先週開催された「大阪マラソン2023」では、初マラソンの西山和弥(トヨタ自動車)が2時間6分45秒の初マラソン日本最高記録でマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)の出場権を獲得するなど、男女計11名の選手がMGC出場権獲得者(ファイナリスト)となった。
ジャパンマラソンチャンピオンシップシリーズ(JMC)のシリーズⅡ第2期も、男子は残り2レース、女子は3レースとなり、ブダペスト世界選手権、パリ五輪へ向けた前哨戦も終盤を迎えている。先週の大阪マラソンで新たにMGC出場権を獲得した男女11名を加えると、MGCファイナリストとなった選手は男子57名、女子は28名と盛況だ。
3月5日、東京都庁前をスタートする「東京マラソン2023」では、何名のMGCファイナリストが誕生するか。また、男女ともJMCシリーズでもっともグレードの高い「グレード1(G1)」レースとなる今大会で、シリーズランキングのトップに浮上する選手は現れるのか。
MGC出場条件は、男子が2時間10分以内で日本人3位に入るか2時間8分以内でゴールすること、女子は2時間28分以内で3位に入るか2時間24分以内でフィニッシュすることなどがあり、今大会で条件をクリアすれば、10月に東京で開催されるMGC出場権が付与される。
また、JMCシリーズのチャンピオン(第106回日本選手権者)になると、ブダペスト世界選手権の日本代表が内定することから、ランキングトップを狙える選手にとっては、世界選手権代表も視野に入れた戦いになる。
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◆男子は細谷、女子は松田がJMCシリーズⅡトップに浮上か!? 世界選手権代表の切符は誰の手に
「東京マラソン2023」は、男女とも日本記録を上回るペースメークを設定しており、今大会のエリート選手には、元男子マラソン日本記録保持者の大迫傑(Nike)、設楽悠太(Honda)のほか、歴代5位となる2時間6分26秒の記録を持つ土方英和(旭化成)、女子も東京五輪8位入賞の一山麻緒(資生堂)など国内トップクラスのランナーがエントリーしている。このなかでMGC出場権を獲得していないのは、大迫と設楽の2人。それぞれ元日本記録の2時間5分29秒、2時間6分11秒の自己ベストがあり、2人は順位に関係なくMGC出場権が付与される2時間8分以内というタイムが今大会の目標ラインとなるだろう。
さらにJMCシリーズという視点で見ると、男子ではシリーズⅠランキング2位でMGCファイナリストの細谷恭平(黒崎播磨)がすでに2575ポイントを保有しており、今大会で記録を残せばランキングトップに浮上する。細谷は21年のびわ湖毎日マラソンで自己ベストの2時間6分35秒(日本歴代6位)をマーク。男子のJMCシリーズⅡ第2期は、今大会のほか、19日の「とくしまマラソン2023」を残すのみとなっており、細谷はまずは完走して記録を残し、JMCシリーズのチャンピオン(第106回日本選手権者)としてブダペスト世界選手権代表の内定に近づきたいところだろう。
細谷の結果次第にはなるが、現時点でランキング9位の髙久龍(ヤクルト)も1285ポイント以上の獲得でトップに躍り出る可能性がある。髙久は20年の東京マラソンで自己ベストの2時間6分45秒(日本歴代7位)をマークしており、一昨年の福岡国際マラソンでファイナリスト第一号としてMGC出場権を獲得している。
また、すでに2546ポイントを保有している星岳(コニカミノルタ)も、1215ポイント以上を獲得すればランキングトップの可能性が残る。星は初マラソンとなった昨年の大阪・びわ湖毎日マラソンで2時間7分31秒と、当時の初マラソン日本最高記録を出した。そのレースでMGC出場権も獲得。昨夏のオレゴン世界選手権は2時間13分44秒だった。
ほかにMGCファイナリストの井上大仁(三菱重工)は1343ポイント、久保和馬(西鉄)は1314ポイントを獲得すると、JMCシリーズランキングでトップ浮上の可能性が出てくる。
女子はオレゴン世界陸上9位の松田瑞生(ダイハツ)がすでに2534ポイントを獲得しており、今大会で記録を残せば、現在トップの上杉真穂(スターツ)を抜いてランキングトップに浮上する。昨年の大阪国際女子マラソンを制して、MGC出場権は獲得済み。優勝記録2時間20分52秒(日本歴代5位)が自己ベストとなっている。
昨年の名古屋ウィメンズマラソンで2位だった細田あい(エディオン)もMGC出場権を持っており、今大会で1250ポイント以上を獲得すれば、松田の結果次第ではあるが、JMCシリーズチャンピオンの可能性が出てくる。自己ベストは昨年のロンドンマラソンで出した2時間21分42秒で日本歴代8位。
また阿部有香里(京セラ)も、松田の結果次第だが、1266ポイント以上でランキングトップの可能性がある。
◆MGCファイナリストへの道、ワイルドカードでの条件クリアは
国内トップランナーが集結する今大会は、すでにMGC出場権を獲得している選手が男子17名、女子7名と多いものの、大迫や設楽のほかにも、まだ出場権を持っていない有力ランナーがエントリーしている。男女ともG1レースとなるため、男子は2時間8分以内、女子は2時間24分以内でフィニッシュすれば、順位に関係なく新たなMGCファイナリストが誕生する。また、JMC加盟大会や対象国際大会2レースの平均タイムによるワイルドカードで、MGC出場権を獲得するチャンスもある。
男子はニューイヤー駅伝で4区区間3位だった小山直城(Honda)が2時間11分1秒でワイルドカードの条件クリアとなるほか、堀尾謙介(九電工)が2時間11分35秒、山本憲二(マツダ)が2時間11分22秒と、それぞれ2時間11分台で条件をクリアする可能性を持つ。
また、女子は田中華絵(第一生命グループ)が2時間25分59秒、岡田唯(大塚製薬)が2時間25分57秒でワイルドカードによるMGC出場権獲得となる。
>>東京マラソンでのMGC獲得条件はこちら
東京都庁前をスタートし、上野、日本橋、浅草、両国と名所を駆け巡り、東京駅前でフィニッシュする42.195kmの戦い。起伏の少ない超高速コースでの男女同時、日本記録誕生はあるのか。そしてJMCシリーズⅡの行方は…。パリ五輪出場を懸けたMGCファイナリストの仲間入りを果たすのは。有力選手が集う「東京マラソン2023」は5日9時10分にマラソンがスタートする。
~オンエア情報~
■テレビ中継・フジテレビ
8:30~9:00 東京マラソン2023 号砲直前SP (関東ローカル)
9:00~11:50 エリートレース中継 (全国ネット)
12:00~13:00 市民マラソン中継 (関東ローカル)
・フジテレビ(CSフジテレビNEXT)
8:50~11:00 車いすマラソン中継
13:00~16:20 市民マラソン中継
※FOD・TVerでもLIVE配信を予定
フジテレビ東京マラソン特集ページ
https://www.fujitv.co.jp/sports/tokyomarathon/index.html
■ラジオ中継
・ニッポン放送 9:00~12:00
ニッポン放送スポーツスペシャル 東京マラソン2023実況中継
▼【JMCシリーズ】『東京マラソン2023』直前“スペシャル対談”:男女ともに日本記録が期待される高速レース!~瀬古リーダー×河野ディレクター×藤原新さん~
▼JMCアワード 小中高校生を特別ご招待!!(申込〆切:3月12日)
https://www.jaaf.or.jp/jmc-series/news/article/17558/
▼ジャパンマラソンチャンピオンシップシリーズ 特設サイト
https://www.jaaf.or.jp/jmc-series/
▼マラソングランドチャンピオンシップ 特設サイト
https://www.mgc42195.jp/
▼東京マラソン2023大会ページ
https://www.jaaf.or.jp/competition/detail/1705/
▼エントリーリスト
https://www.marathon.tokyo/media/press-release/pdf/230126_release_jp-01.pdf
クレジット:フォート・キシモト、アフロスポーツ
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