Day9:8月9日(金)
パリオリンピック陸上競技第9日の8月9日、イブニングセッションでは女子10000mの決勝が行われました。日本からは、五島莉乃(資生堂)、小海遥(第一生命グループ)、高島由香(資生堂)の3選手が出場。日本の女子にとっては、パリオリンピックのトラック最終種目でもあります。レースはスローな入りから、中盤でペースが上がったかと思うと、がくんと落ちたり再び上がったりという緩急の激しい展開に。終盤は、ラスト2周が68秒、最後の1周はトップの選手が57秒で上がっていくスピード勝負となりました。五島選手は、大きな集団で進んだ序盤は前方に位置し、一時は先頭に立つ場面もありましたが、5000mの手前で後退。また、序盤は集団の中段につけていた小海選手、高島選手も、徐々に順位を落としていく形となりました。日本勢トップは五島選手で18位、小海選手が19位で続き、高島選手は22位のフィニッシュとなったもののシーズンベストをマークしてオリンピックを終えました。
各選手のコメントは、以下の通りです。
女子10000m 決勝
五島莉乃(資生堂)
18位 31分29秒48自分のなかでチャレンジするレースをしようということを決めていた。最初、先頭に出たという点では、クリアかなとは思うが、5000m手前からのペースアップには全然歯が立たなかった。力不足を感じた。オリンピックをずっと夢と思って、ここまで陸上をやってきた。本当に、夢のような25周だった。
今まで本当にたくさんの方が応援してくださって、支えてくださって、この舞台に立つことができた。今は「ありがとう」という言葉をたくさん伝えたい。
小海遥(第一生命グループ)
19位 31分44秒03正直、「全く戦えなかったな」というのはある。しかし、今までは数字上でしか世界との差を感じられなかったが、今回、世界と実際に戦ってみて、レースが動いたときに動けなかったことで、数字上だけでない世界との差を、自分の肌で感じることができた。そこがよかったと思う。ペースの変動については、動いたときについていけるよう、位置どりも考えて走っていたのだが、瞬発のところが足りなかった。
<この経験を元に、今後、どんなランナーを目指したいか、との問いに>
今回、自分の肌で「差をつけられる」という悔しい思いを実感したので、今度は、自分が世界に差をつけたいなと思った。
高島由香(資生堂)
22位 31分52秒07(2016年リオ大会以来)2回目となるオリンピック。また勝負することはできなかったが、たくさんの人に支えてもらってこの場に立つことができた。感謝の気持ちでいっぱいである。ここまで長く(競技を)続けてこられたのも、本当にたくさんの人の支えがあったからなので、その人たちに走りで(感謝の気持ちを)返したいと思って、ただそれだけでずっと競技を続けている。
オリンピックを走ってみて感じたのは、やっぱり世界との差はすごい大きいなということだった。しかし、目標であったオリンピックに8年ぶりに出ることができ、たくさんの人に恩返しはできたかなと思う。
文:児玉育美(JAAFメディアチーム)
写真:アフロスポーツ