2022.02.25(金)選手

【記録と数字で楽しむJMCシリーズ】男女対象大会「大阪びわ湖マラソン」、JMCランキングとMGC出場権獲得の行方は!?



・文中敬称略。
・所属は当時のもの。

「MGC出場権獲得」の条件

2022年2月15日時点での「MGC出場資格獲得者」は、
No.名前所属自己ベスト出場権を獲得した大会と記録
1細谷恭平黒崎播磨2.06.35.21福岡国際=日本人1位(2.08.16.)
2大塚祥平九電工2.07.38.21福岡国際=日本人2位(2.08.33.)
3髙久龍ヤクルト2.06.45.21福岡国際=日本人3位(2.08.38.)
4上門大祐大塚製薬2.06.54.21福岡国際=日本人4位(2.08.56.)
5神野大地セルソース2.09.34.21防府読売=日本人1位(2.09.34.)
6西山雄介トヨタ自動車2.07.47.22別府大分=日本人1位(2.07.47.)
7鎧坂哲哉旭化成2.07.55.22別府大分=日本人2位(2.07.55.)
8藤曲寛人トヨタ自動車九州2.08.20.22別府大分=日本人3位(2.08.20.)
9古賀淳紫安川電機2.08.30.22別府大分=日本人4位(2.08.30.)
10相葉直紀中電工2.08.44.22別府大分=日本人5位(2.08.44.)
11中西亮貴トーエネック2.08.51.22別府大分=日本人6位(2.08.51.)
の11人。

「MGC出場権獲得」の「大阪マラソン」での条件は、

・日本人1~3位で2時間10分00秒以内
・同4~6位で2時間09分00秒以内
・順位に関係なく2時間08分00秒以内
・「第1期」の2レースの平均で2時間10分00秒以内

そして、
・「シリーズⅠ」終了時点(22年3月31日)のJMCランキングで8位以内

が条件に加わる。

「グレード1」のレースであるが、招待選手の顔ぶれは他の大会と比べてやや寂しい感は否めない。
が、逆に言えば「順位ポイント」でポイントを稼ぐチャンスであるかもしれない。
記録で「10pt」の差は、約30秒だが、日本人トップならば順位ポイントが「140pt」、同2位「105pt」、同3位「90pt」で同12位でも「20pt」をゲットできる。日本人1位の選手は、記録ポイントにあてはめると約7分ぶん、12位でも約1分ぶんのポイントを上乗せできる勘定だ。


「大阪マラソン」でポイントランキングはどう変わるか?

本稿の末尾に掲載している「ポイントランキング」には、「2100pt以上」の39人と1レースのみで「1100pt以上」の74人の計113人をリストアップした。
大阪マラソンの出場予定者に「★=招待選手」と「▲=一般参加選手」を付記した。

「JMC」についての詳細は、
 ↓ ↓ ↓
https://www.jaaf.or.jp/jmc-series/outline/

に詳しく説明されているのでそちらをご覧頂きたい。

また、もう少し簡単な概略説明は、12月5日の福岡国際マラソン時の拙稿の冒頭部分をご覧いただきたい。
 ↓ ↓ ↓
https://www.jaaf.or.jp/news/article/15665/

現在ランキングトップの細谷恭平(黒崎播磨)は「2646pt」。
2位は大塚祥平(九電工)で「2602pt」、3位は高久龍(ヤクルト)で「2472pt」

今大会の招待選手が細谷、大塚、高久のポイントを上回るために必要なポイントを以下にまとめた。

 細谷超え大塚超え高久超え
川内優輝1404pt1360pt1230pt
村本一輝1412pt1368pt1238pt
青木優1418pt1374pt1244pt
寺田夏生1360pt1316pt1186pt
山下一貴1452pt1408pt1278pt
土井大輔1453pt1409pt1279pt

この中では、第0期で1287ptを稼いでいる寺田夏生が、ランキング上位3名に割り込んでくる可能性が最も高い。とは言え、トップの細谷を超えるための1360ptはなかなかハードルが高い。仮に日本人トップだった場合は、順位ポイント(140pt)+2時間06分47秒以内の記録ポイントが必要となる。現実的には、ランキング2位の大塚を超えるための1316ptあたりがターゲットとなるだろう。ランキング3位の高久超えは十分に期待できる。なお、参考までに、「1350pt」「1300p」「1250pt」の条件となる順位ポイントと記録ポイントの条件を以下に紹介する。「順位ポイント」は、1位(140pt)から12位(20pt)までに付与されるが、ここでは6位(50pt)までの順位毎と13位以下(順位ポイントは「なし」)の場合のタイムを掲載した。

 日本人1位同2位同3位同4位同5位同6位同13位以下
1350pt2.07.20.以内2.05.26.以内2.04.37.以内2.03.49.以内2.03.01.以内2.02.29.以内1.59.52.以内
1300pt2.10.06.以内2.08.10.以内2.07.20.以内2.06.31.以内2.05.42.以内2.05.10.以内2.02.29.以内
1250pt2.12.56.以内2.10.57.以内2.09.50.以内2.09.16.以内2.08.26.以内2.07.53.以内2.05.10.以内

招待選手以外では、吉田祐也(GMOインターネットクループ)が第0期で1354ptを獲得しており、寺田以上にランキング上位にランクインする可能性が高い。吉田の細谷・大塚・高久超えの条件は以下の通り。

 細谷超え大塚超え高久超え
吉田祐也1293pt1249pt1119pt

1293ptは吉田の実力からすると決して無理なレベルではない。大阪マラソン後にランキングトップが入れ替わるかもしれない。


【JMC・第0期&第1期ポイントランキング暫定版(男子)/2022年2月15日現在】

・0期は国内大会、オリンピックのみ。
・氏名の後ろの「★」は大阪マラソンの招待選手、「▲」は一般参加選手。

順位名前 所属都道府県総合ポイント第0期ポイント第1期ポイント
1細谷恭平 黒崎播磨福岡264613131333
2大塚祥平 九電工福岡260213091293
3髙久龍 ヤクルト東京247211961276
4藤曲寛人 トヨタ自動車九州福岡247111891282
5大六野秀畝旭化成宮崎245012621188
6川内優輝AD損保東京243112431188
7内田健太 埼玉医科大学G埼玉238211941188
8熊谷拓馬住友電工兵庫236111721189
9兼実省伍 中国電力広島235211561196
10田中飛鳥福岡陸協福岡233911871152
11小森稜太 NTN三重232111521169
12田口雅也 Honda埼玉231710981219
13小山裕太 トーエネック愛知230211841118
14飛松佑輔 日置市役所鹿児島2290 2290
15北島寿典 安川電機福岡228911631126
16大津顕杜 トヨタ自動車九州福岡228511931092
17寺田夏生JR東日本東京22771287990
18鈴木忠 スズキ静岡227111481123
18福田穣エヌエヌランニングチーム福岡227111531118
20平田幸四郎SGH京都226211471115
21神野大地 セルソース東京223310241209
22藤川拓也 中国電力広島222811441084
23青木優カネボウ東京22141229985
24竹ノ内佳樹NTT西日本大阪22041230974
25畔上和弥トヨタ自動車愛知219911391060
25富安央 ラフィネ東京219911531046
27中村高洋 京セラ鹿児島鹿児島218411681016
28加藤平 新電元埼玉216610791087
29四辻剛トヨタSC愛知216110791082
29中村祐紀住友電工兵庫216111481013
31藤村行央住友電工兵庫215810911067
32森貴樹 モントブラン千葉215711041053
33監物稔浩 NTT西日本大阪215311141039
34吉村大輝旭化成宮崎214810911057
35大﨑遼 ラフィネ東京214511091036
36熊橋弘将 山陽特殊製鋼兵庫212611151011
37谷川智浩 コニカミノルタ東京21181128990
38橋本崚 GMOインターネット東京21089451163
39甲斐大貴 JOHHOKUCABALLO東京210610371069
・以上、2レーストータルで「2100pt以上」。

・以下、1レース出場で「1100pt以上」。
名前 所属都道府県総合ポイント第0期ポイント第1期ポイント
鈴木健吾 富士通千葉13941394 
吉田祐也GMOインターネット東京13541354 
大迫傑 Nike東京13451345 
西山雄介 トヨタ自動車愛知1342 1342
土方英和 Honda埼玉13311331 
鎧坂哲哉旭化成宮崎1304 1304
井上大仁 三菱重工長崎12951295 
小椋裕介 ヤクルト東京12791279 
作田直也 JR東日本東京12661266 
古賀淳紫 安川電機福岡1264 1264
上門大祐 大塚製薬徳島1256 1256
菊地賢人 コニカミノルタ東京12551255 
聞谷賢人 トヨタ紡織愛知12481248 
相葉直紀 中電工広島1244 1244
二岡康平 中電工広島1235 1235
村本一樹住友電工兵庫12351235 
中西亮貴 トーエネック愛知1232 1232
市山翼 小森コーポ茨城12231223 
赤﨑暁 九電工福岡1219 1219
丸山竜也 ヤチヨコウギョウ埼玉12091209 
吉岡幸輝 中央発條(株)愛知12081208 
山口武 西鉄福岡1203 1203
作田将希 JR東日本東京12031203 
服部勇馬 トヨタ自動車愛知12001200 
中村匠吾 富士通東京12001200 
足羽純実 Honda埼玉11991199 
下田裕太GMOインターネット東京11981198 
定方俊樹 三菱重工長崎1197 1197
山下一貴三菱重工長崎11951195 
其田健也 JR東日本東京11941194 
土井大輔黒崎播磨福岡11941194 
坪内淳一 黒崎播磨福岡11871187 
林奎介GMOインターネット東京11821182 
久保和馬 西鉄福岡11821182 
岡本直己中国電力広島11811181 
松村優樹Honda埼玉11791179 
清谷匠 中国電力広島11761176 
谷原先嘉大阪府警大阪11751175 
西澤佳洋小森コーポ茨城11711171 
野口拓也 コニカミノルタ東京11711171 
片西景 JR東日本東京11711171 
奥野翔弥 トヨタ自動車九州福岡11701170 
高宮祐樹 ヤクルト東京11701170 
藤本拓 トヨタ自動車愛知11671167 
橋本隆光 小森コーポ茨城11671167 
辻野恭哉 NTN三重11651165 
田中佳祐 富士通千葉11591159 
鈴木洋平 愛三工業愛知11581158 
伊勢翔吾 コニカミノルタ東京1154 1154
松井智靖 中国電力広島11491149 
早川翼 トヨタ自動車愛知11471147 
柴田拓真 小森コーポ茨城11471147 
堀尾謙介 トヨタ自動車愛知11461146 
佐藤歩 三菱重工長崎11451145 
原由幸 滝ヶ原自衛隊静岡11381138 
秋山雄飛 中国電力広島11311131 
濱崎達規 なんじぃAC沖縄11251125 
吉元真司 黒崎播磨福岡11231123 
宮坂大器 青山学院大埼玉1123 1123
坂田昌駿中央発條(株)愛知11201120 
堀合大輔 ヤクルト東京11201120 
深津卓也 旭化成宮崎11191119 
奥谷裕一 大塚製薬徳島11181118 
比夫見将吾大阪府警大阪11151115 
横田俊吾 青山学院大福島1114 1114
松尾良一旭化成宮崎11141114 
中村泰之 スズキ静岡11091109 
大石巧 スズキ静岡1106 1106
竹内竜真日立物流千葉11061106 
河村悠亜細亜大愛知11051105 
金子晃裕コモディイイダ東京11041104 
高橋雅人 TRACK東京東京11041104 
朝賀勇也高田自衛隊新潟11031103 
八巻雄飛SGH京都1101 1101


女子

2022年2月15日時点での「MGC出場資格獲得者」は、
No.名前所属自己ベスト出場権を獲得した大会と記録
1松田瑞生ダイハツ2.20.52.22大阪国際=日本人1位(2.20.52.)
2上杉真穂スターツ2.22.29.22大阪国際=日本人2位(2.22.29.)
3松下菜摘天満屋2.23.05.22大阪国際=日本人3位(2.23.05.)
4谷本観月天満屋2.23.11.22大阪国際=日本人4位(2.23.11.)
5阿部有香里しまむら2.24.02.22大阪国際=日本人5位(2.24.02.)
6佐藤早也伽積水化学2.23.27.22大阪国際=日本人6位(2.24.47.)
の6人。


「MGC出場権獲得」の条件は?

24年パリ五輪の代表切符を得るための最重要レースとなる23年秋に開催が予定されている「MGC(マラソングランドチャンピオンシップチャレンジ)」への出場資格を獲得することも今回の大きな目標となる。今回の大阪マラソンの女子は「グレード2」のレースなのでその条件は、

・日本人1位で2時間28分00秒以内
・同2~6位で2時間27分00秒以内
・順位に関係なく2時間24分00秒以内
・「第1期」の2レースの平均で2時間28分00秒以内
そして、
・「シリーズⅠ」終了時点(22年3月31日)のJMCランキングで8位以内

である。

「グレード2」のレースで招待選手の顔ぶれは他の大会と比べてやや寂しい感は否めない。
「順位ポイント」は、日本人1位が「20pt」、同2位が「15pt」、同3位が「10pt」。
記録での「10pt」の差は、約1分だが、日本人3位までに入れば、記録ポイントにあてはめると1位が約2分ぶん、2位が約1分30秒ぶん、3位が約1分ぶんを上乗せできる。


「大阪マラソン」でポイントランキングはどう変わるか?

本稿の末尾に掲載している「ポイントランキング」には、「2000pt以上」の21人と1レースのみで「1000pt以上」の30人の計51人をリストアップした。
大阪マラソンの出場予定者に「★=招待選手」と「▲=一般参加選手」を付記した。

招待選手の伊藤舞(大塚製薬)が、現在2070ptで今大会出場者の中では、最もポイントが高い。しかし、ランキングトップの松田瑞生(ダイハツ)の2578点とは大きく差があり、ランキング8位・田中華絵(第一生命グループ)の2319ptとも249pt離れている。伊藤が日本人トップだった場合、ランキング8位の田中を超えるためには、順位ポイント(20pt)+2時間18分48秒以内のタイムが必要となり、現実的には厳しい。


【JMC・第0期&第1期ポイントランキング暫定版(女子)/2022年2月15日現在】

・0期は国内大会、オリンピックのみ。1期の海外はニューヨークのみ。
・氏名の後ろの「★」は大阪マラソンの招待選手、「▲」は一般参加選手。
順位名前 所属都道府県総合ポイント第0期ポイント第1期ポイント
1松田瑞生 ダイハツ大阪257812841294
2上杉真穂 スターツ千葉247712191258
3松下菜摘 天満屋岡山246012131247
4阿部有香里 しまむら埼玉245312311222
5佐藤早也伽 積水化学千葉244712371210
6谷本観月 天満屋岡山235811221236
7加藤岬 九電工福岡232211741148
8田中華絵 第一生命グループ東京231911941125
9川内理江 大塚製薬徳島231411171197
10池満綾乃 鹿銀鹿児島231211681144
11岩出玲亜 千葉陸協千葉230211271175
12萩原歩美 豊田自動織機愛知229112001091
13山口遥 AC・KITA東京2218 2218
13兼重志帆 GRlab関東東京221811141104
15池内彩乃 デンソー三重213910991040
16澤畠朋美 埼玉陸協埼玉210010331067
17伊藤舞大塚製薬徳島207010541016
18宮永光唯 大阪芸術大大阪206410131051
19堀岡智子 大阪陸協大阪204910271022
20藤澤舞 札幌エクセルAC北海道204510381007
21小川那月 神戸学院大兵庫20181025993
・以上、2レーストータルで「2000pt以上」。

・以下、1レース出場で「1000pt以上」。
名前 所属都道府県総合ポイント第0期ポイント第1期ポイント
一山麻緒 ワコール京都12911291 
前田穂南 天満屋岡山12481248 
和久夢来 ユニバーサル千葉12021202 
鈴木亜由子 JP日本郵政G東京12001200 
赤坂よもぎ スターツ千葉11891189 
池田千晴 日立茨城11561156 
松田杏奈 京セラ鹿児島11491149 
福良郁美 大塚製薬徳島11471147 
大森菜月 ダイハツ大阪11461146 
竹本香奈子 ダイハツ大阪11461146 
足立由真 京セラ鹿児島11421142 
大蔵玲乃 ノーリツ兵庫11301130 
福居紗希 三井住友海上東京11281128 
沼田未知 豊田自動織機愛知1114 1114
小原怜 天満屋岡山11131113 
中野円花 岩谷産業大阪11041104 
池本愛 SWAC東京10881088 
吉冨博子 メモリード佐賀10841084 
儀藤優花 肥後銀行熊本10831083 
下門美春 埼玉陸協埼玉10771077 
竹地志帆 ヤマダホールディングス群馬10751075 
永尾薫 三田飲料東京10491049 
清田真央 スズキ静岡10481048 
野村沙世 ユニクロ東京1046 1046
宇都宮恵理 JP日本郵政G東京10391039 
川内侑子 AD損保東京10331033 
西岡真紀 モクレンRC和歌山10281028 
大井千鶴 NARA-X奈良10231023 
坂本喜子 teamF.O.R三重10091009 
髙野美幸 埼玉医科大学G埼玉10041004 



▼JMCシリーズ 第1期男子第3戦の「別府大分毎日マラソン」


▼JMCシリーズ特設サイト

https://www.jaaf.or.jp/jmc-series/

▼JMCシリーズポイントランキング

https://www.jaaf.or.jp/jmc-series/series1/ranking/

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