2024.08.10(土)選手

【パリオリンピック】女子マラソン 事前会見コメント:鈴木・一山・前田が大会を控えた心境や抱負を語る



パリオリンピック女子マラソンは、全競技を通じての最終日となる8月11日、現地時間の午前8時00分から行われます。大会を3日後に控えた8月8日、メディアに向けた日本代表選手の事前会見がオンラインで行われました。会見には、女子代表の鈴木優花選手(第一生命グループ)、一山麻緒選手(資生堂)、前田穂南選手(天満屋)全員が参加して個別に対応。大会を目前にしての現在の状態や心境、本番の目標について述べたうえで、各メディアからの質問に応じました。

各選手のコメント(要旨)は、以下の通りです。
※前田穂南選手はレース出場を前提として出席し、メディア対応を行いましたが、その後、欠場する判断に至りました


>>【記録と数字で楽しむパリオリンピック】女子マラソン
https://www.jaaf.or.jp/olympic/paris2024/news/article/20651/


鈴木 優花(第一生命グループ)】



レース3日前になったが、ここまで2カ月ちょっとの合宿期間で、できる限りのことはしてきた。疲労もだいぶ抜けてきて、あとはじっくりと「そのとき」を待つ感じである。そこまで(体調面を)崩しているところもないし、ここまで問題なく来ることができている。
レースでの目標は、まず一番は、8位入賞をすること。ただ、ここまでいろいろ不調が続いていたこともあって、練習はとにかくできる限り積んではきたが、走ってみないとわからないところもあるというのが正直なところである。流れのなかで、自分の判断を明確にしながら、冷静にレースをできたらと思っている。
レースでポイントとなるのは、15km前後から始まる長い上りと、そこに続く下りの終わりまでのところと考えていて、そこでいかに消耗を少なくしていけるかだと思っている。(このコースを攻略するために)練習では、上ったぶん長い下りもコースのなかに設けながら練習をするようにしてきた。
今回が初めての代表となるが、初めてだからこそ、当日は、海外の選手の雰囲気やオーラを、すごく感じることになると思う。しかし、そういったところから、逆に、気迫をもらうくらいの気持ちで臨みたいと考えている。経験がないからこそ感じることの一つ一つを、(雰囲気に)呑まれることなく、外から見るくらいの気持ちでいたい。最後は楽しんでレースに臨みたいと思う。


一山 麻緒(資生堂)】



パリオリンピックに向けての合宿期間より、パリに移動してからのほうが走る感覚も良くなってきている。気持ちも、まだそこまで緊張はしていないが、いろいろな選手が事前合宿地を出発していく姿を見て、「いよいよだな」というふうに、じわじわと(湧いて)来ている。
パリオリンピックでは、「元気な状態でスタートラインに立つ」ということを、まず一番大事にしたい。また、今の状態で、どのくらい自分が食らいついて世界の皆さんと一緒に走れるかというところに、まず挑戦していきたいと考えている。
東京オリンピックのときは、コロナ禍もあって、「本来のオリンピックではない」という、ちょっと複雑な気持ちがあるなかで準備をしていた。しかし、今回は、そういうものが一切なく、「本当のオリンピックを初めて経験できる」という気持ちで、ここまで準備をすることができている。ただ、今回はコースがとてもハード。そこに少し怖さもあるし、「走り終わったときに、どういう気持ちでいるのだろう」と、今から気にしているところである。
今回のコースでは、15km過ぎ辺りから上りが始まっていく。そこから30km地点までは我慢比べ。(海外選手との)駆け引きがどの辺りかとかは考えておらず、今はもう、自分がどれだけそのアップダウンを耐えて、しっかり海外の選手に食らいついて走れるかということを考えている。走ってみないと本当にわからないので、最後の最後まで、この3年間の自分の思いを持って、ゴールを目指して走りたい。


前田 穂南(天満屋)】

写真提供:アフロスポーツ

※前田穂南選手はレース出場を前提として出席し、メディア対応を行いましたが、その後、欠場する判断に至りました
https://www.jaaf.or.jp/olympic/paris2024/news/article/20931/

現段階の身体は、だいぶ溜まっている疲労が、今、抜けていっている状態である。レースまであと3日。いい状態でスタートラインに立って、自分の最大限のパフォーマンスを発揮して、パリのコースを最後まで走りきりたい。
今回は、15kmくらいから坂があり、後半にも坂のあるタフなコース。その対応ができるように、大会に向けてのトレーニングでは、アメリカ(のアルバカーキ)で起伏(のあるコース)を使って距離を踏んだりする練習に取り組み、自分のリズムで、しっかり身体を動かして走っていけるようにすることを心掛けてきた。
<練習で想定してきた1kmのペースやフィニッシュタイムはあるか? ハイペースになったとき、ついていけるようなトレーニングはできてきたか、の問いに>
(ペースやフィニッシュタイムについては)特には想定していない。(ハイペースになったときに、ついていけるトレーニングができるかは)走ってみないとわからない。
今回は、(コロナ禍の影響により制限のあった前回の東京大会と異なり)たくさんの応援もあるということで、すごく楽しみに思っている。その応援の力を借りて、しっかり最後まで走りきりたい。
<沿道では、どこで応援してほしいか、の問いに>
応援していただくとしたら、やっぱり坂のところ。坂を上っているところで応援してもらえたらと思う。

※コメントは、記者会見冒頭で各選手が述べたコメントと質疑応答における回答の一部を抜粋してまとめました。発言の意図が正確に伝わることを目的として、適宜編集を加えています。

構成・文:児玉育美(日本陸連メディアチーム)


【Behind The Stage】陸上日本代表TeamCam

▼#男子4×100mリレー 公開練習に密着|陸上日本代表 TEAM CAM Vol.1

▼女子マラソン 鈴木優花|事前合宿地での最終調整に密着

▼女子マラソン 一山麻緒|事前合宿地での最終調整に密着




【パリ2024オリンピック特設サイト】

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