
9月13日(土)から21日(日)までの9日間「東京2025世界陸上競技選手権大会」が国立競技場で開催されます!
開幕まで約17日!!現在日本代表に決定している23名の選手のプロフィールをご紹介していきます。
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小林香菜(大塚製薬)
女子マラソン
2001年4月4日、群馬県生まれ。幼少期からスイミングスクールに通っていたことが影響して、前橋第三中学校では、最初水泳部に所属していたが、陸上部以外からも借り出された駅伝で関東大会まで駒を進めたことに楽しさを覚え、2年の冬に陸上部へ籍を移す。3年時には1500mで関東大会に進んで6位、秋にはジュニアオリンピックAクラス3000mに出場し、決勝に進んで10位でフィニッシュ。同年度の全国都道府県女子駅伝にも群馬県代表に選出され、中学生区間(8区22位タイ)を経験した。
2017年に、進学校として知られる埼玉・早稲田大学本庄高等学院を受験して入学し、自宅から片道1時間半かけて通うことになった。陸上部に入って、1500m、3000m、駅伝に取り組んだが、走行中の自転車転倒による膝の裂傷と、急いで階段を降りた際に足首を捻っての靱帯損傷と、2度にわたって松葉杖生活が必要な大きなケガに見舞われことも影響し、埼玉県大会止まり。高校での5000mの自己ベストは17分27秒44、1500mと3000mは中学時代のベスト記録(4分39秒29/9分36秒29)を更新することなく卒業を迎えている。
早稲田大には内部進学で入り、2020年から法学部での学生生活がスタート。当初は、競走部で駅伝を目指すことも考えたが、女子の長距離部員が少なく実現が難しいと知り、高校の先輩が所属していた「ホノルルマラソン完走会」というサークルに入る。週に1回、皇居の周回コース(5km)を2周することが主な活動内容だったが、2年生のころになると、サークル活動以外でも走り始め、前橋市陸協の登録で、記録会などのレースに出場していくようになった。2021年11月に富士山マラソンに出場して3時間29分12秒(28位)で初マラソンを経験すると、翌2022年の同大会に優勝(2時間39分54秒)。このタイムが出場権獲得につながり、2カ月後には大阪国際女子マラソンに出場して2時間36分54秒(21位)をマークした。
このレースがきっかけとなって、卒業後は実業団で競技活動に取り組むことを決意。受け入れてくれる実業団チームを求めて、さまざまな方法でアプローチを重ねていく。苦戦が続くなかで、人づてでつながることができたのが、大塚製薬の河野匡監督。実は、大阪国際女子マラソンのレースで、「ハーフを1時間11分台で通過して、2時間36分台でフィニッシュした見知らぬ選手」に驚き、名前や履歴を調べて小林の存在を記憶していた河野監督は、その伸びしろへの期待と、諦めずに粘り強くアプローチし続ける小林の熱意に、可能性を見いだし、最終的に、4年時の6月に同社での採用を決定。その後、2回目の出場となった大阪国際女子マラソンで2時間30分切りとなる2時間29分44秒(12位)まで自己記録を更新した小林は、2024年の春から、実業団選手として、徳島での新生活をスタートさせた。
多くのトップランナーを輩出している大塚製薬のノウハウは、小林に大きな成長をもたらしていく。9月の全日本実業団10000mで32分22秒98をマーク(7位)して、周囲を驚かせると、10月末の全国実業団対抗女子駅伝予選会で最長区間の3区(10.7km)を区間2位で好走し、関係者の注目を集める。そして、大阪国際女子マラソンに向けたトレーニングの一環で出場した12月の防府読売マラソンでは、2時間24分59秒まで自己記録を更新して優勝。その後、アメリカ・アルバカーキで、1カ月にわたる初めての高地合宿を経て、3回目となる大阪国際女子マラソンに臨み、日本歴代10位となる2時間21分19秒まで自己記録を更新して、日本人トップの2位でフィニッシュ。選考条件を満たして、東京世界選手権のマラソン代表に選出された。1分間に220歩平均という高速ピッチとその維持能力が最大の武器。初めてとなる代表ユニフォームを身にまとって、世界のトップランナーたちに挑戦する。

文:児玉育美(日本陸連メディアチーム)
写真:フォート・キシモト/アフロスポーツ
【東京2025世界陸上】女子マラソンスケジュール
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◆決勝:9月14日(日)モーニングセッション 8時00分START
【東京2025世界陸上】9月13日~21日 国立競技場開催

◆期日:2025年9月13日(土)~21日(日)
◆会場:国立競技場(東京)
◆チケット情報:https://tokyo25-lp.pia.jp/
▼東京2025世界陸上競技選手権大会 日本代表選手選考要項
https://www.jaaf.or.jp/files/upload/202403/27_103941.pdf
▼東京2025世界陸上 参加資格有資格者一覧
https://www.jaaf.or.jp/news/article/20947/
▼東京2025世界陸上 各種目の代表選考を解説!
https://www.jaaf.or.jp/news/article/22414/
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