2021.08.09(月)大会

【東京オリンピック】女子10000m・廣中、大健闘の7位入賞!~9日目イブニングセッションハイライト~

東京・国立競技場で行われるトラック&フィールド種目の最終日となった8月7日のイブニングセッションは、実施される6種目すべてが決勝というラインナップ。その6種目すべてで素晴らしい戦いが繰り広げられ、国立競技場での最後の夜にふさわしい結果が続出しました。



女子10000m 決勝

この種目には、廣中選手、新谷仁美選手(積水化学)、安藤友香選手(ワコール)の3選手が出場。この日のトラック最初の種目として19時45分に行われました。
スタート前の段階から、今季5000m・10000mの2種目で世界記録を樹立しているレテセンベト・ギデイ選手(エチオピア)と、そのギディ選手に今季マークした10000mの世界記録をわずか2日で塗り替えられたことで、「前世界記録保持者」としてこの大会を迎えていたシファン・ハッサン選手(オランダ)が直接対決するという点でも注目され、さらにハッサン選手が今大会で1500m、5000m、10000mの3冠に挑むことを目標に掲げて3種目に出場し、4日目に行われた女子5000mで金メダルを獲得、前日の1500mでは優勝は逃したものの銅メダルを手にしたことで、2つめのタイトル獲得なるかにも関心が集まっていたこのレース。スタートしてすぐに廣中選手がトップに立ち、これに新谷選手がついて最初の400mを73秒9(WA公式サイトの発表データによる。以下、同じ)で入りました。新谷選手は800m手前で後方集団へと位置を移しましたが、廣中選手はそのままトップを維持。新谷選手の後退と入れ替わるように2番手へ浮上してきた世界記録保持者のギディ選手を従えて、1000mは3分03秒0、2000mを6分04秒4で通過していきました。しかし、2800mの手前でギディ選手が先頭に立つと上位を狙うケニアの3選手がこれに続き、廣中選手は5番手に。3000~4000mのスプリットが2分59秒9に上がったこともあり、次の周回で9番手に後退し、残り13周目に入ったとこで先頭集団は6人となり、廣中選手は8位争いをしながら9番手で通過していく様相となりました。トップグループとの差は開いていったものの、懸命でその位置をキープして8000mでは7位を争う位置で通過。その後、10番手に下がる場面もありましたが、ラスト1周を8番手で通過すると残り200mを切ったところで7位に浮上して、その位置を守りきりました。日本歴代4位となる31分00秒71の自己新記録をマークした廣中選手は、この種目で1996年アトランタ大会以来25年ぶりとなる日本人3人目の入賞を果たしました。



新谷選手は最初の1000mは13番手となる3分04秒6での入りとなったものの、その後は、徐々に順位を落とす苦しいレースとなり21位(32分23秒87)。また、目指していたマラソンでの代表権を逃したのちに10000mに切り替えての挑戦で出場を果たしていた安藤選手は、スタートから後方に位置しての走りとなり、32分40秒77・22位でレースを終えました。

一方、ギディ選手がレースをつくる形で激化していった優勝争いは、残り6周となったところで、ギディ選手、ハッサン選手、カルキダン・ゲザヘグネ選手(バーレーン)の3人に絞られました。3人はこの位置のままラスト1周を迎えましたが、残り200mと切ったところでハッサン選手が渾身のスパート。29分55秒32でフィニッシュし、1500mとの2冠を達成しました。2位にはハッサン選手に続いてギディ選手をかわしたカルキダン選手が29分56秒18で先着。ギディ選手は30分01秒72で3位となりました。

男子1500m 決勝

男子1500mは、今季進境著しいヤコブ・インゲブリクトセン選手(ノルウェー)がスタートしてすぐにトップに立ったのを、2019年ドーハ世界選手権覇者で、今季世界リスト1位でこの大会を迎えていたティモシー・チェルイヨット選手(ケニア)が400m過ぎでかわすと、ハイペースで飛ばしていく展開となりました。残り1周を迎えてチェルイヨット選手の“大逃げ”が成功するかと思われましたが、ずっと2番手についていたインゲブリクトセン選手が最終コーナーを抜けるところで逆転。世界歴代8位となる3分28秒32のオリンピックレコードをマークして優勝しました。3分29秒01で続いた2位のチェルイヨット選手を含めて上位4選手が3分29秒台をマーク。今季世界リスト1~4位を占めるハイレベルな結果でした。

男子やり投 決勝

男子やり投決勝では、予選から好調を示していたニーラージ・チョプラ選手(インド)が1回目で87m03をマークしてトップに立つと、2回目に87m58へと記録を伸ばします。これを逆転する選手は現れず、この種目ではアジア勢初となる金メダルが決まりました。

男女4×400mリレー 決勝

トラック最終種目となった男女4×400mリレーは、アメリカが圧倒的な強さを見せました。先に行われた女子は、決勝に向けて温存していた400m銅メダリストのアリソン・フェリックス選手を2走に据えたほか、1走に400mハードルで世界記録を出して優勝したシドニー・マクラフリン選手、3走に同2位で世界歴代2位の記録をマークしたダリラ・ムハンマド選手、そしてアンカーには800m金メダリストとなったアシング・ムー選手を起用。なんとトップタイムで通過した予選から、メンバーを“総取っ替え”する、まさに「ドリームチーム」ともいえるオーダーで臨みました。当然、スタートから完全な横綱レースとなり、2000年以降では世界最高記録となる3分16秒85で2位3秒以上の差をつけて圧勝し、1996年アトランタ大会から続くアメリカの連勝回数を「7」に。4選手のラップタイムは、1走から順に、50.21、49.3、48.94、48.32というハイレベルなものでした。この結果、前日の400mで女子史上最多となる10個の五輪通算メダル獲得を果たしていたフェリックス選手は、そのメダルの数を金メダルで「11」へと増やし、有終の美を飾りました。

東京オリンピックのトラック最終種目となった男子4×400mリレーは、予選を通過した8チームすべてが2分台をマークするというレベルの高さでしたが、その予選をトップで通過していたアメリカが、3走以外をすべて入れ替える鉄壁の態勢で臨んできました。1走を2番手で滑りだすと、2走のマイケル・ノーマン選手で首位に立ち、3走でリードを広げると、400mハードルで世界歴代2位の46秒17で銀メダルを獲得したライ・ベンジャミン選手が43秒40のラップで回って他チームを突き放し、今季世界最高の2分55秒70で2連覇を達成。世界歴代上位記録は8位までがアメリカが占めていますが、今回はその4番目、つまり世界歴代パフォーマンス4位となる好記録でした。なお、2走を務めたノーマン選手は、400mのハイライトでも触れた通り、日本にルーツを持つ選手。母が生まれ育った日本で臨むことになった初めてのオリンピックを、金メダル獲得で終えることができました。

女子走高跳 決勝

東京オリンピックのトラック&フィールド種目で、一番最後に勝敗が決まったのは、この日、一番最初に競技が開始されていた女子走高跳でした。マリア・ラシツケネ選手(ロシアオリンピック委員会)、ニコラ・マクダーモット選手(オーストラリア)、ヤロスラワ・マフチフ選手(ウクライナ)の3選手が2m00を跳んでメダル争いが確定したあと、2m02を世界選手権3連覇中のラシツケネ選手が1回目で跳んで力のあるところを見せつけましたが、ここでマクダーモット選手がオセアニア記録となるこの高さを2回目に成功させて食い下がります。この高さの2回目以降をパスしたマフチフ選手と3人で挑んだ2m04は、ラシツケネ選手が2回目にクリア。マクダーモット選手とマフチフ選手がともに失敗に終わったところで、五輪無冠のラシツケネ選手の初めてとなるオリンピック金メダルが確定しました。競技が終了したのは21時59分。国立競技場での9日間にわたる東京オリンピックが幕を閉じました。

文:児玉育美(JAAFメディアチーム)
写真提供:アフロスポーツ


▶【東京オリンピック】廣中璃梨佳、10000m歴代4位の好記録で7位入賞!~9日目イブニングセッション選手コメント~
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