2021.03.19(金)大会

【日本選手権室内】2日目ハイライト ~橋岡優輝選手が22年ぶりに室内日本記録を更新!~



第104回日本陸上競技選手権大会・室内競技/2021日本室内陸上競技大阪大会は3月18日、大阪市の大阪城ホールにおいて、2日目の日程が行われました。最終日のこの日は、日本選手権男女8種目のほか、2021日本室内陸上競技大阪大会としてU20の男女6種目で決勝が組まれるタイムテーブル。東京オリンピックでの活躍を期す選手たちも多数出場し、大いに盛り上がりました。

好記録が誕生したのは、日本選手権男子走幅跳。2019年ドーハ世界選手権8位の橋岡優輝選手(日本大学)が、8m19の室内日本新記録をマークしました。出場者8名による一発決勝で行われたこの種目。室内大会への出場が初めてだった橋岡選手は、この会場特有の助走路やボードトラック独特の弾み方から助走のコントロールに苦労し、1回目からファウルが続く展開となりましたが、5回目の試技で8m19のビッグジャンプを披露。自身の師である森長正樹コーチが1999年から保持していた室内日本記録(8m07)を22年ぶりに更新し、日本大学所属での最後の試合を有終の美で終えました。



男子棒高跳は、室内日本記録(5m77、2016年)を持つ山本聖途選手(トヨタ自動車)と、2月に自己タイの5m50を跳んで好調ぶりを示していた石川拓磨選手(TCS陸上部)との一騎打ちとなりました。高校(岡崎城西高)・大学(中京大)ともに同窓となる2人は、ともに5m70を1回で成功して、室内日本新記録で東京オリンピック参加標準記録でもある5m80にも挑戦。残念ながら、この高さのクリアはなりませんでしたが、試技内容の差で後輩の石川選手が、初の日本選手権タイトルを獲得しています。
日本記録保持者(2m35、2019年)の戸邉直人選手(JAL)はじめ、2m30を上回る自己記録を持つ真野友博選手(九電工;2m31、2020年)、衛藤昂選手(味の素AGF;2m30、2017年)の3選手が顔を揃える豪華な顔ぶれとなった男子走高跳は、2m24で戸邉選手が優勝。同じくこの高さをクリアしている真野選手が試技内容の差で2位、衛藤選手が2m18・3位となりました。



男子60mは、前回チャンピオンの多田修平選手(住友電工)が、予選で6秒57をマークして、自身の持つ大会記録を100分の1秒更新するトップタイムで決勝に進出しました。決勝では得意のスタートで出遅れるミスがありながらも中盤以降で盛り返して先着。川上拓也選手(大阪ガス)とサニブラウン・アブデルハキーム選手(フロリダ大)が2019年にマークした室内日本記録(6秒54)に0.02秒まで迫る6秒56の大会新記録で連覇を果たしました。なお、予選を6秒70で通過していた桐生祥秀選手(日本生命)は、左膝裏の違和感により決勝は棄権しました。
予選がなくなり、一発決勝で行われた女子60mは、奈良・添上高3年の昨年、2位に食い込む健闘を見せた三浦愛華選手(園田学園女子大)が日本歴代2位となる7秒38の好記録をマークして、日本選手権獲得者となりました。2002年生まれの三浦選手はU20のカテゴリに該当するため、この記録はU20室内日本新記録となります。
このほか、男子三段跳は池畠旭佳瑠選手(駿大AC)が16m45で、女子走高跳は徳本鈴奈選手(友睦物流)が1m77で、女子走幅跳は秦澄美鈴選手(シバタ工業)が6m33で、それぞれタイトルを獲得しました。



U20の部で大きな注目を集めたのは、日本選手権男女60m決勝の前に行われたU20女子60m。前回、この種目を日本選手権の優勝タイムを上回る記録(7秒44)で制している青山華依選手(大阪高3年)が、今回も快走しました。予選で7秒43をマークして自己記録を更新し、全体トップで決勝に進出した青山選手は、決勝でも圧倒的な強さを見せて7秒38でフィニッシュ。日本選手権の部で同じタイムをマークした三浦選手に先駆ける形で日本歴代2位に浮上するとともに、U20室内日本新記録、高校最高記録を塗り替えました。
また、U20男子三段跳では廣田麟太郎選手(長崎日本大学高3年)が最終6回目の跳躍で15m81をマークして連覇を達成。この記録は、前回の日本選手権を制した伊藤陸選手(近畿大工業高専)が樹立した16m23に続くU20室内日本歴代2位で、室内では高校最高となる好記録です。
このほか、2日目にはオープン種目として、小学生の男女60mが行われました。男子は瀧本瑛太選手(山一クラブ)が7秒76で、女子は中岡心愛選手(ミルキーウェイ)が8秒25で、それぞれ優勝を果たしました。
今大会は、新型コロナウイルス感染拡大防止のために、無観客での開催となりましたが、2日目の競技の模様(https://youtu.be/BCgRovi3ICU )も、1日目( https://youtu.be/gY5j04U1SLE )同様に、日本陸連公式のYouTubeチャンネルにおいて、ライブで配信されました。これらはアーカイブとして、大会以降もご覧になることができます。新記録誕生の瞬間や、素晴らしいパフォーマンスの数々を、ぜひお楽しみください。

 
文:児玉育美(JAAFメディアチーム)

 
■1日目ハイライト映像
https://www.jaaf.or.jp/gallery/article/14712/

■2日目ハイライト映像
https://www.jaaf.or.jp/gallery/article/14715/

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