女子のパリ五輪マラソン日本代表内定選手がいよいよ決まる。
「マラソングランドチャンピオンシップ(MGC)ファイナルチャレンジ」の女子最終選考レースとなる「名古屋ウィメンズマラソン2024」が3月10日(日)、バンテリンドームナゴヤを発着するマラソンコースで行われる。
パリ五輪マラソン女子日本代表は、昨年10月15日に開催されたMGCで鈴木優花(第一生命グループ)と一山麻緒(資生堂)の2名が内定。残る1枠を決める選考レースの一つ「大阪国際女子マラソン」では、前田穂南(天満屋)が19年ぶりの日本新記録となる2時間18分59秒をマークし、MGCファイナルチャレンジ設定記録の2時間21分41秒を大きく上回った。
選考レース最終戦となる今大会、出場選手がパリ五輪の代表権を勝ち取るためには、前田が樹立した日本記録(2時間18分59秒)を上回って日本人1位になることが条件となる。
再び2時間18分台のレースを見ることができるか。注目のエントリー選手を紹介する。
東京五輪代表の鈴木、ブダペスト世界選手権代表の加世田ら3枠目を狙う
東京五輪マラソン代表の鈴木亜由子(JP日本郵政G)は2度目の五輪代表を狙う。前回の名古屋ウィメンズマラソンは、2時間21分52秒と自己ベストで日本人トップに入った。15年北京世界選手権、16年リオデジャネイロ五輪は5000m日本代表として出場。パリ五輪の切符を手にするためには、2時間18分59秒を上回る日本記録の樹立が条件となるが、同じ東京五輪のマラソン代表だった前田が、それまでの自己ベストを3分以上も更新して日本記録を樹立しているだけに、鈴木も“再更新”へ意欲を燃やしているだろう。2月の香川丸亀国際ハーフマラソンでは1時間8分51秒をマークしており、名古屋へ向けた準備を整える。22年ベルリンマラソンで自己ベストの2時間21分55秒をマークし、昨年のブダペスト世界選手権に女子マラソン日本代表として出場した加世田梨花(ダイハツ)も五輪初出場を狙う。昨年10月のMGCは、世界選手権から約1か月半後という短い準備期間にも関わらず、35km付近まで優勝した鈴木優花(第一生命グループ)と先頭を追走し、4位に入った。しかしパリ五輪代表の2枠に入ることはできず、12月に行われた日本選手権10000mを欠場し、今大会のマラソンに懸ける。
エントリー選手でもっとも速い自己記録を持つのが、17年名古屋ウィメンズマラソンで日本人トップになった安藤友香(ワコール)だ。そのときに出した自己ベストは日本歴代8位に入る2時間21分36秒。昨年10月のMGCは2時間27分47秒で9位。1月に出場した大阪ハーフマラソンで1時間8分18秒と、自己記録から5秒差に迫った。
10月のMGCを右第2中足骨の疲労骨折で欠場した渡邉桃子(天満屋)もパリ五輪代表を懸けてMGCファイナルチャレンジに挑戦する。自己ベストは、昨年の大阪マラソンでマークした2時間23分08秒。同じ天満屋に所属し、大阪薫英女学院高(大阪)の先輩でもある前田穂南が樹立した日本記録超えを目指す。
JMCシリーズⅢ女子の覇者は!? 鈴木、安藤、加世田ら逆転狙う
女子のジャパンマラソンチャンピオンシップ(JMC)シリーズⅢ(22年4月~24年3月)も、いよいよ最終レースとなる。シリーズⅢは1位から8位まで、男女で総額3,000万円の賞金が授与されることになっている。現在のトップは、大阪国際女子マラソンで日本記録を樹立し、2606ポイントを獲得している前田穂南(天満屋)だ。続いて3日の東京マラソンで2時間21分50秒だった新谷仁美(積水化学)が2ポイント差で2位に入る。
今大会の出場選手のなかで、逆転チャンピオンを狙える位置にいるのが、現在5位の鈴木亜由子(JP日本郵政G)、7位の安藤友香(ワコール)、8位の加世田梨花(ダイハツ)だ。
鈴木は1323ポイント以上、安藤は1334ポイント以上、加世田は1373ポイント以上で逆転可能となる。
さらに渡邉桃子(天満屋)は、1247ポイント以上で8位ランクインの可能性がある。だが、現在8位の加世田と同レースを走るため、加世田ら上位陣の結果次第ということになる。
また、22年ベルリンマラソンで自己ベスト2時間25分54秒を出した大西ひかり(JP日本郵政G)も8位ランクインの可能性を残す。加世田らの結果次第にはなるが、1295ポイント以上を獲得すれば8位以内に入る可能性がある。大西は昨秋のアジア大会で女子マラソン代表に選出され、2時間30分06秒で5位入賞を果たしている。
ほかにエリートの部でエントリーしている棚池穂乃香(大塚製薬)も1286ポイント以上で8位ランクインの可能性を残す。棚池は前回の名古屋ウィメンズマラソンで自己ベストの2時間27分30秒をマークしている。
女子のパリ五輪マラソン代表が決まる「名古屋ウィメンズマラソン2024」は、10日(日)9時10分にバンテリンドームナゴヤを出発。比較的アップダウンの少ない高速コースとなっており、2時間18分台に期待を高めたい。
20年には一山麻緒(当時ワコール)が雨の中、女子単独のマラソンとしてはアジア記録(当時)となる2時間20分29秒をマークし、東京五輪マラソン代表の最後の1枠を勝ち取ったこともある。再び名古屋で、3枠目の五輪切符を手にする選手が現れるか。パリ五輪マラソン女子日本代表の最終選考レースがスタートする。
写真:フォート・キシモト
【大会概要】
大 会 名 :名古屋ウィメンズマラソン2024開催日程:2024年3月10日(日)9時10分スタート
コ ー ス :バンテリンドーム名古屋(スタート・フィニッシュ)
ハッシュタグ:#名古屋ウィメンズマラソン #MGCファイナルチャレンジ #JMCシリーズ
■公式HP
https://womens-marathon.nagoya/
■大会要項
https://womens-marathon.nagoya/outline/general/
■エントリーリスト
https://www.jaaf.or.jp/files/competition/document/1821-4.pdf
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