2020.12.03(木)大会

【第104回日本選手権長距離】前日会見

第104回日本選手権の長距離種目が12月4日、東京オリンピック代表選考会を兼ねて、大阪・ヤンマースタジアム長居において開催されます。この大会では、男女5000m、男女10000m、男女3000mSCの計6種目が行われ、優勝者が決勝レース終了時点で参加標準記録を突破している場合は、その時点でオリンピック代表に内定します。

12月3日午後には、メディアに向けて、オンラインでの前日会見を実施。男子3000mSCに出場する塩尻和也選手(富士通)と女子10000mに出場する新谷仁美選手(積水化学)の2名が出席し、現在のコンディションや大会に向けての抱負を述べました。

両選手のコメントを、以下にご紹介します。



【各選手コメント(要旨)】 ※会見対応順に掲載

◎塩尻和也(富士通)
明日は、東京オリンピックの代表選考に向けての大切な1戦となる。優勝と参加標準記録(8分22秒00)突破を目指して頑張りたい。

レース展開としては、自分は、ほかの選手に比べるとラストスパートがやや苦手ということもあり、中盤から終盤のあたり…ラストでの競り合いになる前には、ほかの選手を離したいと思っているので、明日は、前半から積極的に、ある程度(自分が)ペースをつくって走れればと考えている。具体的なペース等はまだイメージしていない。レースが始まってみて、ほかの選手の動きを見て、早いうちに判断して進めたい。

昨年は、9月に右膝の前十字靱帯を損傷し、その月に手術を行った。4~5カ月ほど走れない時期が続き、走り始めたのは今年の1月終わりくらいから。その後は、リハビリテーションに取り組むのと並行して徐々に練習量を増やし、7月のホクレンディスタンスチャレンジ(第5戦千歳大会)の5000mでレースに復帰した。

現在の状態としては、昨年に比べると、“ちょっとなあ”というのが正直なところ。ケガをした箇所については、不安のない状態まで戻ってきているし、3000mSCのレースも試しということで一度走ってはいる(9月、順大記録会、8分47秒90)が、今回(のレースで)、どこまで出せるのかというのは、自分でもなんとも(いえない)という状況である。

自分がケガをした昨年からここまでの間に、3000mSCは、全体的にすごくレベルが上がった。今年は、日本歴代2位(8分19秒37、三浦龍司。今回は不出場)という記録も出て、種目全体が盛り上がっているという意味では、自分はその流れに乗り遅れてしまっている感がある。参加標準記録は自己ベスト(8分27秒25、2019年)以上のタイムなので、それを切るという点での不安はあるけれど、ただ、練習はしっかりできている。それを発揮することができればいいなと思っている。

 

◎新谷仁美(積水化学)
明日は、日本記録(30分48秒99、渋井陽子、2002年)を目指し、その(レースの)なかで、10000mで、世界で戦うためのレース展開をしていきたいと思っている。

自信があるかという点では、正直なところ、どんなにいい練習を積み重ねていても、どんなにいいレースをしても、それが自信に繋がるということが私にはなく、手応えを感じたことも過去にない。レース前というのは常に不安だし、それは日頃のポイント練習でも同じ状態である。しかし、そのなかでも、都度追い込むということをやってきた。それが出せれば結果には繋がるのかなと思う。現在の調子については、いい意味で「普通」という感じである。

明日は、東京五輪の選考会ではあるのだが、私は普段から「試合では一切のミスは許されない」と自分の中で決めていて、それは東京五輪であろうがなかろうが関係なく、自身が掲げていること。なので、今回も、(選考会とは関係なく)この大会でのミスは許されないと思っている。特に、日本選手権は、去年負けていて(3位)、そのとき私よりも強かった日本郵政の鍋島(莉奈)さんも出てくるので油断はできない。(結果が)どうなるかというのは、正直、私にもわからない。今は、恐怖でいっぱい(という気持ち)である。

自分自身の成長について、昨年の自分と比べてみたとき、競技力ということに関しては結果が出ないとわからないが、身体づくりや心の面については、今まで自分でやってきたことを人に託したこと、多くの強力なサポートをいただけていることによって、強くなれているかなと思っている。ただ、それを、私が結果に出せるかどうかというところが大きなポイントとなる。そこをしっかり決めていきたい。

 

日本選手権長距離は12月4日、15時30分に競技をスタート。女子3000mSC、男子3000mSC、男子5000m、女子5000m、女子10000m、男子10000m(2組タイムレース)の順に、それぞれ決勝が行われます。

大会に関連する情報は、公式サイト( https://www.jaaf.or.jp/competition/detail/1535/ )をご参照ください。

文:児玉育美(JAAFメディアチーム)


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