
9月13日~21日に開催される世界選手権の代表選手選考会を兼ねて行われる「第109回日本選手権」。その舞台は、同じ国立競技場だ。日本選手権が国立競技場で行われるのは、2005年の第89回大会以来20年ぶり。新しい国立競技場ではもちろん初めての開催だ。
国立競技場のスタンドでの現地観戦、あるいはテレビやライブ配信での観戦のお供に、「記録と数字で楽しむ第109回日本選手権」をお届けしよう。
・記録やデータは、エントリー締め切り時の6月12日判明分
・現役選手の敬称は略
テレビの中継予定は以下のとおり(ライブ配信の予定は、後日発表)
【NHK BS・総合】
・第1日:7月4日(金)
BS 18:30~19:30/総合 19:30~20:42
・第2日:7月5日(土)
総合 16:30~18:43 ※17:59~18:05はサブチャンネル
・第3日:7月6日(日)
総合 16:30~18:43 ※17:59~18:05はサブチャンネル
日本歴代1~7位の12秒台全員が集結!「大トリ」の最終種目で「日本新」の可能性も!!
・予選/7月5日 15:30 4組3着+4・準決/7月5日 17:45 2組3着+2
・決勝/7月6日 18:30
日本歴代1~7位が全員集合!寺田は「ラスト日本選手権」
世界選手権参加標準記録は「12秒73」。24年パリ五輪の時よりも0秒04引き上げられた。24年8月1日からの有効期間後にこれをクリアしている選手はいないが、24年7月20日に福部真子(日本建設工業)がマークした12秒69の日本記録が、これを上回っている。今回のエントリー記録では12秒6台が1名、同8台4名、同9台1名で計6名。さらに13秒0台4名でここまでで10名。13秒0台の中には12秒86が自己ベストの青木益未(七十七銀行)もいる。決勝進出の8番目が13秒02。準決勝進出の16番目が13秒26だ。自己ベストは12秒6台1名、同8台5名、同9台1名、13秒0台5名、同1台1名。日本歴代で13秒0台以内の選手は17名いるがうち12名がエントリーしている。
2008年の初出場初優勝から24年までに9回出場し優勝5回で現役最多の寺田明日香(ジャパンクリエイト)は、今シーズンをもって世界大会を目指すような第一線の競技会からは退くことを表明。10回目の出場となる今回が「ラスト日本選手権」となる。
タイトルにあるとおり、女子100mH決勝が第109回日本選手権の最終日の最終種目ということになった。
2010年以降の最終日の最終種目は以下の通り。
2010 | 男子100m |
---|---|
2011 | 〃 |
2012 | 女子200m |
2013 | 男子200m |
2014 | 男子100m |
2015 | 〃 |
2016 | 男子200m |
2017 | 〃 |
2018 | 〃 |
2019 | 〃 |
2020 | 〃 |
2021 | 女子4×400mR(オープン種目)。正式種目の最終は、男子200m |
2022 | 女子5000m |
2023 | 男子100m |
2024 | 〃 |
2025 | 女子100mH |
25年6月22日現在の日本歴代で13秒09以内は、以下の通りだ。
<日本歴代17傑=13秒09以内 & 個人別10傑平均記録/2025.06.22現在>
・氏名の前の「×」は非現役。「△」は25年日本選手権にエントリーせず。
順)記録(風速) | 氏名 | 年月日 | 10位記録 | 10傑平均 | 1~10位の差 | 12秒台の回数 |
---|---|---|---|---|---|---|
1)12.69(+1.2) | 福部真子 | 2024.07.20 | ~12.89 | 1)12.803 | 0.20 | 25回 |
2)12.81(+0.7) | 田中佑美 | 2025.05.18 | ~12.91 | 2)12.876 | 0.10 | 22回 |
3)12.85(+0.7) | 中島ひとみ | 2025.05.18 | ~13.08 | 6)13.002 | 0.23 | 4回 |
4)12.86(-0.2) | 青木益未 | 2022.04.10 | ~12.98 | 4)12.930 | 0.12 | 10回 |
4)12.86(+0.7) | 寺田明日香 | 2023.05.07 | ~12.95 | 3)12.898 | 0.09 | 19回 |
6)12.89(+0.7) | 清山ちさと | 2025.05.18 | ~13.03 | 5)12.988 | 0.14 | 3回 |
7)12.94(0.0) | 大松由季 | 2024.10.05 | ~13.11 | 7)13.038 | 0.17 | 2回 |
8)13.00(+0.7) | ×金沢イボンヌ | 2000.07.16 | ~13.13 | 8)13.072 | 0.13 | |
8)13.00(+1.5) | 鈴木美帆 | 2021.06.06 | ~13.22 | 13)13.150 | 0.22 | |
8)13.00(+1.9) | △紫村仁美 | 2024.06.02 | ~13.13 | 9)13.074 | 0.13 | |
11)13.01(+1.9) | 田中陽夏莉 | 2024.06.02 | ~13.26 | 13)13.150 | 0.25 | |
12)13.02(+1.4) | ×池田久美子 | 2007.04.29 | ~13.28 | 16)13.198 | 0.26 | |
12)13.02(-1.8) | 島野真生 | 2025.06.07 | ~13.31 | 15)13.154 | 0.29 | |
14)13.03(-0.6) | ×木村文子 | 2013.06.08 | ~13.13 | 10)13.095 | 0.10 | |
15)13.07(+0.8) | 本田怜 | 2024.08.18 | ~13.17 | 11)13.118 | 0.10 | |
16)13.08(+0.2) | ×石野真美 | 2006.10.22 | ~13.26 | 17)13.215 | 0.18 | |
16)13.08(+1.7) | 芝田愛花 | 2023.06.25 | ~13.23 | 12)13.147 | 0.15 |
23年4月29日の織田記念で初の12秒台(12秒97)をマークした田中佑美(富士通)がどんどん記録を伸ばしてきている。
13秒台から12秒台に突入してからの田中の自己記録の変遷は、
13.12(+0.3) 2022.06.10
12.97(+0.6) 2023.04.29
12.91(+0.7) 2023.05.07
12.89(+0.4) 2023.05.21
12.85(-0.3) 2024.06.29
12.83(+1.9) 2024.09.23
12.81(+0.7) 2025.05.18
で、12秒台の回数も22回で福部にあと3回と迫ってきた。
また、1年前の日本選手権前までは、13秒07がベストだった中島ひとみ(長谷川体育施設)もこのところ急成長し12秒85で歴代3位に入ってきた。
こちらの13秒台からの自己記録の変遷は、
13.07(+1.9) 2024.06.02
13.01(+0.6) 2024.06.29
12.99(+1.9) 2024.09.23
12.85(+0.7) 2025.05.18
と12秒99から一気に0秒14も伸ばした。
日本記録の変遷
この数年で「12秒台が当たり前」になったこの種目の日本記録の進歩を振り返ってみよう。<13秒00からの日本記録の変遷>
13.00(+0.7) | 金沢イボンヌ(佐田建設TC) | 2000.07.16 | 円山 |
---|---|---|---|
〃(+1.4) | 寺田明日香(パソナグループ) | 2019.08.17 | 福井 |
12.97(+1.2) | 〃(〃) | 2019.09.01 | 富士北麓 |
12.96(+1.6) | 〃(ジャパンクリエイト) | 2021.04.29 | 広島広域 |
12.87(+0.6) | 〃(〃) | 2021.06.01 | 長居 |
〃(+1.8) | 青木益未(七十七銀行) | 2021.06.06 | 布勢 |
12.86(-0.2) | 〃(〃) | 2022.04.10 | 新潟市 |
12.82(+0.9) | 福部真子(日本建設工業) | 2022.07.24 | ユージン |
12.73(+1.1) | 〃(〃) | 2022.09.25 | 長良川 |
12.69(+1.2) | 〃(〃) | 2024.07.20 | 平塚 |
以上の通り、寺田、青木、福部の切磋琢磨によって、ここ数年で「12秒台が当たり前」となって、世界の舞台に複数で出場できるようになった。
20世紀最後の年に金沢イボンヌさんがマークした13秒00が19年以上残っていたが、19年8月17日に寺田がピタリと並んだ。そしてその2週間後には「12秒台の扉」をこじ開けた。20年はコロナの蔓延で多くの競技会が中止となって足踏みしたが、「12秒8台」には、21年6月1日にこれまた寺田が一番乗り。その6日後には青木も到達。22年7月に福部が追いついてきて、9月には福部が「12秒7台」に引き上げた。2年後の24年7月には「12秒6台」に福部がたどり着いた。
この3人に引っ張られるようにそれに続く田中佑美、清山ちさと(いちご)、大松由季(サンドリヨン)も23年には12秒台に到達。24年には中島も仲間入りしてきて12秒台は7人にもなった。12秒台の現役選手が7名以上いる国は、30名超のアメリカ、20名あまりのジャマイカ、そして7名のドイツと日本の4国。以下は、5名のフィンランドにフランス、3~4名はオーストラリア・バハマ・ベラルーシ・ハンガリー・ポーランドなどの国々だ。
日本がこの種目で複数が世界の舞台にエントリーできたのは、80mHの時代を含めて17年ロンドン世界選手権が最初。21年末で現役を退いた木村文子さん(エディオン)、紫村仁美(東邦銀行。現在は、リタジャパンAC)が出場し、木村さんが準決勝に駒を進めた。
19年ドーハ世界選手権は、寺田と木村さんが出場したが、予選突破はならず。
21年東京五輪には、木村さん・青木・寺田が史上初のフルエントリー。寺田がセミファイナリストになった。
22年オレゴン世界選手権には、福部・青木が出場。ともにセミファイナリストとなり、福部は組の8着ながら日本新記録(12秒82/+0.9)、青木は組の6着で世界選手権のこの種目での日本人歴代最高順位の結果を残した。
23年ブダペスト世界選手権は、東京五輪に続いてのフルエントリー。寺田・青木・田中佑が出場したが残念ながら誰も準決勝には進めなかった。
24年パリ五輪では福部と田中佑がともに準決勝のスタートラインに立ち、福部は5着と自己最高順位の結果をおさめた。
このように17年からの世界大会には6大会連続複数出場。準決勝進出がうち4大会と着実にレベルはアップしてきている。
ただし、世界のレベルもこのところ上昇していて、22年オレゴンも23年ブダペストも「ファイナル」に進むためには「12秒50」が最低ライン。24年パリ五輪も「12秒52」だった。上述の通り、12秒台の人数では、世界の3位ではあるが、世界の「ファイナリスト」への道のりはまだまだ厳しそうだ。
優勝経験者の寺田・青木・福部が激突。今季好調の田中佑・中島も虎視眈々
寺田が初出場で優勝を果たした2008年から17年間の優勝者は、下記の通りだ。<2008年以降17年間の日本選手権優勝者>
・所属は当時のもの。
・記録の後ろの「○」はその時点での大会新。「△」は大会タイ。
2008 | 13.51(-1.5) | 寺田明日香(北海道ハイテクAC) | 初優勝 |
---|---|---|---|
2009 | 13.05○(+1.9) | 寺田明日香(北海道ハイテクAC) | 2年連続2回目 |
2010 | 13.32(-2.0) | 寺田明日香(北海道ハイテクAC) | 3年連続3回目 |
2011 | 13.32(-1.3) | 木村文子(エディオン) | 初優勝 |
2012 | 13.25(-0.7) | 木村文子(エディオン) | 2年連続2回目 |
2013 | 13.02○(-0.6) | 紫村仁美(佐賀陸協) | 初優勝 |
2014 | 13.34(+1.6) | 木村文子(エディオン) | 2年ぶり3回目 |
2015 | 13.27(-0.2) | 紫村仁美(佐賀陸協) | 2年ぶり2回目 |
2016 | 13.23w (+2.1) | 木村文子(エディオン) | 2年ぶり4回目 |
2017 | 13.12(-0.1) | 木村文子(エディオン) | 2年連続5回目 |
2018 | 13.17(+1.1) | 青木益未(七十七銀行) | 初優勝 |
2019 | 13.14(+0.6) | 木村文子(エディオン) | 2年ぶり6回目 |
2020 | 13.02△(-0.1) | 青木益未(七十七銀行) | 2年ぶり2回目 |
2021 | 13.09(+-0) | 寺田明日香(ジャパンクリエイト) | 11年ぶり4回目 |
2022 | 13.10(+0.8) | 福部真子(日本建設工業) | 初優勝/予選での青木の12.94(+0.3)が大会新 |
2023 | 12.95(-1.2) | 寺田明日香(ジャパンクリエイト) | 2年ぶり5回目 |
2024 | 12.86(-0.2) | 福部真子(日本建設工業) | 2年ぶり2回目/予選での福部の12.75(+0.8)が大会新 |
福部が勝てば2年連続3回目。
寺田がなら2年ぶり6回目。
青木なら5年ぶり3回目。
自己ベスト13秒09以内の12名の日本選手権での成績
自己ベストが13秒09以内で今回出場する12名の08年以降の日本選手権での成績をまとめた。08年は、今回の出場者の中で最も早く日本選手権に出場した寺田が初出場した年である。<自己ベスト13秒09以内の12名の2008年以降の日本選手権での成績>
・掲載順は、申込資格記録順。「=」はエントリー記録とPBが同じ。
「準」は準決勝落選
「予」は予選落選
「欠」は予選を直前に欠場
「-」は不出場
資格記録 | PB | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 | 23 | 24 | /入賞率 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
福部真子 | 12.69 | 12.69 | - | - | - | - | 5 | - | 凖 | - | 欠 | 4 | 7 | 6 | 予 | 準 | 1 | 4 | 1 | /70.0%(予選を欠場は除外) |
田中佑美 | 12.81 | 12.81 | - | - | - | - | - | - | - | 予 | 6 | 7 | 凖 | 凖 | 4 | 6 | 3 | 3 | 2 | /70.0% |
中島ひとみ | 12.85 | 12.85 | - | - | - | - | - | - | - | 予 | 予 | 準 | 予 | 準 | 準 | 準 | 4 | 8 | 7 | /30.0% |
寺田明日香 | 12.86 | 12.86 | 1 | 1 | 1 | - | - | 予 | - | - | - | - | - | 3 | 2 | 1 | - | 1 | 3 | /88.9% |
清山ちさと | 12.89 | 12.89 | - | - | - | - | - | 5 | 8 | 6 | 8 | 6 | 4 | 5 | - | 2 | 5 | 5 | 5 | /100.0% |
大松由季 | 12.94 | 12.94 | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | 予 | 予 | - | 予 | 予 | 予 | 4 | /16.7% |
田中陽夏莉 | 13.01 | 13.01 | - | - | - | - | - | - | - | - | - | 予 | 6 | 予 | 準 | 予 | 準 | 予 | 準 | /12.5% |
島野真生 | 13.02 | 13.02 | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | 準 | 準 | 準 | 予 | 予 | 予 | /0.0% |
青木益未 | 13.04 | 12.86 | - | - | - | - | - | 6 | 4 | 3 | 3 | - | 1 | 2 | 1 | - | 2 | 2 | - | /100.0% |
本田怜 | 13.07 | 13.07 | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | 予 | 準 | /0.0% |
芝田愛花 | 13.11 | 13.08 | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | 予 | 準 | 予 | 8 | 準 | 準 | 8 | /28.6% |
鈴木美帆 | 13.16 | 13.00 | - | - | - | - | - | - | - | - | - | - | 準 | 7 | 5 | 3 | 7 | 7 | 準 | /71.4% |
12名中の決勝進出者数 | 1 | 1 | 1 | 0 | 1 | 2 | 2 | 3 | 3 | 3 | 4 | 5 | 4 | 5 | 6 | 7 | 7 | |||
12名中の予選出場者数 | 1 | 1 | 1 | 0 | 1 | 3 | 3 | 5 | 4 | 5 | 9 | 11 | 9 | 10 | 10 | 12 | 11 |
やはり、優勝経験のある寺田・青木・福部がコンスタントな結果を残している。
寺田は、出場9回中13年の予選落選を除く8回すべてが3位以内で優勝5回に2位1回に3位が2回。表彰台率100%だ。
清山と青木も出場した時は、すべて入賞している(清山11回、青木9回)。
鈴木は、19年から5年連続入賞を継続していたが24年は準決勝で敗退し連続記録がストップした。
田中佑は、20年から5年連続入賞を継続中で、至近3年間は表彰台に立っている。
上記の12名が各年に決勝に進んだ人数と予選に出場した人数も表の下に示した。15~17年の決勝進出は3名、18年以降は4名以上が毎年ファイナリストとなっていて非常にコンスタントな結果を残していることがわかる。至近2年間は7名が決勝に進んでいる。今回エントリーしなかった紫村を含めると23・24年は8名全員が13秒09以内の自己ベストを有する選手で占められた。
寺田・青木・福部・田中佑美の対戦成績
19年以降に日本記録を更新して日本選手権も優勝、世界大会の代表にもなった寺田・青木・福部。その3人とブダペストとパリの代表になった田中佑美の決勝レースでの直接対決の対戦成績を調べた。もしも「漏れ」があったら陸連事務局までご連絡くださいませ。<寺田明日香と青木益未の決勝での対戦成績(室内60mHを除く)>
年月日 | 競技会名 | 寺田明日香 | vs | 青木益未 | 差/勝者 |
---|---|---|---|---|---|
2019.06.29 | 日本選手権 | 3)13.16 | ●○ | 2)13.15 | 0.01/青木 |
2020.08.23 | GGP東京 | 1)13.03 | ○● | 2)13.09 | 0.06/寺田 |
2020.08.29 | ナイトG福井 | 2)12.93w | ●○ | 1)12.87w | 0.06/青木 |
2020.10.03 | 日本選手権 | 2)13.14 | ●○ | 1)13.02 | 0.12/青木 |
2021.04.29 | 織田記念 | 1)12.96 | ○● | 4)13.34 | 0.38/寺田 |
2021.05.09 | 五輪テスト大会 | 1)12.99 | ○● | 2)13.06 | 0.07/寺田 |
2021.06.06 | 布勢スプリント | 2)12.89 | ●○ | 1)12.87 | 0.02/青木 |
2022.05.08 | GGP東京 | 4)13.07 | ○● | 9)13.91 | 0.84/寺田 |
2022.06.26 | 布勢スプリント | 8)13.52 | ●○ | 1)12.97 | 0.55/青木 |
2023.05.21 | GGP横浜 | 1)12.86 | ○● | 5)12.94 | 0.08/寺田 |
2023.06.03 | 日本選手権 | 1)12.95 | ○● | 2)12.95 | 0.00/寺田 |
2023.06.25 | 布勢スプリント | 2)12.91 | ●○ | 1)12.90 | 0.01/青木 |
2023.07.13 | アジア選手権 | 2)13.13 | ○● | 3)13.26 | 0.13/寺田 |
7-6 |
<寺田明日香と福部真子の決勝での対戦成績(室内60mHを除く)>
年月日 | 競技会名 | 寺田明日香 | vs | 福部真子 | 差/勝者 |
---|---|---|---|---|---|
2013.04.29 | 織田記念 | 7)13.71 | ●○ | 5)13.58 | 0.13/福部 |
2019.05.19 | 東日本実業団 | 2)13.19 | ●○ | 1)13.14 | 0.05/福部 |
2019.06.29 | 日本選手権 | 3)13.16 | ○● | 6)13.30 | 0.14/寺田 |
2019.07.27 | 実学対抗 | 1)13.07 | ○● | 2)13.18 | 0.11/寺田 |
2019.08.17 | ナイトG福井 | 1)13.00 | ○● | 2)13.16 | 0.16/寺田 |
2020.08.23 | GGP東京 | 1)13.03 | ○● | 6)13.33 | 0.30/寺田 |
2020.08.29 | ナイトG福井 | 2)12.93w | ○● | 6)13.36w | 0.43/寺田 |
2022.05.28 | GGP東京 | 4)13.07 | ●○ | 2)13.05 | 0.02/福部 |
2022.06.26 | 布勢スプリント | 8)13.52 | ●○ | 2)13.04 | 0.48/福部 |
2023.05.21 | GGP横浜 | 1)12.86 | ○● | 3)12.91 | 0.05/寺田 |
2023.06.03 | 日本選手権 | 1)12.95 | ○● | 4)12.99 | 0.04/寺田 |
2023.06.25 | 布勢スプリント | 2)12.91 | ○● | 3)13.01 | 0.10/寺田 |
2023.07.01 | 実学対抗 | 2)12.92 | ●○ | 1)12.90 | 0.01/福部 |
2024.05.12 | 木南記念 | 5)13.15 | ●○ | 2)12.92 | 0.23/福部 |
2024.06.30 | 日本選手権 | 3)12.91 | ●○ | 1)12.86 | 0.05/福部 |
8-7 |
19・20年は寺田が5連勝、22年以降は福部の5勝3敗で福部が3連勝中。
<寺田明日香と田中佑美の決勝での対戦成績(室内60mHを除く)>
年月日 | 競技会名 | 寺田明日香 | vs | 田中佑美 | 差/勝者 |
---|---|---|---|---|---|
2019.08.17 | ナイトG福井 | 1)13.00 | ○● | 3)13.18 | 0.18/寺田 |
2019.10.20 | 田島記念 | 1)13.47 | ○● | 4)13.63 | 0.16/寺田 |
2020.08.23 | GGP東京 | 1)13.03 | ○● | 4)13.27 | 0.24/寺田 |
2020.10.03 | 日本選手権 | 2)13.14 | ○● | 4)13.37 | 0.23/寺田 |
2021.06.01 | 木南記念 | 1)12.89 | ○● | 3)13.23 | 0.34/寺田 |
2021.06.26 | 日本選手権 | 1)13.09 | ○● | 6)13.57 | 0.48/寺田 |
2022.05.08 | GGP東京 | 4)13.07 | ○● | 7)13.39 | 0.32/寺田 |
2022.06.26 | 布勢スプリント | 8)13.52 | ●○ | 6)13.40 | 0.12/田中 |
2023.05.07 | 木南記念 | 1)12.86 | ○● | 2)12.91 | 0.05/寺田 |
2023.05.21 | GGP横浜 | 1)12.86 | ○● | 2)12.89 | 0.03/寺田 |
2023.06.03 | 日本選手権 | 1)12.95 | ○● | 3)12.96 | 0.01/寺田 |
2024.06.30 | 日本選手権 | 3)12.91 | ●○ | 2)12.89 | 0.02/田中 |
2025.05.11 | 木南記念 | 3)13.08 | ●○ | 1)12.93 | 0.15/田中 |
2025.06.11 | 布勢スプリント | 1)12.85 | ○● | 3)12.89 | 0.04/寺田 |
11-3 |
23年までは寺田が圧倒しているが、24年以降の3レースは田中の2勝1敗。
<青木益未と福部真子の決勝での対戦成績(室内60mHを除く)>
年月日 | 競技会名 | 青木益未 | vs | 福部真子 | 差/勝者 |
---|---|---|---|---|---|
2014.05.06 | 水戸国際 | 1)13.58 | ○● | 5)14.14 | 0.56/青木 |
2014.09.06 | 日本学生 | 2)13.67 | ○● | 4)13.89 | 0.22/青木 |
2018.04.29 | 織田記念 | 7)13.44 | ●○ | 4)13.16 | 0.28/福部 |
2018.06.24 | 日本選手権 | 1)13.17 | ○● | 7)13.56 | 0.39/青木 |
2018.09.23 | 全日本実業団 | 1)13.31 | ○● | 2)13.43 | 0.12/青木 |
2019.05.06 | 木南記念 | 3)13.27 | ○● | 4)13.31 | 0.04/青木 |
2019.06.02 | 布勢スプリント | 3)13.11 | ○● | 4)13.19 | 0.08/青木 |
2019.06.29 | 日本選手権 | 2)13.15 | ○● | 6)13.30 | 0.15/青木 |
2019.07.13 | コルトレイク | 2)13.52 | ●○ | 1)13.47 | 0.05/福部 |
2020.07.25 | 東京選手権 | 2)13.54 | ●○ | 1)13.36 | 0.18/福部 |
2020.08.23 | GGP東京 | 2)13.09 | ○● | 6)13.33 | 0.24/青木 |
2020.08.29 | ナイトG福井 | 1)12.87w | ○● | 6)13.36w | 0.49/青木 |
2021.09.26 | 全日本実業団 | 1)13.34 | ○● | 2)13.35 | 0.01/青木 |
2022.04.29 | 織田記念 | 3)13.25 | ●○ | 2)13.21 | 0.04/福部 |
2022.05.08 | GGP東京 | 9)13.91 | ●○ | 2)13.05 | 0.86/福部 |
2022.06.11 | 日本選手権 | 2)13.28 | ●○ | 1)13.10 | 0.18/福部 |
2022.06.26 | 布勢スプリント | 1)12.97 | ○● | 2)13.04 | 0.07/青木 |
2022.08.20 | ナイトG福井 | 1)12.92 | ○● | 2)12.92 | 0.00/青木 |
2022.09.25 | 全日本実業団 | 2)13.03 | ●○ | 1)12.73 | 0.30/福部 |
2023.04.29 | 織田記念 | 2)12.98 | ○● | 3)13.02 | 0.04/青木 |
2023.05.21 | GGP横浜 | 5)12.94 | ●○ | 3)12.91 | 0.03/福部 |
2023.06.03 | 日本選手権 | 2)12.95 | ○● | 4)12.99 | 0.04/青木 |
2023.06.25 | 布勢スプリント | 1)12.90 | ○● | 3)13.01 | 0.11/青木 |
2024.04.29 | 織田記念 | 7)13.34 | ●○ | 2)13.09 | 0.25/福部 |
2024.05.19 | GGP東京 | 7)13.49 | ●○ | 3)13.00 | 0.49/福部 |
15-10 |
トータルでは青木が大きく勝ち越しているが、福部がブレイクしてきた22年以降では福部の7勝5敗。
<青木益未と田中佑美の決勝での対戦成績(室内60mHを除く)>
年月日 | 競技会名 | 青木益未 | vs | 田中佑美 | 差/勝者 |
---|---|---|---|---|---|
2016.06.26 | 日本選手権 | 3)13.38 | ○● | 6)13.45 | 0.07/青木 |
2017.10.09 | 国体 | 1)13.18 | ○● | 8)13.75 | 0.57/青木 |
2018.05.06 | 木南記念 | 7)13.76 | ●○ | 4)13.47 | 0.29/田中 |
2019.05.06 | 木南記念 | 3)13.27 | ○● | 5)13.33 | 0.06/青木 |
2019.05.19 | GGP大阪 | 9)13.37 | ●○ | 7)13.22 | 0.15/田中 |
2020.08.23 | GGP東京 | 2)13.09 | ○● | 4)13.27 | 0.18/青木 |
2020.10.03 | 日本選手権 | 1)13.02 | ○● | 4)13.37 | 0.35/青木 |
2022.04.29 | 織田記念 | 3)13.25 | ○● | 5)13.52 | 0.27/青木 |
2022.05.08 | GGP東京 | 9)13.91 | ●○ | 7)13.39 | 0.52/田中 |
2022.06.11 | 日本選手権 | 2)13.28 | ○● | 3)13.35 | 0.07/青木 |
2022.06.26 | 布勢スプリント | 1)12.97 | ○● | 6)13.40 | 0.43/青木 |
2023.04.29 | 織田記念 | 2)12.98 | ●○ | 1)12.97 | 0.01/田中 |
2023.05.21 | GGP横浜 | 5)12.94 | ●○ | 2)12.89 | 0.05/田中 |
2023.06.03 | 日本選手権 | 2)12.95 | ○● | 3)12.96 | 0.01/青木 |
2023.10.01 | アジア競技大会 | 5)13.34 | ●○ | 3)13.04 | 0.30/田中 |
2024.04.29 | 織田記念 | 7)13.34 | ●○ | 1)13.00 | 0.25/田中 |
2024.05.19 | GGP東京 | 7)13.49 | ●○ | 2)12.90 | 0.49/田中 |
9-8 |
トータルでは青木の9勝8敗だが、23年以降では田中の5勝1敗。
<福部真子と田中佑美の決勝での対戦成績(室内60mHを除く)>
年月日 | 競技会名 | 福部真子 | vs | 田中佑美 | 差/勝者 |
---|---|---|---|---|---|
2017.06.25 | 日本選手権 | 4)13.45 | ○● | 7)13.71 | 0.26/福部 |
2017.09.10 | 日本学生 | 2)13.39 | ○● | 3)13.46 | 0.07/福部 |
2019.04.28 | 織田記念 | 4)13.47 | ●○ | 2)13.38 | 0.09/田中 |
2019.05.06 | 木南記念 | 4)13.31 | ○● | 5)13.33 | 0.02/福部 |
2019.08.17 | ナイトG福井 | 2)13.16 | ○● | 3)13.18 | 0.02/福部 |
2019.10.20 | 田島記念 | 2)13.51 | ○● | 4)13.63 | 0.12/福部 |
2020.08.23 | GGP東京 | 6)13.33 | ●○ | 4)13.27 | 0.06/田中 |
2022.04.29 | 織田記念 | 2)13.21 | ○● | 5)13.52 | 0.31/福部 |
2022.05.08 | GGP東京 | 2)13.05 | ○● | 7)13.39 | 0.34/福部 |
2022.05.14 | 東日本実業団 | 1)13.17 | ○● | 2)13.38 | 0.21/福部 |
2022.06.11 | 日本選手権 | 1)13.10 | ○● | 3)13.35 | 0.25/福部 |
2022.06.26 | 布勢スプリント | 2)13.04 | ○● | 6)13.40 | 0.36/福部 |
2023.04.29 | 織田記念 | 3)13.02 | ●○ | 1)12.97 | 0.05/田中 |
2023.05.21 | GGP横浜 | 3)12.91 | ●○ | 2)12.89 | 0.02/田中 |
2023.06.03 | 日本選手権 | 4)12.99 | ●○ | 3)12.96 | 0.03/田中 |
2023.07.20 | ルツェルン | 4)13.01 | ○● | 5)13.06 | 0.05/福部 |
2023.09.24 | 全日本実業団 | 2)13.04 | ○● | 4)13.10 | 0.06/福部 |
2024.02.15 | メルボルン | 7)13.28 | ●○ | 5)13.19 | 0.09/田中 |
2024.04.29 | 織田記念 | 2)13.09 | ●○ | 1)13.00 | 0.09/田中 |
2024.05.19 | GGP東京 | 3)13.00 | ●○ | 2)12.90 | 0.10/田中 |
2024.06.30 | 日本選手権 | 1)12.86 | ○● | 2)12.89 | 0.03/福部 |
2024.09.23 | 全日本実業団 | 1)12.81 | ○● | 2)12.83 | 0.02/福部 |
2025.05.18 | GGP東京 | 7)13.12 | ●○ | 3)12.81 | 0.31/田中 |
14-9 |
トータルでは福部の14勝9敗だが、24年以降では田中の4勝2敗。
相互の対戦成績をまとめると、
寺田は、
vs青木とは、7勝6敗
vs福部とは、8勝7敗
vs田中とは、11勝3敗
青木は、
vs寺田とは、6勝7敗
vs福部とは、15勝10敗
vs田中とは、9勝8敗
福部は、
vs寺田とは、7勝8敗
vs青木とは、10勝15敗
vs田中とは、14勝9敗
田中は、
vs寺田とは、3勝11敗
vs青木とは、8勝9敗
vs福部とは、9勝14敗
以上の対戦成績から序列をつけると
1)寺田 | 全員に勝ち越し |
---|---|
2)青木 | 福部と田中に勝ち越し |
3)福部 | 田中に勝ち越し |
4)田中 | 全員に負け越し |
となりそうだ。
しかし、23年以降に田中が大きく伸びてきた。
23年以降では、
田中が、
vs寺田とは、2勝4敗
vs青木とは、5勝1敗
vs福部とは、7勝4敗
寺田は、
vs青木とは、3勝1敗
vs福部とは、3勝3敗
vs田中とは、4勝2敗
青木は、
vs寺田とは、1勝3敗
vs福部とは、3勝3敗
vs田中とは、1勝5敗
福部は、
vs寺田とは、3勝3敗
vs青木とは、3勝3敗
vs田中とは、4勝7敗
ということで、23年以降の序列は、
1)寺田 | |
---|---|
2)田中 | (寺田には、2勝4敗だが、破れてもその差は0秒05以内と接戦になってきている) |
3)青木・福部 |
24年以降に限ると、
寺田 | 未対戦 | 青木 |
寺田 | 0-2 | 福部 |
寺田 | 1-2 | 田中 |
青木 | 0-2 | 福部 |
青木 | 0-2 | 田中 |
福部 | 2-4 | 田中 |
で、相互間の対戦成績によって序列をつけると、
1)田中
2)福部
3)寺田・青木
となりそうだ。
17年以降の世界大会代表の「四強」が今回も優勝や表彰台を独占するのか、あるいは12秒8台の中島・清山が割って入るのか、はたまた12秒9台や13秒0台の中から名乗りを上げる選手が現れるのか?
東京世界選手権への道
世界選手権参加標準記録は「12秒73」で、21年東京・22年オレゴンよりも「0秒11」、23年ブダペストよりも「0秒05」、24年パリよりも「0秒01」のアップ。ターゲットナンバー(出場枠)は「40名」で変わらず。24年8月1日からの有効期間内の日本人の標準突破者はいない。世界の標準突破者は、6月17日現在で24名。6月17日現在の1国3名以内でカウントした「Road to Tokyo」での順位と、各国の4番目以下もカウントした実際の順位は以下の通り。
ポイントの後のカッコ内は、5レースの平均ポイントで算出された各選手の1番目と5番目のポイントを示している。
25位(実際20位) | 1274pt(1289~1235pt) | 田中佑美 |
---|---|---|
35位(実際35位) | 1219pt(1255~1193pt) | 清山ちさと |
39位(実際42位) | 1210pt(1270~1172pt) | 中島ひとみ |
以上3名がターゲットナンバー40位以内の圏内。
以下は、1国3人以内でカウントした(他国の4番目以下は勘定しない)相当順位で示した。
58位相当(実際71位) | 1179pt(1194~1151pt) | 寺田明日香 |
---|---|---|
59位相当(実際73位) | 1177pt(1204~1143pt) | 福部真子 |
60位相当(実際74位) | 1176pt(1224~1147pt) | 大松由季 |
68位相当(実際89位) | 1166pt(1184~1151pt) | 島野真生 |
76位相当(実際98位) | 1159pt(1204~1115pt) | 青木益未 |
77位相当(実際100位) | 1159pt(1170~1144pt) | 本田怜 |
86位相当(実際131位) | 1141pt(1161~1128pt) | 芝田愛花 |
95位相当(実際151位) | 1134pt(1142~1127pt) | 鈴木美帆 |
9月の国立競技場のスタートラインに立つためには、日本選手権3位以内で「12秒73」の参加標準記録をクリアするのが最も近道で即時内定。日本選手権3位以内で標準記録を突破できなくとも8月24日までにクリアできればその時点で内定する。期間内に標準記録をクリアできなかった場合は、モナコ時間の8月27日に発表される最終版の「Road to Tokyo」で「40位以内」に入っていることが条件だ。
6月17日現在では田中・清山・中島が圏内にいるが、最終的に40位以内とどまるためには日本選手権を含めて8月24日までにポイントを上積みする必要がありそうだ。
ポイントは、各選手の上位5レースの平均で算出される。よって、10ポイント上乗せするには、現時点でその選手の5番目よりも50ポイント高い点数を稼ぐ必要がある。よって、現在の5番目の得点が低い選手の方が、よりポイントを上乗せできる可能性が高いということになる。
ボーダーライン付近の清山・中島は、何とか現在の順位を守りたい。そのためには、今後の他国の選手の状況にもよるが、あと少なくとも20~30ポイントくらいは上乗せしておきたいところだろう。
ボーダーよりも20位あまり低い位置にいる寺田・福部・大松らは清山・中島以上にポイントを大きく伸ばす必要がある。いずれも日本選手権で「12秒73」の参加標準記録をクリアするのが、「一番の近道」ではあるのだけれども……。ひとつでも上の順位で、0秒01でも速く走って1ポイントでも上乗せすることが重要だ。
12秒70~13秒30付近での記録ポイントは、
12秒70 1191pt
12秒80 1177pt
12秒90 1163pt
13秒00 1150pt
13秒10 1136pt
13秒20 1123pt
13秒30 1109pt
日本選手権での順位ポイントは、
1位 100点
2位 80点
3位 70点
4位 60点
5位 55点
6位 50点
7位 45点
8位 40点
である。
23年のように1・2着が同タイムであっても、順位ポイントで20pt差がつく。タイムにすると0秒15くらいの差があったのに匹敵するポイント差だ。23年の1・3着の差は0秒01だったが、順位ポイントでは30pt差で、記録では0秒22くらいの差がついたの同じことになる。
現段階でのポイントを日本選手権でアップさせるには、まずは各選手の5レース平均の5番目のポイントを上回ることが求められる。6月17日時点の平均ポイントと5番目は上の表の通りだ。
5レースでの平均ポイントを日本選手権で20ptアップさせるためには、現段階での5番目よりも100pt高いポイントを稼ぐ必要がある。平均10ptアップならば、5番目よりも50pt高いポイントが必要だ。
「記録ポイント」の12秒85(1170pt)を基準にすれば、日本選手権で優勝すれば「順位ポイント」の「100pt」が加算され、トータル「1270pt」となる。実際には、向風の場合は1mあたり記録ポイントに6ポイントが加点され、2mを超える追風参考の場合は1mあたり6ポイントが減点されるので複雑だが、ここでは無風から2.0m以内の追風(ポイントの減点はない)ということで話を進める。
日本選手権を、12秒85で優勝してトータル「1270pt」を稼げた場合、
田中ならば、「Road to Tokyo」の5レース平均ポイントを7ptアップでき、1281pt。
清山ならば、15ptアップで、1234pt。
中島ならば、19ptアップで、1239pt。
寺田ならば、23ptアップで、1202pt。
福部ならば、25ptアップで、1202pt。
大松ならば、24ptアップで、1200pt。
島野ならば、23ptアップで、1189pt。
青木ならば、31ptアップで、1190pt。
本田ならば、25ptアップで、1184pt。
芝田ならば、28ptアップで、1169pt。
鈴木ならば、28ptアップで、1162pt。
となる。
なお、ここでは6月17日時点の5レース平均の小数点以下は切り捨てて計算しているので、5番目のポイントが消えて「1270pt」と置き換わった時の実際の平均ポイントとは1点の違いが出てくるかもしれない。
6月17日時点でボーダーライン40位に位置する選手の平均ポイントが「1208pt」なので、寺田や福部以下は、日本選手権で優勝したとしても現段階での圏内に入るのは苦しそうな状況だ。上述のように今後も各国の競技会で、たくさんの選手が上乗せしてくるであろうから……。
最終的に8月24日時点での、「参加標準記録突破者」と「Road to Tokyo 40位以内」の日本人選手が3名以内であれば、代表切符を獲得することができる。しかし、4名以上になった場合は、「日本選手権3位以内」でなければ苦しくなる。23年の日本選手権では、参加標準記録をクリアしていた福部が涙を飲んだ。福部は、「3位以内で内定」だったのだが3位と0秒03差で4位。日本陸連の選考基準では、「日本選手権の順位優先」で、上位3名がターゲットナンバー内だったため、福部は代表になれなかったのだった。まずは、日本選手権3位以内に入ることが何よりも重要である。
▼東京世界選手権 代表選手選考の要項について
https://www.jaaf.or.jp/files/upload/202412/10_171138.pdf
日本選手権・決勝での「着順別最高記録」
1) | 12.86 | 2024年 |
---|---|---|
2) | 12.89 | 2024年 |
3) | 12.91 | 2024年 |
4) | 12.99 | 2023年 |
5) | 13.17 | 2024年 |
6) | 13.21 | 2024年 |
7) | 13.23 | 2024年 |
8) | 13.29 | 2024年 |
・大会記録は、24年の予選で福部が出した12秒75。
24年の決勝は、向風0.2mだったが全体的なレベルアップによって4着以外のすべての順位で「着順別最高記録」が更新された。
今回の出場者は23年を上回るレベルの人が揃っている。
「12秒台」がマークされる前年の18年からの各年の日本リスト1位と10位の記録、12秒台の人数とトータル回数は、以下の通りだ。
年 | 1位 | 10位 | 12秒台の人数と回数 |
---|---|---|---|
18年 | 13.13 | 13.42 | 0人 |
19年 | 12.97 | 13.4 | 1人 1回 |
20年 | 13.02 | 13.36 | 0人 |
21年 | 12.87 | 13.24 | 2人 8回 |
22年 | 12.73 | 13.2 | 2人 13回 |
23年 | 12.86 | 13.22 | 6人 26回 |
24年 | 12.69 | 13.11 | 5人 25回 |
25年 | 12.81 | 13.12 | 4人 11回=6月22日現在 |
新型コロナが蔓延し始めた20年は多くの競技会が中止となり1位の記録は前年よりも後退したが、そんな中でも10位の記録は前進した。
日本選手権のファイナルを目指すレベルの選手の目安となりそうな「前年の日本10位の記録」は、この数年で0秒20~30前後もアップしてきている。
25年の12秒台は4人で11回だが、10位の記録は6月22日の段階でこれまでの歴代最高(13秒11=24年)に迫る13秒12に達している。7年前(18年)の年間トップ記録を上回っている。
国立競技場が適度な追風に恵まれれば、たくさんの着順別最高、もしかしたら「日本新」が生まれるかもしれない。
第109回大会の「大トリ」のレースで、「日本新記録」のアナウンスを聞かせてもらいたいものである。
それはすなわち、五輪参加標準記録(12秒73)突破でもある。
是非とも実現してもらいたいものである。
野口純正(国際陸上競技統計者協会[ATFS]会員)
写真提供:フォート・キシモト、アフロスポーツ
【チケット販売中】第109回日本選手権
会場:国立競技場(東京)
種目:男子17種目、女子17種目
時間:https://www.jaaf.or.jp/jch/109/timetable/
・1日目(7月4日):競技開始 14時頃/競技終了21時頃
・2日目(7月5日):競技開始 11時30分頃/競技終了19時頃
・3日目(7月6日):競技開始 14時頃/競技終了19時頃
▼チケット詳細はこちら
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2025.06.30(月)
【第109回日本選手権展望】大会1日目:フィールド種目の決勝が多い大会初日、日本新記録に期待!
大会 -
2025.06.29(日)
【記録と数字で楽しむ第109回日本選手権】男子110mハードル:参加標準13秒27を突破済みの泉谷・野本・阿部を中心に残り2枚の代表切符争い
選手 -
2025.06.29(日)
【記録と数字で楽しむ第109回日本選手権】男子200m・400mハードル:22年前&24年前の日本記録の更新に期待!!
選手 -
2025.06.29(日)
【#日本選手権満喫】スタンプラリーに参加して日本代表グッズをゲットしよう!
イベント -
2025.06.28(土)
【記録と数字で楽しむ第109回日本選手権】男子100m:自己ベスト日本歴代1~4位の9秒台が勢揃い!10秒0台3名、10秒1台17名が3枚の代表切符を争う。ミクロの戦いを制するのは誰だ?
選手