2022.04.14(木)大会

【日本選手権35km競歩:展望(2)】女子35km、派遣設定記録突破で日本代表内定なるか!?渕瀬、河添、園田らが激突!



・女子35km

女子35kmの派遣設定記録は2時間51分00秒で、世界選手権参加標準記録は2時間54分00秒。男子同様に、50kmの記録では、派遣設定記録4時間20分00秒、参加標準記録4時間25分00秒となっているが、いずれにおいてもクリアしている選手はまだいない。
このため、世界選手権出場を実現するためには、この大会で内定がとれなかったとしても、まずは参加標準記録を上回ることが一番の目標になってくる。優勝あるいは上位を巡って、シビアな駆け引きが必至となる男子と異なり、標準記録突破可能なペースを、集団で刻んでいくような展開で進めたほうが、実現する可能性が高まるかもしれない。

エントリーしたのは9名。このうち4名が50km競歩の経験を持つ選手たちとなっている。実績的にも、記録的にも、高い水準にあるのは、渕瀬真寿美(建装工業)。20kmの前日本記録保持者(1時間28分03秒、2009年)で、20kmでは2007年以降、3大会連続で世界選手権に出場し、2009年には日本女子初の入賞(6位)を達成。2012年ロンドンオリンピック(9位)にも出場している選手だ。その後、2019年のこの大会で50kmに挑戦し、4時間19分56秒の日本新記録で優勝。同年のドーハ世界選手権に出場して、11位の成績を残している。単独歩で終盤大きくペースダウンしたなかでの樹立となった50km日本記録樹立時の35kmの通過タイムが2時間52分08秒であることを考えても、万全の状態でスタートラインに立つことができれば、参加標準記録、さらには派遣設定記録をクリアできる実力を持っている。

現状で、勢いのあるところを見せているのは、園田世玲奈(NTN)か。中京大4年時、女子50kmが日本記録として公認されることになった2018年度に、オープン種目の扱いながら日本選手権で初めて実施された50km競歩に優勝し、同年秋には4時間29分45秒まで記録を更新して、女子50km競歩の初代日本記録保持者となった選手である。今季に向けては、男子の松永と同じく、オレゴン世界選手権代表入りを目指して、この日本選手権35kmを目標に取り組んできたが、強化の一環として臨んだ3月20日の全日本競歩能美大会20kmで、自己記録を大幅に更新する1時間32分12秒をマークして優勝。3km過ぎで単独トップに立ち、後半に1人でビルドアップしていくレース展開を披露した。学生時代に比べると、力強さと安定感が格段に増しており、35kmへの取り組みがよい形で進んでいる様子が窺われる。適性や可能性という点で、世界大会実施種目が50kmでなく、35kmになったことは、追い風になったといえるだろう。単独でなく、渕瀬とともにうまくペースを刻んでいくことで、派遣設定記録、参加標準記録突破の可能性は、より高まってくるはずだ。

同じく50kmの経験を持つ、熊谷菜美(関彰商事)や𠮷住友希(船橋整形外科)が35kmでどんなレースを展開するか。また、20kmで東京オリンピック出場を果たしている河添香織(自衛隊体育学校)も着実に力をつけてきた選手。35kmに適性を見せる可能性は十分にある。2月の日本選手権20km競歩で、1時間36分11秒をマークし、大学2年時に出した自己記録を3年ぶりに1分以上更新した矢来舞香(千葉興業銀行)とともに注目したい。

文:児玉育美(JAAFメディアチーム)
写真:フォート・キシモト


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〇【ライブ配信実施】日本選手権35km競歩、男女20km競歩特別レースで日本代表内定なるか!?

〇東京2020オリンピック・特別インタビュー(池田選手)

〇東京2020オリンピック・特別インタビュー(川野選手)

〇競歩特説サイト「Race walking Navi」
~競歩のルール、歴史、過去のライブ配信をチェック!~
https://www.jaaf.or.jp/racewalking/

〇大会ページ
https://www.jaaf.or.jp/competition/detail/1635/

〇競歩日本代表選考要項(オレゴン2022世界選手権杭州アジア競技大会

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