2023.06.09(金)選手

【第107回日本選手権・混成競技】前日会見レポート&コメント/中村明彦、田上駿、丸山優真、山﨑有紀、大玉華鈴



第107回日本選手権混成競技が6月10~11日、8月にハンガリーで開催されるブダペスト世界選手権のほか、アジア選手権(7月:タイ・バンコク)、アジア大会(9月:中国・杭州)の日本代表選手選考競技会を兼ねて行われます。大会前日の6月9日には、会場となる秋田県営陸上競技場で、出場選手を迎えての前日会見が行われました。会見には、男子十種競技に出場する中村明彦選手(スズキ)、田上駿選手(陸上物語)、丸山優真選手(住友電工)と、女子七種競技に出場する山﨑有紀選手(スズキ、日本記録保持者5974点)、大玉華鈴選手(日体大SMG)の5名が出席。ここまでの経過や現在の体調、大会に向けての抱負を述べました。

以下、各選手のコメント(要旨)をご紹介します。


◎中村明彦(スズキ)


シーズンのはじめにケガをしてしまい、スタートが出遅れてしまったが、いい状態に持ってくることができたのかなと思っている。うまくいけば8000点近く行くことも可能かなと思うので、しっかりと優勝を目指して頑張りたい。ケガは、3月の最終週に痛みが出た。診断名は、右アキレス腱周囲炎だが、アキレス腱自体には異状はなく、周りが炎症を起こしてアキレス腱を圧迫したりこすれたりしてしまい、走ると痛みが出るという状態である。

(5月12日に発表した)今季限りの引退は、本当は4月の頭に発表したかったのだが、自分がケガをしてそれどころではなかったので、間際になってしまった。引退自体は、去年の日本選手権が終わったあとから考え始めていて、昨年の愛知県選手権の走幅跳に出た際に足首が痛くなって棄権したことが駄目押しのような感じになり、そのなかで「最後の1年をもう一回頑張って終わりたい」ということで決意した。

この10年くらいは、日本選手権に向けて、プレッシャーや記録、順位ということを気にして、すごくネガティブな気持ちで臨むことが多かったのだが、「これで終わりだ」と発表してからは、肩の荷が下りたというか、毎日が新鮮な景色を見ることができた。ときにはビビットな景色が練習の風景で出てきたり、ときにはセピアだったりモノクロだったりして、すごく新鮮な思いで練習でき、この秋田に来ることができている。おかしなことではあるが、ケガはしてしまったけれど、すごく楽しみな日本選手権を迎えている。学生のころ以来くらいに、(精神的には)いい状態で、明日、100mのスタートに立てるのではないかと思っている。

ケガをする前の冬のトレーニングは、かなり順調に進んでいて、手応えもあっただけに悔しい思いもあった。ただ、今年でやめるというところで、今シーズンに入ってからは、「自分らしい十種(競技)を追求して、それをやりきって終わりましょう」という言葉をいただいた。「走る、跳ぶ、投げる」という順番が、自分が十種で一番大事にしてきた種目の順番。この冬で、けっこう走れるようになっていたので、ケガが治ってきてからも走ることに重点を置いてやってきた。今回、その成果が出たらいいなと思っている。

この試合の結果がすごく良ければ、日本代表に選ばれることもあると思うので、この大会の最大の目標は、「勝つことと、シーズンを延ばすこと」(笑)である。やり残したことは、叩けばいくらでも出てくると思うが、そういったものも含めて、自分の秤が引退のほうに傾いたのが自分のなかにあったので、きっとやりきったのだろうなと思う。「やりきった」と言える十種にして終わりたい。


◎田上 駿(陸上物語)


(自己2番目の記録で優勝した)5月の木南記念から約1カ月経って、状態としてはまずまずに仕上がってきている。一番大事な優勝を目標に、この大会は取り組んでいきたい。

調子としては、「すごい絶好調!」とは言えないかもしれないが、ケガせずに好調で(ここまで)やれているので、まずまず(の状態)かなと思っている。木南記念に向けては、100mを強化してきたのだが、引き続き、この日本選手権でも100mと走幅跳という前半の2種目でトップに立って、そこから流れをつくっていきたいと考えている。ぜひ、注目していただきたい。

<中村明彦選手の引退については> いつかは来るだろうとは思っていたが、いざ、そのときを迎えると、さみしいなという思いがやっぱりある。僕たちの代がまた新しく引っ張っていかなければならないという「世代交代」は、必ずやっていかなければならないこと。「レベルが下がったな」と思われることなく、「世代交代して、さらに盛り上がってきたな」と思ってもらえるように、その先頭にまず僕が立ってやっていきたいと思う。

<競技場について> グラウンドコンディションは、明日・明後日と最高になると聞いている。あとは、どれだけ会場にいらした方々を盛り上げられるかは、僕らの(やるべき)ところなので、頑張っていきたい。大玉さんも話していたが、昨年、(補助役員を務めた)中・高校生が「頑張ってください。来年もここで活躍してください」と声をかけてくれて、それがすごく嬉しかった。今年も活躍できたらなと思う。


◎丸山優真(住友電工)


先週、25歳の誕生日を迎えた。25歳ということで、中堅の位置に来たので、25歳らしく楽しく、1つ1つやっていきたいなと思っている。

今回は、故障もなく、すごく順調に来ている。逆に、こういうときは、ケガなく来ていて気合いを入れすぎて砲丸投で親指を痛めた去年の木南記念のように、故障をしがち。頑張りすぎずに、気持ちを楽に持ち、1種目1種目やっていきたいと思っている。また、先日の日本選手権の110mハードルでは、(同じ住友電工の)泉谷駿介くんが(13秒04)の日本新記録を出したので、僕も(得意な110mハードルで)種目別ではあるが、十種競技での日本(最高)記録(13秒97、能登谷雄太、2015年)を更新したい。

<競技場の印象について> 僕は(前回出場していないため)秋田県には今回初めて来た。競技場が開けている場所にあるので、風が多少強いかなと思ったが、明日は追い風が吹く予報だというので楽しみにしている。あと、棒高跳(ピット)の風もすごくいいので、ここでポール(棒高跳)の試合をやったら、いい記録が出るのではないかと思った。


◎山﨑有紀(スズキ)


木南記念から1カ月ほど経ったが、身体の状態も良くなってきている。この2日間、大きなアクシデントなくやりきれればいいなと思っている。また、アジア選手権やアジア大会に選ばれるくらいの記録を出したいと思っている。

身体の状態は、今年に関しては冬期練習も順調に積めてきたので、楽しみな部分がある。木南記念では1日目に、左膝を少し痛めてしまったが、日本選手権に向けての調整で、ほとんど痛みはなくなっている。しっかり戦える準備はできている。スプリント種目や投てき種目は、春先から記録が出ているので、今大会でも4~5月の試合以上に記録が出るのではないかと思っている。

<競技場の印象について> 昨年に引き続き2回目の秋田県だが、昨年はちょっと天候が悪くて、肌寒いなと印象を受けた。今年に関しては、明日から気温も天候もいいみたいだし、丸山くんから追い風といういい情報もあったので、非常に楽しみである。


◎大玉華鈴(日体大SMG)


秋田で試合をするのは、去年の日本選手権が初めてだったが、試合が終わったあと、補助員の方々が「来年も頑張ってください」と声をかけてくださったことで、「来年も、ここでもっと結果が出せるといいな」と元気をもらえたことが印象深く、「今年も頑張りたいな」という気持ちで秋田に入った。

5月の木南記念では、走幅跳で3ファー(3回ファウル)してしまって、合計得点にはつながらなかったが、1日目にいい記録(3505点=七種競技における1日目の日本最高)、いい感覚をつかむことができた。その後も、練習をしっかり積めていて、すごく調子の良かった木南記念のときから、よりレベルアップすることができている。今回こそは、記録も順位もしっかり出して、優勝を狙っていきたい。

自分の場合は、得意の1日目でどれだけ点差を広げるか、どれだけ(点数を)稼げるかが優勝に繋がる。木南記念では1日目に3500点に乗ることができたので、今回も3500点台に乗せて、それで2日目にしっかりと記録を出していけば、合計得点に繋がると思う。木南記念では、(走幅跳で)ノーマーク(記録なし)をしてしまったので、2日目は、特に気合いを入れて頑張っていきたい。



大会は6月10~11日の2日間にわたり、U20日本選手権混成競技との併催で、秋田県営陸上競技場で行われます。タイムテーブルやスタートリストをはじめ、記録や結果の速報など大会に関する情報は、日本陸連公式サイト内の「日本選手権混成競技」特設ページに、随時掲載していきます。
同ページでは、観戦を楽しんでいただける各種展望企画のほか、先週末に行われた他種目の日本選手権に続き、出場選手に向けた「応援メッセージキャンペーン」も、最終日の競技終了時刻まで募集しています。皆さまからいただいたメッセージは、大会特設サイトや会場でのアナウンス、本連盟公式SNS等で紹介して選手に届けます。応募者には、抽選で素敵なプレゼントも! ぜひ、出場選手たちに熱いメッセージをお寄せください!
また、競技の模様は、両日ともに競技開始前の午前9時から競技終了後まで、インターネットでライブ配信の予定。ライブ配信のリンク先や配信スケジュールについても、下記特設サイトより、ご確認ください。

「日本選手権混成競技」特設ページ  https://www.jaaf.or.jp/jch/107/combined-events/ 


文・写真:児玉育美(JAAFメディアチーム)>

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■大会特設サイト
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