写真:アフロスポーツ
パリオリンピックが閉幕し、男子マラソンは赤﨑暁(九電工)、女子マラソンは鈴木優花(第一生命グループ)がともに6位入賞を果たした。そして来年は、東京2025世界選手権が開催される。そのマラソン日本代表選考基準の一つが、ジャパンマラソンチャンピオンシップ(JMC)シリーズⅣ(23年4月~25年3月)でチャンピオンになることだ。
>>東京2025世界陸上競技選手権大会マラソン種目日本代表選手選考要項
JMCシリーズは、選手強化や日本のマラソン全体の活性化につなげる新たな仕組みとして21年に創設されたもの。シリーズⅠ(20年12月~22年3月)は男子が鈴木健吾(富士通)、女子は一山麻緒(資生堂)が優勝。シリーズⅡ(21年11月~23年3月)は男子が其田健也(JR東日本)、女子は松田瑞生(ダイハツ)が優勝し、シリーズⅢ(22年4月~24年3月)はパリオリンピックのマラソン日本代表となった小山直城(Honda)と前田穂南(天満屋)がそれぞれ男女優勝となった。
来年3月までが期間内となるシリーズⅣでは、誰がチャンピオンとなり、東京への切符を手にするのか。その代表権争いは、すでに始まっている。
8月25日(日)に開催される『北海道マラソン2024』は、JMCシリーズⅣの「グレード2(G2)」に指定される国内最大級となる夏のフルマラソン大会だ。札幌市中心部の大通西4丁目を発着点とする日本陸連公認コースで開催される。
昨年はG3大会だったが、今年はG2に加盟した同大会は、男子1位に40ポイント、女子1位に20ポイントが与えられ、男女とも3位まで順位ポイントが加算されることになっている。
男子招待選手には、今年の別府大分毎日マラソン大会で優勝したワークナー・デレセ(ひらまつ病院)や、東京五輪日本代表の中村匠吾(富士通)らがエントリー。女子招待選手には、23年大阪マラソンで自己ベストの2時間30分01秒をマークした青木奈波(岩谷産業)らがエントリーした。
◆JMCシリーズⅣでランキング3位の兼実のランクアップは!? 足羽、青木、森井も上位ランクイン候補
男女ともJMCシリーズⅣの3戦目となる『北海道マラソン2024』。ここからは、JMCシリーズⅣランキング上位に入りそうな選手を中心に紹介しよう。まず男子では、すでにシリーズⅣでランキング3位に入っている兼実省伍(中国電力)が注目選手のひとりだ。シリーズⅣでは2月の別府大分毎日マラソン大会、4月の長野マラソンで2097ポイントを獲得しており、今大会1138ポイント以上で2位に浮上。1207ポイント以上でトップに立つ。自己ベストは22年別府大分毎日マラソン大会でマークした2時間10分02秒で、北海道マラソンは2年ぶりの出場となる。
次に、今大会で976ポイント以上を獲得すればトップに入ってくるのが、足羽純実(Honda)だ。初マラソンとなった21年びわ湖毎日マラソンで、当時の初マラソン日本歴代2位となる2時間07分54秒をマーク。昨年末の防府読売マラソンでは2時間08分37秒で、トップと5秒差の2位になった。初マラソン以降、毎年“サブ10”をマークしており、条件が良ければ、今大会は自己ベスト更新を狙いたいところだろう。
また、今大会1094ポイント以上の獲得でトップに立てるのが、青木優(Kao)だ。21年びわ湖毎日マラソンで、自己ベストの2時間07分40秒をマーク。今年元旦のニューイヤー駅伝ではアンカーで区間6位となった。2年前の北海道マラソンに出場し、2時間11分44秒で3位に入っている。
森井勇磨(京都陸協)も上位ランクイン候補。4月のボストンマラソンでは2時間09分59秒とサブ10をマークし、パリオリンピック日本代表の大迫傑(Nike)に勝ったことで話題になった。そのボストンで1200ポイントを獲得しており、今大会1064ポイント以上を獲得できれば、ランキングトップに入ることができる。
ほかに男子招待選手として、自己ベスト2時間08分29秒を持つ中村祐紀(住友電工)がエントリー。JMCシリーズⅣ期間内は、昨年10月のMGC(マラソングランドチャンピオンシップ)の1170ポイントしか獲得していないため、『シリーズⅣ期間内の対象大会3試合で記録を残すこと』という規定上、今大会後もまだランキングには反映されないが、1094ポイント以上を獲得すれば、現在のトップ相当のポイント獲得となる。
同じようにシリーズⅣ期間内で2戦目となるため、まだランキングには反映されないが、小野知大(GMOインターネットグループ)や梅崎蓮(東洋大学)らも高ポイントを獲得しておきたいところ。小野は1249ポイント以上、梅崎は1099ポイント以上でランキングトップ相当のポイント獲得となる。
◆光恒が1180P以上でJMCランキングトップに。前回覇者の池内も上位ランクインの可能性有り
女子招待選手では、福岡大から20年に十八親和銀行へ入った光恒悠里が上位ランクイン候補だ。今年3月の名古屋ウィメンズマラソンで自己ベストの2時間29分49秒をマークして7位となり、1169ポイントを獲得。今大会で1180ポイント以上を獲得すれば、女子トップに立つことができる。前回の北海道マラソンは2時間50分45秒で5位だった。前回覇者の池内彩乃(デンソー)は、754ポイント以上を獲得すれば8位以内にランクインする。トップに立つには1257ポイントが必要。今年3月のソウルマラソンで自己ベストの2時間32分26秒をマーク。6月のストックホルムマラソンは2時間41分56秒で走り切った。
前回2時間38分18秒で女子トップの澤畠朋美(さわはた~ず)もランキングで上位に入る可能性がある。1月の大阪国際女子マラソンで1015ポイントを獲得しており、今大会831ポイント以上を獲得すれば8位以内に入る。22年名古屋ウィメンズマラソンで2時間34分46秒をマークしている。
ほかに2年前の防府読売マラソン大会で自己ベストの2時間34分17秒をマークした池本愛(東京陸協)や、今年の大阪マラソンで9位の山本明日香織(ユニバーサル)、22年北海道マラソンで4位の菊地優子(しまむら)らが招待選手としてエントリーしている。
JMCシリーズⅣの3戦目となる北海道マラソン2024は、8月25日(日)8時30分スタート。札幌市内の大通西4丁目を出発し、新川通で折り返して北海道大学構内を経由、大通西4丁目でフィニッシュする42.195kmのコースで行われる。
東京2025世界選手権に繋がる夏のマラソン大会。好記録とJMCポイントに注目しながら、秋に向かう北海道の自然と札幌の街並みを楽しみつつ、声援を送りたい。
【大会概要】
大会名:北海道マラソン2024開催日程:2024年8月25日(日)
コース:大通西4丁目(駅前通)発着
ハッシュタグ:#北海道マラソン #東京世界陸上へのスタートライン
▼エントリーリスト
https://www.hokkaido-marathon.com/invited-athletes/
▼大会公式ページ
https://www.hokkaido-marathon.com/
【JMCシリーズアワード】ARCHIVE
▼JMCシリーズとは?シリーズの概要やポイントの説明はこちら
https://www.jaaf.or.jp/jmc-series/outline/
▼【JMCシリーズⅢアワード】特別発表:シリーズⅢ最多出場選手や最速タイムなど全4部門を発表!
https://www.jaaf.or.jp/jmc-series/news/article/19655/
▼【JMCシリーズ】シリーズⅢランキング確定:三代目のチャンピオンは小山直城(Honda)前田穂南(天満屋)に決定!
https://www.jaaf.or.jp/jmc-series/news/article/19620/
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