Day2:8月2日(金)
パリオリンピック陸上競技2日目となる8月2日から、いよいよメイン会場であるサン・ドニのスタッド・ド・フランスにおいて、トラック&フィールド種目の競技が始まりました。日本チームは、イブニングセッション最初のトラック種目となった女子5000m予選に、田中希実(New Balance)、山本有真(積水化学)、樺沢和佳奈(三井住友海上)の3選手が出場。2組上位8着までが進出条件となるなか、1組に臨んだ田中選手は最後のホームストレートでかわされて9着でのフィニッシュとなり、僅かのところで決勝進出は叶いませんでした。山本選手は1組17着で、樺沢選手は2組19着で、それぞれレースを終えています。
各選手のコメントは、以下の通りです。
女子5000m 予選
田中希実(New Balance)
予選1組9着 15分00秒62決勝しか狙っていなかったので、今、現実が受け入れられないような状態。(序盤は第2集団を、ラスト4周は先頭を引っ張る展開となったが)そのときに余裕をつくれたらよかったのだが、ラスト1周の脚が残っていなかった。引っ張りながらも、レースを支配できているかというと、そこがなかったかなと思う。
前回のオリンピックのときよりは、確実に進化できているという自負はあるのだが、それをうまく出せなかったという部分がある。
(このあと1500mに出場するが)今年、1500mはまだ不完全燃焼なレースが続いている。今日がダメだったぶん、しっかり出しきるようなレースをしたい。
山本有真(積水化学)
予選1組17着 15分43秒67ここで自己ベストを出すことだけが目標だったので、(周りが)どんなペースで走っても自分のペースで行こうと思って走った。先頭を走るという、すごくいい経験ができて、いい景色を見せてもらったなと思う。
昨年の世界陸上が終わってから、この舞台に立つことだけを考えてやってきた。世界陸上では全く歯が立たないレースをしてしまったのだが、今年こそは自分がチャレンジするレースをしようと思っていた。しっかり勇気を持って、前に出て走ることができたので、そこはよかったと思う。しかし、追いつかれたときに、簡単に抜かれてしまう自分の弱さも改めて痛感した。この悔しさを胸に、来年の世界陸上に向けて頑張っていきたい。
樺沢和佳奈(三井住友海上)
予選2組19着 15分50秒86ここに来るまで、いろいろなことがあり、きついことも嬉しいこともあったけれど、やっぱりきついことのほうが多かった。この場に立つに当たって、私を支えてくださったすべての方に、感謝の思いで走りきった。結果としては思うようには走れなかったが、今までの人生で一番楽しい5000mだった。
(前回の)東京オリンピックのときは聖火ランナーを走ったが、同世代の選手が、日本代表選手として出ているなかで、自分は聖火ランナーだったことに悔しい思いがあり、そこから4年間かけてきた取り組んできた。そのすべてが、この15分ちょっとだったわけだが、長いようで短かったなと思う。
文:児玉育美(JAAFメディアチーム)
写真:フォート・キシモト/アフロスポーツ