写真:フォート・キシモト
2024年3月1日(金)~3日(日)にグラスゴー(イギリス)にて「グラスゴー2024世界室内陸上競技選手権大会」が開催されます。
本大会は世界陸連(ワールドアスレティックス、WA)が定める大会カテゴリーにおいて、ダイヤモンドリーグと同等のカテゴリーに位置付けられており、今大会で好成績を収めることは「パリ2024オリンピック競技大会」日本代表選手選考にも関わるワールドランキングへの貢献度が非常に高い大会となります。
2月26日(月)日本代表選手5名がグラスゴーに向けて出発。空港にてレースに向けた意気込みや、2024年屋外シーズンでの展望を語りました。
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【男子60m】 多田修平(住友電工)
6秒4台を出して、ファイナルで戦う
前回の世界室内(選手権)はフライングで失格になってしまったので、まずはしっかりとファイナルに残ることを目標にしたいです。
状態はすごく上がっていると思います。(アジア室内選手権では)60mの日本タイ記録(6秒53)を出しましたが、決勝が急遽翌日になり、前日の状態が良かっただけに、翌日は反動で良い走りができなかったという反省がありました。今回の世界室内では、その反省点を生かしたいと思います。
世界室内では、今の力が世界とどれくらい離れているかを確かめたいと思っています。まずはファイナルにしっかりと残り、(クリスチャン)コールマン選手やノア・ライルズ選手(ともに米国)といった選手と争える走りをして、メダルを獲得できるように頑張りたいと思います。最低限、6秒4台は出したいと思っています。
また、ポイント(WAランキングスコア)を獲得することも(目的の)一つではありますが、9秒台を出して日本選手権で優勝して(パリ五輪に)出場することが理想だと思っています。今、9秒台の手応えは感じているので、(今シーズン)最低限9秒台は出したいと思っています。9秒台を出して、パリ五輪のファイナルで戦い、リレーでリベンジすること。そして東京世界選手権でもファイナルで戦うことを目標に頑張ります。
【男子400m】佐藤拳太郎(富士通)
45秒76をクリアして、メダル争いに食い込みたい
世界室内(選手権)には、世界のトップ選手が出場し、そういった選手たちは2~3月の室内レースでしっかりと結果を出して、オリンピックや世界陸上に臨んでくるので、そこに負けないように記録や順位という結果を出して、オリンピックにつなげたいと思います。記録としては(室内日本記録の)45秒76は必ずクリアして、メダル争いに食い込めるように頑張りたいと思います。自分自身は初めての室内レースとなり、バンクや(トラックを)2周走ることなど経験不足な部分はあると思いますが、いい準備をして臨みたいです。
調子自体は悪くないと思います。今年の冬はスピード強化という課題が明確にあり、そのうえで出力を上げるためのウエイトトレーニングやジャンプトレーニングなどを取り入れました。
シーズンとしては、パリオリンピックで個人種目は決勝進出、マイルリレーではメダル獲得を目標としています。そこは必ず達成しなくてはいけないと思っています。記録は43秒台を目指しています。アジア記録の43秒93を目標に冬期練習を積んできました。オリンピックでアジア記録をクリアし、個人種目の決勝に残れたら、東京(世界選手権)でメダル獲得を目指したいですし、マイルでもパリでメダルを獲得できれば、東京では金メダルを目指すというように、1つ1つレベルアップしていきたいと思っています。そのために、世界室内でいい走りをしてパリオリンピックにつなげたいですし、パリでいい走りをして、東京へつなげたいと思います。
【男子走高跳】赤松諒一(アワーズ)
パリを見据えたなかで、2m30に乗せる跳躍を
(アジア室内は)優勝という目標は達成できましたが、記録が2m19しか跳べなかったので、今回の世界室内(選手権)では、2m20台の後半から(2m)30に乗せる跳躍をしたいと思います。昨年のケガ(左足小指の骨折)の影響で休んでいた時期もあり、今もそれが治ったかどうかというコンディションではありますが、助走スピードを上げてしっかり踏み切りたいと思っています。記録も一気に(バーを)上げるのではなく、試合の流れを見つつ、少しずつ上げていこうと思います。世界室内は初出場なので、気負わず、強い選手に食らいつく跳躍で、自己ベスト(2m30)更新を狙っていきたいです。
今シーズンの一番の目標はパリオリンピックなので、そこを見据えたなかで、世界室内は国際大会に慣れるという点でも重要だと思っています。パリオリンピックではメダル獲得を目標にしています。昨年のブダペスト世界選手権では目標にしていた8位入賞を達成することができたので、次はメダル獲得というラインを狙っていきたいと思います。
そのためには2m30オーバーが必要ですし、(パリ五輪の)参加標準記録が2m33なので、その高さを跳んで、パリに乗り込みたいと思います。そして、その先の東京世界選手権は国内開催ということで、観客のみなさんを盛り上げられるようなパフォーマンスをしたいと思います。
【女子3000m】田中希実(New Balance)
順位よりも、格上の選手に食らいつくレースを
(世界室内選手権の)3000mという種目は、オリンピックにはない種目ですが、世界室内には世界のトップ選手が集まりますし、室内ということで人数も限られたなか、少数精鋭で走ることができる貴重な機会と捉えています。ここで世界のトップスピードを体感することは、オリンピックやダイヤモンドリーグを戦うシーズン前の貴重な機会だと思うので、大事な大会と位置づけています。
世界室内では、順位よりも、格上の選手に食らいついて、自分らしいスタイルで走りたいと思います。屋外で8分40秒を切ったことはないので、世界の強豪選手に食らいつき、そういったタイムが出たらいいな、と思います。そういったレースをして、タイムや順位がついてくるのが自分のスタイルかな、と思います。もしそれでタイムや順位が思っているほど出なかったとしても、その悔しさを次のシーズンにつなげたいと思っています。
(調子は)良くもなければ、悪くもないという感じです。ケニア合宿を終え、ボストン(世界室内ツアー・ゴールド)で1500mに出場して(4分8秒46の室内日本新記録を樹立)、その後もニューヨークでレース(ミルローズ・ゲームズ)に出場し、少し調子は上向いている感覚があります。油断すると調子が悪くなりそうな境目ではありますが、感覚を信じていきたいと思います。
屋外のレースは風や天候に左右されますが、室内はそういった環境に左右されず、自分のコンディションに集中できるという点では走りやすいと思います。室内レースはとても面白いレースになると思うので、私自身も楽しみながら、観ていて面白いレースをしたいと思います。
【女子60mハードル】青木益未(七十七銀行)
全力を出し切って、7秒台を目標に
日本選手権室内(60mハードル優勝)から、世界室内(選手権)に向けて調子を上げているところです。日本室内よりは動けていると思います。昨年(室内日本記録の)8秒01を出したので、7秒99でもいいから、7秒台は出したいと思っています。
60mハードルと100mハードルは全然違うので、レベルの高い雰囲気のなかで走り、いい流れで屋外につなげられたらと思っています。日本ではあまりインドアの大会がないので、海外選手のように室内レースに向けた練習はしないのですが、(60mハードルは)ハードルが5台しかないので、前半3台目までの練習はやることがあります。世界選手権やオリンピックのようなピリピリした感じはなく、楽しみたいと思います。
パリオリンピックは、参加標準記録(12秒77)を切って、オリンピックの予選を確実に通過できるくらいの力を持って出場したいという気持ちが強いです。今回の大会は60mハードルなので、予選でしっかりと全力を出し切って、7秒台を出せれば、セミファイナルも見えてくると思うので、7秒台で走ることを目標に頑張ります。
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▼グラスゴー2024世界室内陸上競技選手権大会 日本代表選考要項
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▼グラスゴー2024世界室内陸上競技選手権大会 大会ページ
https://www.jaaf.or.jp/competition/detail/1814/
▼グラスゴー2024世界室内陸上競技選手権大会 WAホームページ
https://worldathletics.org/competitions/world-athletics-indoor-championships/glasgow24
▼パリ2024オリンピック競技大会 選考要項
https://www.jaaf.or.jp/files/upload/202309/21_112524.pdf
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