2022.04.16(土)選手

【日本選手権35km競歩】前日会見レポート

4月17日に開催される第106回日本陸上競技選手権大会35km競歩の前日会見が、16日午後、石川県輪島市文化会館で行われました。この大会は、今年7月にアメリカで開催されるオレゴン世界選手権、そして9月に中国で開催される杭州アジア大会の日本代表選考会(男子のみ)を兼ねており、「日本選手権」の獲得だけでなく、代表の座を巡って、熾烈な勝負が繰り広げられることが予想されています。

会見には、上位争いが期待される川野将虎 (旭化成)、丸尾知司(愛知製鋼)、勝木隼人(自衛隊体育学校)、野田明宏(自衛隊体育学校)、河添香織(自衛隊体育学校)、渕瀬真寿美(建装工業)の6選手が出席。日本で初めて開催される35kmのレースを前に、これまでの経過や現在の体調、レースに向けての抱負などを述べたのちに、メディアからの質問に応えました。

各選手のコメント(要旨)は、以下の通りです。




【登壇選手コメント(要旨)】

※掲載は、会見で紹介された順。

◎渕瀬真寿美(建装工業)

35km競歩の練習を始めたのは昨年の10月から。今年の1月に、海外のレースに出場するつもりで取り組んできたが、12月下旬にケガをしてしまい、その海外レースへの出場ができなかったので、その後は、ケガを治しながら、この4月(の日本選手権)に向けて練習をしてきた。まだ少し不安はあるが、明日の目標は、世界陸上オレゴン大会に出場できるように、着々と前を見つめてしっかりと歩いていきたい。
ケガがなければ、練習で35kmとかの距離をしっかり踏んでレースに備えたいところだったが、ケガがなかなか治らなかったこともあり、そこまでのことはできていないという状況にある。明日は、そんなに暑くはならないだろうとみているが、一度50kmを経験して(※2019年の今大会を日本新記録で優勝)、そのときに給水に関して失敗した反省があったので、今回は給水の取り方については考えて取り組んできた。
自分自身は、長い距離がすごく好き。そこに関しては誰にも負けないという気持ちで、明日は臨みたいと思っている。
勝負どころとなるのは25kmくらいではないか。世界と戦うには、2時間50分を切っていかないと入賞も厳しいかなと思っているので、目指すところは2時間50分で、そのために、(1km)4分52~53秒(のペース)で歩ける自信はある。今の状態では、まだ、そこまでには至っていないけれど、世界で戦うためには、そのあたりの力が必要かなと思っている。


勝木隼人(自衛隊体育学校)

世界競歩チーム選手権が終わってから、少し体調を崩した上に、脚を痛めていたこともあり、練習は順調とはいえず、ほとんど調整くらいしかできていない状態である。かなり不安もあるが、ただ今までもこの輪島競歩に関しては、あまりコンディションのいい状態で出場したことがない。そういった意味では、いつも通りと捉えている。
明日は、派遣設定記録(2時間30分00秒)ということを一つの目標にしている。35kmをしっかり歩いたことがまだないので、今回、しっかり歩くことによって来年に繋がってくると考えていて、そのなかで勝負できていけばいいのかなと思っている。
僕の場合は、ここまで、20kmをほとんどしっかり歩けていなくて、50kmに特化してきたので、35kmに取り組むに当たっては、スピードに対する不安が一番大きかった。ただ、35kmも短くはない距離。ペースコントロールが大事と考え、今まで50kmでコントロールしていたような練習を、少し速くなる35kmのペースでコントロールするような練習をやってきた。
特に国内の大会ということもあり、明日のレースは、けっこう序盤から動くのではないかと思っている。5~10kmくらいの早い段階で動く選手は出てくるのではないかと考えていて、20kmくらいでもう一度動き、最後に30km過ぎで勝負を決めるような動きがあるではないか。そう考えると、ほとんど気が抜けないような状態でレースが進んでいくのではないかとみている。
今回に関しては派遣設定記録をターゲットタイムとして挙げたが、現在の世界のトップレベルは2時間27分台。今後、35kmがメイン種目になってくると、たぶん2時間25分前後の自己記録を最低でも持っていないと、勝負ができなくなるのではないかと考えている。


川野将虎 (旭化成)

3カ月前の1月に、自分自身の体調管理不足、コンディション不足の影響で、極度の貧血状態に陥ってしまった。一時的にはヘモグロビン値が9.1(g/dL)まで下がってしまうような状態だった。正直、通常の練習は全くできておらず、今回の世界陸上の選考会にも出場を諦めそうになった時期もあったのだが、酒井瑞穂コーチが、最後まで諦めることなく、医師の方や多方面の関係者の方々に連絡をとってくださり、体調管理の徹底、練習、そして食事と、すべてを毎日整えてくださった。そのおかげで前回の世界競歩(チーム選手権)でも4位と、少しずつコンディションを戻すことができ、今回もスタートラインに立てる状況になっている。こうした支えに感謝をして、明日は、その思いを背負って歩きたい。
スタミナ練習についても、世界競歩チーム選手権を終えたあたりから、いい練習が少しずつできてきているので、(今回のレースが)次の大会に向けてのいい弾みになればいいなと思っている。
35kmという種目は、今までの50kmと違って、20km競歩の選手も出場してくる人がいると思うので、今後、かなりスピード化が進むのではないかと考えている。ただ、今回の目標タイムとしては、派遣設定記録の突破が第一の目標。気を入れてやっていきたい。


丸尾知司(愛知製鋼)

ここまでの練習では、順調に準備を進めてくることができた。明日のレースは、優勝をターゲットに歩きたい。
35kmに向けてやってきたことは、大まかに言うとターゲットとするゾーンのペースを上げていくという取り組み。動作効率を上げること、エコノミーな動きを求めることは、20kmや50kmの練習で目指してきたことと変わらなかったので、そういったところを求めながら取り組んできた。
明日の勝負どころに関しては、いかに後半に力を残すかというところが鍵になってくると思う。それだけに、前半をエコノミーな動きで、いかに動作効率を上げていくかが、自分のターゲットとするべきことかなと思っている。タイムに関しては、2時間26~27分の間に帰ってくるような感じになるのかなとは考えているが、全体の動きをみながらレースを進めていくようにできればと思っている。


野田明宏(自衛隊体育学校)

明日の目標は優勝。練習に関しては、順調にメニューをこなして、調整もうまくいって、ここに来ている。
35kmに向けては、ロング的なところも、スピード的なところも、同じくらいに求めて練習をしてきた。欲張りかもしれないが、量も質もしっかりやってきた。技術的なところに関しては、競歩を始めたときから、変えることなく突き詰めていこうとやってきていることなので、そこに関しては、35kmになっても変えずに取り組んできた。
(勝負どころがどこになるか? の問いに対して)私としては、35kmすべてが勝負どころだと思っている。ターゲットタイムは、あまり具体的には考えていない状態。とりあえずレースの勝負どころで、しっかりと先頭についたり自分で仕掛けたりと、いろいろ考えつつレースを進めていき、それに結果が最後についてくれればいいと思う。
将来的に目指していく記録という点では、今後、ずっと35kmという種目が続いていけば、2時間20分くらいの記録になるんじゃないかなと思っているので、そのあたりを目標に、進めていきたいなと考えている。


河添香織(自衛隊体育学校)

2月の日本選手権(20km競歩)が終わってからは、もともと状態がよくなかった脚の状態をみながら練習をしてきて、3月中旬くらいから、この大会に向けての練習を始めた。「勝負する」という意味では、本当はもっと練習をしたかった気持ちもあるが、脚の状態も含めて、なんとか世界陸上の参加標準記録を狙えるというラインくらいまでには、もってくることができたかなと思っている。
明日は、世界陸上の参加標準記録(2時間54分00秒)を目標に、しっかり歩ききりたい。
35kmに出ることを決めたのは、2月の日本選手権が終わってあとだったので、この大会に向けてずっと取り組んできたわけではない。ただ、昨年から、35kmに出るかもしれないということは頭の中にはあったので、12月や1月もストロールの距離であったり、ポイント練習の距離だったりを多めに取り組んできていた。20km以上をレースで歩いたことがないので、35kmをどう歩くことができるかは、ちょっと想像がつかないが、やったことがないからこそ経験できることもあるのかなと思っている。明日は、そういうところを強みにしていきたい。
(勝負どころがどこになるか? の問いに対して)これは、35kmだけでなく、女子のレースにいえることだと思うのだが、「自滅しない」ということが一番大事になってくるのではないかと考えている。ゴールするまで、ちゃんと自分が理想としているペースを維持し続けることが一番の課題になると思う。


この大会は、昨年まで「日本選手権50km競歩」として行われてきましたが、ワールドアスレティックス(WA)が世界大会実施種目を50km競歩から35km競歩に変えたことにより、この大会の実施種目も変更されました。
35kmのレースは、男女ともに、4月17日午前8時ちょうどにスタート。発着点は、従来までと同様に、石川県輪島市の「道の駅輪島ふらっと訪夢」前ですが、種目が変わったことを受けて、昨年まで採用していた1周2kmの周回コースから、海側の500mを折り返す1周1kmの周回コースに変更となり、より世界大会で用いられている仕様のなかで競われます。

また、今回は、併催している第61回全日本競歩輪島大会 のなかで、男女20km競歩の特別レースも実施。出場選手たちは、派遣設定記録(男子:2時間19分00秒、女子:2時間30分00秒)や参加標準記録(男子:2時間20分00秒、女子:2時間31分00秒)、あるいはターゲットナンバー(全体出場枠)内の判断基準となるWAワールドランキングのポイント獲得を目指してレースに挑みます。このレースは、男女とも4月17日午前8時45分にスタートの予定で、東京2020オリンピック日本代表の池田向希(旭化成)・高橋英輝(富士通)・藤井菜々子(エディオン、ダイヤモンドアスリート修了生)・岡田久美子(富士通)、3月に開催された世界競歩チーム選手権日本代表の諏方元郁(愛知製鋼)がエントリーしています。

日本陸連では、今大会についても、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大防止の観点から、関係者やファンの皆さまの会場や沿道での応援は、自粛するようご協力をお願いしています。4月17日に行われる日本選手権35km競歩および男女20km競歩の特別レースは、日本陸連の公式YouTubeチャンネルにおいて、ライブ配信を実施の予定。ぜひ、画面越しでの熱い声援をお願いいたします。

◎YouTubeライブ配信⇒https://youtu.be/fSPaN8enw4Y

なお、今大会のエントリーリストやライブ配信先は、日本陸連公式ホームページ内にある競歩の特設サイト「Race walk Navi~競歩ナビ~」からのアクセスが便利です。大会情報のほか、競歩の歴史やルール、歴代日本選手権優勝者、オレゴン世界選手権の内定条件、インタビューやレース展望など、競歩のレースをより楽しみながら応援できる企画が満載です。どうぞ、ご活用ください。

◎競歩特設サイト「Race alk Navi~競歩ナビ~」⇒https://www.jaaf.or.jp/racewalking/


文・写真:児玉育美(JAAFメディアチーム)


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