2023.10.06(金)大会

【記録と数字で楽しむMGC2023】気象状況と記録の関係



2024年パリ五輪のマラソン代表3枠のうち2人が決定する「MGC(マラソングランドチャンピオンシップ)」が10月15日(日)に東京・国立競技場を発着点とするコースで行われる(男子8時00分、女子8時10分スタート)。
パリ五輪選手選考に関して日本陸連が示している「代表内定条件」は、「23年10月のMGCで、1・2位が内定」。
「3人目」は24年3月までの指定レースで「男子2時間05分50秒以内」「女子2時間21分41秒以内」で走った中で最も記録が良かった選手というものだ。ただし、「MGC」の3位の記録が上記を上回った場合、そのタイムより1秒早いものが新たな設定記録なる。上記の設定記録をクリアした者が24年3月末時点でいない場合は、MGC3位の選手が内定となる。

ここでは、現地あるいはテレビ中継での観戦のお供として「記録と数字で楽しむMGC2023」をお届けする。
なお、前回のMGCあるいはその他の各大会で紹介したことがあるデータや文章も含むが、可能な限り最新の記録や情報に修正した。

MGC参加資格の獲得期限(5月31日)までに男子67名、女子29名が出場権を得た。2019年9月15日に行われた前回のMGCの有資格者は、男子34名(出場は30名)、女子15名(出場は10名)だったので男女ともほぼ倍増となった。

男子は67人の有資格者のうち、10月5日行われた杭州アジア競技大会を走った池田耀平(Kao)と定方俊樹(三菱重工)はエントリーせず。10月3日までに欠場を表明したのは大六野秀畝(旭化成)、ブダペスト世界選手権に出場した西山和弥(トヨタ自動車)、そして、佐藤悠基(SGホールディングス)、丸山竜也(トヨタ自動車)の2人も欠場で61名が出場予定。

女子は、29名のうち9月24日のベルリンに出場した新谷仁美(積水化学)、杭州アジア競技大会を走った大西ひかり(JP日本郵政G)がエントリーせず。10月3日までに欠場を表明したのは、ブダペスト世界選手権を走った松田瑞生(ダイハツ)と佐藤早也伽(積水化学)で、25名でのスタート予定である。

男女ともに現在の「オールスター」がほぼ勢揃いし、前回以上の盛り上がりが期待できそうである。


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気象状況と記録の関係

2019年のMGCは9月15日に行われ(男子8時50分、女子9時10分スタート)、天候は晴れで、気温と湿度はスタート時が男子26.5℃・63%、女子26.9℃・63%。フィニッシュ時が28.8℃・61%と29.2℃・60%で、暑い中でのレースだった。

今回の「MGC」は1カ月遅い10月15日の午前8時00分に男子、10分後に女子のスタートなので高温の心配はあまりなさそうだ。
2019年からの4年間の10月15日の東京の気象状況は以下の通り。

時刻2022年2021年2020年2019年
8時00分曇・19.2℃・81%晴・20.2℃・78%雨・17.8℃・85%曇・17.9℃・91%
8時30分曇・19.4℃・79%晴・21.1℃・76%雨・18.1℃・84%曇・18.7℃・87%
9時00分曇・19.6℃・79%晴・21.2℃・74%曇・18.5℃・80%曇・19.4℃・82%
9時30分雨・19.6℃・81%晴・22.2℃・71%曇・18.4℃・81%曇・19.7℃・80%
10時00分雨・20.5℃・75%晴・21.8℃・70%雨・18.5℃・81%晴・21.2℃・74%
10時30分曇・21.6℃・75%曇・22.5℃・73%曇・18.6℃・77%曇・20.6℃・70%

2021年は終始20℃を超えていたが上昇は22℃台までだった。2008年以降の15年間で8時00分時点が20℃以上だったのは、2021年のみ。8時00分時点で最も低かったのは2016年の15.0℃で、15℃台3回、16℃台2回、17℃台5回、18℃台2回、19℃台2回、20℃台1回だった。その後の気温上昇は、2~3℃程度だ。

パリの本番は男子が2024年8月10日、女子が8月11日のともに午前8時00分のスタート。
2019年からの5年間のパリの8月10日と11日の午前8時00分からの30分毎の天候と気温は以下の通り。なお、湿度のデータは見つけられなかった。

<2019年以降の5年間の8月10日のパリの天候と気温>
時刻2023年2022年2021年2020年2019年
8時00分曇・21℃晴・21℃晴・16℃晴・23℃曇・18℃
8時30分曇・21℃晴・21℃晴・16℃晴・23℃曇・18℃
9時00分曇・21℃晴・22℃晴・16℃晴・24℃晴・20℃
9時30分曇・21℃晴・23℃晴・18℃晴・26℃曇・19℃
10時00分曇・21℃晴・24℃晴・18℃晴・27℃曇・20℃
10時30分曇・21℃晴・25℃晴・19℃晴・29℃曇・20℃

<2019年以降の5年間の8月11日のパリの天候と気温>
時刻2023年2022年2021年2020年2019年
8時00分晴・19℃晴・22℃晴・18℃晴・25℃晴・15℃
8時30分晴・20℃晴・23℃曇・19℃晴・27℃晴・15℃
9時00分晴・21℃晴・24℃曇・20℃晴・28℃晴・16℃
9時30分晴・22℃晴・25℃曇・20℃晴・29℃晴・16℃
10時00分晴・23℃晴・26℃曇・21℃晴・30℃晴・16℃
10時30分晴・24℃晴・28℃曇・22℃晴・31℃晴・17℃

2020年8月11日は30℃オーバーで前日の10日も25℃以上。22年も比較的高めの気温だったが、他の3年間は終始25℃未満で、19年以降の10月15日の日本よりも「やや高め」という気温だった。

以下の「表」に1983年以降の「世界選手権」と「五輪」での「気温・湿度」と「優勝・3位・8位の記録」「完走率」を示した。
・気象状況は、リザルトに記載されているもの。
・リザルトに記載がないものは、国際陸連発行の資料(Statistics Handbook)に掲載のデータ。
・それにもないものは、両陸上専門月刊誌に掲載された記事のデータ。

日本国内のレースでは、リザルト用紙に「スタート時」「5㎞地点」「10㎞地点」などの「天候」「気温」「湿度」「風向」「風速」が細かく記載されることが多いが、海外では「天候」の記載もあまりなく、「スタート時と終了時」あるいは「スタート時」の「気温と湿度」のみだったりがほとんどだ。また「終了時」もトップ選手のフィニッシュ時点の場合であったり最終走者のフィニッシュ時点の場合であったりする。

「1位・3位・8位」の記録については、数年後に「ドーピングで失格」などで繰り上がった場合の修正がきちんとできていない場合があるかもしれないことをお断りしておく。

「完走率(完走者/出場者)」は、のちに「ドーピング違反」などで「失格」となった者のうち、フィニッシュラインを越えたことが確かな者については「完走」として扱った。

【男子/1983年以降の世界選手権と五輪の気温と湿度、1・3・8位の記録とトップの前後半タイム、完走率】
・「前半」は、その時点でトップの選手の通過タイムで優勝者のものとは限らない。
<男子>
スタート時→終了時優勝記録(前半+後半)3位記録8位記録完走率(完走者/出場者)
198315℃・35%→?℃・?%2.10.03.(??.??.+??.??.)2.10.37.2.11.15.75.3%(63/81)
1984五輪27℃・?%→?℃・?%2.09.21.(??.??.+??.??.)2.09.58.2.11.39.72.2%(78/108)
198721℃・83%→22℃・74%2.11.48.(65.37.+66.11.)2.12.40.2.14.41.72.3%(47/65)
1988五輪25℃・74%→?℃・?%2.10.32.(64.49.+65.43.)2.10.59.2.13.07.80.3%(98/122)
199126℃・73%→28℃・58%2.14.57.(66.25.+68.32.)2.15.36.2.17.03.60.0%(36/60)
1992五輪25℃・72%→?℃・?%2.13.23.(67.22.+66.01.)2.14.00.2.14.42.79.1%(87/110)
199325℃・63%→25℃・63%2.13.57.(66.30.+67.27.)2.15.12.2.18.52.63.2%(43/68)
199526℃・43%→?℃・?%2.11.41.(66.54.+64.47.)2.12.49.2.16.13.68.8%(53/77)
1996五輪23℃・92%→?℃・?%2.12.36.(67.36.+65.00.)2.12.36.2.14.55.89.5%(111/124)
199729℃・48%→?℃・?%2.13.16.(67.08.+66.08.)2.14.16.2.17.44.64.8%(70/108)
199929℃・43%→28℃・?%2.13.36.(67.24.+66.12.)2.14.07.2.16.17.81.3%(65/80)
2000五輪21℃・18%→?℃・?%2.10.11.(65.02.+65.09.)2.11.10.2.14.04.81.0%(81/100)
200119℃・58%→28℃・?%2.12.42.(66.59.+65.43.)2.13.18.2.17.05.76.0%(73/96)
200315℃・72%→?℃・?%2.08.31.(64.45.+63.46.)2.09.14.2.10.35.77.5%(69/89)
2004五輪30℃・39%→?℃・?%2.10.55.(67.23.+63.32.)2.12.11.2.14.17.80.2%(81/101)
200517℃・88%→17℃・88%2.10.10.(64.17.+65.53.)2.11.16.2.12.51.64.2%(61/95)
200728℃・81%→33℃・67%2.15.59.(68.29.+67.30.)2.17.25.2.19.21.67.1%(57/85)
2008五輪24℃・52%→30℃・39%2.06.32.(62.34.+63.58.)2.10.00.2.11.11.80.0%(76/95)
200918℃・73%→21℃・49%2.06.54.(63.03.+63.51.)2.08.35.2.14.04.76.9%(70/91)
201126℃・56%→29℃・47%2.07.38.(65.07.+62.31.)2.10.32.2.11.57.76.1%(51/67)
2012五輪23℃・78%→25℃←途中2.08.01.(63.15.+64.46.)2.09.37.2.12.17.81.0%(85/105)
201323℃・38%→23℃・38%2.09.51.(65.12.+64.39.)2.10.23.2.11.43.72.9%(51/70)
201522℃・73%→?℃・?%2.12.28.(66.52.+65.36.)2.13.30.2.14.54.65.6%(42/64)
2016五輪24℃・?%→?℃・?%2.08.44.(65.55.+62.49.)2.10.05.2.11.49.89.7%(139/155)
201718℃・60%→?℃・?%2.08.27.(65.28.+62.59.)2.09.51.2.12.16.72.4%(71/98)
201929℃・51%→29℃・51%2.10.40.(65.57.+64.43.)2.10.51.2.11.49.75.3%(55/73)
2021五輪26℃・80%→27℃・77%2.08.38.(65.13.+63.25.)2.10.00.2.11.41.71.7%(76/106)
202213℃・88%→16℃・79%2.05.36.(64.08.+61.28.)2.06.48.2.07.35.87.1%(54/62)
202322℃・77%→28℃・61%2.08.53.(65.02.+63.51.)2.09.19.2.10.47.70.6%(60/85)

29大会中完走率80.0%以上は9大会(31.0%)。スタート時か終了時で25℃以上は17大会で完走率80.0%以上は5大会(29.4%)。

前後半のタイムが判明している27大会のうち前半の方が後半よりも速かったのは9大会(33.3%)で、残る18大会(66.7%)は、後半の方が速い「ネガティブ・スプリット」だった。95年以降は21大会中17回(81.0%)が後半にペースアップしていて、13年以降の8大会はすべて後半の方が速い。

前後半の差が最も大きかったのは、涼しい中での22年オレゴン世界選手権で前半よりも後半が2分40秒速かった。この時の20㎞以降の5㎞ごとのスプリットは、15分16秒-15分00秒-14分12秒-14分09秒-6分06秒(5㎞換算13分54秒)。30km以降を14分ちょっと(30~40km28分21秒)で押し切っているが、トラック10000mの22年日本100位は28分27秒80。30kmを走ってきたあとに、そんなスピードでカバーしているのだ。さらにラスト2.195kmは5km換算13分54秒にペースアップしているのだから驚きだ。


【女子/1983年以降の世界選手権&五輪の気温と湿度、1・3・8位の記録とトップの前後半タイム、完走率】
・「前半」は、その時点でトップの選手の通過タイムで優勝者のものとは限らない。
・1995年(「*」印)は、スタート直後の周回ミスのため400m距離不足(41.795㎞)の記録。
<女子>
スタート時→終了時優勝記録(前半+後半)3位記録8位記録完走率(完走者/出場者)
1983?℃・?%→?℃・?%2.28.09.(??.??.+??.??.)2.31.13.2.34.14.86.4%(51/59)
1984五輪24℃・?%→27℃・?%2.24.52.(??.??.+??.??.)2.26.57.2.29.09.88.0%(44/50)
198727℃・63%→23℃・74%2.25.17.(71.54.+73.23.)2.32.53.2.35.16.80.5%(33/41)
1988五輪16℃・50%→?℃・?%2.25.40.(72.20.+73.20.)2.26.21.2.30.14.91.4%(64/68)
199124℃・60%→27℃・49%2.29.53.(74.49.+75.04.)2.30.10.2.33.00.61.5%(24/39)
1992五輪30℃・70%→?℃・?%2.32.41.(??.??.+??.??.)2.33.59.2.38.46.78.7%(37/47)
199323℃・68%→25℃・53%2.30.03.(74.39.+75.24.)2.31.01.2.36.33.71.9%(23/32)
199524℃・39%→?℃・?%*2.25.39.(*72.42+72.57.)*2.30.11.*2.32.17.74.4%(32/43)
1996五輪21℃・61%→?℃・?%2.26.05.(72.31.+73.34.)2.28.39.2.31.16.74.7%(65/87)
199730℃・48%→?℃・?%2.29.48.(75.42.+74.06.)2.31.55.2.36.16.72.0%(54/75)
199924℃・63%→32℃・?%2.26.59.(74.30.+72.29.)2.27.41.2.29.11.82.4%(42/51)
2000五輪23℃・85%→?℃・?%2.23.14.(71.45.+71.29.)2.24.45.2.27.07.84.9%(45/53)
200125℃・44%→?℃・?%2.26.01.(72.17.+73.44.)2.26.18.2.28.54.89.7%(52/58)
200318℃・42%→?℃・?%2.23.55.(72.46.+71.09.)2.25.09.2.26.49.91.2%(62/68)
2004五輪35℃・38%→?℃・?%2.26.20.(74.02.+72.18.)2.27.20.2.31.56.80.5%(66/82)
200516℃・94%→18℃・83%2.20.57.(69.49.+71.08.)2.23.19.2.25.46.89.5%(51/57)
200727℃・74%→32℃・55%2.30.37.(76.35.+74.02.)2.30.55.2.32.22.86.4%(57/66)
2008五輪23℃・73%→24℃・69%2.26.44.(75.11.+71.33.)2.27.07.2.27.51.85.2%(69/81)
200919℃・64%→23℃・41%2.25.15.(73.40.+71.35.)2.25.32.2.27.39.87.5%(60/71)
201126℃・72%→28℃・62%2.28.43.(76.46.+71.57.)2.29.14.2.30.25.86.8%(46/53)
2012五輪14℃・?%→17℃・?%2.23.07.(73.13.+69.54.)2.23.29.2.25.27.89.0%(105/118)
201327℃・66%→28℃・48%2.25.44.(72.58.+72.46.)2.27.45.2.35.49.65.7%(46/70)
201521℃・88%→?℃・?%2.27.35.(75.17.+72.18.)2.27.39.2.30.54.80.0%(52/65)
2016五輪19℃・?%→?℃・?%2.24.04.(72.56.+71.08.)2.24.30.2.27.36.85.3%(133/156)
201719℃・56%→?℃・?%2.27.11.(74.53.+72.18.)2.27.18.2.28.49.85.7%(78/91)
201932℃・74%→32℃・74%2.32.43.(76.40.+76.03.)2.34.15.2.41.24.57.1%(40/70)
2021五輪25℃・84%→29℃・67%2.27.20.(75.14.+72.06.)2.27.46.2.30.13.83.0%(73/88)
202210℃・90%→16℃・75%2.18.11.(69.01.+69.10.)2.20.18.2.23.34.80.0%(32/40)
202323℃・77%→29℃・57%2.24.23.(74.29.+69.54.)2.25.17.2.27.23.77.9%(65/77)

五輪を含めた29大会中完走率80.0%以上は20大会(70.0%)。気温が判明している28大会のうちスタート時か終了時で25℃以上は14大会で完走率80.0%以上は8大会(57.1%)。男子と比べると、完走率が高い。
2010年代以降の五輪を含む10大会では、13年と19年の完走率が65.7%と57.1%と非常に低かった。スタート時に13年が27℃、19年が32℃の高温だったのが影響したようだ。

11年以降ではこの2大会と22年オレゴンを除けば、金メダルと銅メダルの差は4秒~31秒。トップと入賞ラインは13・19・22年以外は概ね2分~3分あまりの差だった。

前後半の記録が判明している26大会で、前半よりも後半の方が速い「ネガティブ・スプリット」は、18大会(69.2%)。07年からの23年の13大会中22年以外の12大会は前半よりも後半が速かった。
低温で、マラソンには絶好の条件となった22年オレゴンは序盤からハイペースで展開し、前半が後半よりも10秒速かった。
前後半差が最も大きかったのは、2011年の4分49秒差。この時は、最初の5㎞が18分39秒と世界選手権史上最遅だったが、35㎞から40㎞を16分10秒で走った。


気温による記録の低下率

五輪も世界選手権も、そして今回のMGCもペースメーカーのいない「記録ではなく勝負」のレース。
とはいえ、持ちタイムがいい選手ほどどんなペースになろうとも「余裕」があることは確かだろう。

気温による記録の低下率に関して、これまでにも何度か示したことがあるデータを紹介する。
1960年代から70年代にかけての古い研究だが、「マラソン博士」といわれた故・高橋進氏によって、「気温がマラソンの記録に及ぼす影響」のデータが示されている(「マラソン(講談社。1981年)」)。

下表がそれだ。
パリ五輪選手選考に関して日本陸連が示している「代表内定条件」は、「23年10月のMGC(マラソングランドチャンピオンシップ)で、1・2位が内定」。
「3人目」は24年3月までの指定レースで「男子2時間05分50秒以内」「女子2時間21分41秒以内」で走った中で最も記録が良かった選手というものだ。ただし、「MGC」の3位の記録が上記を上回った場合、そのタイムより1秒早いものが新たな設定記録なる。上記の設定記録をクリアした者が24年3月末時点でいない場合は、MGC3位の選手が内定となる。
そんなことで、下記の「推定される記録」は、「2時間05分50秒」「2時間21分41秒」を基準に、高橋氏の示した阻害率から「暑さに強い選手」と「暑さに弱い選手」の記録の範囲を計算したものである。

【気温によって記録が阻害される率】
 暑さに 推定される記録推定される記録
気温強い選手弱い選手2.05.50.基準2.21.41.基準
14℃0.00%0.20%2.05.50.~2.06.05.2.21.41.~2.21.58.
15℃0.00%0.50%2.05.50.~2.06.28.2.21.41.~2.22.24.
16℃0.00%1.00%2.05.50.~2.07.06.2.21.41.~2.23.06.
17℃0.00%2.00%2.05.50.~2.08.21.2.21.41.~2.24.31.
18℃0.00%3.00%2.05.50.~2.09.37.2.21.41.~2.25.56.
19℃0.30%3.50%2.06.13.~2.10.15.2.22.07.~2.26.39.
20℃0.50%4.00%2.06.28.~2.10.52.2.22.24.~2.27.21.
21℃1.00%4.50%2.07.06.~2.11.30.2.23.06.~2.28.04.
22℃1.00%5.00%2.07.06.~2.12.08.2.23.06.~2.28.46.
23℃1.50%6.00%2.07.44.~2.13.23.2.23.49.~2.30.11.
24℃2.00%6.50%2.08.21.~2.14.01.2.24.31.~2.30.54.
25℃2.50%7.00%2.08.59.~2.14.39.2.25.14.~2.31.36.
26℃3.00%7.50%2.09.37.~2.15.17.2.25.56.~2.32.19.
27℃3.50%8.00%2.10.15.~2.15.54.2.26.39.~2.33.01.
28℃4.00%9.00%2.10.52.~2.17.10.2.27.21.~2.34.26.
29℃5.00%10.00%2.12.08.~2.18.25.2.28.46.~2.35.51.
30℃6.00%11.00%2.13.23.~2.19.41.2.30.11.~2.37.16.
31℃7.00%12.00%2.14.39.~2.20.56.2.31.36.~2.38.41.
32℃8.00%13.00%2.15.54.~2.22.12.2.33.01.~2.40.06.
33℃9.00%14.00%2.17.10.~2.23.27.2.34.26.~2.41.31.
34℃10.00%15.00%2.18.25.~2.24.43.2.35.51.~2.42.56.
35℃11.00%16.00%2.19.41.~2.25.58.2.37.16.~2.44.21.

以上の通りで、レース前の数日間や1週間くらい前からの気温や湿度にもよるが、暑さに弱い選手は、15℃を超えるあたりから絶好のコンディション(10℃くらい)と比べ記録への影響が出始め、20℃を超えると暑さに強い選手でも影響が出てくるようだ。

先に示した通り、過去4年間のデータからすると今回のMGCは20℃前後くらいの中でのレースになる可能性が高そうだ。
「暑さに弱い選手」は、気温によっては本来よりも2~5分程度阻害される可能性はあるが、25℃以上での条件下のレースのように多くの選手が「暑さにやられて後半に大きく失速」という可能性は少なさそうだ。
25℃を超えるレースでは前半が「様子見」でスローペースになることが多いが、今回は最初から「それなりのペース」で進むことになるかもしれない。


野口純正(国際陸上競技統計者協会[ATFS]会員)
写真提供:フォート・キシモト


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