日本陸上競技連盟公式サイト

2025年5月27日（火）～31日（土）まで、クミ（韓国）にて「クミ2025アジア陸上競技選手権大会」が開催されております。
この度、大会2日目に開催された男子1500mで金メダルを獲得した飯澤千翔（住友電工）のコメントをお届けいたします。

【男子1500m】

飯澤千翔（住友電工）

優勝　3分42秒56



よかった。めちゃくちゃ嬉しい。それに尽きる。めちゃくちゃ嬉しい以外の言葉が出ない（笑）。

（自分は）風がすごく嫌いなのだが、スタート地点付近のゲートに待機していたときに、（天気が急変した影響で）風がすごく吹き抜けてきて、「うわ、嫌だなー。スローになるかな」と思ったり、「スローになったら、昨日の（予選を一緒に走った）韓国の選手（Jaeung Lee選手が、0.02秒差で先着）が速いのかな」と思ったりと、いろいろな感情があるなかスタートした。1周目はそういう状態だったけれど、インドの選手が流してくれたおかげで、一回集団がばらけたので、「ああ、このまま行ってくれ」と思っていた。800ｍを過ぎてペースが落ちたが、そこからはもうラストに備えて位置取りしなくてはならないので、自分の位置をしっかり確保した。スパートは、（抜ききれるかどうか）もう「お祈り」も入っている状態（笑）。基本的には、いつもは自分が仕掛けたら、もう後ろを見ないのだが、今日はもう4回くらい（周囲を）チェックして、「ああ、行ける。行けそう、行けそう！」みたいな感じ（笑）でゴールした。久々にむっちゃ嬉しかった。

（勝てるかどうかは）ゴールするまでわからなかった。昨日の予選があったし、韓国の選手にとっては「ホーム」でのレースで、声援もすごかったので（笑）。ただ、この大会は、ケガなく、自分の力を順当に出せれば絶対に勝てるレースだと思っていたので、それを信じていた。自分の力を100％、120％を出して、自分の走りをすれば勝てると（自分に）言い聞かせながら走った。

現在、指導していただいている荒井さん（七海、Honda、5位：3分45秒65）は、僕からしたら「師匠」と言うのも失礼なくらいの存在。このレースは、荒井さんに勝たせてもらったという気持ちでいる。（日本代表ととして一緒に遠征した）2023年のアジア室内も（宿泊先のホテルが）同じ部屋で、今回も同じ部屋。アジア室内のときは、まだ一緒にやっているわけではなかったが、その後、面倒を見てもらって、苦しいときもいいときもあったし、今回、ケガして、ヤバいかなと思う状態のときも、僕だけのメニューを考えてくれて、その意図とかを事細かく説明してくれた。それがあるからこそ、ちゃんとやらなきゃいけないし、恩返しのためにも結果を出さなければいけないなという思いがあった。できれば、ワン・ツー獲りたかったなという気持ち。

次はおそらく日本選手権になるので、まずは2連覇をしっかり目指したい。その後は、世陸（世界選手権）がどうなるかによって変わってくると思う。記録については、今年、一つ目標にしているのが（3分）33（秒）切り。狙えるレースがあれば、そこを狙っていきたい。

文：児玉育美（JAAFメディアチーム）
写真：ⒸTakashi OKUI photography

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