2018.02.19(月)大会

【東京マラソン2018展望 vol.1】出るか、大記録/〝高速コース〟2年目の行方を占う



 12回目を数える東京マラソンは2月25日、前回に続いて西新宿の東京都庁前をスタート、東京駅前・行幸通りにフィニッシュする42.195kmで開催される。向かい風とアップダウンがきつかった旧コースから〝高速コース〟へと改革されて2年目。今回も好記録への期待が高まる。アボット・ワールドマラソンメジャーズ・シリーズ11の第6戦で、今回は8月下旬のアジア大会(インドネシア・ジャカルタ)の日本代表選考会であり、さらには2020年東京五輪日本代表選考会であるマラソングランドチャンピオンシップシリーズも兼ねる。国内外のトップ選手が一堂に集結するビッグレースに注目だ。
月刊陸上競技3月号より


世界基準の〝超高速レース〟が展開

設楽、井上ら日本勢も豪華メンバー


世界新、日本新を見据えたペース設定

 東京マラソンは前回からコースがリニューアル。アップダウンがあり、海から吹きつける強風にも悩まされることが多かった湾岸エリアを走らない〝高速コース〟に変更されたことで、昨年は男子優勝の前世界記録保持者、ウィルソン・キプサング(ケニア)が、2時間3分58秒の国内最高タイムをマークした。その快走に度肝を抜かれたファンも多かったことだろう。

「グローバル・スタンダード」とも言うべき、世界トップレベルの大会に進化したTOKYOには、今回も世界中から有力ランナーが集結。早野忠昭レースディレクターも「2時間2分57秒の世界記録と2時間6分16秒の日本記録を狙える選手たちを招聘することができました」と胸を張る。

 V候補の筆頭は2年連続で参戦するキプサングだ。昨年は中間点を1時間1分22秒で通過し、30kmまで世界記録が狙えるペースで突っ走った。1月22日に行われた選手発表記者会見では、ターゲットタイムを前回の記録を上回る「2時間3分50秒」と回答。昨年よりもコンディションは良好なようで、コース攻略という点では前回の経験を生かせるというメリットもある。

「東京はこれまで経験した大会の中でも記録が出やすいコース。もっといいタイムが出る可能性はあると思いますし、ディフェンディング・チャンピオンとしてタイトルを守るために参戦します」とキプサング。好タイムでの連覇に意欲を見せている。

 本命を追いかけるのは、2時間4分24秒の自己ベストを持つテスファエ・アベラ(エチオピア)、リオ五輪銀メダリストで、前々回優勝のフェイサ・リレサ(エチオピア)、昨年35kmまでキプサングに食らいついたディクソン・チュンバ(ケニア)ら。キプサングと終盤まで競り合う選手が出てくると世界記録(2時間2分57秒)に迫れるかもしれない。

 海外勢は9人もの『サブ7』ランナーが参戦するだけに、日本勢にとって良き〝ペースメーカー〟になる可能性もある。昨年12月の福岡国際で大迫傑(ナイキ・オレゴン・プロジェクト)が現役日本人最速タイムとなる2時間7分19秒(日本歴代5位)をマークしたことも有力選手にとって大きな刺激になったはずだ。

 ペースメーカーは昨年同様、3段階に分けて考えているという。当日の気象条件などで変わってくるが、第1ターゲットは「世界記録ペース」で、1km 2分54 ~ 55秒。第2ターゲットは「日本記録ペース」で、1km 2分58秒。第3ターゲットは「2時間6分台後半から7分台」で1km 3分00秒というペースで、30kmまで引っ張る予定だ。

 日本勢では前回2時間8分22秒で日本人トップ(8位)に輝き、ロンドン世界選手権代表になった井上大仁(MHPS)、前回初マラソンで2時間9分27秒をマークした設楽悠太(Honda)の2人が今回も外国勢に食らいつき、積極的なレースを展開していくことになりそう。記者会見には設楽が参加し、目標タイムは日本記録となる「2時間6分10秒」と回答。「ファンのみなさんが一番楽しみにしているのが日本記録更新なので、この目標を設定しました」と力強かった。

(文/酒井政人)
写真提供:フォート・キシモト



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