2024.04.24(水)大会

【世界リレー】パリ五輪へ向け男女4×100mリレー日本代表、始動! 公開練習レポート&コメント(Vol.1)


後列:左から 木梨嘉紀、 上山紘輝、 栁田大輝、 三輪颯太、 山本匠真
前列:左から 君嶋愛梨沙、青野朱李、山形愛羽、三浦愛華、鶴田玲美

日本陸連は4月20日、ナッソー(バハマ)で5月4~5日に開催される「ナッソー2024世界リレー」に出場する男女4×100mリレー日本代表選手の練習を公開しました。世界リレーは、パリ2024オリンピック競技大会リレー種目の出場権獲得に直結する大会として行われ、各種目とも上位14チームが出場権を得ることができます。オリンピック出場権16枠のほとんどが決まるこの大会へ、日本は男子4×100mリレー、男子4×400mリレー、女子4×100mリレー、男女混合4×400mリレーの4種目にエントリー。選考レースとして行われた出雲陸上の結果を踏まえて、4月16日に日本代表選手を発表しました(https://www.jaaf.or.jp/news/article/19747/ )。


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今回公開されたのは、4月20~21日の日程で、東京・北区の味の素ナショナルトレーニングセンター(NTC)において合宿を行った男女4×100mリレー陣の初日の練習です。練習は、NTCの陸上トレーニング場で午後から行われ、男子は、アメリカを拠点として活動し、世界リレーには現地で合流することになっているサニブラウンアブデルハキーム(東レ)を除く栁田大輝(東洋大学、ダイヤモンドアスリート)上山紘輝(住友電工)、木梨嘉紀(筑波大学)、山本匠真(広島大学)、三輪颯太(慶応義塾大学)の5選手が、女子は鶴田玲美(南九州ファミリーマート)君嶋愛梨沙(土木管理総合)、三浦愛華(愛媛競技力本部)、山形愛羽(福岡大学)、青野朱李(NDソフト)の5選手が参加しました。



パリに挑む「チームジャパン」としての集合は、今回が最初となります。出雲陸上の結果により、初めて代表メンバーとなった選手も多いなか、全員でミーティングを行ったのちに、男女に分かれて、トレーニングを開始しました。日本チームでは、男子はアンダーハンドパスを、女子はオーバーハンドパスをそれぞれ採用していますが、男女ともに、まず、パスワークにおける留意点を確認したうえで、静止した状態でパス練習を行い、バトンジョグへ。その後は、いったん各自の方法でウォーミングアップを行い、1時間ほどかけて準備を整えたうえで、本格的なバトンパスの練習へと入っていきました。



バトンパスを行いながらの流しなどで徐々にスピードレベルを高めて、練習はこの日のメインとなるバトンパス練習へ。バトンの渡し手と受け手がペアとなり、パスワークを行う部分練習です。オーダー(走順)の想定がほぼ決まっている男子についてはその組み合わせで、今回の合宿での分析を踏まえてオーダーを確定する計画の女子はいくつかの組み合わせで、この練習を実施。ほぼレースと同様の距離を、全力で走るなかで実施しなければバトンパスの精度は上がらないため、非常に質の高い、負荷のかかる練習といえますが、どの選手も高い集中力で1本1本に臨み、走ったあとは映像やパスワークの区間タイムで動きをチェックしたり、受け渡し時の感触や気づいた点を2人で話し合ったりするなど、約2時間にわたって取り組みました。


トレーニング終了後には、選手を代表して栁田、上山、鶴田、君嶋の4選手が、またコーチングスタッフを代表して強化委員会の土江寛裕ディレクターと信岡沙希重オリンピック強化スタッフが取材に応じました。各氏のコメント(要旨)は、以下の通りです。
※4選手のコメントはレポート(Vol.2)でお届けします。


【コーチングスタッフコメント】

◎土江寛裕(世界リレーチームリーダー、強化委員会強化ディレクター 短距離担当)



男子4×100mリレー代表6名に関しては、先日の出雲陸上で選出された大学生3人に、豊富な経験を持つサニブラウン・栁田・上山の3人と、バランスのいいメンバーが揃った。これまでもそうだったが、日本チームでは、経験を積んだ選手と新しく入ってきた選手が同時にいるなかでリレーを組むことで、リレーのノウハウなどが伝わっていくということを、もう20年くらい続いてきた。そういう意味でも、すごくいいバランスになったと思っている。
バトンパスについては、今日が一発目というか、集まって初めてやる練習だったわけで、メディアの皆さんには、「今日から、どれだけ(パスワークが)上手になっていくかのかな」という視点で、これから見守っていただければ…という気持ち。練習中は、経験値の低い選手に対して経験値のある選手がいろいろなことをアドバイスしたり、互いにコミュニケーションをとったりと、それぞれから「少しずつ良くしていこう」とする様子がみてとれた。こちら(コーチングスタッフ)から一方通行で「こうしろ」というのではなく、選手たちが互いに「自分たちのリレーを高めていこう」という雰囲気で、それは、これまでの代表チームと同じ。とても「ジャパン」らしいチームだと感じている。

世界リレーのオーダーは、もう決めている。1走は木梨か山本のどちらかで、2走は栁田、3走を上山が務め、4走はサンブラウンで臨む。本番のレースは2週間後となるが、男子4×100mリレーについては、他種目より先の4月24日に出発して、27日に、アメリカ・ルイジアナ州のルイジアナステートユニバーシティ(LSU、ルイジアナ州立大学)で行われる競技会の4×100mリレーに1回出て、そのあとバハマに入る日程を組んだ。サニブラウンはバハマで合流するため、LSUでのアンカーは三輪が務める。そこで1回、リレーをしっかり作り上げて、バハマに乗り込む形となる。

今日は、バトンがうまく渡らない場面などもあったが、すべてはこれからとなるので心配はしていない。栁田については今季まだレースに出ていないため、レースのようなテンションや身体になるまでにはもう少し時間がかかる状況。4月27日には、リレーのほかにシーズンインのレースとして100mを予定している。ベストとまでは行かないだろうが、そこで試合感覚をしっかりつくっていけるので、バハマではしっかり走れると思う。また、まだコンファームはできていないが、この競技会には、栁田のほか100mに木梨と山本、200mでは上山と三輪が走れるようにリクエストを出している。この大会は、プログラムの最初にリレーがあるので、まずリレーを走って、その後、個人種目に出ていくことを計画している。
世界リレーにおける男子4×100mリレーの目標は、まずはしっかりとパリ(オリンピック)の出場権を取ること。また、パリオリンピックは「東京で取れなかった金メダル」を目標にしているので、バハマで、そこにつながるレースができたらと考えている。おそらく各国ともにトップの選手で(チームを)組んでくると思うので、そのなかで「金メダルを取る練習」がしたい。アメリカでの合宿とレースで、それが狙える状況にしていきたい。

サニブラウンについては、コーチと随時連絡をとって状況は確認しているが、何よりも、すでにレースでしっかり結果が出せていることで、良い状態にあることがわかる。(参加標準記録の10秒00をクリアして)内定するまでには至っていないが、10秒0台を安定して走っているので、もうキレキレの状態かなとみている。
世界リレーに行くということは、個人種目でやれる時間をリレーに割くということ。ある意味、個人を犠牲にして、来てくれることになる。本来、サニブラウンはリレーが大好きで、リレーを走りたい選手。そういう意味で、今回、メンバー入りを買って出てくれた。パリオリンピックにおいても、サニブラウン抜きでは、リレーで金メダルは取れないし、それは当人もわかっていると思う。個人種目をしっかり走ったうえで、リレーにも入ってもらうことになる。今回の世界リレーで、(海外を拠点としている)サニブラウンを含めてリレーを組めるのは、日本チームには、とても意味のあること。パリへの戦略を練っていくうえでも非常に大事なレースになると考えている。

今回のメンバーで、ミスなくパフォーマンスをしっかり出せれば、オリンピックの出場権を獲得すること自体は、そんなにハードルの高いことではない。ただし、油断をすることがないよう気持ちを引き締め、これまでの失敗も生かして、エラーが出ないよう臨みたい。


◎信岡沙希重(世界リレー女子リレーコーチ、強化委員会強化スタッフ)



フレッシュなメンバーも多かったので、最初はドキドキしながら見ていたが、想定していたよりはいい形で(バトンパス練習を行うことが)できたのでホッとしている。不安があったのはバトンパスのところ。(記録の)速いメンバー同士でバトンをつなぐという経験がない選手もいたので、(高いスピードレベルに)うまく反応できるかなと思っていたのだが、そこは個々が、(自身の)高いポテンシャルをしっかり発揮してくれた。
直近の世界大会を経験している2選手(鶴田、君嶋)がいたことは、すごく大きかったと思う。ウォーミングアップのバトンジョグや、流しの段階から、見本を示す形でリードしてくれたことが、うまくバトンパス練習へとつながっていった。いい形で、ベテランと若手が融合した形のチームになっているのではないかと思う。そこが、新しい力として、どういう形で出てくるかを楽しみにしている。
東京オリンピックの出場権を、前回の世界リレー(2021年シレジア大会)で獲得した経験は、本当にすごく大きいことだった。女子4×100mリレーは、そこから始まっての東京オリンピック出場で、その東京オリンピック本番を経験して、オレゴン世界選手権へとつながった。そういう意味では、今回は、久々の予選会で、代表権を獲得しにいかなければならない。そのシビアさを知っている鶴田がチームに入っていることは、とても心強い。
東京オリンピックも、オレゴン世界選手権も、大会本番では出場16チーム中、だいたい13番くらいのタイムは出せている。しかし、今回は、出場権獲得を狙って、もっとたくさんのチームが出る世界リレーという舞台で、上位14チーム内に入っていかなければならない。かなり厳しい戦いになることはわかっているし、さらに言うなら、私たちが最高のパフォーマンスをしたうえで、相手(他国のライバルチームの結果)がどうかという待ちの状態になる可能性が高い。しかし、オレゴン世界選手権では、大会本番で日本記録を出すことができている。そこは、女子チームの成長を感じられた面でもあった。バハマでも、「大会本番で、最高の力をどう出せるか」が、ポイントになってくる。日本記録(43秒33)の更新は絶対に必要で、43秒1台は出したいなと思っている。
走順については、ようやく今日初めて、それぞれのバトンパスを、しかも数本だけ見たばかりなので、まだ決めていない。明日も含めて、この合宿で、それぞれの特徴をよく見極め、選手たちとも一緒に共有しながら、最終的なオーダーを作り上げていきたい。

※コメントは、共同取材における各氏の発言をまとめました。より明確に伝えることを目的として、一部、修正、編集、補足説明を施しています。

文:児玉育美(JAAFメディアチーム)
写真提供:アフロスポーツ


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