2024.08.03(土)選手

【記録と数字で楽しむパリオリンピック】男子400mハードル:五輪での「初ファイナル」と23年ぶりの「日本新」なるか?



8月1日(木)から11日(日)の11日間、フランスの首都パリを舞台に「第33回オリンピック」が開催される。

日本からは、24種目に55名(男子35名・女20名)の代表選手が出場し、世界のライバル達と競い合う。

現地に赴く方は少ないだろうがテレビやネットでのライブ中継で観戦する方の「お供」に日本人選手が出場する全24種目に関して、「記録と数字で楽しむ2024パリオリンピック」をお届けする。

なお、これまでにこの日本陸連HPで各種競技会の「記録と数字で楽しむ・・・」をお届けしてきたが、過去に紹介したことがある同じ内容のデータや文章もかなり含むが、可能な限りで最新のものに更新した。また、記事の中では世界選手権についても「世界大会」ということで、そのデータも紹介している。

記録は原則として7月21日判明分。ただし、エントリー記録などは五輪参加標準記録の有効期限であった24年6月30日現在のものによった。
現役選手の敬称は略させていただいた。

200mから1500mにおいて、予選で落選した選手による「敗者復活戦」が導入され、これによって予選で敗退した何人かが復活して準決勝に進出できることになった。
ただ、各種目での敗者復活戦の組数や何人が準決勝に出場できるのかなどの条件がこの原稿執筆時点では明確にされていない。よって、トラック競技の予選・準決勝の競技開始時刻のところに示した通過条件(○組○着+○)は、「敗者復活戦」がなかったこれまでの世界大会でのものを参考に記載したため、パリではこれとは異なる条件になるはずだ。

日本人選手の記録や数字に関する内容が中心で、優勝やメダルを争いそうな外国人選手についての展望的な内容には一部を除いてほとんどふれていない。日本人の出場しない各種目の展望などは、陸上専門誌の8月号の「パリ五輪観戦ガイド」や今後ネットにアップされるであろう各種メディアの「展望記事」などをご覧頂きたい。

大会期間中は、日本陸連のSNS(=旧Twitter or Facebook)で、記録や各種のデータを可能な範囲で随時発信する予定なので、そちらも「観戦のお供」にしていただければ幸いである。

現地と日本の時差は、7時間で日本が進んでいる。競技場内で行われる決勝種目は、日本時間の深夜から早朝にかけての競技である。
猛暑の中での睡眠不足にどうぞご注意を!


男子400mハードル

(実施日時は、日本時間。カッコ内は現地時間)
・予 選  8月5日 17:05(5日 10:05) 5組4着+4
・敗者復活戦8月6日 19:00(6日 12:00) ●●●
・準決勝  8月8日 02:35(7日 19:35) 3組2着+2
・決 勝  8月10日 04:45(9日 21:45)


五輪での「初ファイナル」と23年ぶりの「日本新」なるか?

参加標準記録の48秒70を4?人がクリア。日本選手権で1~3位の豊田兼(慶大/4年。エントリー記録&自己ベスト47秒99=24年)、小川大輝(東洋大/3年。エントリー記録&自己ベスト48秒70=24年)、筒江海斗(ST-WAKO。エントリー記録&自己ベスト48秒58=24年)がトリオで出場する。いずれも世界選手権も含めて初の世界大会代表だ。
エントリー記録の順位は、豊田15位、筒江31位、小川37位。ターゲットナンバー「40」のうち、37名が参加標準記録突破者で埋まった。
21年東京五輪、22年オレゴンと23年ブダペストの世界選手権に出場した黒川和樹(住友電工)も48秒58で参加標準記録を突破していたが、日本選手権前日の練習でハムストリングスを痛めてパリへの挑戦を断念することになってしまった。
五輪のこの種目にフルエントリーするのは、1964年東京、96年アトランタ、2000年シドニー、12年ロンドン、21年東京に続き6回目。この5大会を含めて、複数で準決勝に進出したことはまだない。
世界選手権でのトリオ出場は、91年東京、93年シュツットガルト、95年イエテボリ、97年アテネ、99年セビリア、2001年エドモントン、07年大阪、11年大邱、13年モスクワ、15北京、17年ロンドン、23年ブダペストの13大会。3人が揃っての準決勝進出は、93年、97年の2回だ。

後述するが、世界選手権では「銅メダル2」のほかに「7位入賞1」があるが、五輪でのファイナリストはいない。


◆五輪&世界選手権での日本人最高成績と最高記録◆

<五輪>
最高成績 準決勝2組3着 48.46 為末大(APF)2004年
最高記録 48.46 為末大(APF)2004年 準決勝2組3着

<世界選手権>
入賞は、
1995年 7位 49.22 山崎一彦(アディダスTC)
2001年 3位 47.89 為末大(法 大)=日本新
2005年 3位 48.10 為末大(APF)

「世界選手権での日本人最高記録」は、為末さんが2001年のエドモントンで「銅メダル」を獲得した時のもので現日本記録でもある「47秒89」だ。

上記の通り、世界選手権では為末さんによる2回の銅メダルと現在の日本陸連強化委員長である山崎一彦さんの7位入賞があるが、五輪での「日本人ファイナリスト」はまだいない。
20年前のアテネ五輪で為末さんは準決勝「3組2着+2」の第2組の3着(48秒46)で2着(48秒19)と0秒27差。「+2」の2番目(48秒22)と0秒24差の4番目でファイナルの舞台には残念ながら届かなかった。


◆1983年以降の世界選手権&五輪での予選・準決通過ライン◆

世界選手権が始まった1983年以降の「準決勝で落選した最高記録」と「予選で落選した最高記録」は、「表」の通りだ。

【表/準決勝と予選で落選した最高記録】
準決落最高予選落最高
198349.5150.68
1984五輪49.5850.14
198748.5650.04
1988五輪48.8649.89
199149.5349.77
1992五輪48.7149.01
199349.2149.96
199548.9449.33
1996五輪48.3048.96
199748.4549.56
199948.9549.48
2000五輪48.9450.09
200148.9950.26
200348.6449.66
2004五輪48.2549.44
200548.6450.35
200748.4449.67
2008五輪48.8549.63
200948.8049.60
201149.0849.82
2012五輪48.2349.89
201348.5550.02
201548.5949.38
2016五輪48.6549.54
201749.3050.22
201948.6750.46
2021五輪48.2649.70
202248.5950.18
202348.4349.26
   
最高48.2348.96
五輪最高48.23(2012)48.96(1996)
世選最高48.43(2023)49.26(2023)

以上の通りで、日本のトリオが普通に走れれば準決勝進出は問題ないだろう。
22年オレゴンでの準決勝通過の最低ラインは、第1組2着の49秒09だったが、「プラス2」は、「48秒34」と「48秒40」。23年ブダペストでのそれは「48秒38」と「48秒39」だった。
出場者全体のレベルがアップしている今回の準決勝では「48秒そこそこ」で走ることが「ファイナリスト」へのボーダーラインとなりそうだ。場合によっては、「47秒台」が必要になるかもしれない。

21年東京五輪では、カールステン・ワルホルム(ノルウェー)の驚愕の世界新記録(45秒94)を筆頭に、46秒台2人(3着46秒72)、47秒台3人と信じられないようなレースとなり、6着が47秒81。それまでよりも二段階くらい一気にレベルがアップした感じだった。
22年オレゴンも東京ほどではなかったが、46秒台2名、47秒台3名という高水準だった。
今回のエントリー記録も46秒台が3名、8番目が47秒50、47秒89の日本記録を上回っているのが11名。47秒99の豊田が14位タイ(15番目)というハイレベルだ。
「ファイナリスト」への道は厳しいものとなりそうだが、「五輪初のファイナル」の舞台に是非とも立ってもらいたい。


◆1983年以降の世界選手権・五輪での1・3・8位の記録◆

・8人目が「DNF」だったり大きく失速した場合などはその前の順位の記録をカッコ内に示した。
1位3位8位 
198347.5049.0349.78 
1984五輪47.7548.1953.78(50.69=7)
198747.4647.4849.46 
1988五輪47.1947.5648.78 
199147.6447.8650.28 
1992五輪46.7847.8249.26 
199347.1847.6249.23 
199547.9848.1449.86 
1996五輪47.5447.9648.78 
199747.7047.8849.51 
199947.7248.1349.06 
2000五輪47.5047.8149.01 
200147.4947.8949.07=7(DQ48.27=5)
200347.2548.2472.10(48.90=6、52.64=7)
2004五輪47.6348.2649.51 
200547.3048.10DNF(50.18=7)
200747.6148.12DNF(49.25=6、52.97=7)
2008五輪47.2548.0649.96 
200947.9148.2350.11 
201148.2648.8049.32 
2012五輪47.6348.1049.15 
201347.6948.0549.08 
201547.7948.1750.02 
2016五輪47.7347.92DQ(49.09=7)
201748.3548.5250.07 
201947.4248.0349.46 
2021五輪45.9446.7248.77 
202246.2947.3948.92 
202346.8947.5648.53 
     
最高45.9446.7248.53 
五輪最高45.9446.7248.77 
世選最高46.2947.3948.53 

至近3大会やエントリー記録の状況からすると「メダル」には46秒台か47秒台前半が必要となりそうだ。


◆「日本新」の可能性は?◆

日本選手権で、豊田が日本記録に0秒10と迫る歴代3位の47秒99をマーク。パリの本番での23年ぶりの「日本新」に期待がかかる。
日本選手権前にも紹介したが、日本と世界の400mH歴代上位選手の400mの走力は以下の通りだ。

<400mH日本歴代10傑選手の400mのベスト記録>
・氏名の前の「×」は、非現役
順)400mH400m  
1)47.8945.941.95×為末大 
2)47.9346.021.91×成迫健児 
3)47.9945.572.42豊田兼<--パリ五輪代表
4)48.2647.390.87×山崎一彦 
5)48.3445.572.77×苅部俊二 
6)48.4148.53-0.12岸本鷹幸 
7)48.5847.371.21黒川和樹 
7)48.5847.071.51筒江海斗<--パリ五輪代表
9)48.6247.011.61×野澤啓佑 
10)48.6446.431.21×齋藤嘉彦 
     
15)48.7047.421.28小川大輝<--パリ五輪代表

岸本鷹幸のように400mのフラットよりもハードルの方が速いという特殊なケースもあるが、その差は1秒台半ばから後半あたりか?
上記の岸本とその差0秒87の山崎一彦さんを除いた歴代10位以内選手8名の差の平均と標準偏差は、「1.824秒±0.557」。
とすると、現在「ハードル47秒99とフラット45秒57」で、その差2秒42の豊田は、400mHでは47秒台前半が可能かもしれない。平均値と標準偏差をあてはめると、「47秒40±0秒56=46秒84~47秒96」となる。


<400mH世界歴代20傑選手の400mのベスト記録>
・氏名の前の「◎」はパリ五輪出場予定。「○」は現役。「×」は、非現役。
順)400mH400m  
1)45.9444.871.07K・ワルホルム(NOR)
2)46.1744.211.96R・ベンジャミン(USA)
3)46.2944.541.75A・ドス・サントス(BRA))
4)46.7845.111.66×K・ヤング(USA)
5)46.9844.602.38×A・サンバ(QTA)
6)47.0245.601.42×E・モーゼス(USA)
7)47.0345.661.37×B・ブラウン(USA)
8)47.0845.841.24K・マクマスター(IVB)
9)47.1044.882.22×S・マテテ(ZAM)
10)47.1944.712.48×A・フィリップス(USA)
11)47.2345.781.45×A・ディアバ(SEN)
11)47.23---------C・ディーン(USA)
13)47.2444.482.76×K・クレメント(USA)
14)47.2544.902.35×F・サンチェス(DOM)
14)47.2544.053.20×A・テイラー(USA)
16)47.3045.062.24×B・ジャクソン(USA)
17)47.3445.242.10R・クラーク(JAM)
18)47.3745.182.19×S・ディアガナ(FRA)
19)47.3845.192.19×D・ハリス(USA)
19)47.3845.05i2.33T・バシット(USA)

世界歴代上位は日本歴代上位選手と同じく400mフラットのベストの差が1秒台の選手が多い。
が、47秒1台以下の選手ではその差が2秒以上という選手がほとんどだ。
400mフラットのタイムがないディーンを除く19名の差の平均と標準偏差は、「2.019±0.551」。
こちらからすると豊田の400m45秒57からすると「47秒59±0秒51=47秒08~48秒10」になる。
日本歴代10傑選手のデータからしても世界歴代20傑選手のデータからしても、豊田が日本記録の「47秒89」を23年ぶりに更新できる可能性は高そうである。

ちなみに豊田の身長は、195cm。
24年7月21日現在で世界歴代で47秒99以内の65人のうち身長が判明している選手の中で豊田は3番目に高い。最も高いのは198cmのJ・クルソン(プエルトリコ/47秒72=10年)、次が196cmのM・ミッチェル(アメリカ/47秒97=96年)、その次が豊田だ。なお、47秒99以内で最も身長が低いのは、為末さんの170cm(47秒89=01年)である。


◆ハードル二刀流「現役・世界一」の豊田◆

5月の「ゴールデングランプリ」と6月の「日本選手権」の時にも紹介したが、豊田は110mHと400mHの「二刀流」。
世界陸連採点表の両種目の合計ポイントでは現役「世界No.1」で歴代でも「世界2位」である。
下記の「ハードル2種目合計ポイント世界歴代リスト」では、豊田のみが「現役選手」だ。

<400mH48秒49以内の選手の110mHと400mHの合計ポイント世界歴代リストと400mHでの実績>
1)2480点A・フィリップス(USA)13.25(1206)+47.19(1274)=88五輪1位
2)2430点豊田兼(日本/慶大)13.29(1198)+47.99(1232)
3)2426点K・ヤング(USA)13.65(1130)+46.78(1296)=92五輪1位(世界新)、93世選1位
4)2415点E・モーゼス(USA)13.64(1132)+47.02(1283)=76・84五輪1位、83・87世選1位、88五輪3位。世界新4回
5)2413点T・ホーキンス(USA)13.30(1196)+48.28(1217)=84五輪6位

上記の通り、五輪や世界選手権の金メダリストに世界記録を作った選手の上にいるのは「すごい!」のひとことだ。

豊田は、当初は両種目での「パリ五輪出場」を目指し、日本選手権では大会2日目の400mHでの内定を得たあと3日目からの110mHにも出場し予選を第4組のトップ(13秒52/±0.0)で通過した。
しかし、3時間30分後の準決勝はハムストリングスに違和感があって欠場し、二刀流でのパリ五輪出場を断念した。
といっても、パリ五輪の両種目のスケジュールは、現地時間で、下記のようなものだった。
4日11:50110mH予選
5日10:05400mH予選
6日10:50110mH敗者復活戦
12:00400mH敗者復活戦
7日19:05110mH準決勝
19:35400mH準決勝
8日21:45110mH決勝
9日21:45400mH決勝

豊田がパリ五輪の両種目に出場できていたとして、予選は普通に走れれば2種目ともに通過でき、「敗者復活戦」にまわることはないだろう。
が、準決勝がネックとなるスケジュールだ。
19時05分に110mH、30分後に400mHというタイムテーブル。
通常であれば110mHも400mHも各組は7~8分間隔くらいのダイヤで組まれるだろう。110mH準決勝の第1組に出場して400mH準決勝の第3組であればその間隔は45分くらい。もしも110mHの最終組(第3組)で400mHの第1組ならば、10分ちょっとの間隔しかない。現実的には、45分の間隔であっても「世界の準決勝」で両種目に出場するのは不可能で、どちらかを欠場することになるだろう。
今回のパリ五輪のタイムテーブルからして、「両種目ともに準決勝に進出できるレベル」での「ハードル二刀流」の出場は「不可能」に近いものであったのだ。
そもそも、そういうレベルの「ハードル二刀流」の選手が「世界にいないはず」ということで組まれたタイムテーブルであったのだろう。

30年近く前、200mと400mの「金メダル最有力候補」であったマイケル・ジョンソン(アメリカ)が両種目に挑戦することに配慮して、それが可能なようなタイムテーブルが組まれたことがあった。
25年の東京世界選手権、あるいは27年以降の世界選手権や五輪で「ハードル二刀流の豊田」に配慮して、2種目に挑戦するのが可能なタイムテーブルを世界陸連が組んでくれるような「ものすごいハードル二刀流の選手」になっていてもらいたいものである。

各種のメディアで伝えられているが、豊田の父はフランス人。
「父の母国で快走!」という見出しが8月10日の日本の夕刊、あるいは10日のフランスの朝刊紙面に躍っているかもしれない。


◆日本記録(47秒89)の時のタッチダウンタイム◆

最後に、為末大さんが01年エドモントン世界選手権で47秒89の現日本記録をマークして銅メダルを獲得した時の1台毎のタッチダウンタイム(リード脚が着地した瞬間のタイム)を紹介しておく。

【為末大 日本記録47秒89のタッチダウンタイム】
・日本陸連科学委員会の分析による。
1台目5.855.85
2台目9.503.50
3台目13.223.72
4台目17.043.82
5台目20.943.90
6台目24.944.00
7台目29.094.15
8台目33.424.33
9台目37.894.47
10台目42.564.67
Finish47.895.33



野口純正(国際陸上競技統計者協会[ATFS]会員)


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