東京マラソン2018は2月25日、アボット・ワールドマラソンメジャーズシリーズⅪ(11)、ジャカルタ・アジア大会日本代表選考会、2020年東京オリンピック代表選考に向けた「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)シリーズ2017-2018男子第4戦」を兼ねて開催されました。昨年の第11回大会から、東京都庁をスタートし、飯田橋~神田~日本橋~浅草雷門~両国~門前仲町~銀座~高輪~日比谷を経由して東京駅前の御幸通りをフィニッシュ地点とする平坦なコースにリニューアルされて2回目となった今大会ですが、男子は37km手前で独走態勢を築いたディクソン・チュンバ選手(ケニア)がそのまま逃げ切り、2時間05分30秒で優勝しました。2位には、終盤で順位を上げていった設楽悠太選手(Honda)が、2時間06分11秒の日本新記録をマークしてフィニッシュし、日本人トップの座も獲得。さらに井上大仁選手(MHPS)が2時間06分54秒(5位)、木滑良選手(MHPS)が2時間08分08秒(7位)、宮脇千博選手(トヨタ自動車)が2時間08分45秒(8位)、山本憲二選手(マツダ)が2時間08分48秒(9位)、佐藤悠基選手(日清食品グループ)が2時間08分58秒(10位)と、日本人上位6名が2時間8分台で続く好走で、2019年9月以降に開催予定のMGC出場権を獲得しました。
女子は、2015年大会優勝者のベルハネ・ディババ選手(エチオピア)が自身初の2時間20分切りとなる2時間19分51秒をマークし、前回(2位)この大会で出した2時間21分19秒の自己記録を大幅に更新して優勝。日本人トップは、6位でフィニッシュした吉冨博子選手(メモリード)で、記録は2時間30分16秒でした。
天候曇り、気温6.5℃、湿度36%、東の風1.5mという条件(主催者発表によるスタート時のデータ)のなか、レースは午前9時10分にスタート。ペースメーカーは、1km2分54~55秒(フィニッシュタイム2時間02分22秒~2時間03秒04秒のペース)、1km2分58秒(同2時間05分11秒のペース)、1km3分00秒(同2時間06分35秒のペース)の3グループが用意され、30kmまでつく設定となりました。
先頭は最初の1kmを2分53秒で通過。世界記録を狙うことを表明していた前回覇者のウィルソン・キプサング選手(ケニア)ら外国人招待選手と、井上大仁選手(MHPS)、設楽悠太選手(Honda)、門田浩樹選手(カネボウ)がこのグループにつきましたが、1~2kmが3分04秒、2~3kmは2分55秒とペースが安定しなかったこともあり、設楽選手は4km過ぎで先頭集団から離れ、第2グループのペースメーカーを務めた村山紘太選手(旭化成)の横に移動します。
こうして迎えた第1グループの5km通過は14分46秒と、下り坂基調にもかかわらず想定よりもかなり遅いペース。第2グループは設定通り14分50秒で通過しました。この第2グループは、7.5~8km付近で、村山選手をペースメーカーとする1km2分58秒のグループと、サイラス・ジュイ選手(ケニア/セブスポーツ)、メラク・アベラ選手(エチオピア/黒崎播磨)をペースメーカーとする1km3分00秒の第3グループとに分かれ、村山選手についた設楽選手、市田孝選手(旭化成)を除く日本選手は、第3グループで大きな集団をつくる形となりました。
10km地点は、第1グループは16人(ペースメーカー含む)の集団で、先頭は29分37秒(5~10km14分51秒)で通過。日本勢は井上選手が29分38秒で続きましたが、10km手前あたりから遅れ始めた門田選手は29分41秒での通過に。第2グループは村山選手と設楽選手が29分44秒で、市田選手が1秒遅れで通過し、第3グループの先頭は29分51秒で通過しました。
その後、第1グループのペースが落ちたことで、設定通りのペースで進んでいた第2グループの村山選手、設楽選手、市田選手が、12kmの手前で先頭集団に追いつきます。以降は、先導する3人のペースメーカーの真後ろに井上選手がつき、すぐ後ろに村山選手と設楽選手が続いて、ディクソン・チュンバ選手(ケニア)やフェイサ・リレサ選手(エチオピア)ら海外招待選手を従える隊列に。優勝候補の筆頭とされていたキプサング選手は集団の後方へ下がり、その後ろに市田選手が続く展開となりました。15kmでは、第1グループが44秒35~38秒の間にペースメーカーを含む18人が通過。ペースメーカー2人と日本人4位を争う17人とで構成された1km3分ペース想定の集団が第2グループとなり、先頭が45分00秒で通過しました。
第1グループでは、その後、給水を取り損ねて集団から遅れたキプサング選手が大幅にペースダウンして、16.5kmで棄権するアクシデント。さらに18kmすぎで市田選手が遅れ始めましたが、一方で、先頭を行く外国人ペースメーカーのラップがようやく安定して、16km以降は2分57秒ペースで進むように。20kmは先頭が59分27秒で通過し、設楽選手(2位)、井上選手(9位)も同タイム。59分29秒で通過した村山選手がここで役目を終了しました。
直後に設楽選手が前に出て、給水をしながらリードを奪います。設楽選手は、慌てるように追いついてきた3人のペースメーカーと一緒に門前仲町の折返し点を過ぎると、その後も先頭に並ぶ位置でレースを進め、ペースメーカー3選手とともに1時間02分43秒でハーフを通過。その後は井上選手とともに、横に広がる隊列となった先頭集団のやや後方に位置して、25kmを1時間14分24秒で通過(先頭は1時間14分23秒)しました。
30kmでペースメーカーが外れ、トップ集団は、1時間29分20秒で通過したアモス・キプルト選手(ケニア)、チュンバ選手、サイモン・カリウキ選手(ケニア/日本薬科大)、井上選手、ギデオン・キプケテル選手(ケニア)、ツェガエ・メコネン選手(エチオピア)、リレサ選手(エチオピア)、設楽選手の8人に。その後の給水を機にチュンバ選手とキプルト選手が前に出て集団が縦に長くなります。ここで井上選手はリレサ選手について4番手に位置しましたが、設楽選手はやや遅れてしまいます。先頭はペースの上げ下げがあったあと、チュンバ選手のペースアップにキプルト選手、キプケテル選手がつく形で35kmを1時間44分11~12秒で通過。リレサ選手と井上選手が3秒差(1時間44分15秒)、これに5秒遅れて設楽選手が後退してきたカリウキ選手と並んで続く展開となりました。
チュンバ選手は高輪の折返し点を過ぎたあとペースを上げ、37kmの手前で独走態勢に持ち込みます。そして、35~40kmを14分44秒、最後の2.195kmは6分35秒で走って2時間05分30秒でフィニッシュしました。レース後は、2014年に続く2度目の勝利に対して、「ペースメーカーがいなくなったあと(30km以降)に自分から仕掛けなければいけないと考えていた。その通りのレースができたと思う。目標に掲げていた2時間4分台は逃したが、結果には満足している」とコメント。「来年、できたら2時間4分台で走れたらと思う」と次回への参戦についても意欲を見せました。
チュンバ選手に続いてフィニッシュ地点に戻ってきたのは、高輪の折返し点でトップ集団と16秒の差ができていた設楽選手でした。その後、ぐんぐん前との差を詰め始めると、38km付近でリレサ選手をかわし、38.3kmで井上選手を逆転して4位に。さらに39.7kmでキプケテル選手を追い抜き、40kmを1時間59分31秒(35~40km15分11秒)で通過。40.5km過ぎではキプルト選手を抜き去って2位に浮上しました。設楽選手は、残り2.195kmを6分40秒でカバーして2時間06分11秒でフィニッシュ。高岡寿成選手(カネボウ)が2002年にマークした日本記録2時間06分16秒を、16年ぶりに更新しました。
日本人2位で続いた井上選手も2時間6分台。残り2.195kmでは先行するキプケテル選手(3位)、キプルト選手(2位)に迫る形で、日本歴代4位となる2時間06分54秒の好記録をマークして5位でフィニッシュしました。
日本人3位以降も、1km3分のペースでレースを展開したグループのなかで、熾烈かつハイレベルな上位争いを繰り広げました。このグループは、15km以降、徐々に人数が絞られながら、20kmを1時間00分13秒(集団の先頭のタイム。以下同じ)、中間点を1時間03分34秒、25kmを1時間15分13秒、30kmを1時間30分34秒で通過。35kmでは、山本憲二選手(マツダ)、木滑良選手(MHPS)、佐藤悠基選手(日清食品グループ)、鈴木健吾選手(神奈川大)、神野大地選手(コニカミノルタ)が1時間46分12秒で10位争いを展開し、これに5秒遅れて宮脇千博選手(トヨタ自動車)がフアンルイス・バリオス選手(メキシコ)と競り合いながら通過していきました。その後、高輪の折返し点を回る直前となる35.3km付近で木滑選手が前に出ると、30~35kmでいったん15分37秒に落ちていたラップを15分21秒に引き上げ、40km地点を単独8位で通過。ラスト2.195kmを優勝したチュンバ選手と同じ6分35秒の最速タイムでまとめ上げ、2時間08分08秒・7位で先着しました。35km以降で盛り返した宮脇選手が2時間08分45秒で8位となり日本人4位に。さらに中盤から終盤にかけて果敢な走りを見せた山本選手が2時間08分48秒(9位、日本人5位)、トラックで世界選手権(2011年・2013年)・五輪(2012年)出場の実績も持つ佐藤選手が2時間08分58秒(10位・日本人6位)と、それぞれ2時間9分台を飛び越して2時間8分台の記録で初のサブテンを達成するとともに、MGC出場権を獲得しました(日本人上位6選手のコメントは別記)。
このほか荻野皓平選手(富士通)が2時間09分36秒(12位)、一色恭志選手(GMOアスリーツ)が2時間09分43秒(13位)、すでにMGC出場権を獲得している村澤明伸選手(日清食品グループ)が2時間09分47秒(14位)と、それぞれ初の2時間9分台突入を達成。さらに初マラソンながら35km過ぎまで2時間7分台を狙える位置で日本人3位争いに加わった鈴木選手も、学生歴代6位となる2時間10分21秒(19位)をマークする健闘を見せました。
レース後の記者会見で、瀬古利彦日本陸連マラソン強化戦略プロジェクトリーダーは、「やっとこれで日本のマラソンがスタート地点についたというところ。日本記録が出たことはめでたいが、世界との差がまだ3分以上あることは踏まえなければならない。(実際に)出る記録と実力との間には、だいたい1分くらいの幅があるもの。今回の設楽くんのタイムは、2時間5分ちょっとで走れる地力がないと出せない記録。こうした選手が4~5人出てきて初めて“ニッポンマラソン界復活”といえる。これからが男子マラソンの復活だと思っている」と好結果を喜びつつ、さらなる活況を期待しました。また、河野匡日本陸連強化委員会長距離・マラソンディレクターは、「やっと戦うための体制が整いつつあるのかなと実感している。ただ、オリンピックという舞台を考えると、これからが本当の勝負。特にMGC出場権を獲得した選手たちを、これからどう強化して2019年の選考レースに臨ませるか。さらに2020年五輪本番をも見据えて、どう準備していくかをよく考えなければならない。良い流れができたことを大切にしながら、我々としても戦う準備をしっかりしていきたい」と、今後を見据えました。
【MGC出場権獲得者コメント】
◎設楽悠太選手(Honda)
2位 2時間06分11秒 =日本人1位、日本新記録
今回は、記録よりも勝つことをイメージしながら走った。「勝ちにこだわる」を意識するようになったのは、昨年の9月あたり。そのころから日本人選手に負けていないので、マラソンでも負けるつもりはなかった。最低でも日本人トップになることを目指していた。
村山くんが(第2集団のペースメーカーに)いたので、前半は1km2分58秒のペースを目安にした。後半のことは全く考えずにいたが、今回、前半で本当にペースメーカーがいい仕事をしてくれたので、過去2回のマラソンとは余裕度が全く違った。30kmを過ぎたところで外国人選手が急にペースを上げて、僕が一人置いていかれた感じになったが、そこでは特に焦りもなく、冷静に走ることができた。ただ、井上くんは後半も我慢していくタイプ。正直、リードされた直後は、勝つのは厳しいかもと思ったが、36km手前の折り返しで切り替えることができ、そこから徐々に差が縮まっていった。38kmで並んだときには、井上くんの表情に余裕があったのでついてくるだろうなと思っていたが、途中で振り返ったら少し離れていたので、このままいけば日本人トップ、記録もついてくると思った。日本記録更新を意識したのは、42kmの看板を見たとき。(通過タイムが)確か2時間05分40秒を切るくらいで、本当にぎりぎりのところだったので、そこからはもう思いきって行った。今回のレースは、自分がイメージしていた通りに走れたと思う。
次のレースについてはまだ決めていないが、3月は試合を入れていないので、まずはしっかり休んで、4月のトラックシーズンをいい形で迎えるようにしたい。記録の更新に対してはトラック種目のことはあまり考えておらず、これからはハーフマラソンやマラソンのタイムを上げていきたい。ハーフでは60分切りが目標。マラソンについても、(具体的な)タイムはまだ僕の口からは言えないが、皆さんが思っている以上の記録が狙えると思っている。
これから先、さらに周りの期待も高くなると思う。しっかりと準備して、結果を残していきたい。
◎井上大仁選手(MHPS)
5位 2時間06分54秒 =日本人2位
今回は、事前にも言っていたように海外勢についていくという目標で臨んだ。思ったよりペースも上がらなかったので、(序盤は)非常に走りやすく、後半も設楽選手が離れたときは「勝ったかな」と思ったのだが、去年とは全く逆のシチュエーションで負かされて、目の前で日本記録を出されてしまった。そのことが自分のなかで非常に悔しい。
練習に関しては、ほぼメニュー通り100%に近い内容だった。(練習拠点の)長崎は風が強く、環境的にも厳しいなかで追い込めていたので、足づくりやタフさもできていた。
35kmの段階では余裕があったので、一緒に走っていたリレサ選手と前を追い、差を詰めていくことを考えていた。しかし、(リレサ選手が遅れて)1人になって走っていくうちにけっこう苦しくなってきて、38kmで設楽選手にかわされたときは、後ろから来ているというのがわかった段階で焦りが出て、一気に硬くなってしまった。それが走りに影響して失速につながった。最後まで自分の気持ちを持ち続けられなかった自分の負けだと思う。
ただ、(1km)3分を切るペースで、あそこまで押していけたことに対しては、力がついていると実感できた。これは、1つ1つのレースや練習を着実に、地道にこなしていくなかでついたもの。設楽選手とはやり方が違うが、自分のやり方も間違ってはいないと思う。このやり方を続けていって、また力をつけ直したい。改善する必要があるのは、スピードを上げられたときにどう対応できるかということ。自分の走れる最大スピードがまだまだ足りないので、そこをもっと引き上げて、ペースの変化に対応できるようにしたい。
(自分が)ゴールする前で「日本新記録」というアナウンスが流れていたことは、今も頭の中に強く残っていて、思い出すたびに歯がゆくなる。ただ、自分が目指しているのは(日本記録更新云々というよりは)海外勢についていって勝負したり、日本記録より上の記録を出したりできるようになること。MGC出場が決まったからといって、何かを変えることはない。ぶれることなく「世界で戦う」という目標のために何をしなければいけないかを考えて、今後も取り組んでいきたい。
◎木滑 良選手(MHPS)
7位 2時間08分08秒 =日本人3位
ペースメーカーが25kmまで行くということだったので、(1km3分ペースの)第3集団についていって、後半どれだけ粘れるかというレースをした。結果的に35km以降、自分で積極的に前に出て、記録も2時間8分前半を出すことができ、力がついてきたことがわかった。タイムはよかったけれど、(日本人)上位2人は2時間6分台だし、世界のトップレベルの選手も前にいる。次は、そことしっかり戦えるように鍛えていきたい。
過去にマラソンは3回やったが、これまではペースが速いと感じたら、身体や気持ちにストッパーをかけて、そのまま集団から離れて落ちていくというレースをしていた。しかし、今回は、今までよりも速いペースで30kmまで進んだなかで、きついところでも集団の中で我慢していくことができた。その点が一番大きいように思う。また、練習に関しても40km走を7本やるなど本数がしっかりできていたほか、前年度よりはるかに多くジョギングができていた。そこが今回の結果につながったのかなとも思う。
今回、しっかりタイムが出せたので、次のマラソンに関しては、設楽くんや(チームメイトの)井上も言っていたように、「世界の選手にもまれて、そのなかでもタイムを出すこと」を目標にやっていきたい。
◎宮脇千博選手(トヨタ自動車)
8位 2時間08分45秒 =日本人4位
今の自分の実力からすると、1km3分のペースで押していくのが妥当と思う判断で第3集団についた。今の自分の力では、3分で行くのがいっぱい、いっぱい。力を出しきることはできたと思う。(上位の)設楽くんと井上くんとの力の差は、タイム以上に大きいものがある。これからしっかりその差を埋めていくことを考えていきたい。
今回のマラソンに臨むに当たって、今までやってきたことと今回とで大きく変えた点はない。練習内容もレースの仕方も、今までやってきたことを今回も同じようにやった。今回はそれがうまくいって、結果が出たのだと思っている。練習については、1月はあまり思うようにはできなかったものの、昨年の夏から継続してできていたこと、そして、ケガをしていないことが、いい方向に行っていたのかなと思う。
これでMGCの権利を獲得できたので、次のマラソンは逆に「失敗してもいい」くらいの気持ちで臨むことができる。前についていくとか、勝負を考えるとか、(挑むレースの)幅は広がると思うし、また、海外レースにもどんどん挑戦していきたいと思っているので、今後はそうしたことに幅広く挑戦していきたい。
◎山本憲二選手(マツダ)
9位 2時間08分48秒 =日本人5位
今回はサブテン(2時間10分切り)とMGC出場権獲得を目標に練習してきた。第3集団の1km3分ペースで走って、後半も粘っていこうということで、レースプラン通り、練習通りの結果が出たと思う。
前回のマラソンでは30km過ぎから身体が動かなくなってしまっていたので、今回は30km以降でも動く身体づくりを考えて練習してきた。具体的には、ウエイトトレーニングと1回のジョグの距離を増やすことに取り組んだ。その結果、30km以降でも昨年よりは身体を動かすことができていたので、練習した通りの成果といえる。
MGCは、今回に比べると暑い条件で行われることになるので、そこに向けては、自分が今、どのくらい暑さに対応できるのかを体感してみたい。また、日本のトップ選手たちとはまだスピードの差があるので、そこをどう埋めるかというところを、これからのテーマに取り組んでいきたいと思う。
◎佐藤悠基選手(日清食品グループ)
10位 2時間08分58秒 =日本人6位
今回でマラソン6本目。最近はケガに泣かされて、思うようなトレーニングが積めていなかったが、今回に向けては、万全ではないもののまずまずのトレーニングができていた。タイムも最低限「2時間9分切りくらいを」と思っていたので、そこをクリアして、予定通り走れたのかなと思っている。でも、結果には満足していないし、もっと行けると思っている。1本1本(レースを走るたびに)確実に成長していると思うので、これからも力を伸ばしていって、しっかり勝負ができる選手になりたい。
レースを振り返ってみると、今までよりは自分の体力を42kmのなかで振り分けて走ることができたように思う。これは過去5回のレース経験によって、徐々にわかってきたこと。今までは、最後ふらふらになってゴールすることが多かったが、今日は最後まで自分の意思で身体を動かしてゴールすることができた。タイムが出ていないので、まだまだ力不足ではあるのだが、少しはましになったのではないかと思う。
これでMGCの権利を取ったが、だからといって取り組む内容が変わることはない。自分が着実にステップアップしていくために、これからもやるべきことをしっかりやっていきたい。
文:児玉育美/JAAFメディアチーム
写真提供:フォート・キシモト
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