日本陸上競技連盟は2022年6月12日、第76回理事会を大阪市内で、2年3カ月ぶりに対面形式で開催しました。2021年度(第11期)の事業報告・収支決算、ブダペスト2023世界選手権とパリ2024オリンピックのマラソン日本代表選手選考方針などについて協議しました。承認された主な事項をご紹介します。
■2021年度は黒字決算 事業の中止・縮小もあり支出減少 今後も財政改善に努める
2021年度の決算は、経常収益(収入)が17億7119万円(前年度比7億3497万円増)、経常費用(支出)が13億9246万円(前年度比2億2720万円増)で、収入が支出を3億7873万円上回りました。いわゆる「黒字」の決算になったのは、2018年度(第8期)以来3期ぶりです。
年度当初の予算では、収入、支出とも17億3723万円を計上していましたが、決算では収入が予算より3396万円多かった一方で、支出は予算より3億4477万円少なくなりました。
収入では、2021年度から全国のすべての本連盟登録会員の皆様からお納めいただく登録料(大学生・一般1,000円、中学生・高校生500円)が総額で2億5174万円となり、本連盟の財政を強く支えていただいています。本連盟や主催競技会のスポンサー等からの受取協賛金も予算を超える10億3436万円に達しました。また、ジャパンマラソンチャンピオンシップ(JMC)シリーズの創設に伴う加盟大会からの加盟料、日本オリンピック委員会やスポーツ庁からの助成金などの収入が予算を上回りました。一方、国際競技会派遣や強化合宿に伴う助成金・委託金や、競技会の開催に伴う事業収益は、事業の中止や規模縮小の影響で予算を下回りました。
支出では、日本選手権、U18/U16大会、全国小学生交流大会をはじめとした本連盟主催競技会の費用が4億6456万円、国際競技会への日本代表選手派遣や選手強化関連の費用が2億3558万円、本連盟の運営費用となる管理費が4億3313万円などが主な項目です。東京2020オリンピックが無観客やさまざまな規制の下での開催になったのに伴い予定していた関連事業が実施できなかったこと、国際競技会派遣の中止・見送り、会員登録システム開発の業務委託費の節減や一部契約が次期になったことなどにより、一部の事業費が予算を大きく下回りました。また、競技会開催経費などの削減に努めたこと、各専門委員会にも活動経費の節減にご協力いただいたことも、支出の抑制につながりました。
2021年度の決算は黒字となりましたが、過去2期(2019年度、2020年度)は大規模競技会の開催や新型コロナウイルスの影響により多額の赤字が続きました。また、2022年度も新型コロナウイルスや東京オリンピック終了の影響などにより、支出が収入より1億4595万円多い赤字予算となっており、本連盟の財政状況は楽観できる状況にありません。さまざまな競技会などの事業が継続して実施できるよう、登録会員の皆様の登録料を有効に活用させていただき、収入源の拡大、支出の削減も進めて、引き続き財政状況の改善に努めていきます。
■ブダペスト、パリのマラソン代表への道筋決まる 勝負強さとスピードを重視
ブダペスト2023世界選手権と、パリ2024オリンピックのマラソン日本代表選手の選考方針が承認されました。いずれも「勝負強さ」と「スピード」の両面を重視する方針となりました。
【ブダペスト世界選手権】
JMCシリーズⅡ(2021年11月~2022年3月の第1期、2022年4月~2023年3月の第2期の通算成績)のチャンピオンがまず代表に決まります。あとの代表は、JMCシリーズ第2期のグレード1大会か、2022年7月~2023年3月に海外で開催されるワールドアスレティックス(WA)エリートプラチナラベルの大会で、派遣設定記録(男子=2時間07分39秒、女子~2時間23分18秒)を突破した競技者から選考されます。
JMCシリーズ第2期のグレード1大会には、男子・女子とも既に今年8月の北海道マラソン2022が指定されています。その他の大会については追って、加盟が決定次第発表します。
▼ブダペスト2023世界陸上競技選手権大会 マラソン日本代表選手選考方針
https://www.jaaf.or.jp/files/upload/202206/13_145642.pdf
【パリオリンピック】
2023年秋に開催予定のマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)の優勝者と2位の競技者がまず選考されます。残る男女各1人は、JMCシリーズ第3期(2023年4月~2024年3月)のグレードS大会を対象にしたMGCファイナルチャレンジで派遣設定記録を突破した競技者の中から、記録最上位者が選考されます。基本的には東京2020オリンピックの代表選考と同様の方法となります。
JMCシリーズ第3期のグレードS大会と、MGCファイナルチャレンジの派遣設定記録は、今後決定します。
▼パリ 2024 オリンピック競技大会 マラソン日本代表選手選考方針
https://www.jaaf.or.jp/files/upload/202206/13_145528.pdf
■アジア大会のマラソン代表の内定を解除 日程決定後に再選考
今年9月に中国・杭州で開催予定だった杭州2022アジア競技大会が延期されたことに伴い、既に発表済みだった同大会のマラソン日本代表選手の内定を解除し、代表選手を改めて選考し直すことが承認されました。延期後の日程は未定のため、発表され次第、新たに代表選考要項を作成します。
2023年は8月にブダペスト世界選手権、秋にパリオリンピックの代表選考会となるマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)も予定されています。代表内定選手に、日程が定まらない杭州アジア大会への調整を強いるわけにはいかないことや、今後どの大会を重視したいかの意思を尊重するため、内定を解除することになりました。
▼杭州2022アジア競技大会の延期に伴うマラソン日本代表選手の内定解除と再選考について
https://www.jaaf.or.jp/news/article/16571/
■2021年度は黒字決算 事業の中止・縮小もあり支出減少 今後も財政改善に努める
2021年度の決算は、経常収益(収入)が17億7119万円(前年度比7億3497万円増)、経常費用(支出)が13億9246万円(前年度比2億2720万円増)で、収入が支出を3億7873万円上回りました。いわゆる「黒字」の決算になったのは、2018年度(第8期)以来3期ぶりです。
年度当初の予算では、収入、支出とも17億3723万円を計上していましたが、決算では収入が予算より3396万円多かった一方で、支出は予算より3億4477万円少なくなりました。
収入では、2021年度から全国のすべての本連盟登録会員の皆様からお納めいただく登録料(大学生・一般1,000円、中学生・高校生500円)が総額で2億5174万円となり、本連盟の財政を強く支えていただいています。本連盟や主催競技会のスポンサー等からの受取協賛金も予算を超える10億3436万円に達しました。また、ジャパンマラソンチャンピオンシップ(JMC)シリーズの創設に伴う加盟大会からの加盟料、日本オリンピック委員会やスポーツ庁からの助成金などの収入が予算を上回りました。一方、国際競技会派遣や強化合宿に伴う助成金・委託金や、競技会の開催に伴う事業収益は、事業の中止や規模縮小の影響で予算を下回りました。
支出では、日本選手権、U18/U16大会、全国小学生交流大会をはじめとした本連盟主催競技会の費用が4億6456万円、国際競技会への日本代表選手派遣や選手強化関連の費用が2億3558万円、本連盟の運営費用となる管理費が4億3313万円などが主な項目です。東京2020オリンピックが無観客やさまざまな規制の下での開催になったのに伴い予定していた関連事業が実施できなかったこと、国際競技会派遣の中止・見送り、会員登録システム開発の業務委託費の節減や一部契約が次期になったことなどにより、一部の事業費が予算を大きく下回りました。また、競技会開催経費などの削減に努めたこと、各専門委員会にも活動経費の節減にご協力いただいたことも、支出の抑制につながりました。
2021年度の決算は黒字となりましたが、過去2期(2019年度、2020年度)は大規模競技会の開催や新型コロナウイルスの影響により多額の赤字が続きました。また、2022年度も新型コロナウイルスや東京オリンピック終了の影響などにより、支出が収入より1億4595万円多い赤字予算となっており、本連盟の財政状況は楽観できる状況にありません。さまざまな競技会などの事業が継続して実施できるよう、登録会員の皆様の登録料を有効に活用させていただき、収入源の拡大、支出の削減も進めて、引き続き財政状況の改善に努めていきます。
■ブダペスト、パリのマラソン代表への道筋決まる 勝負強さとスピードを重視
ブダペスト2023世界選手権と、パリ2024オリンピックのマラソン日本代表選手の選考方針が承認されました。いずれも「勝負強さ」と「スピード」の両面を重視する方針となりました。
【ブダペスト世界選手権】
JMCシリーズⅡ(2021年11月~2022年3月の第1期、2022年4月~2023年3月の第2期の通算成績)のチャンピオンがまず代表に決まります。あとの代表は、JMCシリーズ第2期のグレード1大会か、2022年7月~2023年3月に海外で開催されるワールドアスレティックス(WA)エリートプラチナラベルの大会で、派遣設定記録(男子=2時間07分39秒、女子~2時間23分18秒)を突破した競技者から選考されます。
JMCシリーズ第2期のグレード1大会には、男子・女子とも既に今年8月の北海道マラソン2022が指定されています。その他の大会については追って、加盟が決定次第発表します。
▼ブダペスト2023世界陸上競技選手権大会 マラソン日本代表選手選考方針
https://www.jaaf.or.jp/files/upload/202206/13_145642.pdf
【パリオリンピック】
2023年秋に開催予定のマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)の優勝者と2位の競技者がまず選考されます。残る男女各1人は、JMCシリーズ第3期(2023年4月~2024年3月)のグレードS大会を対象にしたMGCファイナルチャレンジで派遣設定記録を突破した競技者の中から、記録最上位者が選考されます。基本的には東京2020オリンピックの代表選考と同様の方法となります。
JMCシリーズ第3期のグレードS大会と、MGCファイナルチャレンジの派遣設定記録は、今後決定します。
▼パリ 2024 オリンピック競技大会 マラソン日本代表選手選考方針
https://www.jaaf.or.jp/files/upload/202206/13_145528.pdf
■アジア大会のマラソン代表の内定を解除 日程決定後に再選考
今年9月に中国・杭州で開催予定だった杭州2022アジア競技大会が延期されたことに伴い、既に発表済みだった同大会のマラソン日本代表選手の内定を解除し、代表選手を改めて選考し直すことが承認されました。延期後の日程は未定のため、発表され次第、新たに代表選考要項を作成します。
2023年は8月にブダペスト世界選手権、秋にパリオリンピックの代表選考会となるマラソングランドチャンピオンシップ(MGC)も予定されています。代表内定選手に、日程が定まらない杭州アジア大会への調整を強いるわけにはいかないことや、今後どの大会を重視したいかの意思を尊重するため、内定を解除することになりました。
▼杭州2022アジア競技大会の延期に伴うマラソン日本代表選手の内定解除と再選考について
https://www.jaaf.or.jp/news/article/16571/
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