6月9日~12日に大阪・ヤンマースタジアム長居で行われる「第106回日本選手権」の見どころや楽しみ方を『記録と数字』の視点から紹介する。
・第106回日本選手権 エントリーリスト
https://www.jaaf.or.jp/files/competition/document/1652-4.pdf
・第106回日本選手権 TV&ライブ配信情報
https://www.jaaf.or.jp/jch/106/tv-live/
・オレゴン 2022 世界選手権 トラック&フィールド種目日本代表選手選考要項
https://www.jaaf.or.jp/files/upload/202112/16_191504.pdf
オレゴン世界選手権参加標準記録は昨年中に5人が突破済。記録順に14分52秒84の廣中璃梨佳(JP日本郵政G)、14分59秒36の萩谷楓(エディオン)、14分59秒93の田中希実(豊田自動織機)、15分02秒48の木村友香(資生堂)、15分08秒72の佐藤早也伽(積水化学)の5人だ。この5人は3位以内に入れば、世界選手権代表に内定するため、必ずしも記録を狙う必要はない。
順位の確保に徹すると、好記録は望めなくなるが、大会記録更新、日本選手権史上初の14分台、日本記録更新にも果敢にチャレンジしてほしい。10000m代表に内定している五島莉乃(資生堂)や今季日本最高で走っている山本有真(名城大)らがこの種目で代表入りを果たすためには、順位+標準記録突破が必要となる。15分10秒切りを狙う走りを見せるか。山本は参加標準突破と併せて、学生記録更新もターゲットとなる。
尾西の4連覇、鍋島の連覇以降は、若手の成長が著しく、群雄割拠の様相。1999年生まれの田中、2000年生まれの廣中、萩谷が中心となるハイレベルなレースが一昨年、昨年と続いた。
上位7人の記録は全て2021年に出されたもの。日本新を出した廣中を筆頭に萩谷、田中が14分台。同一年で日本人3人以上が14分台をマークしたのは史上初。同一年で日本人4人以上が15分05秒未満で走ったのも史上初。同一年で日本人5人以上が15分10秒未満で走ったのは2020年に次いで2度目。過去一のハイレベルな一年であり、ハイレベルの中心となった選手が今大会に挙って出場する。
今季リストトップは、ゴールデンゲームズinのべおかで日本人学生歴代4位、東海学生新の15分23秒30をマークした山本。山本の記録は学生記録まであと10秒21、日本人学生最高まであと5秒77の好記録。昨年14分台で走っている田中と萩谷は、織田記念で出した15分23秒87と15分38秒67が今季自己最高で、廣中は今季5000mの出場はない。
3年連続3位以内の廣中、4年連続入賞の田中、2年連続上位入賞の萩谷。実績を見ても、この3人がやはり今大会の「3強」と言えよう。
1位から8位までレベルの高い記録が並んでいるが、今大会の実力拮抗のメンバーを見れば、レース展開次第で全て更新されたとしてもおかしくはない。
なお、2004年、2008年、2020年の記録が8位までの順位別最高記録を占めているが、この3大会がいかにレベルが高かったかは、次の「日本選手権において日本人複数選手が15分20秒以内を出したレース」をまとめた一覧からも分かる。
3人以上が15分20秒以内で走ったのは2004年が初。4人以上が15分20秒以内で走ったのは2008年が初。日本人2人が15分10秒以内で走ったのは2020年が初。これら3大会を上回る好レースを期待したい。
JAAFメディアチーム
写真提供:フォート・キシモト
1500m以上のレースのスタートラインは、曲線となっています。スタート後、決められたレーンを走る必要なくオープンになるので、外側の選手が不利にならないためです。 1000mを超えるレースで出場選手が多い場合には、転倒などを防止する目的で、2つのグループにわかれた2段階スタートが認められています。競技者のおよそ2/3を第1グループ、残りを第2グループとし、第1グループは通常のスタートラインから、第2グループはトラックの外側に別に用意された二つに分けられた外側のスタートラインからそれぞれスタートし、最初の曲走路が終わった地点で合流します。
日本一の決まる瞬間を見逃すな!
■第106回日本陸上競技選手権大会 特設サイト
https://www.jaaf.or.jp/jch/106/
■第105回大会をプレイバック!
~昨年大会各種目の王者誕生の瞬間をご紹介!~
■オレゴン2022世界選手権 日本代表選手選考要項
https://www.jaaf.or.jp/files/upload/202112/16_191504.pdf
>>チケット好評販売中!!
・第106回日本選手権 エントリーリスト
https://www.jaaf.or.jp/files/competition/document/1652-4.pdf
・第106回日本選手権 TV&ライブ配信情報
https://www.jaaf.or.jp/jch/106/tv-live/
・オレゴン 2022 世界選手権 トラック&フィールド種目日本代表選手選考要項
https://www.jaaf.or.jp/files/upload/202112/16_191504.pdf
【女子5000m】
・決勝/6月12日(日)17:35熾烈なオレゴン行きの切符争い。14分台の廣中、萩谷、田中、続く木村、佐藤。日本選手権史上初の14分台にも期待
主な記録一覧(2022年6月8日現在)
・世界記録 | 14分06秒62 |
---|---|
・アジア記録 | 14分28秒09 |
・日本記録 | 14分52秒84 |
・U20日本記録 | 15分05秒40 |
・学生記録 | |
・日本人学生最高 | 15分13秒09 |
15分17秒53 | |
・大会記録 | 15分05秒07 |
・今季世界最高 | 14分12秒98 |
・今季アジア最高 | 14分45秒69 |
・今季日本最高 | 15分23秒30 |
・‘22オレゴン世界選手権参加標準記録 | 15分10秒0 |
順位の確保に徹すると、好記録は望めなくなるが、大会記録更新、日本選手権史上初の14分台、日本記録更新にも果敢にチャレンジしてほしい。10000m代表に内定している五島莉乃(資生堂)や今季日本最高で走っている山本有真(名城大)らがこの種目で代表入りを果たすためには、順位+標準記録突破が必要となる。15分10秒切りを狙う走りを見せるか。山本は参加標準突破と併せて、学生記録更新もターゲットとなる。
過去10年の優勝者(所属は当時のもの)
年 | 記録 | 選手 | 所属 | 優勝回数 |
---|---|---|---|---|
2012年 | 15分17秒92 | 新谷仁美 | ユニバーサル | 初 |
2013年 | 15分21秒73 | 尾西美咲 | 積水化学 | 初 |
2014年 | 15分32秒74 | 尾西美咲 | 積水化学 | 2回目 |
2015年 | 15分18秒77 | 尾西美咲 | 積水化学 | 3回目 |
2016年 | 15分19秒37 | 尾西美咲 | 積水化学 | 4回目 |
2017年 | 15分19秒87 | 鍋島莉奈 | JP日本郵政G | 初 |
2018年 | 15分30秒93 | 鍋島莉奈 | JP日本郵政G | 2回目 |
2019年 | 15分22秒53 | 木村友香 | 資生堂 | 初 |
2020年 | 15分05秒65 | 田中希実 | 豊田自動織機TC | 初 |
2021年 | 15分05秒69 | 廣中璃梨佳 | JP日本郵政G | 初 |
資格記録順(資格記録有効期間2021年1月1日~2022年5月22日)
資格記録 | 選手 | 所属 | 自己記録 |
---|---|---|---|
14分52秒84 | 廣中璃梨佳 | JP日本郵政G | 14分52秒84 |
14分59秒36 | 萩谷楓 | エディオン | 14分59秒36 |
14分59秒93 | 田中希実 | 豊田自動織機 | 14分59秒93 |
15分02秒48 | 木村友香 | 資生堂 | 15分02秒48 |
15分08秒72 | 佐藤早也伽 | 積水化学 | 15分08秒72 |
15分19秒58 | 五島莉乃 | 資生堂 | 15分19秒58 |
15分21秒42 | 森智香子 | 積水化学 | 15分21秒42 |
15分23秒30 | 山本有真 | 名城大 | 15分23秒30 |
15分27秒13 | 川口桃佳 | 豊田自動織機 | 15分24秒24 |
2022年記録順(2022年6月8日現在)
記録 | 選手 | 所属 |
---|---|---|
15分23秒30 | 山本有真 | 名城大 |
15分23秒87 | 田中希実 | 豊田自動織機 |
15分29秒78 | 川口桃佳 | 豊田自動織機 |
15分30秒80 | 五島莉乃 | 資生堂 |
資格記録上位選手の日本選手権5000m入賞歴
選手 | ‘17 | ‘18 | ‘19 | ‘20 | ‘21 |
---|---|---|---|---|---|
廣中璃梨佳 | 3 | 2 | 1 | ||
萩谷楓 | 3 | 4 | |||
田中希実 | 2 | 4 | 1 | 3 | |
木村友香 | 7 | 1 | 6 | ||
佐藤早也伽 | 5 | 8 | |||
五島莉乃 | 8 | 7 | |||
川口桃佳 | 5 |
日本選手権決勝における「順位別最高記録」
順位 | 記録 | 年 |
---|---|---|
1位 | 15分05秒07 | 2004年 |
2位 | 15分07秒11 | 2020年 |
3位 | 15分16秒27 | 2008年 |
4位 | 15分19秒29 | 2008年 |
5位 | 15分21秒12 | 2008年 |
6位 | 15分24秒61 | 2020年 |
7位 | 15分25秒14 | 2020年 |
8位 | 15分28秒55 | 2004年 |
なお、2004年、2008年、2020年の記録が8位までの順位別最高記録を占めているが、この3大会がいかにレベルが高かったかは、次の「日本選手権において日本人複数選手が15分20秒以内を出したレース」をまとめた一覧からも分かる。
3人以上が15分20秒以内で走ったのは2004年が初。4人以上が15分20秒以内で走ったのは2008年が初。日本人2人が15分10秒以内で走ったのは2020年が初。これら3大会を上回る好レースを期待したい。
日本選手権において日本人複数選手が15分20秒以内を出したレース一覧
年 | 順位 | 記録 | 選手 |
---|---|---|---|
1995年 | 1位 | 15分14秒77 | 八嶋あつみ |
2位 | 15分17秒53 | 木村泰子 | |
2003年 | 1位 | 15分12秒76 | 小崎まり |
2位 | 15分15秒16 | 小鳥田貴子 | |
2004年 | 1位 | 15分05秒07 | 福士加代子 |
2位 | 15分14秒98 | 小崎まり | |
3位 | 15分18秒88 | 橋本歩 | |
2008年 | 1位 | 15分11秒97 | 小林祐梨子 |
2位 | 15分13秒96 | 赤羽有紀子 | |
3位 | 15分16秒27 | 福士加代子 | |
4位 | 15分19秒29 | 渋井陽子 | |
2020年 | 1位 | 15分05秒65 | 田中希実 |
2位 | 15分07秒11 | 廣中璃梨佳 | |
3位 | 15分19秒41 | 萩谷楓 |
JAAFメディアチーム
写真提供:フォート・キシモト
【5000m観戦におすすめの座席】
スタート前の集中した表情や緊張感を感じるにはB席スタート付近、王者誕生そして世界選手権日本代表の決まる瞬間を見届けるにはSフィニッシュ側席からの観戦がおすすめ!>>チケット購入はこちら
【初めての観戦でも大丈夫!5000mのルール】
1500m以上のレースのスタートラインは、曲線となっています。スタート後、決められたレーンを走る必要なくオープンになるので、外側の選手が不利にならないためです。 1000mを超えるレースで出場選手が多い場合には、転倒などを防止する目的で、2つのグループにわかれた2段階スタートが認められています。競技者のおよそ2/3を第1グループ、残りを第2グループとし、第1グループは通常のスタートラインから、第2グループはトラックの外側に別に用意された二つに分けられた外側のスタートラインからそれぞれスタートし、最初の曲走路が終わった地点で合流します。
日本一の決まる瞬間を見逃すな!
>>チケット好評販売中!!
■第106回日本陸上競技選手権大会 特設サイト
https://www.jaaf.or.jp/jch/106/
■第105回大会をプレイバック!
~昨年大会各種目の王者誕生の瞬間をご紹介!~
■オレゴン2022世界選手権 日本代表選手選考要項
https://www.jaaf.or.jp/files/upload/202112/16_191504.pdf
関連ニュース
-
2022.06.22(水)
【日本選手権】ライフスキルトレーニング受講生の活躍を振り返る:郡菜々佳は円盤投と砲丸投で2冠達成!三段跳・伊藤陸、800m・金子魅玖人は初優勝を果たす!
大会 -
2022.06.20(月)
【日本選手権】ダイヤモンドアスリートの活躍を振り返る:修了生の橋岡・サニブラウンがオレゴン世界選手権日本代表に決定!
大会 -
2022.06.14(火)
【第106回日本選手権】総括会見レポート
大会 -
2022.06.13(月)
【日本選手権】第4日ハイライト/東京五輪入賞選手が躍動!橋岡は参加標準記録を突破し日本代表内定、3種目挑戦の田中は2冠達成
大会 -
2022.06.12(日)
【第38回U20日本選手権大会】4日目優勝者コメント
選手