2023.04.06(木)イベント

【Denka×JAAF】「目指せ、陸上スペシャリストへの道!~レジェンドたちによる子ども走り方教室~」を開催。スペシャルゲスト有森さん、福島さんが指導!



レジェンドたちから、陸上の楽しさを教えてもらおう!
新年度を迎えて最初の日曜日となった4月2日、日本陸連は、オフィシャルスポンサーであるデンカ株式会社との共催で、小学生を対象とする普及イベント「目指せ、陸上スペシャリストへの道!~レジェンドたちによる子ども走り方教室~」を東京・豊洲の新豊洲Brilliaランニングスタジアムで行いました。当日は、東京都内や近郊から29名の小学生とその保護者が参加。「レジェンド」として講師役を務めた有森裕子さんや福島千里さんと一緒に、笑顔あふれる時間を楽しみました。


「目指せ、陸上スペシャリストへの道!~レジェンドたちによる子ども走り方教室~」は、陸上に触れたり、トップアスリートとして活躍した「レジェンド」たちと交流したりするなかで、子どもたちに身体を動かすことの楽しさや前向きな気持ちを感じてもらうことを期して、デンカ株式会社と日本陸連がタッグを組んで企画しました。日本陸連のオフィシャルスポンサーであるデンカ株式会社は、幅広い領域で事業を展開する総合化学メーカー。健康福祉の増進やスポーツ振興、地域貢献を通じて人々の暮らしや社会に貢献することを目指すとともに、事業では、新型コロナウイルス抗原迅速診断キットやインフルエンザワクチンの製造を手がけるなど、ヘルスケアの予防・診断・治療の領域で、人びとのQOL向上に取り組んでいます。



当日のプログラムは、日本陸連指導者養成委員会と科学委員会が共同で立案。知識を紹介するミニ授業を行ったのちに、実際に身体を動かしてみるアスレティックスタイムへと進んでいくタイムテーブルが組まれました。ここに、「レジェンド」の位置づけで、オリンピック女子マラソンで2大会連続メダル獲得の偉業を達成した有森裕子さん(日本陸連副会長)と、女子100m・200m日本記録保持者でオリンピック3大会連続出場の実績を残した福島千里さん(セイコースマイルアンバサダー)の2人がゲストアスリートとして臨み、講師役を務めたりエールを送ったりと参加者たちをバックアップ。さらに、全体の司会進行を、スポーツDJとして数々のスポーツや国際大会で活躍するDJケチャップさんが務め、会場のムードを盛り上げていきました。



オープニングのあと、まず、科学委員会の松林武生先生によるミニ授業が行われました。研究者として長年トップアスリートのデータを測定・分析・研究している松林先生は、「スプリントの科学」と題して、トップスプリンターの体格や最大スピードを示したうえで、速さを生み出すピッチ(歩数)とストライド(歩幅)の関係、速く走るためのコツなど紹介。参加者たちは、男子100m世界記録保持者のウサイン・ボルト選手の最大スピードが時速44.5kmであることや最大のストライドは2.75mとなること、福島さんが1秒間に5.04歩で走っていた(最大ピッチ)ことなど、トップ選手のデータにも触れながら、今回の教室で取り組んでみる50m走と立ち幅跳びのポイントを学びました。



そして、いよいよアスレティックスタイムへ。子どもたちは、福島さんの指導で、有森さんと一緒に、大きくジャンプさせて脚で行うジャンケンや、身体を速く動かしながら合図に合わせて方向転換やジャンプを繰り返す運動などでウォーミングアップ。その後、2つのグループに分かれて立ち幅跳びと50m走に取り組み、計測を行いました。立ち幅跳びでは、JAAF公認コーチの資格を持つ指導者養成委員から身体の動かし方のレクチャーを受けて練習を行ったのちに、2回の計測に挑戦。また、福島さんがスタート時の姿勢や走り方のポイントをアドバイスしながら進んだ50m走では、科学委員会スタッフによる専門機器を用いての疾走動作の撮影も行われました。参加者たちには、後日、立ち幅跳びと50m走の記録のほか、50m走でのフォームが分かる連続写真や、測定から分析したスピード、ストライド、ピッチが掲載された記録証が送られることになっています。



このほか、50m走では、近いタイムだった者同士での競走が行われたほか、DJケチャップさんと福島さんによるバトルや、子どもたちの測定の様子を見守っていた保護者に呼びかけての競走も行われ、場内は大いに盛り上がりました。



わずかな休憩を挟んで行われたのは、松林先生による「リレーの科学」と題したミニ授業。ここでは、バトンの渡し手と受け手のスピード変化を紹介しながら、バトンパスの際に大切なポイントが示されました。その後、福島さんが、実際に、有森さんへバトンを渡しながら、パスを行うときに気をつけることをアドバイス。そのうえで、みんなでリレーに挑戦するアスレティックスタイムへと入っていきました。まず、子どもたちとレジェンド2人に加えて、保護者やスタッフも参加し、赤、青、黄、緑の4つにチーム分け。各チームで決めた走順に並んでスタンディングでのバトンパス練習を行い、バトンの受け方と渡し方を確認しました。
そして、1人が20mを折り返す形で1周してバトンパスするショートトラックリレーに、全員で挑戦。2箇所に分かれて2チームで競走するレースを2組行い、タイムで勝者を決める方法が採られました。“陸上競技モード”で紹介するなら「12×約45mリレー、2組タイムレース決勝」で行われたレースは、第1レース、第2レースとも大接戦に。子どもと大人が交互にバトンを繋いでいくなかでは、直線距離の短い折り返しに大人のほうが苦戦する場面も見られ、チームごとに応援のボルテージも上がり、会場は熱気に包まれました。



実技を終えて、最後に行われたのは、レジェンド2人に話を聞いていくトークのセッションです。有森さんと福島さんが、子どもたちからの質問に答えていきました。子どもたちから積極的に手が上がり、「有森さんのように強い心を持つにはどうしたらいいですか?」「何を食べればいいですか?」「有森さんは、短い距離は速いですか?」「短距離の練習は、どのくらいの量をやればいいですか?」「走っているときに、福島さんは何を考えますか?」といった内容が、次々と質問。有森さんと福島さんは、自身の例や経験なども紹介しながら、モチベーションの保ち方、食事や栄養の考え方、休養をとることの大切さ、短距離と長距離の種目特性や求められる能力の違いなど、質問から話題をさらに広げての説明や貴重なアドバイスを行いました。

このあと、全員で記念撮影を行い、有森さんと福島さんから1人ずつに記念グッズが手渡されて、約3時間のプログラムは終了しました。
「面白かったのはリレーです」と、イベント終了後に話してくれたのは、朝、新幹線に乗って、群馬からやって来たという瀬田川礼(らい)くん。普段は棒高跳をやっているという礼くんは、実は、この日、初めてリレーを経験したそう。「走るときに、勝つか負けるかとワクワクし、初めてバトンを持ったけれど、うまく渡せてよかったです」と振り返り、「大きくなったら100mで世界に行きたい」と、夢を教えてくれました。一緒に参加した姉のひなのさんは、実は、偶然にも前日、初めてリレーの練習をしたばかりだったこともあり、やはり「リレーを楽しみにしていた」そう。「とても楽しかったです」と笑顔を見せました。また、勉強になったことを尋ねると、「福島さんから教えてもらった“スタートで、前の脚に体重をかけること”です。うまくできるように、これから練習しようと思いました」と振り返りました。今は、取り組んでいる棒高跳に夢中。これからも陸上を続けたいと言い、「同じクラブで練習している村田蒼空選手(前橋女高→筑波大、4m16=U20日本記録、高校記録)のようになりたい」と、瞳を輝かせていました。




講師役を務めたゲストアスリート2人のコメントは、以下の通りです。


【ゲストアスリート参加コメント】

有森裕子

今日は、まず、子どもたちが楽しみ、興味を持ち、それにプラスアルファで「ちょっと知らなかったことに気づく」が入れば…という思いで臨んだ。(実施種目は短距離系だったが)「速く走れる」というのは、まず子どもたちの興味をそそること。エキサイトするとか瞬発性で見せられるとかいうことは長距離では難しいので、まず、こういう導入で陸上に触れるのはいいことだと思っている。そのなかで精神やモチベーションの持ち方など、速く走れること以外にも教えられることはある。そこは私たち(長距離スペシャリスト)の切り口で、話ができると考えている。
コロナ禍があったことで、子どもたちの体験の場がなかなかつくれない期間が長く続いていたが、こういうリアルで見られる機会がスタートできて本当に良かったし、私たちも、こうした取り組みの大切さを改めて認識した。このような現場をつくっていくのは、私たちにしかできないこと。そういったものを、コツコツと地道につくっていく必要があると感じている。
また、今後は健常の子たちだけでなく、いろいろな人たちを取り込んでのイベントも考えていければ…。スポーツという切り口で、多様性に対しての機会をつくっていくことは、これからもっとやるべきだと思っている。

福島千里

こういう形で、みんなで集まって教室ができて、本当によかった。子どもたちが、とても元気に取り組んでいる様子に、コロナ禍前の日常が戻ってきたなと感じて嬉しかったし、こういう機会をつくっていただけたことに感謝の気持ちでいっぱいでいる。また、今回は、スポーツ科学に関するミニ授業が途中に行われたことで、「見る知識や、やる知識を聞いてから実際にやってみるのと、そうでないのとでは、全然質が違ってくるんだな」ということを実感した。今回、身についた知識を持って実際に会場に足を運んでトップアスリートの動きを見てくれたり、毎日の練習で参考にしてくれたりしたらいいなと思う。
私自身は、陸上教室には参加したことはないのだが、子どものころ、地元で行われる南部記念(北海道)でトップ選手のすごい動きを間近で目にして、すごく刺激を受けたことが強く記憶に残っている。それだけに、今、こうして子どもたちに動きを見せる逆の立場になれて、本当に光栄に思う。また、有森さんと一緒にイベントに参加させていただいて、「まだまだ学びたいな」という気持ちにもなった。有森さんのひと言ひと言がとても深くて、「私も、ああなりたいなあ」と感じた。有森さんからも学んで、子どもたちに見せて…と、私にとっても、とても贅沢な時間になった。

文:児玉育美(JAAFメディアチーム)

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