2023.07.14(金)大会

【アジア選手権】2日目ハイライト&メダリストコメント~金3、銀6、銅3! 日本のメダルラッシュ続くー400m佐藤拳がブダペスト&パリの参加標準記録をクリア!~


ⒸTakashi OKUI photography

Day2:7月 13日(木)

タイの首都バンコクにあるスパチャラサイ国立競技場で開催中の第25回アジア陸上競技選手権大会は、7月13日に2日目の競技が行われました。この日は、早朝から強い日射しが照りつけ、1日目以上に厳しい暑さに。モーニングセッションでは、予定されていた女子走幅跳予選がなくなって翌日の決勝のみとなったため、日本チームは、十種競技(110mハードル、円盤投、棒高跳)のほか、男女スプリントハードル(男子110mハードル、女子100mハードル)の予選に出場。4選手ともに順当に予選を通過しました。

モーニングセッション唯一の決勝種目となったのは、男子ハンマー投。日本からは柏村亮太選手(ヤマダホールディングス)と福田翔大選手(日本大学大学院)の日本大学先輩後半コンビが出場。福田選手は3回目に、日本選手権を制した際にマークした自己記録71m79を塗り替える71m80をマーク。1回目を70m59で滑りだした柏村亮太選手(ヤマダホールディングス)と2・3位で前半を折り返します。しかし、4回目に中国のWang QI選手が72m13を投げてトップに躍り出ると、2人は3・4番手に。福田選手は最終的に2回目が決勝記録となって銅メダルを獲得。柏村選手は4回目に71m24まで記録を伸ばしたものの逆転はかなわず、4位という結果となりました。

男女9種目の決勝が行われたイブニングセッションで、チームジャパンが劇的なレースと好記録を叩き出したことで、会場を大きく沸かせたのが男子400mです。日本からは佐藤風雅選手(ミズノ)と佐藤拳太郎選手(富士通)の“W(ダブル)佐藤”がメダルに挑みました。レースは、ベテランのAHMED MASRAHI Yousef選手(サウジアラビア)がリードを奪い、先頭で最終コーナーを抜けてくる展開となりましたが、ここから佐藤拳と佐藤風が猛追して逆転し、日本勢がワンツー・フィニッシュ。佐藤拳は日本歴代2位で、ブダペスト世界選手権およびパリオリンピックの参加標準記録に並ぶ45秒00で、アジア王者の座を獲得。佐藤風も日本歴代5位タイとなる45秒13の自己新記録をマークと、ともにこの種目でのブダペスト世界選手権出場をほぼ確実なものにしました。

男子400mの1つ前、イブニングセッション最初のトラック決勝レースとなった女子100mハードル決勝は、選手が入場して、まさにスタートの準備が整ったタイミングで、激しい夕立に見舞われて競技がいったんストップするアクシデント。まさに“雨季のタイの洗礼”を浴びる形となりました。雨脚が少し弱まったタイミングで競技が再開されたものの、中国のWu YANNI選手の不正出発により、スタートのやり直しに、さらに失格を不服とする抗議が長引き、他の選手たちは降りしきる雨のなかで再スタートを待たなければならなくなってしまいました。こうしたトラブルの影響で、出発時間がかなり遅れる形でスタート。序盤は、青木益未選手(七十七銀行)が先行しましたが、中盤以降から、寺田明日香選手(ジャパンクリエイト)とYARRAJI Jyothi選手(インド)の首位争いに。YARRAJI選手が13秒09(-0.1)で制し、寺田選手が13秒13、青木選手は13秒26をマークして2・3位でフィニッシュ。寺田選手にとっては“最初の現役時代”に出場した2009年大会以来となる銀メダル、青木選手は前回のドーハ大会に続く銅メダル獲得となりました。

男子1500mは、高橋佑輔選手(北海道大学大学院)が3分42秒04で銀メダルを獲得。状態をうまく上げることができずに苦しんだという日本記録保持者の河村一輝選手(トーエネック)は、3分45秒46で8位でした。また、女子400mは、久保山晴菜選手(如水会今村病院)が53秒80で4位、松本奈菜子選手(東邦銀行)は53秒89・5位でフィニッシュ。このほか、女子10000m決勝は、どちらも今回が初の代表入りである小海遥選手(第一生命グループ)と川口桃佳選手(ユニクロ)が出場し、小海選手が32分59秒36で優勝、川口選手が33分18秒72・2位と上位を独占。小海選手は、日本チャンピオンの座に収まる前に、アジアチャンピオンの肩書きを担うこととなりました。

フィールド種目は、男子三段跳・女子走高跳・女子ハンマー投の各決勝が行われました。男子三段跳では、池畠旭佳瑠選手(駿大AC)が最終跳躍でセカンド記録となる16m73(+0.2)の今季日本最高をマークして2位に浮上し、銀メダルを獲得。伊藤陸選手(スズキ)は、3回目に跳んだ15m47(+0.4)が今回の最高記録で、トップ8に進出することができず13位で競技を終えました。女子走高跳に出場した髙橋渚選手(メイスンワーク)は、今回初めて1m75から試技を開始する取り組みにチャレンジしましたが、1回目を失敗して2回目のクリアとなりました。続く1m80、1m83は身体を大きく浮かせて1回で成功させたものの、自己新記録となる1m86の攻略はならず、3位と同記録の1m83で4位タイ。メダル獲得には僅かに届きませんでした。

日本記録保持者(69m89)のマッカーサージョイアイリス選手(NMFA)と学生記録・U20日本記録保持者(65m33)の村上来花選手(九州共立大学)が揃って出場した女子ハンマー投では、最終投てきで66m56をマークしたマッカーサー選手が2位、4回目に64m17を投げた村上選手が3位を占め、銀・銅メダルを獲得。村上選手は、このあとワールドユニバーシティゲームズに向けて、マッカーサー選手は秋に開催されるアジア大会に向けて、ともに弾みをつけました。

後半の5種目が行われた男子十種競技は、丸山優真選手(住友電工)が棒高跳を終えた段階で首位に浮上し、そのまま逃げきって7745点で優勝。2月に行われたアジア室内(七種競技)に続いてのアジアチャンピオンのタイトルを獲得。ともに出場していた田上駿選手(陸上物語)は、7187点・4位で2日間の戦いを終えました。

また、イブニングセッションで予選が行われた男女100mは、男子は坂井隆一郎(大阪ガス)・栁田大輝(東洋大学、ダイヤモンドアスリート)の2選手が、女子は、初日に4×100mリレーで銀メダルを獲得した君嶋愛梨沙(土木管理総合)と御家瀬緑(住友電工)の2選手が出場。4選手ともに大会3日目のイブニングセッションで行われる準決勝に駒を進めています。

この日、メダルを獲得した日本選手のコメントは、以下の通りです。


【日本人メダリストコメント】

◎男子400m 佐藤拳太郎(富士通)

優勝 45秒00 

=ブダペスト世界選手権参加標準記録、パリオリンピック参加標準記録突破


ⒸTakashi OKUI photography

45秒00。「00」ってところが僕っぽい。ここで44秒99を出せないところが僕っぽいなと思う。
(スコールやスタート機器の不具合など)いろいろとトラブルがあって、スタート時間も遅れたが、それでも今日は自分のレースをしようというふうにずっと考えながら走った。雨は降ったが、風の条件とかはいい状況だったので、記録は出せるなと思っていた。何よりも、(佐藤)風雅とワンツーを取れたことが一番嬉しい。

世界選手権の参加標準記録とともに、パリ(オリンピック)の標準記録をクリアしたわけだが、自分としては、まずは「世界選手権で決勝に残ること、その先にパリがある」と思っている。パリの標準を切れたから、「やった!」と喜ぶのではなく、この記録以上のものをパリで発揮できるように、それ以上の力を持ってパリオリンピックに臨めるような準備をしていきたい。

コーナーを抜けたところで先行されているなと思ったが、最後まで諦めずに走ったら、差しきることができた。自分らしいレースではなかったが、(逆転できて)よかったと思う。ここでアジアのタイトルを取れたのはよかったと思うが、まだまだ世界でどうこう言えるほどのタイムではない。44秒中盤というところを常に出していけるように頑張っていきたい。

日本選手権がうまく走れなかった(45秒26、2位)ので、自分が求める動きができるように、この試合に合わせて修正してきた。意識したのは、「タイムより形」。走っているときのフォームに注意してきた。今日は、最後の100mは崩れてしまったと思うが、それ以外は概ね良かったと思う。

世界選手権では、髙野(進)先生以来(1991年東京世界選手権決勝進出)の決勝の舞台に1人でも多く立つことが目標。その結果がマイル(4×400mリレー)でのメダル獲得につながってくると考えている。まずは、世界陸上の準決勝で勝負ができる選手になれるよう、一から準備をしていきたい。


◎男子400m 佐藤風雅(ミズノ)
2位 45秒13


ⒸTakashi OKUI photography

悔しいというのが一番の感想。予選(45秒97)・準決勝(45秒61)とかなり調子がよかったので、優勝を意識していたが、決勝はもう少し乗りきれなくて、後半で追い上げる展開になってしまった。その追い上げるところで(佐藤)拳太郎さんを差しきれなかったのは、一番悔しい展開だった。

拳太郎さんは後半が得意な選手ではないので、ホームストレートに出るところでは、このまま行けば差しきれると思っていた。拳太郎さんが(最後まで)もったこともあるが、自分が前半で乗りきれなかったぶん、苦労をして追い上げる形となった。自分のレースではなかった。

44秒台を狙っていたので、このタイム(45秒13)はすごく悔しいが、自己ベストは更新することはできた。これで世界陸上も枠内に入れると思う。世界陸上では、去年よりもいい結果を出して、44秒台も出して終わりたい。

世界陸上までは、もっとうまく乗れる前半をつくって、自分のレースを確立させることを目指していく。拳太郎さんが45秒00で、ジョセフ(中島佑気ジョセフ、東洋大)も45秒1台。今まで遠かった44秒台を、もう誰が出してもおかしくないというか、世界陸上で全員が出せるんじゃないかというような勢いがあると思う。

また、マイル(4×400mリレー)も、今年は絶対にメダルを取りに行く。昨年は決勝に行くのが目標で、そのなかでメダルという目標がいきなりできたわけだが、今度は必ず取るメダル。しっかりチームワークをつくり、メダルを取りにいきたい。


◎男子1500m 高橋佑輔(北海道大学大学院)

2位 3分42秒04


ⒸTakashi OKUI photography

自分の(ワールドランキングの)ポイントでは、世陸は遠いという状況だったので、予定では、自分が(1周)57秒で引っ張って、(3分)35(秒)を切るくらいのイメージで自分が突っ込んで、集団を引っ張るレースをしようと思っていた。しかし、1周目から完全にポケットされてしまい、前に出ようとしても人に当たってしまって出られず、そのまま流れてラスト400(m)で前に出た。バックストレートでカタールの選手に背中を押されたので加速して単独で前に出て、最後はインドと中国の選手とバトルという形になった。展開としては、日本選手権(2位)と全く同じような流れだったので、レースプランがうまくいかなかった割には、よく修正できたのかなと思う。

ただ、世界を狙う走りとなると、これでは全然足りない。今の率直な感想としては、アジアで2位というのは非常に嬉しいところなのだが、今後、オリンピックや世陸を戦ううえでは物足りないレースだったのかなと思う。言語も異なる知らない国の人と一緒に走るということで、スタート前にはかなり怖さを感じた。こういう環境にも慣れていかなければならない。そのなかで、勝ちきることはできなかったが、2位になれたということは、自信になったのかなと思う。


◎男子三段跳 池畠旭佳瑠(駿大AC)

2位 16m73(+0..6)


ⒸTakashi OKUI photography

本当に試合が楽しくできた。純粋に楽しかった。予選(前半3回の試技)は、修正の必要なところがあったが、それを3回目までに直せたことがよかった。3回目で13m42をマーク。シーズンベストではあるが、いい状態の年は普通に出ていた記録なので、「まあまあ、まあまあ」という気持ちでやっていた。

6回目の16m73は、「あ、伸びたな」という感じ。また、自分は日ごろ教える側の立場にいるので、(跳躍担当ディレクターの)森長(正樹)さんも含めて、みんなが見てくれるというのがとても新鮮だった。心強かった。なんか自分が学生に戻ったような気分(笑)で、超楽しかった。

(ワールドランキングの)ポイントがボーダーに近かったので、これで少し(順位は)上がると思う。もしこのあと(世界選手権)につながれば、まずは選手として頑張りたいと思っている。コーチとして学生も見ているし、中学生も見ているし、子どもも生まれた。基本的に「模範になれ」と言い続けているので、そこを崩さずに競技を続けていけたらなと思っている。


◎男子ハンマー投 福田翔大(日本大学大学院)

3位 71m80


ⒸTakashi OKUI photography

初めてのアジア選手権だったが、日本選手権のときのほうが緊張していて、この大会はワクワクする気持ちで臨むことができていた。嫌な緊張感がなく、楽しむことができた。

この結果(銅メダル)は、最低限のラインだったかなと思っている。エントリーしている選手の記録を考えると優勝も狙えたのだが、それを逃してしまった。アジア大会でリベンジしたい。71m80は自己ベスト。今季はだいぶアベレージも上がってきている。このあと練習して、73mとか74m台とかを投げられるようにしたい。

自分の課題は、上半身だけを使って、力づくでハンマーを振り回してしまうところ。逆に、そこがうまく行けば飛ぶという、博打のような投げになっているので、もうちょっと時間をかけて、技術的な改善にも取り組んでいきたいと考えがえている。今日の試合でも、後半で(記録を)伸ばしてくる選手が多かった。自分も後半の試技で、欲を出しすぎずに、動きを崩すことなく投げられるようにしていきたい。


◎男子十種競技 丸山優真(住友電工)

優勝 7745点


ⒸTakashi OKUI photography

この大会の優勝は、去年から目標に掲げて取り組んできた。ケガを含めて、この大会でもいろいろなことがあったが、「ケガをしているけれど、そこでどう乗り越えたらいいか」は、これまでもずっと考えながらやってきたこと。しんどかったのはしんどかったが、「アジア選手権優勝というのを確実に取るぞ!」という目標をずっと持ち続け、その気力でここまで来たように思う。

ケガは日本選手権のときに生じた左足首の圧迫捻挫に加えて、そのズレが影響して、左かかとにも痛みが出ていた。あとは腰。走高跳のあとはジョグをするのもつらくて、400mのレース中に、途中棄権しなければならなくなるんじゃないかと思うほどだった。腰があまりに痛いので、腹筋をぐっと締めて走り抜いた。なんとか走りきれたことで、本当にホッとした。

点数は全然ダメだが、このグラウンドコンディションや身体のコンディションのなか、以前だったら絶対に棄権していたと思うところを、ここまで耐えてやれたことは、一つ自分の成長かなと思う。最後まで競技することができたのは、本当に、毎日毎日ケアしてくださったトレーナーさんやドクターの方々のおかげ。本当に感謝している。

(ターゲットナンバー内にアジアの選手が不在なので)これでエリアチャンピオンとして世界陸上に出られる可能性が高くなった。まずは「元気な丸山」を見てほしいなというのが一つ。そして点数だと、ドベ(最下位)のドベなので、エリアチャンピオンとして出られても戦うのは難しいというのが正直な状況だが、来年のパリオリンピックにつながるような試合展開を見せていけたらいいなと思う。


◎女子10000m 小海遥(第一生命グループ)

優勝 32分59秒36


ⒸTakashi OKUI photography

このアジア選手権は、出場することを目標にしてきたので、優勝までは考えていなかった。なので、金メダルという結果に、まだ実感が湧かないというのが正直なところ。この大会に向けては、調整がうまく行かなかったこともあり、少し不安もあったなかのレースだった。それもあって、入賞とか、自分の力を最後まで出せればいいかなという思いで走っていた。

暑い気候のなかだったので、スローペースになるんだったら、日本人選手で引っ張り合おうと考えていたが、前に出てくる選手が2人くらいいたので、そこについていこうと直感で思い、レースを進めた。それもあって、イメージしていたのとは異なる展開となったが、臨機応変に対応できたなと思う。

この結果が自信になるかは自分ではわからないが、「もっと上を目指したいな」というのは思った。
今季は安定した結果が残せるようになってきている。今までは、1回1回の試合に出たあとにケガをしたり、体調不良になったりすることが多かったのが、今年はそれがあまりないなかでやってくることができているのが理由なのかなと思う。

日本代表として臨む次の試合は、アジア大会となる。その後、駅伝もあるし、12月には日本選手権10000mもある。自分としては日本選手権にしっかり合わせていきたいと思っているので、そこにつながる走りができるよう、夏にしっかり練習していきたい。


◎女子10000m 川口桃佳(ユニクロ)

2位 33分18秒72


ⒸTakashi OKUI photography

(気象コンディションなど)あまり条件が良くないので、タイムよりも順位を目標として、メダル獲得ができればいいなという思いで走った。周りは関係なく自分のペースで行き、自分が強みとしている粘りを生かして、最後まで粘り強い走りをしたいと思っていた。今回、諦めずに前を追って走ることができて、2位ではあるがメダルを獲得できて、すごく嬉しい。

これからは10000mでベストを出せるくらいまで持っていきたいと思っている。それにつながるワンステップというか、いい走りは今日の時点ではできたと思う。まだまだこの段階では、上に行くことは難しいと感じているが、競技を楽しみながら世界と戦えるような力をつけていきたい。


◎女子100mハードル 寺田明日香(ジャパンクリエイト)

2位 13秒13(-0.1)


ⒸTakashi OKUI photography

実は、バンコクに入ってから、すごく調子が悪かった。だから「どうしよう」という心境だった。もうできることをやるしかないと思い、レースに臨んだという感じ。新しくやってきたこととかはいったん抜きにして、「4台目まで行く」。それだけを考えて、何があっても4台目までと思ってスタートしたことで、割りきれて行くことができたと思う。

ただ、タイムが思っているよりも出なくて…。走路が軟らかくて、反発も全然返ってこないので、接地したときの(地面への)プッシュが長くなっても行くしかないという気持ちだった。タイムは悪いけれど、とりあえず順位を取って、(ワールド)ランキングにちょっとでも加算できればいいかなくらいの感じで割りきって行った。この結果で、ランキングの順位が変わってくると思うので、世界選手権に行けると仮定して、今後は、どこに合わせるためにやっていこうと思う。

この不調は、トラックとの相性によるところもあるが、日本にいたときには身体は動いていたので、自分の体調も影響していたと思う。疲れてしまったのか、脱水などの影響があるのかはわからないが、そういったことも含めて、久しぶりの海外だったので、“洗礼を受けた”という感じ(笑)。でも、こうやって(調子が)悪くなるのを経験したことで、ここからどう立て直していくかを見直すことができるので、それを学びにつなげれば…と覆う。

アジア選手権は14年ぶりの出場だったが、また銀メダル。「勝てるタイムなんだけど、うまく行かないね」という感じ(笑)。2人で表彰台に上がるのは、私はこれが初めてなので、本当に嬉しい。(加齢とともに)身体もどんどんキツくなってきているが、技術を上げて走りも上げていけば、競技を長く続けることはできると、下の世代が思ってくれたら…。「一緒に走っていってほしい」と言ってもらえるように取り組んでいきたい。


◎女子100mハードル 青木益未(七十七銀行)

3位 13秒26(-0.1)


ⒸTakashi OKUI photography

布勢スプリントのあとから、去年痛めた足首の状態が良くなくて、自分としてはリレー(4×100mリレー)も走りたかったのだが、無理して走って、リレーもハードルもうまくいかないような状況になると、みんなにも良くないと思った。1走に入った藏重(みう、甲南大学)は日本選手権でも3位になっている力のある選手。今回は、ハードルに専念させてもらうという形になった。

痛みがあったなかで、この大会が大事であることはわかっていたし、身体を動かしていけば、そんなに痛みは気にならなくなったのでレースに挑んだ。コンディションも悪く、そんなにいいタータン(反発が得られないタイプの走路)じゃないなかで、「これが実力かな」という思いがある。(金メダルを獲得した)アジア室内で一緒に走ったメンバーが多かったので、もうちょっといいレースをしたかったという気持ちはあるが、まあ、表彰台ということで最低限の結果が得られてよかったと思う。

予選も決勝も、入り(序盤)はよかったのだが、4台目、5台目で上に跳んでしまい、身体が開いてしまった感がある。レース中は痛みもなかったので、ただちょっとタイミングが合わなかったのかなと思う。世界選手権に向けては、このあたりをしっかり見直し、自分の力をきちんと見せられるレースができるようにしたい。


◎女子ハンマー投 マッカーサー ジョイ アイリス(NMFA)

2位 66m56


ⒸTakashi OKUI photography

嬉しい。だけど、ちょっと悔しい。「このくらいの記録を出したい」というのはなかったが、今日は勝ちに来たので、この結果は「ウーン」という感じ。しかし、最後の1投(66m56)は本当に良かったので、それをもっと早い試技で投げることができていれば、もっと(決勝)記録は伸びていたのかなと思う。

最終投てきまでは、自分の力をすべて出しているつもりだったが、100%出せていなかった。しかし、最後の試技は、投げたときに、自然と大きな声が出た。今まで、そんな声を出したことはない。最後の1投は100%の力を出せたように思う。

日本代表として臨んだ初めての大会。それもあって、最初はすごく緊張していた。だけど、代表に選ばれた以上は、ちゃんと投げないといけないと思っていた。今回は、1位にはなることはできなかったが、ネクストタイムは1位を目指す。その「ネクストタイム」はアジア大会。このあと一度、アメリカに戻り、試合には出ずに、アジア大会に向けたトレーニングを積んでいく。体重をアップさせて、もっとパワーアップして臨みたい。とても楽しみにしている。


◎女子ハンマー投 村上来花(九州共立大学)

3位 64m17


ⒸTakashi OKUI photography

初めてのシニアの大会で、銅メダルを取ることができた。目標にしていたのですごく嬉しい。1投目からけっこう調子がよかったので、「このまま行けたらな」と思っていた。(ターンの)入りのところもしっかり決まっていたし、63m70、64m17と記録を伸ばすことができた3・4(回目)も、もう少し(ハンマーを)加速できたらなと思ったのだが、最近の投げではだいぶよかったので高評価できる。最初に記録を出すのは大事だが、後半でもちゃんと記録を残していくのは、試合の展開を考えると今後大切になってくる。これからもそうした試合展開ができるように練習や経験値を積んでいきたい。

今回は、「表彰台に立てるかな」くらいの位置だったので、緊張はちょっとあったかもしれない。しかし、「楽しみ」と思う気持ちのほうが大きかったので、自分なりの試合にできたかなと思う。

次はワールドユニバーシティゲームズに出場する。この結果は自信にもつながったので、この調子のまま、しっかりと挑戦していきたい。ワールドユニバーシティゲームズでは表彰台に立てたらいいなと思う。


文:児玉育美(JAAFメディアチーム)

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