JOCジュニアオリンピックカップ第17回U18/第54回U16陸上競技大会が10月20日(金)から3日間、愛媛県総合運動公園陸上競技場(ニンジニアスタジアム)で開催される。
この大会は、U18(高3早生まれ以下)とU16(高1早生まれ以下)カテゴリーの選手が出場する大会で、中学生にとっては貴重な全国大会。U16男子は100m、走高跳、棒高跳、走幅跳、砲丸投(5.000kg)の5種目が行われ、U16女子は100m、走高跳、走幅跳、砲丸投(2.721kg)の4種目が実施される。
今回は、高1早生まれ以下の選手が出場するU16男女の注目選手を紹介する。
※記録は陸上競技ランキング(ベースボール・マガジン社)参照/10月1日判明分
◆U16男子:5種目実施。100mには中学新の片山が出場予定
男子100m
8月に同スタジアムで開催された全日本中学校陸上競技選手権大会(全日中)の入賞者や、中学歴代10傑入りの記録を持つ選手など、多くの有力選手がエントリーした。注目選手は、前週の鹿児島国体で中学新記録&U16日本歴代3位となる10秒54(+1.4)をマークした片山瑛太(鎌ケ谷二中3年・千葉)だ。全日中、国体、U16と中学三冠に挑む。今季は関東大会で当時の中学タイ記録となる10秒56を記録し、国体で2度目の10秒5台をマーク。国内中学生初の10秒4台への期待も高まる。
全日中2位の山口蓮珠(First Step/玉陵中3年・熊本)は、10秒78(-0.4)が自己ベスト。2月の日本室内陸上競技大阪大会でもU16の60mで3位に入った。また、大阪室内2位の安田夢雄生(星峯中3年・鹿児島)は中学歴代4位タイ&U16日本歴代7位タイの10秒61(+2.0)をマーク。全日中も5位と実績を残す。
ほかに全日中3位の本村優太郎(シュブスタンス/福教大附小倉中3年・福岡)や、同8位で中学歴代7位となる10秒63(+1.1)をマークした矢澤煌希(川越城南中3年・埼玉)、鹿児島国体で7位に食い込んだ菅野翔唯(安中一中3年・群馬)ら、10秒5~7台の選手が12名。中学記録の再更新、大会記録(10秒65)の樹立など、予選のレースから目が離せない種目だ。
男子走高跳
男子走高跳にも全日中覇者の清水怜修(毛呂山中3年・埼玉)がエントリーしている。自己ベストは2m01。全日中以降も2mをクリアしており、大会記録(2m04)の更新を視野に入れたい。中学歴代10傑入りは2m05以上、U16日本歴代10傑入りは2m06以上となる。ほかに自己ベスト2m以上を持つのは、全日中8位の小砂川慶士(滑川中3年・茨城)と同7位の横山智晴(衣笠中3年・和歌山)の2人。加えて、全日中2位の三谷陸人(勝賀中3年・香川)や同3位の桑名樹(深谷花園中3年・埼玉)ら全国入賞者も2m超えに挑む。
男子棒高跳
男子棒高跳は、前回3位で9月に4m80をクリアした大西亮暉(観音寺一高・香川)が注目選手。大会記録(4m60)更新となるか。全日中2位で自己ベスト4m45の西川樹利(湖西新居中3年・静岡)や、9月に4m30と自己ベストを19cmも更新した泉谷礼哉(田原本中3年・奈良)など、この世代は大幅に自己ベストを伸ばす選手も多く、各選手の自己記録への挑戦に注目したい。男子走幅跳
男子走幅跳は7m台の記録を持つ高校生に中学生が挑む構図。出場者ランキングトップは、前週の鹿児島国体で7m16(+1.2)をマークして少年男子Bを制した太田倖陽(吉田高1年・山梨)だ。連戦になるが、2週連続の全国制覇となるか。続いて9月に7m15(+0.8)と自己記録を更新した地元の佐々木景亮(松山北高1年・愛媛)が自己記録1cm差で追う。佐々木は前回のU16覇者で、連覇が懸かる。中学生では、全日中を制した関口我空(伊勢崎あずま中3年・群馬)が今季6m99(+0.6)と中学ランキングトップ。同2位の林海里(市川六中3年・千葉)、同3位の元山尚紀(坂井市丸岡中3年・福井)も6m80台。
大阪室内U16で8位の大治翔英(Aster/J3・岡山)は岡山県中学で自己ベストの6m97(+1.7)をマーク。髙橋孝太朗(吹田古江台中3年・大阪)は大阪中学校選手権で自己ベストの6m95(+1.4)をマークした。中学生は7m21以上で中学歴代10傑にランクイン。大会記録は前回、佐々木が樹立した7m02となっており、記録更新にも期待が高まる。
男子砲丸投
男子砲丸投は、全日中覇者の大垣尊良(厚真スロー/厚真中3年・北海道)が出場者ランキングでもトップ。この規格では唯一の16mスロワーで、自己ベストは中学歴代4位&U16日本歴代6位の16m68と抜けている。前回4位で、北海道インターハイで1年生ながら7位入賞した石丸大智(純真高1年・福岡)がどこまで投げてくるか。高校規格の6kgでは今季15m65と自己記録を伸ばす。前回大会は4位だった。大垣、石丸は鹿児島国体で少年男子A円盤投にエントリーし、この勝負はU16日本歴代3位となる50m28を投げた石丸に軍配が挙がった。
全日中3位の庄子高栄(富士見勝瀬中3年・埼玉)、同4位の原裕斗(八王子二中2年・東京)も出場予定。原は中2歴代10位タイの14m74が自己ベスト。中2歴代最高記録は15m98と1m以上の差があるが、まずは15mオーバーを目指したいところだろう。
◆U16女子:4種目実施。走高跳の鴨田は中学歴代7位タイ
女子100m
年々レベルが高くなっている女子100mだが、今大会も11秒8~9台の選手が揃った。注目選手は、北海道インターハイで3位に入った山崎心愛(旭川志峯高1年・北海道)だ。前回大会は8位、大阪室内U16の60mで2位に入った。自己ベストは11秒86(+1.7)。高校生では、前回大会150mのB決勝でトップの髙橋祐生弥(国際学院高1年・埼玉)も注目選手。前週の鹿児島国体では自己ベストの11秒93(+1.7)をマークして少年女子B100mを制した。中学生の注目選手は、連覇に挑む三好美羽(福山神辺西中2年・広島)だ。9月末に11秒88(+1.3)と自己ベストを更新し、中2歴代2位タイにランクインした。全日中は2位、大阪室内U16の60m覇者と世代をリードする存在。
全日中3位の佐藤那有(田原東部中3年・愛知)も自己ベスト11秒88(+1.0)と三好に並ぶ。大阪室内は5位だった。このほか大阪室内3位、全日中5位の森なつみ(シュブスタンス/北九州永犬丸中3年・福岡)や前回6位の吉永ひまり(御幸中2年・神奈川)、鹿児島国体4位の望月美希(茅ケ崎中3年・神奈川)と中学トップクラスの選手にも注目したい。大会記録は11秒77、U16日本歴代10傑入りは10秒83以内、中学歴代10傑入りは11秒86以内となる。
女子走高跳
女子走高跳には、全日中連覇の鴨田るな(相模原旭中3年・神奈川)、同2位の佐藤那々子(板橋志村五中3年・東京)、同3位の渡邊栞里(一条中3年・栃木)と全国上位3人がエントリーした。鴨田は7月に中学歴代7位タイ&U16日本歴代10位タイとなる1m75をクリア。渡邊も栃木県中学で1m70を跳んでおり、大会記録(1m69)以上の優勝争いを期待したい。女子走幅跳
女子走幅跳にも全日中覇者が出場予定。全日中と大阪室内を制した藤本茉優(津幡中2年・石川)は、中2歴代5位タイとなる5m91(0.0)をマーク。全日中2位の三好惺子(野田学園中2年・山口)、同3位の櫻井音寧(緑ヶ丘中3年・長野)と全日中トップ3も揃ってエントリーした。さらに昨季、中学歴代10位タイとなる6m00(+1.5)をマークした岡島奏音(皇學館高1年・三重)もエントリーしている。大会記録(5m81)を更新したい。
女子砲丸投
女子砲丸投は小川莉緒(東海中3年・三重)が連覇に挑む。全日中を14m97で制し、10月1日には15m23と自己ベストを大幅に更新した。大会記録(15m26)の更新も視野に入れてくるか。全日中2位の諏訪彩乃(中村中3年・栃木)も15m04と15mオーバー。記録面ではこの2人が抜けている。
全日中3位の林暖來春(大阪今市中3年・大阪)、同4位の片岡心(横浜田奈中2年・神奈川)も力がある。
いよいよ明日から始まるJOCジュニアオリンピックカップ第17回U18/第54回U16陸上競技大会。選手たちの努力が自己記録への挑戦となって実り、『努力の先に生まれる感動』があふれる大会となることを期待したい。
文:新甫條利子
「第17回U18/第54回U16陸上競技大会」大会概要
開催日:2023年10月20日(金)~22日(日)開催地:愛媛県総合運動公園陸上競技場
◆大会ページ:https://www.jaaf.or.jp/competition/detail/1766/
◆タイムテーブル:https://www.jaaf.or.jp/files/competition/document/1766-3.pdf
◆スタートリスト:https://www.jaaf.or.jp/files/competition/document/1766-5.pdf
◆エントリーリスト:https://www.jaaf.or.jp/files/competition/document/1766-4.pdf
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