男子棒高跳
5m61
江島雅紀(日本大・神奈川)
本当にもう「嬉しい」のひと言に尽きる。この2年ほどは内面的に苦しんだ部分があり、見えないプレッシャーもあった。自分のなかでは、いい方向に変えていたつもりではいたが、どうしても行き詰まることも多かっただけに、とても嬉しい。優勝して(世界選手権参加標準記録の)5m71を跳んだら泣こうと思っていたのだが、もう優勝だけで嬉しくて泣いてしまった。本当に素の感情が出たかなと思う。(コーチでもある日本記録保持者・澤野大地選手に勝利したことは)今年の織田記念も一応僕のほうが順位は上だったのだが、澤野選手の脚が攣ってしまうなど万全の状態で戦っての結果ではなかった。今日も、雨で、最初はどうなるかと思っていたが、最後まで土砂降りにはならず、ともに、よい状態で跳ぶことができたなかで勝つことができた。なおかつ、僕のなかでは、澤野選手と「ワン・ツー」を取れたのは、本当に嬉しいこと。澤野選手は、僕が日本大学への進学を決めることになっただけでなく、僕が棒高跳を始めるきっかけや目標となった選手。ひと回りも年齢が違うのに、そういう選手と、こうやって同じ舞台に立って、一緒に戦えたことを誇りたい。
5m71を跳んで優勝していれば世界選手権の内定をもらえていたので、そこが達成できなかったことはちょっと悔しいが、来週に出発する(ナポリで開催される)ユニバーシアードなど、チャンスはまだ2回ほどある。今日も(東京オリンピック参加標準記録の)5m80も狙える状況だったので、今後も(5m)71という記録にこだわらずに挑んでいこうと思う。また、今回の日本選手権優勝で、「日本記録(5m83)の更新」という言葉も、少しは胸を張って言えるようになったかなと思う。日本だけでなく、世界に視野を広げて、もっともっと活躍できるように頑張りたい。
■第103回日本陸上競技選手権大会
開催日:2019年6月27日(木)~6月30日(日)会場:福岡市博多の森陸上競技場
▼第103回日本陸上競技選手権大会特設サイトはこちら
https://www.jaaf.or.jp/jch/103/