【記録と数字で楽しむオレゴン世界選手権】女子４×100ｍリレー：日本新に期待！：日本陸上競技連盟公式サイト

2022.07.22（金）選手

【記録と数字で楽しむオレゴン世界選手権】女子４×100ｍリレー：日本新に期待！

７月15日（金）から７月24日（日）の10日間（日本時間では16日～25日）、アメリカ・オレゴン州ユージーンのヘイワード・フィールドを舞台に「オレゴン2022世界陸上競技選手権大会」が開催される。

日本からは、67人（男子41・女26）の代表選手が出場し世界のライバル達と競い合う。

現地に赴く方は少ないだろうがテレビやネットでのライブ中継で観戦する方の「お供」に日本人選手が出場する30種目に関して、「記録と数字で楽しむオレゴン世界選手権」をお届けする。

なお、これまでにこの日本陸連ＨＰで各種競技会の「記録と数字で楽しむ・・・」をお届けしてきたが、過去に紹介したことがある拙稿と同じ内容のデータも含むが、可能な限りで最新のものに更新した。また、記事の中では五輪についても「世界大会」ということで、そのデータも紹介した。

記録は原則として７月７日判明分。
現役選手の敬称は略させていただいた。

日本人選手の記録や数字に関する内容が中心で、優勝やメダルを争いそうな外国人選手についての展望的な内容には一部を除いてあまりふれていない。日本人の出場しない各種目の展望などは、陸上専門二誌の８月号別冊付録の「世界選手権観戦ガイド」やネットにアップされるであろう各種メディアの「展望記事」などをご覧頂きたい。

大会期間中は、日本陸連のＳＮＳで、記録や各種のデータを可能な範囲で随時発信する予定なので、そちらも「観戦のお供」にしていただければ幸いである。

現地と日本の時差は、16時間。マラソンと35km競歩以外の種目は、日本時間の深夜２時頃から昼頃まで競技が行われる。睡眠不足にどうぞご注意を！

（実施日時は、日本時間。カッコ内は現地時間）

女子４×100ｍリレー

・予選　７月23日　09:40（22日17:40）　２組３着＋２
・決勝　７月24日　11:30（23日19:30）

日本新に期待！

21年５月の世界リレーで４位（44.40。予選で44.17）となって、今回の出場切符を手に入れた。
世界選手権には、91・97・99・03・05・07・09・11年に続き５大会ぶり９回目の出場となる。

エントリーメンバーは、日本選手権100ｍの上位５人。22年ベストと自己記録は、
君嶋愛梨沙（土木管理総合／11秒36）
兒玉　芽生（ミズノ／11秒38。11秒35＝20年）
御家瀬　緑（住友電工／11秒46）
青山　華依（甲南大２年／11秒47）
青木　益未（七十七銀行／11秒51）

５人のうち４人が今シーズンに自己ベストをマークしていて元気がいい。

今回のオレゴンでの目標は、まずは日本記録の更新だ。

◆世界選手権＆五輪での歴代成績

1932五輪	決勝５位	48.9
1964五輪	予選２組６着	47.0
1991	予選２組６着	44.85＝日本新
1997	予選２組８着	44.56
1999	予選３組４着	44.80
2003	予選３組４着	44.57
2005	予選３組５着	44.52
2007	予選２組	失格
2009	予選３組４着	44.24
2011	予選１組５着	43.83
2012五輪	予選１組８着	44.25
2021五輪	予選１組７着	43.44

世界選手権での最高記録は、11年大邱での「43秒83」だ。
五輪でのそれは21年東京での「43秒44」で日本記録にあと０秒05だった。

◆1983年以降の世界選手権＆五輪での決勝に進めなかった最高記録

年	予選落最高
1983	44.20
1984五輪	45.20
1987	43.85
1988五輪	43.58＝準決勝
1991	43.43
1992五輪	43.60
1993	44.36
1995	43.90
1996五輪	44.16
1997	43.15
1999	43.80
2000五輪	43.19＝準決勝
2001	43.89
2003	43.64
2004五輪	43.12
2005	43.40
2007	43.39
2008五輪	43.69
2009	43.63
2011	43.44
2012五輪	43.07
2013	43.01
2015	43.15
2016五輪	42.70
2017	42.92
2019	43.01
2021五輪	42.84

最高記録	42.70
世選最高	42.92（2019）
五輪最高	42.70（2016）

このところ状況からすると、決勝進出には「42秒台」が最低条件だ。

今回の日本チームの100ｍのシーズンベストと自己ベストの上位４人の合計は、

シーズンベスト　11.36＋11.38＋11.46＋11.47＝45.67
自己ベスト　　　11.36＋11.35＋11.46＋11.47＝45.64

７月10日の南部記念では、青木・君嶋・兒玉・御家瀬の走順で43秒67。
５チームの男子高校生と一緒のレースのため記録は非公認だが、日本歴代６位タイ相当だった。

現在の日本記録43秒39（2011.5.8）を出した４人（北風沙織・高橋萌木子・福島千里・市川華菜）のシーズンベストの合計は、以下の通りだった。
１走から順に、11.65＋11.53＋11.24＋11.43＝45.85　で、今回の４人が０秒18上回る。

東京五輪で歴代２位の43秒44を出した４人のシーズンベストの合計は46秒11（自己ベストの合計は45秒87）だった。

上記のデータからしても、今回の日本代表が日本記録を更新する可能性は高そうだ。
バトンパスや気象状況など最高の条件が整えば42秒台も夢ではないかもしれない。

野口純正（国際陸上競技統計者協会［ATFS］会員）
写真提供：フォート・キシモト