▶ドーハ世界選手権特設サイト
9月27日(金)から10月6日(日)の10日間、カタールの首都ドーハで「第17回世界選手権」が開催される。ここでは、日本人が出場する種目を中心に、「記録と数字で楽しむドーハ世界選手権」を紹介する。
なお、これまでにこの日本陸連HPで各種の競技会の記事で筆者が紹介したことがある同じ内容のデータも含むが、可能な限りで最新のものに修正した。
5月に64m36の日本新をマークした北口榛花(日大4年)、日本選手権で62m88の大幅ベストを出した佐藤友佳(ニコニコのり)の2人が出場。
北口は、5月6日に行われた木南記念の4投目に日本記録に22cmと迫る63m58、5投目には64m36のアーチをかけ2020東京五輪の参加標準記録(64m00)もクリアした。2019年のベスト記録では28人のエントリーの中、北口が11位、佐藤が21位。
これまでの世界選手権で入賞した日本人選手は、
8位 海老原有希(スズキ浜松AC)2011年
最高記録は、海老原さんの「60m86/2017年・予選A組9位」
やりの規格が現在のものに変更されて以降の世界選手権と五輪の決勝で、北口のベストである「64m36」を投げることができれば、その相当順位は、以下の通り。参考までに「3位」と「8位」の記録も示した。
年 大会 相当順位 3位 8位
1999年 6位 66.06 62.67
2000年 五輪 5位 66.18 62.10
2001年 4位 64.69 61.01
2003年 2位 62.70 59.60
2004年 五輪 3位 64.29 61.75
2005年 4位 65.96 57.99
2007年 4位 64.42 61.03
2008年 五輪 5位 66.13 59.64
2009年 4位 66.06 60.29
2011年 4位 68.38 59.27
2012年 五輪 5位 64.91 60.73
2013年 5位 65.09 61.30
2015年 5位 65.79 60.88
2016年 五輪 6位 64.80 62.92
2017年 6位 65.26 62.84
ということで、「64m36」の6位以内入賞率は何と「100%」。「63m00以上」を投げられれば、8位入賞率100%だ。佐藤の「62m88」も8位以内入賞率93.3%となる。
メダル圏内には、超ハイレベルだった2011年は例外ではあろうが(といっても4位は65m24)、至近5大会に限ると概ね「65m以上」がその条件である。それでも北口のベストからは「あと1m」だ。
とはいえ、本番では、予選も決勝も「3投目まで」に「63m以上」を投げておく必要がある。その年の出場者のレベルにもよるが、2015年以降の3大会では「予選通過標準記録」が15・17年世界選手権が「63m50」、リオ五輪が「63m00」だった。
3大会ともこれをクリアした選手が12人に満たなかったのでそれ以下から拾われたものの、12番目でのギリギリ決勝進出は15年が62m21、16年が61m63、17年が62m29。13番目で落選した選手は、15年62m17、16年61m02、17年62m26だった。
北口の64m36の時のシリーズは、56m35-59m54-57m50-63m58-ファウル-64m36で、世界選手権では「予選落ち」となってしまう。そんな課題も踏まえて臨んだ6月の日本選手権では、1投目に62m68をマーク。このところの世界大会での「予選通過」のラインを上回り、4投目には63m68を投げて過去のデータでは「8位入賞率・100%」のラインもクリアした。
一方の佐藤の62m88は日本選手権の6投目。これをドーハの予選の3投目までに、そして決勝の3投目までに再現できればこれまた「8位入賞」が見えてくる。
野口純正(国際陸上競技統計者協会[ATFS]会員)
写真提供:フォート・キシモト
9月27日(金)から10月6日(日)の10日間、カタールの首都ドーハで「第17回世界選手権」が開催される。ここでは、日本人が出場する種目を中心に、「記録と数字で楽しむドーハ世界選手権」を紹介する。
なお、これまでにこの日本陸連HPで各種の競技会の記事で筆者が紹介したことがある同じ内容のデータも含むが、可能な限りで最新のものに修正した。
★女子やり投★
5月に64m36の日本新をマークした北口榛花(日大4年)、日本選手権で62m88の大幅ベストを出した佐藤友佳(ニコニコのり)の2人が出場。北口は、5月6日に行われた木南記念の4投目に日本記録に22cmと迫る63m58、5投目には64m36のアーチをかけ2020東京五輪の参加標準記録(64m00)もクリアした。2019年のベスト記録では28人のエントリーの中、北口が11位、佐藤が21位。
これまでの世界選手権で入賞した日本人選手は、
8位 海老原有希(スズキ浜松AC)2011年
最高記録は、海老原さんの「60m86/2017年・予選A組9位」
やりの規格が現在のものに変更されて以降の世界選手権と五輪の決勝で、北口のベストである「64m36」を投げることができれば、その相当順位は、以下の通り。参考までに「3位」と「8位」の記録も示した。
年 大会 相当順位 3位 8位
1999年 6位 66.06 62.67
2000年 五輪 5位 66.18 62.10
2001年 4位 64.69 61.01
2003年 2位 62.70 59.60
2004年 五輪 3位 64.29 61.75
2005年 4位 65.96 57.99
2007年 4位 64.42 61.03
2008年 五輪 5位 66.13 59.64
2009年 4位 66.06 60.29
2011年 4位 68.38 59.27
2012年 五輪 5位 64.91 60.73
2013年 5位 65.09 61.30
2015年 5位 65.79 60.88
2016年 五輪 6位 64.80 62.92
2017年 6位 65.26 62.84
ということで、「64m36」の6位以内入賞率は何と「100%」。「63m00以上」を投げられれば、8位入賞率100%だ。佐藤の「62m88」も8位以内入賞率93.3%となる。
メダル圏内には、超ハイレベルだった2011年は例外ではあろうが(といっても4位は65m24)、至近5大会に限ると概ね「65m以上」がその条件である。それでも北口のベストからは「あと1m」だ。
とはいえ、本番では、予選も決勝も「3投目まで」に「63m以上」を投げておく必要がある。その年の出場者のレベルにもよるが、2015年以降の3大会では「予選通過標準記録」が15・17年世界選手権が「63m50」、リオ五輪が「63m00」だった。
3大会ともこれをクリアした選手が12人に満たなかったのでそれ以下から拾われたものの、12番目でのギリギリ決勝進出は15年が62m21、16年が61m63、17年が62m29。13番目で落選した選手は、15年62m17、16年61m02、17年62m26だった。
北口の64m36の時のシリーズは、56m35-59m54-57m50-63m58-ファウル-64m36で、世界選手権では「予選落ち」となってしまう。そんな課題も踏まえて臨んだ6月の日本選手権では、1投目に62m68をマーク。このところの世界大会での「予選通過」のラインを上回り、4投目には63m68を投げて過去のデータでは「8位入賞率・100%」のラインもクリアした。
一方の佐藤の62m88は日本選手権の6投目。これをドーハの予選の3投目までに、そして決勝の3投目までに再現できればこれまた「8位入賞」が見えてくる。
野口純正(国際陸上競技統計者協会[ATFS]会員)
写真提供:フォート・キシモト