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9月27日(金)から10月6日(日)の10日間、カタールの首都ドーハで「第17回世界選手権」が開催される。ここでは、日本人が出場する種目を中心に、「記録と数字で楽しむドーハ世界選手権」を紹介する。
なお、これまでにこの日本陸連HPで各種の競技会の記事で筆者が紹介したことがある同じ内容のデータも含むが、可能な限りで最新のものに修正した。
4月の日本選手権(輪島)で4時間19分56秒の日本新記録を作った渕瀬真寿美(建装工業)が日本人選手としては世界大会50㎞競歩出場の第一号となった。
男女同時に9月28日23時30分(日本時間29日、朝5時30分)にスタート。女子のこの種目は前回(2017年)初めて採用されたが、国際陸連が2022年以降は男女ともに種目自体を廃止することを決定している。よって、世界選手権で実施されるのは2021年のユージン大会(アメリカ)が最後になる。
2017年世界選手権で実施することが決まったのが競技が行われる寸前の3週間前。出場者は4カ国から僅か7人。途中棄権が2人、失格が1人で完歩者は4人しかいなかった。
その時の記録は、
1)4.05.56.=世界新
2)4.08.58.
3)4.20.49.
4)4.21.51.
で、渕瀬の日本記録をあてはめると「3位相当」となる。
今回は、14カ国24人がエントリーしていて渕瀬のタイムは13位。
しかし、4月の日本選手権では40㎞過ぎまでは4時間10分を切れそうなペースを刻んだ。最終盤に立ち止まったりで大きくダウンしたが、4時間10分を切る2019年ベストを有する選手は4人、自己ベストでも6人(4時間03分51秒~4時間07分30秒)しかいない。
17年ロンドン大会は、朝7時46分のスタート時が14℃・72%、最終完歩者のフィニッシュ時の12時12分が15℃・67%という条件だった。
しかし、今回は9月26日時点での予報では、9月28日23時30分(日本時間29日、朝5時30分)のスタートから30分後は、「気温32度」「湿度69%」「南西の風1m」「体感温度35℃」。レース終盤の深夜3時でも「30℃」「78%」「南西の風2m」「体感温度34℃」という過酷な条件になりそうだ。
よって、「高温多湿」の中での「耐暑レース」となり4時間ひと桁台のタイムを持つ選手にも何が起こるかはわからない。
渕瀬が、この極悪環境下で大きく崩れることがなければ、「入賞」や「メダル」の可能性もありそうだ。
参考までに、好条件の17年大会の時の出場者74人の10㎞毎と前後半差は、以下の通りだ。
1)4.05.56. 49.22. 48.37. 48.36. 48.39. 50.42.(2.02.18.+2.03.38./▼1.20.)
2)4.08.58. 49.22. 48.37. 48.40. 50.25. 51.54.(2.02.19.+2.06.29./▼4.10.)
3)4.20.49. 51.45. 51.34. 51.03. 52.09. 54.18.(2.09.09.+2.11.40./▼2.31.)
4)4.21.51. 51.45. 51.34. 51.24. 52.27. 54.41.(2.09.10.+2.12.41./▼3.31.)
DNF 51.45. 53.45. 55.48. 57.29. 45㎞過ぎで途中棄権
DNF 55.01. 57.52. 60.19. 64.28. 40㎞過ぎで途中棄権
DQ 5㎞(26.39.)過ぎで失格
野口純正(国際陸上競技統計者協会[ATFS]会員)
写真提供:フォート・キシモト
9月27日(金)から10月6日(日)の10日間、カタールの首都ドーハで「第17回世界選手権」が開催される。ここでは、日本人が出場する種目を中心に、「記録と数字で楽しむドーハ世界選手権」を紹介する。
なお、これまでにこの日本陸連HPで各種の競技会の記事で筆者が紹介したことがある同じ内容のデータも含むが、可能な限りで最新のものに修正した。
★女子50㎞競歩★
4月の日本選手権(輪島)で4時間19分56秒の日本新記録を作った渕瀬真寿美(建装工業)が日本人選手としては世界大会50㎞競歩出場の第一号となった。男女同時に9月28日23時30分(日本時間29日、朝5時30分)にスタート。女子のこの種目は前回(2017年)初めて採用されたが、国際陸連が2022年以降は男女ともに種目自体を廃止することを決定している。よって、世界選手権で実施されるのは2021年のユージン大会(アメリカ)が最後になる。
2017年世界選手権で実施することが決まったのが競技が行われる寸前の3週間前。出場者は4カ国から僅か7人。途中棄権が2人、失格が1人で完歩者は4人しかいなかった。
その時の記録は、
1)4.05.56.=世界新
2)4.08.58.
3)4.20.49.
4)4.21.51.
で、渕瀬の日本記録をあてはめると「3位相当」となる。
今回は、14カ国24人がエントリーしていて渕瀬のタイムは13位。
しかし、4月の日本選手権では40㎞過ぎまでは4時間10分を切れそうなペースを刻んだ。最終盤に立ち止まったりで大きくダウンしたが、4時間10分を切る2019年ベストを有する選手は4人、自己ベストでも6人(4時間03分51秒~4時間07分30秒)しかいない。
17年ロンドン大会は、朝7時46分のスタート時が14℃・72%、最終完歩者のフィニッシュ時の12時12分が15℃・67%という条件だった。
しかし、今回は9月26日時点での予報では、9月28日23時30分(日本時間29日、朝5時30分)のスタートから30分後は、「気温32度」「湿度69%」「南西の風1m」「体感温度35℃」。レース終盤の深夜3時でも「30℃」「78%」「南西の風2m」「体感温度34℃」という過酷な条件になりそうだ。
よって、「高温多湿」の中での「耐暑レース」となり4時間ひと桁台のタイムを持つ選手にも何が起こるかはわからない。
渕瀬が、この極悪環境下で大きく崩れることがなければ、「入賞」や「メダル」の可能性もありそうだ。
参考までに、好条件の17年大会の時の出場者74人の10㎞毎と前後半差は、以下の通りだ。
1)4.05.56. 49.22. 48.37. 48.36. 48.39. 50.42.(2.02.18.+2.03.38./▼1.20.)
2)4.08.58. 49.22. 48.37. 48.40. 50.25. 51.54.(2.02.19.+2.06.29./▼4.10.)
3)4.20.49. 51.45. 51.34. 51.03. 52.09. 54.18.(2.09.09.+2.11.40./▼2.31.)
4)4.21.51. 51.45. 51.34. 51.24. 52.27. 54.41.(2.09.10.+2.12.41./▼3.31.)
DNF 51.45. 53.45. 55.48. 57.29. 45㎞過ぎで途中棄権
DNF 55.01. 57.52. 60.19. 64.28. 40㎞過ぎで途中棄権
DQ 5㎞(26.39.)過ぎで失格
野口純正(国際陸上競技統計者協会[ATFS]会員)
写真提供:フォート・キシモト