23秒44)を上回る23秒34の快走を見せました。砲丸投は郡菜々佳(新潟アルビレックスRC)が15m57で2年連続5回目のV。円盤投との2冠は1975年の林香代子以来47年ぶりでした。

同時開催のU20日本選手権は13種目の決勝が行われ、男子走幅跳は渡邉希(筑波大)が自己記録を一気に38cmも更新する7m85(+1.6)の大会新記録で優勝しました。同砲丸投は山田暉斗(法政二高・神奈川)がU20日本歴代5位となる18m01で制するなど、好記録が続出しました。U20世界選手権は8月1日から6日までコロンビアのカリで開催されます。

世界選手権の代表選考(参加標準記録有効期間)は6月26日までで、現時点で3枠が埋まっていない種目は参加標準記録の突破やWAワールドランキングのターゲットナンバーによって代表入りのチャンスがあります。6月29日にWAから出場資格選手が発表されるため、日本陸連では6月30日以降に第2次代表内定選手を発表する予定です。


文:月刊陸上競技編集部
写真:フォート・キシモト

■第106回日本陸上競技選手権大会 特設サイト!
https://www.jaaf.or.jp/jch/106/



■オレゴン2022世界陸上競技選手権大会 日本代表選手選考要項
https://www.jaaf.or.jp/files/upload/202112/16_191504.pdf

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