2023.06.02(金)大会

【日本選手権】第1日ハイライト/5000mは塩尻和也がハイレベルなレースを制す、男子やり投はディーン元気がビッグスローで2連覇達成!



第107回日本陸上競技選手権大会」は6月1日、大阪市のヤンマースタジアム長居で開幕し、日本一の座を懸けた熱戦の火ぶたが切って落とされました。

今大会は8月19日~27日にハンガリー・ブダペストで開催される「ブダペスト2023世界陸上競技選手権大会」、ならびに「バンコク2023アジア陸上競技選手権大会(タイ・バンコク/7月12日~16日)」、「杭州2022アジア競技大会(中国・杭州/9月29日~10月5日)」の日本代表選手選考競技会を兼ねて開催されます。

ブダペスト世界選手権を目指す選手のうち、昨年のオレゴン世界選手権の入賞者は世界選手権参加標準記録を突破すれば、世界選手権参加標準記録を突破済み、または今大会で突破した選手は、3位以内に入れば日本代表に即時内定します。
加えて、今大会後の参加標準記録突破や、ワールドランキングでのターゲットナンバー(参加人数枠)入りによる第2次選考においても、日本選手権の結果が重要視されます。
また、アジア選手権大会やアジア競技大会の代表選考も日本選手権の成績や、ワールドランキングが基準とされているため、「日本代表」を巡る争いにも注目が集まりました。



大会初日は男女各3種目で決勝が行われました。ハイレベルの熱戦となったのが男子5000m。塩尻和也(富士通)が13分19秒85でこの種目初優勝、3000m障害物を制した2018年以来5年ぶりの日本王者に輝きました。
1周64秒ペースで外国勢が引っ張る流れに乗った塩尻は、2000mあたりで集団の前方に上がると、残り1000mで満を持してロングスパート。10000mのブダペスト世界選手権選考レースだった5月4日のゴールデンゲームズinのべおか(27分46秒82で1位)と同じような展開に持ち込み、3連覇が懸かった遠藤日向(住友電工)、前回3位の清水歓太(SUBARU)らの追い上げを許しませんでした。優勝記録としては大会歴代2位の好タイムでした。
2位争いは遠藤が制し、13分20秒84でフィニッシュ。清水が自己新の13分21秒18で2年連続3位に入りました。ダイヤモンドアスリートの佐藤圭汰(駒澤大)が13分24秒29で4位と健闘したほか、8位までが13分30秒を切る高速レースとなりました。



2大会連続の世界選手権出場に近づいたのが男子やり投のディーン元気(ミズノ)。5投目に今季ベストの82m65を放ち、2年連続3回目の優勝を飾りました。ワールドランキングでは大会前の5月30日時点で11位につけており、ターゲットナンバー(36人)入りはほぼ間違いない状況。
2位にはディーンと同じ31歳の新井涼平(スズキ)が入り、6投目に80m60をマークしました。日本選手権での大台到達は、7連覇を達成した2020年以来のことでした。5月6日の木南記念で日本歴代5位の83m54を出した﨑山雄太(愛媛陸協)が78m28で3位に入りました。また、ワールドユニバーシティゲームズ(中国・成都/8月1日~6日)代表に内定している鈴木凜(九州共立大)と巖優作(筑波大)が4位(78m28)、5位(77m46)に続き、ベテラン、中堅、若手が上位を占める構図に、この種目のさらなる飛躍を感じさせる大会となりました。



女子3000m障害でも2大会連続世界選手権に出場している吉村玲美(CramerJapanTC)が9分46秒65で制覇。終始主導権を握り、大東文化大の先輩である森智香子(積水化学)の追い上げを振り切って、大学1年時以来4年ぶり2回目の日本女王の座に返り咲きました。この春に大学を卒業し、クレーマージャパンと所属契約を結んで「プロ選手」として新たな一歩を踏み出しましたが、そのプライドを見せたレースでした。



男子三段跳の池畠旭佳瑠(駿大AC)と、女子円盤投の齋藤真希(東海大大学院)もともに復活優勝。池畠は2位で迎えた後半、4回目に今季ベストタイの16m35(+0.8)を跳んでトップに立つと、6回目も16m17(-0.8)にまとめて3年ぶりの王座奪還を果たしました。齋藤は3投目に56m63をマークする安定した試合運びで、連覇を狙った日本記録保持者・郡菜々佳(新潟アルビレックスRC)を抑えて2年ぶり4度目の優勝を果たしました。



女子走高跳は前回覇者の髙橋渚(メイスンワーク)が1m84で制しました。1m81の3回目、武山玲奈(エディオン)、竹内萌(カンセキ)が3回とも失敗した時点で優勝が決まりましたが、高橋はこの高さを見事に成功。続く1m84もバーにまったく触れないジャンプでクリアし、連覇に華を添えました。



このほか、トラック種目では翌日の決勝を懸けたラウンドが行われました。
女子1500m予選には4連覇と、5000mとの2年連続2冠を目指す田中希実(New Balance)が登場。1組で終始トップを守り、4分15秒19で堂々の1着通過を果たしました。2組トップは3000m障害物の東京オリンピック、オレゴン世界選手権日本代表・山中柚乃(愛媛銀行)で、4分16秒49の自己新をマークしました。今季はスピード強化のため、障害物よりもフラットレースを優先。その取り組みが着実に実を結びつつあるようです。



男子短距離は、例年の100m、200mの順番から200m、100mに変更され、この日は200mの予選を実施。初めて導入された予備予選を突破した昨年の日本インカレ100m王者・宇野勝翔(順大)が、2組で自己新、全体のトップタイムとなる20秒49(+0.4)の力走を見せました。1組でも鵜澤飛羽(筑波大)が余裕を持って20秒52(+0.4)の1着通過。5月3日の静岡国際では追い風参考ながら20秒10(+2.6)をマークするなど今季好調ですが、さらなる強さを感じさせる走りでした。3組1着は第一人者の飯塚翔太(ミズノ)が20秒63(+0.1)で貫禄の1着通過。飯塚と同じオレゴン世界選手権代表の上山紘輝(住友電工)が2組3着ながらタイム順でプラス通過し、決勝での巻き返しを狙います。



女子100mは予選、準決勝が行われ、準決勝では1組は2連覇を狙う君嶋愛梨沙(土木管理総合)が11秒57(-0.1)、2組は4年前に高校生Vを飾った御家瀬緑(住友電工)が11秒64(-0.3)でそれぞれ1着通過。決勝は新旧女王対決に注目が集まりそうです。なお、20年、21年のチャンピオン・兒玉芽生(ミズノ)は怪我のため欠場となりました。



女子400m予選は自己新を連発して好調の久保山晴菜(如水会 今村病院)が、3組で全体でもただ1人の53秒台(53秒76)をマークしています。男子1500m予選は1組1着の野口雄大(トーエネック)が全体トップの3分44秒99を出しました。


また、今年も20歳未満の日本一を争う第39回U20日本選手権が同時開催され、女子円盤投では地元大阪・咲くやこの花高出身の桑島弥々(九州共立大)が自己新の46m58で全国大会初優勝を飾りました。女子3000m障害はこの種目初挑戦の佐藤柚優(仙台育英高・宮城)が、高校歴代8位となる10分26秒84で快勝。男子5000mは残り2000mから抜け出した青木瑠郁(國學院大)が13分59秒79で制覇。昨年の全日本大学駅伝5区区間賞の実力を示しました。男子やり投は山田航大(東海大)が自身初の70mスローとなる70m73、女子走高跳は前西咲良(近大和歌山高・和歌山)が自己新の1m74でそれぞれ優勝しています。

第2日は大型の台風2号や梅雨入りの影響で大雨の予報となっていることから、女子棒高跳、女子三段跳、U20女子棒高跳、U20女子三段跳が、大会3日目(6月3日)に延期となりました。その他のトラック種目、投てき種目については予定通り実施されます(6月2日午前7時10分時点)。競技日程や出場選手、テレビ放映およびライブ配信スケジュール、結果・速報など、大会に関連する情報は公式ホームページや日本陸連公式SNSをご参照ください。

文:月刊陸上競技編集部
写真:フォート・キシモト



【日本選手権】楽しむポイント

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【チケット情報】

今年はスペシャルチケットとして、テーブル・コンセント付きの最上位グレード席となる「SS席」のほか、1日50席限定の「B席アスリート交流チケット」、1日15席限定の「カメラ女子席」、そして日本選手権では初めてサブトラックの観戦ができる「サブトラック観戦チケット」の販売をいたします。既に完売の席種もございますので、是非お早めにお買い求めください!



■S席のポイント


S席はメインスタンド1階層の中央からフィニッシュ付近の座席です!
トラック種目のフィニッシュシーンを間近で観戦できます。
王者誕生の瞬間を近くで見届けたい方におすすめの座席です!


■A席のポイント


A席は南サイドスタンド側、フィニッシュ付近の自由席です!
トラック種目のフィニッシュを正面から観戦できるため、フィニッシュ直後の選手たちの表情も間近で見ることもできます。
また、投てき種目(やり投・ハンマー投・円盤投・砲丸投)のピットも近いので選手たちの投てき前の集中した表情も観戦できます。


■B席のポイント


B席はメインスタンドのスタート側から中央にかけての自由席です!
100m、100mハードル、110mハードルのスタートシーンが間近で観戦できます。
スタート前は選手の鼓動が聞こえるほどに静まり返ります。


■C席のポイント


C席はサイドバックの自由席となります
C席のチケットをお持ちの方の他、サブトラック観戦チケットを除く全てのチケットの方も移動しての観戦が可能です!!
バックスタンド側で実施される走幅跳・三段跳では是非、バックスタンド側のC席から大きな拍手で応援をお願いいたします。
また、北サイドスタンド側では3000m障害物の水郷付近での観戦が可能です。水しぶきをあげて駆け抜ける迫力のある走りを是非ご覧ください。

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