2020.12.05(土)大会

【第104回日本選手権長距離】総括会見

第104回日本選手権長距離は、12月4日、無事に閉幕しました。日本陸連は、大会終了後に、尾縣貢専務理事および麻場一徳強化委員長による大会の総括会見を行いました。
会見の要旨は下記の通りです。



■尾縣貢専務理事

“コロナ第3波”が到来しているなか、また、大阪では“赤信号”が灯されたなか、この大会を開催できたことを本当に嬉しく思うとともに、いろいろなご尽力をいただいた方に御礼を申し上げたい。
振り返れば、(今年は)2月中旬あたりから、コロナウイルス感染拡大によって、アスリートも多くの制限を強いられてきた。そのようななかで、それぞれが努力をして大きなエネルギーを蓄え、発散したのが、本日の機会だったと思う。少ない機会のなかであれだけの集中力を発揮できるアスリートというのは、本当に偉大。それぞれの走りに感服した。
新谷仁美さん(積水化学、女子10000m)、相澤晃くん(旭化成、男子10000m)の日本記録をはじめとして、今大会では本当に多くの自己記録が出た。このコロナ禍というなかで、歴史に残る大会になったのではないかと思う。
コロナウイルス感染症の状況、そして社会の状況が本当に不安定のなか、アスリートは明日の自分も見つけられない状況ではないかと思うが、そういった不安を払拭してくれたのが今日のレースだった。この結果によって、陸上競技に限らず、多くのアスリートが力をもらうことになったのではないかと思う。
今日、代表に内定した3名は、それぞれに迷いを持たないでオリンピックに向かってもらいたい。



■麻場一徳強化委員長

まず、今日、開催していただけたことを関係者の皆さんに心から感謝申し上げたい。
どのレースも見応えのある素晴らしいレースだった。結果については、ご存じの通りだし、尾縣専務からも話があった通り。“新しいスター”というか、“タレント”というか、そういう若い選手たちが出てきた大会だったのではないかと思う。
この大会での内定者は3名だが、どのレースも見応えがあり、どの選手も力を本当に発揮してくれた。コロナ禍でいろいろな面で制約があるなかで、現場がいろいろな工夫をして今日を迎えたからこそ、このように素晴らしいパフォーマンスを発揮できている。今後も、そうした努力や工夫を、世の中の皆さんに、“我々のできること”として、お見せしていけたらなと思っている。

<Q&A>


Q:コロナ禍の影響で制限のあったなかで、好記録が相次ぐ結果が出た。強化のどういう面が実ったと考えるか?

麻場:現場が、いろいろなことを丁寧にやってらっしゃるなということを感じた。さまざまな面で制限がかかる状況のなか、今までのことを見直して取り組むということが生まれてきたのではないかと思う。また、これは、河野匡長距離マラソンディレクターが少し前に話していたことだが、「選手がレースをすごく大切にするようになった」ということ。この点は、私も実感として同じ印象を受けている。
もう一つは、MGC(マラソングランドチャンピオンシップ)の効果。MGCを経験したことで、みんなが自信を持って「自分たちは世界で戦えるんだ」という実感を持って取り組むようになったことが大きいように思う。そういう意味では、MGCはマラソンだけでなく長距離全体に、本当にいい刺激にもたらしたのだなと感じている。

Q:運営面について。感染拡大により、大阪が“赤信号”となったなか観客を入れて開催したことは議論もあったと思う。最終的に開催の判断に至った経緯を。

尾縣:昨日の夕方、赤信号が点ると聞いたときは本当に驚いた。「どうすればいいのか」と思う半面、アスリートたちにとっては本当に少ない機会なので、「なんとか予定通りに開催できないか」ということを考えた。また、「レースは必ずやる」という気持ちはあった。そして、観客に対しての感染予防を、もう一度見直してしっかりやろうということで、大阪市、大阪府の動向にも配慮しつつ実施した。今日は、大阪市の方にも来ていただき、一緒に競技を見ていただいたのだが、「開催してよかった」といったことを言っていただき、「しっかりとした感染対策がとられている」という評価もいただくことができている。

Q:3名の内定者について、来年、オリンピックで世界の強豪と戦うことを考えたときに、各選手にどんな期待があるか。また、現在の力をどう評価してるか。

麻場:男子10000mの相澤選手は、学生時代から大学駅伝等で活躍しており、素晴らしい選手であることはわかっていたが、今春から旭化成へ行き、また一段と力をつけた。本人の話によると、今日は7000mからきつかったらしいのだが、そういうなかで、きちんと冷静にレースを運べたという点でも、これからの可能性を持つ選手だということを感じている。今の27分18秒台では“世界でメダル”とかにはまだまだだが、そういうところをもっと磨いて、本番に臨んでもらいたい。
女子5000mの田中選手に関しては、今年、スピードに磨きがかかって、本当に「夢を見せてくれるような選手」になったんじゃないかと思っている。(オリンピック本番で)アフリカ系の選手と、ラスト勝負で、いいレースを見せてもらいたい。そういう楽しみがある。

女子10000mの新谷選手に関しても、1人(単独走)であそこまで行けるのだから、世界大会の決勝レースで、強豪とわたり合っていく姿が目前にあるというか、そういう思いにさせてくれる選手になったといえる。彼女は、2019年にドーハで行われたアジア選手権、世界選手権の2大会に代表で出場しているが、そのときに比べると走り方も数段洗練されたものになっていて、この点もまた楽しみ。来年(の東京オリンピック)が本当に楽しみだなと思う。

Q:この時期に、長距離種目すべての日本選手権を開催することにした点について、戦略的に成功したと思うこと、開催に向けて困難だったことなどを。

麻場:まず、困難については、競技会をセッティングしてくれた方々が本当に大変な思いをされたということである。我々(強化委員会)は、そういう方々への感謝の気持ちを忘れずに取り組んでいくことが大事だし、こうやって結果を出して恩返しするという気持ちを常に持っていたいと思っている。
また、会期については、中断されていたオリンピック選考にかかわる資格期間が12月1日から再開されるということで、それに合わせて実施して本当によかったなと思っている。大会前の想定では、女子に関しては5000mと10000mで内定者が出るだろうと考えていたが、それに加えて、男子10000mでも日本記録を更新して内定者が出たことを本当に喜びたい。また、この大会ではどの種目でも自己新記録をマークする者がたくさん出て、参加標準記録を突破した選手も2位以下にいた。「少しでも多くの選手が東京オリンピックの出場権をする」という強化委員会が掲げている目標に向けて、「参加標準記録を突破する」「ワールドランキングのポイントを獲得する」という点でも、かなりの効果があったのではないかと思う。これをいろいろな面で波及させ、1人でも多くのアスリートがオリンピックの舞台に立てるような、そういう取り組みをこれからも続けていきたい。

文:児玉育美(JAAFメディアチーム)


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