2024.02.22(木)
【JMCシリーズ】大阪マラソン展望~MGCファイナルチャレンジ男子第2戦~パリ五輪・東京世界陸上 日本代表をめぐる見逃せない闘い
ジャパンマラソンチャンピオンシップ(JMC)シリーズ第3期(23年4月~24年3月)も男子は残り2戦、女子は3戦となった。しかも今月から来月にかけては、パリ五輪マラソン代表選考レース「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)ファイナルチャレンジ」が男女3レース開催される。
2月25日(日)に行われる「大阪マラソン2024」も男子のMGCファイナルチャレンジ大会のひとつ。男子のパリ五輪マラソン日本代表は、昨年10月に行われたMGCで小山直城(Honda)と赤﨑暁(九電工)の2名が内定。代表枠の残り1つは、指定するMGCファイナルチャレンジ大会(男子は福岡国際マラソン2023、大阪マラソン2024、東京マラソン2024)で設定記録(男子)2時間5分50秒を突破して、なおかつ突破した選手のなかで最上位の記録を持つことが条件となる。該当する選手がいない場合は、MGCで3位に入った大迫傑(Nike)がパリ五輪の男子マラソン日本代表に内定する。
昨年12月に最初のMGCファイナルチャレンジとして開催された福岡国際マラソンでは、設定記録の突破者はいなかった。この大阪マラソン2024では、2時間5分50秒の壁を突破する選手が現れるか!?
熾烈なパリ五輪代表争い! 土方、髙久、大塚ら2時間6分台
パリ五輪代表選考レースという視点で見ると、男子招待選手で2時間6分台の自己記録を持つ選手が中心になってくるだろう。もっとも速い自己記録を持つのが、21年びわ湖毎日マラソンで2時間6分26秒(日本歴代7位)をマークした土方英和(旭化成)だ。國學院大時代は4年連続で箱根駅伝に出走し、主将となった4年時はエース区間の2区で区間8位、総合成績は大学史上最高順位の3位と好成績を収めた。また同4年時は出雲駅伝でもアンカーを務め、トップと37秒差の4位から同校初優勝となる逆転Vテープを切った。大学卒業後、22年から旭化成に所属。今年1月の大阪ハーフマラソンで2年ぶりに1時間1分台をマークしており、2時間5分50秒突破への手応えとなっているか。
20年東京マラソンで自己ベストの2時間6分45秒(日本歴代9位)をマークした髙久龍(ヤクルト)も参戦する。東洋大3年時の箱根駅伝で8区区間賞、総合優勝を経験し、ヤクルト入社後の18年別府大分毎日マラソンで初マラソンを踏んだ。21年福岡国際マラソンで2時間8分38秒をマークして以来、約2年間サブテンから遠ざかっているが、ハーフマラソンでは昨年も1時間1分台をマーク。フルマラソンでは約4年ぶりの自己記録更新を狙う。
MGCでは2時間9分56秒(8位)と代表内定を決められなかった大塚祥平(九電工)もパリへの残る1枠を狙う。昨年の大阪マラソンで自己ベスト2時間6分57秒をマーク。駒大時代は4年連続で箱根路を走り、4年時には5区区間賞を獲得した。九電工に入社後、19年MGCで3位の大迫と17秒差で4位となり、東京五輪の代表補欠となった。20年福岡国際マラソンで自身初のサブテンとなる2時間7分38秒をマーク。東京五輪の代表まであと1歩だった大塚にとって、パリ五輪代表争いへの熱意は誰よりも高いかもしれない。
JMCシリーズⅢも終盤戦! ランキング上位を狙う選手たち
男子はJMCシリーズで最高ランクとなるグレードS(GS)大会に指定されるため、JMCランキングという視点でも注目の大会だ。今大会は、JMCシリーズⅢとⅣにまたがる第3期(23年4月~24年3月)内のレースとなり、シリーズⅢ男子は大阪マラソンと東京マラソンの2レースを残すのみ。シリーズⅢは男女1位から8位まで、総額3,000万円の賞金が授与されることになっており、チャンピオンには、3月25日(月)に開催する「JMCシリーズアワード」で賞金660万円が授与される。
最新の男子ランキングを見ると、昨年10月のMGCを制し、パリ五輪の代表内定を決めた小山直城(Honda)が2628ポイントでランキング2位とエントリー選手で最上位につけている。一時はトップに立っていたが、昨年12月の福岡国際マラソンで日本人トップになった細谷恭平(黒崎播磨)が逆転。しかし今大会1278ポイント以上を獲得すれば、小山が再逆転でトップに立つことになる。すでにパリ五輪の代表内定を射止めている小山は、パリを見据えたレース展開となるが、シリーズⅢチャンピオンの座も十分に狙えるところにいる。
さらにシリーズⅣ(23年4月~25年3月)でチャンピオン(第108回日本選手権者)になれば、25年9月開催予定の「東京2025世界選手権」のマラソン日本代表が内定するが、小山はシリーズⅣ期間内となる第3期ですでに1388ポイントと高いポイントを獲得しているため、この大会でさらに高ポイントを獲得しておくと、シリーズⅣチャンピオン、つまり東京世界選手権の代表争いに向けても大きく前進することになるだろう。
続いてランキング9位につけるのが、大塚祥平(九電工)だ。賞金が授与される8位以内に入るには1250ポイント以上、また1365ポイント以上を獲得すればトップに躍り出る可能性もある。大塚にとっては、パリ五輪代表の1枠を奪うことが最優先になるだろうが、それを達成できたとき、シリーズⅢチャンピオンの可能性も見えてくるかもしれない。大塚はシリーズⅠで3位、シリーズⅡで2位と過去のJMCシリーズで常に上位ランクインしている。
21年びわ湖毎日マラソンで自己ベストの2時間7分26秒をマークした聞谷賢人(トヨタ紡織)にも上位ランクインの可能性がある。今大会1265ポイント以上で8位以内にランクイン、1380ポイント以上でトップに立つ。聞谷もJMCシリーズⅠで6位、シリーズⅡで4位と過去のJMCシリーズでも実績を残す。また、1月の大阪ハーフマラソンで自己ベストの1時間1分46秒をマークするなど、今大会へ調子を上げていることがうかがえる。
JMCシリーズⅠでランキング5位に入った吉田祐也(GMOインターネットグループ)も今大会1381ポイント以上を獲得すればランキング8位以内を狙うことができる。吉田は20年福岡国際マラソンでマークした2時間7分05秒が自己ベスト。青学大時代は4年時の箱根駅伝で4区区間新記録(当時)を樹立し、チームは往路・総合優勝を飾った。同年の別府大分毎日マラソンで初マラソンに挑戦し、2時間8分30秒と当時の学生歴代2位となる好記録を出している。
また、前回の大阪マラソンで自己ベストを大幅に更新する2時間7分28秒をマークした吉岡幸輝(中央発條)も今大会1289ポイント以上を獲得できれば、JMCシリーズⅢで8位以内にランクインする可能性がある。1月の大阪ハーフマラソンでは、自己ベストから4秒差の1時間1分44秒と調子を上げている。
エリートランナーでは市山翼(サンベルクス)がシリーズⅢで現在7位にランクイン。1328ポイント以上を獲得できれば、トップに立つことも可能だ。
一方、JMCシリーズのグレード2(G2)大会に指定される女子にも、上位ランクインの可能性を残す選手がエントリーしている。
前回の大阪マラソンで自己ベストの2時間25分51秒をマークした市田美咲(エディオン)がその一人。8位以内に入るには、今大会1276ポイント以上を獲得することが必要となる。1月の全国都道府県対抗駅伝では、アンカーを務めて区間7位だった。
関西では最大規模の都市型市民マラソンとして、多くの市民ランナーも参加する大阪マラソン。今大会はコースが一部変更となり、折り返しの数が減るなど高速化が図られた。
前回大会はハイレマリアム・キロス(エチオピア)が大会新記録となる2時間6分1秒で優勝。今大会、パリ五輪を目指す国内トップランナーにとっては、大会記録を11秒以上更新する記録が必要となるが、コース変更を追い風に、2時間5分50秒の突破、そして日本記録(2時間4分56秒)樹立にも期待が高まる。
「大阪マラソン2024」は2月25日(日)、車いすマラソンが9時5分スタート、マラソンは9時15分に大阪府庁前をスタートする。
写真:フォート・キシモト
【大会概要】
大 会 名 :大阪マラソン2024開催日程:2024年2月25日(日)9時15分スタート
コ ー ス :大阪府庁前スタート/大阪城公園フィニッシュ
ハッシュタグ:#大阪マラソン #MGCファイナルチャレンジ #JMCシリーズ
■公式HP
https://www.osaka-marathon.com/
■大会要項
https://osaka-marathon.com/2024/info/gist/
■エントリーリスト
https://www.jaaf.or.jp/files/competition/document/1812-4.pdf
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【MGC】DIGEST:あの熱狂を振り返ろう
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◆MGC:男子レポート&コメント:小山&赤﨑がパリ五輪日本代表内定!
https://www.mgc42195.jp/news/article/19096/
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